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ヒトのキョウカイ3巻(時給より安い命)
10 (音を見る少女)
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「「乾杯」」
カリンとガラスのグラスをぶつける音がする。
テーブルを囲っているのはナオ、トヨカズ、レナ、ロウだ。
エレクトロン組は ワームについて調べているらしく…来ていない。
戦闘が終わり、トヨカズとレナにロウは味気ない食事を取り その後、皆で集まってARで食事をしていた。
トヨカズがビールジョッキを傾け、グビグビ行く。
「ぷふぁあ~それにしても楽勝だったな…。」
「ああ拍子抜けだった…。」
ナオが言う…事前に進行位置が分かり、戦術が十分に効いていた事もあって撃墜されたDLは出なかった。
弾の消耗も許容範囲以内に収め、すべてこちらの目論見通りに進んだ。
「それが、そうでもないらしいのね。」
レナが言う。
「まさか またワームか?」
「まだ確定じゃ無いけど…数が合わない見たい。
作戦前に観測した個体数は最低2万以上…なのに今回投入された個体は精々1万程度。」
「もう1戦起きるって事か…。」
楽に倒せたのは1万しか いなかったからか…。
「今クオリアが 周辺海域を探しているらしいんだけど…見当たら無いらしいのよ。
何処に潜んでいるのかしら…」
「まさか…ステルスか?」
「流石にそれはまだ…でも戦闘中の音に紛れて後方部隊が移動した可能性がある見たい」
「なら、オレ達はどうするんだ?」
「ワームは海岸から真っすぐ『ピースクラフト』に向っていたから、迂回して海中からピースクラフトに向かっている可能性があるの。
となると戦闘の許可を取らないと行けないのね…。」
レナが「はぁぁ」っと深いため息を付く。
今回はスレイブロイドファクトリーのテリトリー内で叩く事で 対処したが…。
「あの平和主義の都市から戦闘許可を貰うのはかなり難しいんじゃないか?」
ナオがワインを飲みつつ、レナに言う。
「でしょうね…でもそこは私 が如何《どう》にかしないと…。
だから明日 ピースクラフトに向かうわ…。
展開速度が遅いドラムキングが配置し終ったしね。」
損失機が出なかったことで ワームの死骸の撤去も もう始まっている。
これが眠らず永遠と働いてくれるドラムの利点だな…。
「まぁ今夜中に来ることは無いでしょうから…ゆっくり休みましょう。」
「だな…。」
午後8時…夕日が沈み当たりが暗くなる時間帯…ハルミは検査機をワームに当てて周る。
ハルミは アサルトライフルを使えるが、ワームには大して意味が無い為、完全に無力だ。
その為、ジガに護衛をしてもらっている。
「やっぱり…大した収獲は無しか…」
ワームは消化器官は無く、それどころか何処《どこ》からエネルギーを供給しているのかさえ 分からない。
分かっているのは 全身が稼働する脳みそで構成されている位だ。
「オイ、ハルミ!!まだ生きている個体があるぞ」
ジガの声に近くにいたドラムキングが駆けつける。
ワームは塹壕内に埋まっていて上からワームが のしかかった事で、弾の貫通を防げたらしい。
ドラムキングがワームに銃を向け、ジガが埋まっているワームを掘り起こす。
そして、ハルミが生きたワームに検査機を刺した。
「よし、寄生虫を見つけた。」
更に検査機を打ち込みワームのデータをキューブに抽出…。
「よし…ジガ、ワームの頭を撃ち抜け」
空間ハッキングで即席のコイルガンを作り撃つ。
至近から、コイルガンの弾を浴び、流石のワームの固い甲羅も貫通し内部を破壊する。
「おお、ワーム内のデータが消えていく…。
ダメージを受けてネットワークから切り離させるとデータが消失するのか。」
ネットワーク内が 汚染される事を警戒しワームの連結を解き、ありとあらゆるデータを消した。
がこっちは生存個体からのデータのコピーが出来た…大収穫と言っても良い。
もし、こちらで ワームをネットワークから切り離す事が出来れば、宇宙中のワームを停止に追い込む事も出来る。
自壊プログラムがワーム内に内蔵されているなら更にやりやすい。
「まぁ持ち帰って解析してみれば分かるか…。」
解析するには 私のスペックでは圧倒的に足りないだろうし、ウイルスの類があった場合 更に面倒だ。
エクスマキナに戻ってから完全隔離の元、解析かな。
クオリアは水中を『スーパーキャビテーション』で進んでいく。
自身の身体を魚雷のような形のシールドで覆い、シールド自体に熱を発生させ周りの海水を気化させる…。
全身が気体に包まれる事で、密度が低下し空と同じような速度で海中を飛べる。
キャビテーション時に発生する音を利用して、アクティブ・ソナーの変わりに使い、音の反響音からワームを探知する。
ワーム自身が発生させる音紋を見つけるパッシブ・ソナーの方が確実なのだが…調べる海域が膨大で いちいち止まって調べる事は出来ない。
『海底を移動しているサイズが5m程度の集団』は見つからない…か。
夜の海中は真っ暗で視界は0だ。
クオリアは目を閉じ進む…速度を落とし辺りを周《まわ》る。
小さな小魚が避ける…下にあるのは海藻か?それを食べる生き物…。
地形に音が跳ね返る音…クオリアは 音から映像をイメージする。
これが、カナリアの見ていた光景か…。
カナリアは、このノイズを音楽として見ていた。
確かに目で見るのとは随分感覚が違うな…。
クオリアは、しばらくこの自然の音楽を聴いた後、進路を変え前を聞きながらまた、進みだした。
そして海底には、穴を掘って土に埋まっている1匹のワームがいた。
クオリアは気づいていない。
カリンとガラスのグラスをぶつける音がする。
テーブルを囲っているのはナオ、トヨカズ、レナ、ロウだ。
エレクトロン組は ワームについて調べているらしく…来ていない。
戦闘が終わり、トヨカズとレナにロウは味気ない食事を取り その後、皆で集まってARで食事をしていた。
トヨカズがビールジョッキを傾け、グビグビ行く。
「ぷふぁあ~それにしても楽勝だったな…。」
「ああ拍子抜けだった…。」
ナオが言う…事前に進行位置が分かり、戦術が十分に効いていた事もあって撃墜されたDLは出なかった。
弾の消耗も許容範囲以内に収め、すべてこちらの目論見通りに進んだ。
「それが、そうでもないらしいのね。」
レナが言う。
「まさか またワームか?」
「まだ確定じゃ無いけど…数が合わない見たい。
作戦前に観測した個体数は最低2万以上…なのに今回投入された個体は精々1万程度。」
「もう1戦起きるって事か…。」
楽に倒せたのは1万しか いなかったからか…。
「今クオリアが 周辺海域を探しているらしいんだけど…見当たら無いらしいのよ。
何処に潜んでいるのかしら…」
「まさか…ステルスか?」
「流石にそれはまだ…でも戦闘中の音に紛れて後方部隊が移動した可能性がある見たい」
「なら、オレ達はどうするんだ?」
「ワームは海岸から真っすぐ『ピースクラフト』に向っていたから、迂回して海中からピースクラフトに向かっている可能性があるの。
となると戦闘の許可を取らないと行けないのね…。」
レナが「はぁぁ」っと深いため息を付く。
今回はスレイブロイドファクトリーのテリトリー内で叩く事で 対処したが…。
「あの平和主義の都市から戦闘許可を貰うのはかなり難しいんじゃないか?」
ナオがワインを飲みつつ、レナに言う。
「でしょうね…でもそこは私 が如何《どう》にかしないと…。
だから明日 ピースクラフトに向かうわ…。
展開速度が遅いドラムキングが配置し終ったしね。」
損失機が出なかったことで ワームの死骸の撤去も もう始まっている。
これが眠らず永遠と働いてくれるドラムの利点だな…。
「まぁ今夜中に来ることは無いでしょうから…ゆっくり休みましょう。」
「だな…。」
午後8時…夕日が沈み当たりが暗くなる時間帯…ハルミは検査機をワームに当てて周る。
ハルミは アサルトライフルを使えるが、ワームには大して意味が無い為、完全に無力だ。
その為、ジガに護衛をしてもらっている。
「やっぱり…大した収獲は無しか…」
ワームは消化器官は無く、それどころか何処《どこ》からエネルギーを供給しているのかさえ 分からない。
分かっているのは 全身が稼働する脳みそで構成されている位だ。
「オイ、ハルミ!!まだ生きている個体があるぞ」
ジガの声に近くにいたドラムキングが駆けつける。
ワームは塹壕内に埋まっていて上からワームが のしかかった事で、弾の貫通を防げたらしい。
ドラムキングがワームに銃を向け、ジガが埋まっているワームを掘り起こす。
そして、ハルミが生きたワームに検査機を刺した。
「よし、寄生虫を見つけた。」
更に検査機を打ち込みワームのデータをキューブに抽出…。
「よし…ジガ、ワームの頭を撃ち抜け」
空間ハッキングで即席のコイルガンを作り撃つ。
至近から、コイルガンの弾を浴び、流石のワームの固い甲羅も貫通し内部を破壊する。
「おお、ワーム内のデータが消えていく…。
ダメージを受けてネットワークから切り離させるとデータが消失するのか。」
ネットワーク内が 汚染される事を警戒しワームの連結を解き、ありとあらゆるデータを消した。
がこっちは生存個体からのデータのコピーが出来た…大収穫と言っても良い。
もし、こちらで ワームをネットワークから切り離す事が出来れば、宇宙中のワームを停止に追い込む事も出来る。
自壊プログラムがワーム内に内蔵されているなら更にやりやすい。
「まぁ持ち帰って解析してみれば分かるか…。」
解析するには 私のスペックでは圧倒的に足りないだろうし、ウイルスの類があった場合 更に面倒だ。
エクスマキナに戻ってから完全隔離の元、解析かな。
クオリアは水中を『スーパーキャビテーション』で進んでいく。
自身の身体を魚雷のような形のシールドで覆い、シールド自体に熱を発生させ周りの海水を気化させる…。
全身が気体に包まれる事で、密度が低下し空と同じような速度で海中を飛べる。
キャビテーション時に発生する音を利用して、アクティブ・ソナーの変わりに使い、音の反響音からワームを探知する。
ワーム自身が発生させる音紋を見つけるパッシブ・ソナーの方が確実なのだが…調べる海域が膨大で いちいち止まって調べる事は出来ない。
『海底を移動しているサイズが5m程度の集団』は見つからない…か。
夜の海中は真っ暗で視界は0だ。
クオリアは目を閉じ進む…速度を落とし辺りを周《まわ》る。
小さな小魚が避ける…下にあるのは海藻か?それを食べる生き物…。
地形に音が跳ね返る音…クオリアは 音から映像をイメージする。
これが、カナリアの見ていた光景か…。
カナリアは、このノイズを音楽として見ていた。
確かに目で見るのとは随分感覚が違うな…。
クオリアは、しばらくこの自然の音楽を聴いた後、進路を変え前を聞きながらまた、進みだした。
そして海底には、穴を掘って土に埋まっている1匹のワームがいた。
クオリアは気づいていない。
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