【完結】触れたら最後

イツキカズラ

文字の大きさ
39 / 87

39. たまらない

しおりを挟む
 久は俺を殺す気なのかもしれない。
 膝立ちで俺にまたがって、自分で挿入れようと俺のものに手を添えるその姿を目に焼き付ける。真剣にきゅっと一文字に結ばれた口が可愛い。また走馬灯に流す映像がひとつ増えた。腰を落とさせたい衝動をシーツを掴んで握りつぶす。久が自分からしてくれるなんてもうこんな機会はないだろうと思う。

「…っ…ん」

 浅いところばかりでそれ以上進みそうにない動きと悶える表情、その吐息にもどかしさが増していく。
 言ったら気にしてやめるから言わないけど、今日さっきから何回も自分で乳首いじってんのえっろ…。無意識?こないだ電話で言ったから癖になってんのかな。自分でいじって中締めてんのエロすぎる可愛い最高だ。

「久、浅いとこ気持ちぃね」
「んッ…」
「でも久がしてくれるんでしょ?ちゃんといれて」
「っ…ごめ…」

 荒い呼吸を鎮めながら久がゆっくりと腰を落とす。静かに快感に歪むその顔が愛おしくて永久保存したいと密かに思った。咥え込んだまま腰を前後にずりずりと擦りつけて甘い快感に酔いしれる姿をじぃっと見つめる。腰に手を添えるとハッとしたように慎重に沈められた腰がまた上がって下がってを繰り返し、緩やかに摩擦を始めた。慣れてくるとふうふうと呼吸を乱しながらテンポよく体を揺らすようになってたまらない。腰を上下するたびに付随して揺れ動く久のそれに視線が吸い込まれる。酷い視覚的暴力だ。

「…ふっ……ん…ん、う…葉…、気持ちいい?」

 熱に満ちた目で少々得意げにこちらを見やり、コテリと傾げられた扇情的な顔に頷く余裕もなく脳が、体が情欲に満たされて制御しようという考えにも至らなかった。
 夢中になって平たい腰を両手で掴み、一気に根元まで押し込む。

「ンッ!?はっ…あ!?…まっ、…あっう、んっ!ふ、ふか……おっ、ぁ…」

 激しく震わせられながらあっけなく白い体液を吐き出してぱたぱたと俺の腹を汚す姿に興奮し、ますます手に力が入る。突き上げるたびに零れ出る声もぼろぼろと溢れる涙にも煽られておさまる様子がない。

「ッ…~~~っ!あッ…!やっ!イって、ゔ!うっあ…おっ、おぐ!…ん…っ!」
「足立てて」
「ッ……や…あッは…、あ!!」
「久」

 へたりと倒れ込んだ久の唇を食む。涙に濡れた目も熱い舌も全てが俺を煽るものに感じる。汗で額に張り付く髪ですら愛おしい。

「ん……んう……ふ、…あッ…あ、んッ、きもちっ……っふ、…よお…いっぱいなんの、ッきもち…すき、好き」
「えっろ、俺も好き。久の中超気持ちい」

 どこか言葉選びを間違えたらしい。涙のたまった瞳で不服そうに睨むその顔も俺を煽るだけだ。

「ひーさ、唇噛まないで」

 キスしても固く結ばれたままの唇を舐める。ようやく開いた口から漏れる微かな声を堪能する。

「久、後ろ向こっか」
 
 上半身を起こし、腰上げさせて一度引き抜く。

「?…あ…なんで…、っ…」
「…気分?」

 「もっと声を聞きたい」なんて言えば口を結ぶのはわかっているからごまかした。

「久。自分で後ろ向ける?」
「っできる」

 向きを変えて自分でため息を漏らしながらつぷりと挿入する姿にまた股間が張り詰める。細かな表情の動きや言葉、それら一挙一動が正確にツボを突いてきて欲を掻き立ててくる。久は本当に俺の理性を崩すのが上手い。

「上手」
「っ…あッ⁉やッ、おっ奥!んッ、きもち…の、や、やばっい、……イッ…おッ…、ッ!」

 繋がっている部分がよく見える。目も耳も五感の全てが久に満たされているのに、際限なくもっともっと欲しくなって仕方ない。

「…ッ、あっう、~~~ッ、もッ、きついっきつ……んっ!あッ」
「ッごめ、久」

 体勢を変え、うつ伏せになった久に覆いかぶさってバツバツと腰をぶつけながら何度もうなじに唇を落とす。体とシーツの間に手を差し入れ、かたくなった胸の先を指の腹で押し潰す。すぐにきゅうきゅう中を締めてきて可愛い、食べてしまいたいと思う。

「久…すごい腰動いてる。可愛い、けど俺としてんのに床オナすんな」
「んぐっ…ん、アッ…ちがっ…し、してないッ…後ろっ…葉大の、気持ちい、から…ッ」
「そう。全部俺で気持ちよくなって」

 腕を引いて仰向けにさせると、蕩けた表情で何か言いたげに見つめられる。

「ん?前触ってほしい?」
「ちがう…んっ。」

 眉と瞼をぎゅっとした姿に欲が掻き立てられる。

「あぁ。かわい」
「…わかってんならはやくっ、しろよ」

 ん、ととんがった唇が可愛くて可愛くてもういいと背中を叩かれるまで貪った。もう何度も達して精液は出ないのに透明の体液を溢し続けて腹の上をびちゃびちゃに濡らすそこを指先で撫でる。

「見てびしゃびしゃ…。久も次からちゃんとゴムしよっか」
「あ、あ…ッ!んう、…あッ…やば、どっちもっ…~ッ!」
「んっ…」

 快感に眉を寄せる久に優しくしたい気持ちともっと乱したいという気持ちが自分の中でぐちゃぐちゃになっていく。絡めた指が離れないように力を込めた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

【完】君に届かない声

未希かずは(Miki)
BL
 内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。  ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。 すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。 執着囲い込み☓健気。ハピエンです。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

処理中です...