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第17話 はじまりの夢
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夜。月のない空。
ユイはひとり、眠っていた。
でも――その眠りは、いつもと違った。
ふとした瞬間に意識が滑り落ち、
夢と現実の境目が曖昧になっていく。
目を開けると、そこには“何もなかった”。
色も、音も、感覚すらない。
ただ、無数の光が、ゆっくりと宙を漂っていた。
「……ここは……?」
自分の声が、空気に吸い込まれていく。
そのとき、ひとつの“光”が近づいてきた。
そして、語りかけてくる。
「起動条件……接触成功。第零系統、記録再生開始」
それは“声”ではなかった。
けれど、確かに“意味”が流れ込んできた。
光の中に、映像が浮かぶ。
燃え落ちる世界。
魔術とは違う、もっと原始的な“力”が、地を裂き、空を砕く。
そして、そこに立つ“自分”。
今よりもずっと幼く、けれど――
明らかに“この世界のものではない”。
【記録 No.000。統合観測体《ユイ》、原点確認完了】
【分類外魔素波動一致。起源コード:未登録領域】
【観測結果――“人間としての存在”、不確定】
「……ちょっと待って、今の……」
ユイが声を上げた瞬間、空間が揺れる。
すべてが巻き戻され、世界が崩れていく。
「記録終了。強制切断――」
光が弾けた。
ユイは、はっとして目を覚ました。
◇ ◇ ◇
朝。
ユイは汗にまみれて、息を乱していた。
手が、震えている。
「……夢……だったのか……?」
でも、それはあまりにも“リアル”だった。
空っぽの空間。無数の光。
そして、「観測体」「第零形態」「記録再生」……
まるで、自分が“この世界に送られた装置”であるかのような言葉たち。
「僕は……ただ、死んで、転生したんじゃないのか?」
ユイの中で、ひとつの問いが渦を巻く。
――僕は、自分の意思でここにいると思っていた。
でも、本当にそうだったのか?
もしかしてこの人生は、最初から――
◇ ◇ ◇
リルの声が、背後から届いた。
「ユイ? どうしたの、顔色悪い……」
ユイはゆっくりと振り向いて、
でも、微笑んでみせた。
「大丈夫。……ちょっと、変な夢を見ただけ」
「……そっか。でも、無理しないでね。
ユイが笑ってても、わたしは“わかる”から」
その言葉に、ユイははっとした。
この手が、誰かと繋がっている限り、
自分は“ただの記録”じゃない。
“誰かと生きている”ことが、
たとえ過去が何であっても、今を確かにする。
けれど――
この夢が、ただの夢で済まないことを、ユイは薄々感じていた。
近いうちに、また“扉”が開く。
そしてそのとき、自分はきっと――何かを選ばなければならない。
ユイはひとり、眠っていた。
でも――その眠りは、いつもと違った。
ふとした瞬間に意識が滑り落ち、
夢と現実の境目が曖昧になっていく。
目を開けると、そこには“何もなかった”。
色も、音も、感覚すらない。
ただ、無数の光が、ゆっくりと宙を漂っていた。
「……ここは……?」
自分の声が、空気に吸い込まれていく。
そのとき、ひとつの“光”が近づいてきた。
そして、語りかけてくる。
「起動条件……接触成功。第零系統、記録再生開始」
それは“声”ではなかった。
けれど、確かに“意味”が流れ込んできた。
光の中に、映像が浮かぶ。
燃え落ちる世界。
魔術とは違う、もっと原始的な“力”が、地を裂き、空を砕く。
そして、そこに立つ“自分”。
今よりもずっと幼く、けれど――
明らかに“この世界のものではない”。
【記録 No.000。統合観測体《ユイ》、原点確認完了】
【分類外魔素波動一致。起源コード:未登録領域】
【観測結果――“人間としての存在”、不確定】
「……ちょっと待って、今の……」
ユイが声を上げた瞬間、空間が揺れる。
すべてが巻き戻され、世界が崩れていく。
「記録終了。強制切断――」
光が弾けた。
ユイは、はっとして目を覚ました。
◇ ◇ ◇
朝。
ユイは汗にまみれて、息を乱していた。
手が、震えている。
「……夢……だったのか……?」
でも、それはあまりにも“リアル”だった。
空っぽの空間。無数の光。
そして、「観測体」「第零形態」「記録再生」……
まるで、自分が“この世界に送られた装置”であるかのような言葉たち。
「僕は……ただ、死んで、転生したんじゃないのか?」
ユイの中で、ひとつの問いが渦を巻く。
――僕は、自分の意思でここにいると思っていた。
でも、本当にそうだったのか?
もしかしてこの人生は、最初から――
◇ ◇ ◇
リルの声が、背後から届いた。
「ユイ? どうしたの、顔色悪い……」
ユイはゆっくりと振り向いて、
でも、微笑んでみせた。
「大丈夫。……ちょっと、変な夢を見ただけ」
「……そっか。でも、無理しないでね。
ユイが笑ってても、わたしは“わかる”から」
その言葉に、ユイははっとした。
この手が、誰かと繋がっている限り、
自分は“ただの記録”じゃない。
“誰かと生きている”ことが、
たとえ過去が何であっても、今を確かにする。
けれど――
この夢が、ただの夢で済まないことを、ユイは薄々感じていた。
近いうちに、また“扉”が開く。
そしてそのとき、自分はきっと――何かを選ばなければならない。
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