426 / 446
連載
376.世界樹の苗木と精霊の種を植えた(ジョブチェンジ?)✔
しおりを挟む
帰国するため、パパ龍さん、ママ龍さんにお礼を伝えた。すると精霊の森に寄ってほしいと言われたのでチビ、ベビ、ベスと共に向かう。
チビとベビの体だがパパ龍さんの大きさに、あと一歩のところまで近づいている。ここまで大きくなれば襲われることもないだろうから、千年とかは余裕で生きるんじゃないかな。
精霊の森に到着すると張られていた結界がすーっと消えるように解除された。精霊たちが俺達に集まってくる。精霊に取り囲まれながら大きな木まで案内された。
大きな木の根元に、一・五メートルほどの肌の透き通った精霊の女王様が現れた。アゲハ蝶に似た羽は、向こう側が透けるほど薄くて透明だ。ゆっくりと羽ばたかせるたびに、角度によって、羽の色が変わって見える。精霊力が鱗粉のように宙に舞い、集まった下位精霊が乱舞している。
迷いの森の植物や差し込む日の光とのコントラストは、なんて幻想的なんだろうか! サーシャたちにも見せてあげたい。
〈邪神を倒してくださりありがとう、平和になったとみんな喜んでいます!〉
〈精霊たちも力を貸してくれたんです。それに勇者が意識を取り戻さなければ、僕はここにいませんでした……〉
精霊の女王様は俺を見つめており、まるで品定めでもしているかのようだ。
〈ずいぶんと若返ったと言うか小さくなりましたね!〉
気にしているんだけどな。
〈エリクシアでここまで治ったんですよ!〉
〈ええ、私も協力しましたからね!〉
お礼を言ってほしかったのか? エリクシアの製造には精霊の女王様の協力も必要だったな。
〈女王様、エリクシアの製造にご協力くださりありがとうございました!〉
姿勢を正し、深々とお辞儀をしながら言った。
〈あぁもう、お礼を言ってほしかったわけではありませんよ! 心配しているだけです!〉
念話は考えも伝わることがあるんだった、失敗したよ。俺の顔が赤くなっているかもしれない。
〈かなり弱っているように見えます、元に戻るのはまだかかりそうですね。そうだ、これから飛んで帰るのですよね? こちらを持ち帰って精霊のいる森に植えてください! きっと、あなたを護ってくれますよ!〉
そう言いながら、木の苗と透明な種のようなモノを渡された。
〈これは?〉
〈世界樹の苗木と精霊の種です。できるだけ早く植えてくださいね、枯れてしまいますから!〉
急かすように精霊の女王様に言われた。魔大陸に来たついでなので、森のエルフにも挨拶を考えていたんだが、諦めて帰路についた。
チビとベビだが体も大きくなっているため、更に飛行速度が上がっている。チビの背中にはベスとエリクシアの容器が数個載せてあり、ベビの背中には世界樹の苗木と精霊の種、あと俺が乗っている。
チビとベビが突然、飛行速度を落とす。何があるんだ? 眼下には海が広がっており島も何もないんだが。
〈ママ、ここで戦ったなノ!〉〈なんにも残っていないダォ!〉
〈島がなくなったの?〉
ベビが海面近くまで降下してくれ、海底に島の痕跡らしき岩などがドーナツ状に確認できた。
〈島民は助かった?〉
〈アルママと邪神が戦っている時に人魚の島に逃げてもらったダォ!〉
逃げれるだけの時間があったなんて、そんなに長い時間戦っていたんだな。チビが言い終わるとスピードを上げ、ベビも後に続きグングンとスピードが上がって行く。
製塩所と停泊している何隻もの白い帆船が見える、船着き場も延長したみたいだ。
一年ぶり、やっと帰って来れた。
道の上空を飛行していると左手にエグザイルエルフの開拓した村が見えてきた。かなり開拓が進んでいるようだが、下級精霊しか感じることができない。
魔大陸から来た精霊はここにはいないようだ。となると火山の近くにいるのだろう。
溶岩に覆われていた大地に緑が見えている。精霊たちの仕事なのだろう、でなければこんなに短期間で植物が生えるとは思えない。
透き通るような女性の姿をした上位精霊がいた、他にも中位精霊に下位精霊も集まっている。
俺が来ることが分かっていたかのようだ。
上位精霊の元にチビとベビが降下すると精霊たちが温かく迎えてくれた。上位精霊に世界樹の苗木と精霊の種を手渡す。
〈ありがとうございます。それでは一緒に行きましょう!〉
上位精霊は透き通っているため、表情を読み取りにくいが、にっこりと微笑んでくれたように見えた。
ついて行くと火山から少し離れた森の中に案内された。
〈ここに植えましょう!〉
上位精霊が差し示す。俺は土の魔法グランドダウンとグランドアップを発動させようとして失敗した。
メチャクチャ恥ずかしいな。代わりに土の精霊が穴を掘ってくれた。
嫌な予感がしつつも、ホバリングできないか風の魔法を発動してみる。……ダメだった。代わりに風の精霊が俺の体を持ち上げてくれる、メチャクチャ恥ずかしい。お願いして下ろしてもらった。
苗木と種に水……恥をかきそうだな魔法は止めておこう。水の精霊がジャブジャブと水を与えてくれた。
魔法を使えなくなったのか? 結果的には目的は達成できてはいるんだけど、これだと精霊使いになるんじゃないかな!?
少し待っていたら世界樹の苗木が光りだし、グングンと成長し始めた。この勢いなら直ぐに大きな木に成長しそうだな。前世なら特定外来種とかに指定されるんじゃないかな。
精霊の種は少し日数がかかり、直ぐに芽が出たりはしないそうだ。
頼まれたことはやったので屋敷に帰ることにする。
魔法も使えなくなっているんだが、なんと説明すればいいだろうか? 小さな子供の姿になっており、俺だと分かってもらえるだろうか? 胃が痛くなってきたな。
チビとベビの体だがパパ龍さんの大きさに、あと一歩のところまで近づいている。ここまで大きくなれば襲われることもないだろうから、千年とかは余裕で生きるんじゃないかな。
精霊の森に到着すると張られていた結界がすーっと消えるように解除された。精霊たちが俺達に集まってくる。精霊に取り囲まれながら大きな木まで案内された。
大きな木の根元に、一・五メートルほどの肌の透き通った精霊の女王様が現れた。アゲハ蝶に似た羽は、向こう側が透けるほど薄くて透明だ。ゆっくりと羽ばたかせるたびに、角度によって、羽の色が変わって見える。精霊力が鱗粉のように宙に舞い、集まった下位精霊が乱舞している。
迷いの森の植物や差し込む日の光とのコントラストは、なんて幻想的なんだろうか! サーシャたちにも見せてあげたい。
〈邪神を倒してくださりありがとう、平和になったとみんな喜んでいます!〉
〈精霊たちも力を貸してくれたんです。それに勇者が意識を取り戻さなければ、僕はここにいませんでした……〉
精霊の女王様は俺を見つめており、まるで品定めでもしているかのようだ。
〈ずいぶんと若返ったと言うか小さくなりましたね!〉
気にしているんだけどな。
〈エリクシアでここまで治ったんですよ!〉
〈ええ、私も協力しましたからね!〉
お礼を言ってほしかったのか? エリクシアの製造には精霊の女王様の協力も必要だったな。
〈女王様、エリクシアの製造にご協力くださりありがとうございました!〉
姿勢を正し、深々とお辞儀をしながら言った。
〈あぁもう、お礼を言ってほしかったわけではありませんよ! 心配しているだけです!〉
念話は考えも伝わることがあるんだった、失敗したよ。俺の顔が赤くなっているかもしれない。
〈かなり弱っているように見えます、元に戻るのはまだかかりそうですね。そうだ、これから飛んで帰るのですよね? こちらを持ち帰って精霊のいる森に植えてください! きっと、あなたを護ってくれますよ!〉
そう言いながら、木の苗と透明な種のようなモノを渡された。
〈これは?〉
〈世界樹の苗木と精霊の種です。できるだけ早く植えてくださいね、枯れてしまいますから!〉
急かすように精霊の女王様に言われた。魔大陸に来たついでなので、森のエルフにも挨拶を考えていたんだが、諦めて帰路についた。
チビとベビだが体も大きくなっているため、更に飛行速度が上がっている。チビの背中にはベスとエリクシアの容器が数個載せてあり、ベビの背中には世界樹の苗木と精霊の種、あと俺が乗っている。
チビとベビが突然、飛行速度を落とす。何があるんだ? 眼下には海が広がっており島も何もないんだが。
〈ママ、ここで戦ったなノ!〉〈なんにも残っていないダォ!〉
〈島がなくなったの?〉
ベビが海面近くまで降下してくれ、海底に島の痕跡らしき岩などがドーナツ状に確認できた。
〈島民は助かった?〉
〈アルママと邪神が戦っている時に人魚の島に逃げてもらったダォ!〉
逃げれるだけの時間があったなんて、そんなに長い時間戦っていたんだな。チビが言い終わるとスピードを上げ、ベビも後に続きグングンとスピードが上がって行く。
製塩所と停泊している何隻もの白い帆船が見える、船着き場も延長したみたいだ。
一年ぶり、やっと帰って来れた。
道の上空を飛行していると左手にエグザイルエルフの開拓した村が見えてきた。かなり開拓が進んでいるようだが、下級精霊しか感じることができない。
魔大陸から来た精霊はここにはいないようだ。となると火山の近くにいるのだろう。
溶岩に覆われていた大地に緑が見えている。精霊たちの仕事なのだろう、でなければこんなに短期間で植物が生えるとは思えない。
透き通るような女性の姿をした上位精霊がいた、他にも中位精霊に下位精霊も集まっている。
俺が来ることが分かっていたかのようだ。
上位精霊の元にチビとベビが降下すると精霊たちが温かく迎えてくれた。上位精霊に世界樹の苗木と精霊の種を手渡す。
〈ありがとうございます。それでは一緒に行きましょう!〉
上位精霊は透き通っているため、表情を読み取りにくいが、にっこりと微笑んでくれたように見えた。
ついて行くと火山から少し離れた森の中に案内された。
〈ここに植えましょう!〉
上位精霊が差し示す。俺は土の魔法グランドダウンとグランドアップを発動させようとして失敗した。
メチャクチャ恥ずかしいな。代わりに土の精霊が穴を掘ってくれた。
嫌な予感がしつつも、ホバリングできないか風の魔法を発動してみる。……ダメだった。代わりに風の精霊が俺の体を持ち上げてくれる、メチャクチャ恥ずかしい。お願いして下ろしてもらった。
苗木と種に水……恥をかきそうだな魔法は止めておこう。水の精霊がジャブジャブと水を与えてくれた。
魔法を使えなくなったのか? 結果的には目的は達成できてはいるんだけど、これだと精霊使いになるんじゃないかな!?
少し待っていたら世界樹の苗木が光りだし、グングンと成長し始めた。この勢いなら直ぐに大きな木に成長しそうだな。前世なら特定外来種とかに指定されるんじゃないかな。
精霊の種は少し日数がかかり、直ぐに芽が出たりはしないそうだ。
頼まれたことはやったので屋敷に帰ることにする。
魔法も使えなくなっているんだが、なんと説明すればいいだろうか? 小さな子供の姿になっており、俺だと分かってもらえるだろうか? 胃が痛くなってきたな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
7,590
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。