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245.2宝の海図(島の西側の怪物2)✔
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クラーケンが動き出した。見せてくれている海の精霊には感謝しかない。胴体だけで十メートル以上ある。腕を広げれば三十メートルはあるのではないだろうか? 頭か胴体になるのだがタコよりはイカに近い姿をしている。タコの腕を持つイカだな。これは、かなり用心する必要がありそうだ。あんなに太い腕で巻きつかれたら、大きな帆船も握り潰されてしまうのも分かる。
まだゆっくりと海底を這うように移動しているが、間違いなくこの帆船に向かってきている。急に体の模様が変わりだし、体の色や模様までも、周囲に合わせて溶け込ませている。かなり知能も高そうだ。
この帆船に気がついたわけではなかった。近くにいた十メートルはありそうな甲羅のカニに狙いを定めているように見える。
カニが気づいて逃げようとしたが、クラーケンが一瞬早く飛びつくと何本もの腕で抱きついた。想像していたよりも泳ぐスピードが速いぞ。このクラーケンの熱烈な抱擁は遠慮したい。カニも巨大な鋏でクラーケンの腕を外そうともがいていたが直ぐに拘束されて動けなくなった。あの強力そうに見える鋏でもクラーケンの腕は切れないのだろうか? 直ぐにクラーケンの何本もある腕で拘束されてしまったからな。その判断はできないな。カニも抵抗を続けていたが、硬そうな甲羅も手足もバラバラにされてしまった。絶対にクラーケンの熱烈な抱擁は避けなければ。ああはなりたくないな。
あんなに上手に擬態されたら、襲われるまで気づける自信がない。クラーケンの擬態は身体的なモノなのか魔法なのか気になる。光学迷彩の魔法なら習得してみたい。かっこよすぎる! 海の精霊が見せてくれていなければ、分かっていても一度目を離したら見失ってしまうだろう。人魚達では手に負えないわけだ。
人魚達の話しぶりからすると、今も小さなクラーケンを捕獲して食べているそうだ。目と目の間が急所なのでグサッと刺せばいいらしい。捕獲を免れたクラーケンが大きく育ち、今度は人魚を捕食する側になったんだな。捕食する側であり、される側という、これこそが本当の意味での弱肉強食な関係だな。
さっきの巨大なカニも食べてみたい。あれだけ大きければ、身もいっぱい詰まっているだろう。おっと、クラーケンが大カニを食べ終わったみたいだ。お腹が膨れて満足したのか、沈没船の方向に泳いでいるが早い。水中ではクラーケンから逃げられそうにないな。あのまま変身魔道具で潜っていたら、今頃、酷い目に遭っていただろう。
大カニの犠牲により、クラーケンをじっくりと観察できたのはラッキーだった。きみの尊い犠牲を無駄にしない。仇は俺が取ってやるから安らかに眠ってほしい。しかし、さっきの泳ぎと解体ショーを見せられると、海中で倒す方法が浮かんでこないな。海中では爆裂弾も効果があるとは思えないし、こんな小さな棒手裏剣ではとても倒せそうにない。
やはり、海の上に出てきてもらうのがいいな。どうしても出てきてくれないときは諦めて海中戦を考えようかな。このクラーケンは満腹そうなので待っていても無駄な気がする。他のクラーケンを先に討伐した方がいいだろう。
海中で討伐する方法……何かいい方法があるだろうか?
俺の風、火、水の魔法では、海中にいるクラーケンに傷を負わせることは無理っぽい。
海底には砂や泥に岩がある。土魔法を使ってみよう。水深が百メートルよりも深かったようで発動させることができなかった。もう少し浅い場所に移動してみる。ラウンドアップにラウンドダウン。百メートル以内なら問題なく、土柱も壁も陸上とそんなに変わらずに作れる。……なんか閃いたかも。
気づかれなければいいけど……強度と完成するまでの時間がカギになりそうだが、一番の問題は、沈没船のある水深が百メートルよりも深い場所にあることだ。使いたくないが、土魔法を使うためには、変身の魔道具が必要になりそうだ。
まだゆっくりと海底を這うように移動しているが、間違いなくこの帆船に向かってきている。急に体の模様が変わりだし、体の色や模様までも、周囲に合わせて溶け込ませている。かなり知能も高そうだ。
この帆船に気がついたわけではなかった。近くにいた十メートルはありそうな甲羅のカニに狙いを定めているように見える。
カニが気づいて逃げようとしたが、クラーケンが一瞬早く飛びつくと何本もの腕で抱きついた。想像していたよりも泳ぐスピードが速いぞ。このクラーケンの熱烈な抱擁は遠慮したい。カニも巨大な鋏でクラーケンの腕を外そうともがいていたが直ぐに拘束されて動けなくなった。あの強力そうに見える鋏でもクラーケンの腕は切れないのだろうか? 直ぐにクラーケンの何本もある腕で拘束されてしまったからな。その判断はできないな。カニも抵抗を続けていたが、硬そうな甲羅も手足もバラバラにされてしまった。絶対にクラーケンの熱烈な抱擁は避けなければ。ああはなりたくないな。
あんなに上手に擬態されたら、襲われるまで気づける自信がない。クラーケンの擬態は身体的なモノなのか魔法なのか気になる。光学迷彩の魔法なら習得してみたい。かっこよすぎる! 海の精霊が見せてくれていなければ、分かっていても一度目を離したら見失ってしまうだろう。人魚達では手に負えないわけだ。
人魚達の話しぶりからすると、今も小さなクラーケンを捕獲して食べているそうだ。目と目の間が急所なのでグサッと刺せばいいらしい。捕獲を免れたクラーケンが大きく育ち、今度は人魚を捕食する側になったんだな。捕食する側であり、される側という、これこそが本当の意味での弱肉強食な関係だな。
さっきの巨大なカニも食べてみたい。あれだけ大きければ、身もいっぱい詰まっているだろう。おっと、クラーケンが大カニを食べ終わったみたいだ。お腹が膨れて満足したのか、沈没船の方向に泳いでいるが早い。水中ではクラーケンから逃げられそうにないな。あのまま変身魔道具で潜っていたら、今頃、酷い目に遭っていただろう。
大カニの犠牲により、クラーケンをじっくりと観察できたのはラッキーだった。きみの尊い犠牲を無駄にしない。仇は俺が取ってやるから安らかに眠ってほしい。しかし、さっきの泳ぎと解体ショーを見せられると、海中で倒す方法が浮かんでこないな。海中では爆裂弾も効果があるとは思えないし、こんな小さな棒手裏剣ではとても倒せそうにない。
やはり、海の上に出てきてもらうのがいいな。どうしても出てきてくれないときは諦めて海中戦を考えようかな。このクラーケンは満腹そうなので待っていても無駄な気がする。他のクラーケンを先に討伐した方がいいだろう。
海中で討伐する方法……何かいい方法があるだろうか?
俺の風、火、水の魔法では、海中にいるクラーケンに傷を負わせることは無理っぽい。
海底には砂や泥に岩がある。土魔法を使ってみよう。水深が百メートルよりも深かったようで発動させることができなかった。もう少し浅い場所に移動してみる。ラウンドアップにラウンドダウン。百メートル以内なら問題なく、土柱も壁も陸上とそんなに変わらずに作れる。……なんか閃いたかも。
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