⊕ヒトのキョウカイ⊕【未来転生したオレは、星を軽くぶっ壊すチート機械少女と共にこの幻実(せかい)で生きて行く…。】

Nao

文字の大きさ
108 / 207
ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)

18 (お手軽核爆弾)

しおりを挟む
 まだ生身の頃は 毎日のジョギングと筋トレが日課だったが、こっちに来てからジョギングも筋トレもしていない。
 義体で筋トレした所で無意味だし、息切れや そもそも肺の無い この身体でジョギングしても意味が無い。
 さて、最近日課になりつつあるトレーニングは空間ハッキングのトレーニングだ。
 今回のレースは空間ハッキングが解禁されるので本番までに物にしたい。
 いつも学校から帰り、6時頃に始め 7時頃の夕食までやる。

 ナオは自分の部屋に戻るとベットに寝転がり、有線でフルダイブを開始する。
 ダイブ先はやけに広い体育館で ナオの服装はいつもの緑色のパイロットスーツだ。
 ナオはARウィンドウを開き、いくつかのキーを押しトレーニングを始める。
 大量の敵兵士が体育館中に配置されて行く…。
 オレは体育館の中心に立ち、背中に量子フライトユニットを展開する。
 敵兵士がこちらに向け構えているのはアサルトライフル…。
「はあぁぁぁぁ」
 仮想の空気を吐き出し、意識を集中させる…。
「撃て!!」
 敵兵士の声に合わせてナオの思考が加速した。
 敵兵士からの発砲…次々と銃から弾が吐き出されていく。
 ナオはハイスピード撮影をしたかのように見える その弾を最小限の動作で回避し続ける。
 撃ち尽くした敵兵士が何処どこからか湧《わ》いてくるマガジンを装填し、兵士が次々に弾をナオに向けて撃ち、ナオは ひたすら回避する。
 如何いかにナオの思考速度が加速しているからと言っても通常の義体でここまでの反応速度は出せない。
 そこでナオは、自分の身体自体を空間ハッキングで直接操作する。
 コード名は『マリオネット』。
 これにより、身体の反応速度は物理限界まで速くなり、弾を見て回避する事が現実レベルで出来るようになる。
 ただ、避けるスペースが無い面制圧に対しては全くの効果が無い。
 オレの思考を読んだかのように敵兵士が面制圧に移り、その中の1発が偶然、オレの頭に向かってくる…回避不能。
 オレは即座にそれを判断し 分解のコードをピンポイント展開し、展開した場所にあるすべての物を原子レベルまで分解し無害化する。
 よし分解できた。
 だが義体の制御が疎《おろそ》かになり、僅《わず》かだが次弾への対応が遅れる。
 次も分解、次も次も次も…。
 もはや回避は間に合わず、ひたすら銃弾を分解していく…。
 クオリアなら全身に展開するだろうが…オレは まだ、そこまでは出来ない。
 オレは演算を無意識のレベルで行っているが、演算リソースを食われている感覚がする。
 1かんの処理能力を持つオレのブレインキューブは、この程度は処理の内に入らないレベルなのだが、まだキューブの能力をすべて使える訳では無い。
 ほぼ無限の処理速度があってもオレOSのスペックが上限になり、完全に宝の持ち腐れ状態なのだ。
 あっ
 演算が遅れた…しかも最もマズイ所で…。
 咄嗟とっさそれを理解し、次にエラーコードが正面に表示される。
 ナオの目の前が光り熱を発生させる…それは核分裂の光。
 ウラン?プロトニウム?…そんなのは必要無い。
 『分解』は鉛玉《なまりだま》さえ核分裂させ、その反応を止める為のコードが遅れ、爆発した。
 温度は4000℃…鉛《なまり》で量が少ないとは言え…体育館を焼き尽くすには十分な量だ。
 体育館が灼熱《しゃくねつ》に包まれ…当然ながら オレは死んだ。

「ぐあはあ」
 危険を感知したナオの首が 接続端子の磁石を反発させ、コードを抜き飛ばした。
 回線を強制切断させられ、平衡感覚がおかしくなっているオレの視界に映る光景は、見慣れた天井に真實世界現実世界と書かれた画用紙が貼られている。
「今…何時だ?」
 ベットの横に置いてあるARでは無く ここではレトロな デジタル式の目覚まし時計を見る…。
 時間は6:50分…。
 体感時間は6時間程度…随分《ずぶん》無意識での演算が上手くなった。
 最初は10分で体感12時間だった処理も、意識に上らないで演算出来るようになって行った事で 体感時間がぐっと減り、処理出来る容量も随分《ずいぶん》と上がった。
 クオリアがオレに出した課題が体感時間の操作だった。
 いくら高処理が出来るキューブがあろうが、数千年の演算に意識が耐えられないからだ。 
 なので演算処理を無意識に出来るまで最適化を行い、意識表面は1倍に近づける。
 これは、数千年間、地道に演算だけして過ごしても問題無いクオリアには無縁な事なので、完全に自分頼りのトライ&エラーだ。
「一応実践レベルで出来るか…。」
 1つのミスで核分裂を起こしてしまう『分解』はともかく『マリオネット』は実践レベルで使えるだろう…。
 ただし、これがワームに使えるかと言うと別になるだろうが…。

 10分間の休憩の後、7時になりナオは食堂に向かう。
 ARの食事だから 食堂に行く必要は無いのだが、いつも皆が集まり騒《さわ》いでいるので食堂で食事を取る事にしている。
 トヨカズは 部屋で食べていてるだろうし、ハルミはいないし、レナはこのウイルス騒ぎで帰ってきて無いし…今日も市役所で泊まりか?
 残るはクオリアとジガにロウ…か。
 ナオはそう考えながら、食堂のスライドドアを開けた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鄧禹

橘誠治
歴史・時代
再掲になります。 約二千年前、古代中国初の長期統一王朝・前漢を簒奪して誕生した新帝国。 だが新も短命に終わると、群雄割拠の乱世に突入。 挫折と成功を繰り返しながら後漢帝国を建国する光武帝・劉秀の若き軍師・鄧禹の物語。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 歴史小説家では宮城谷昌光さんや司馬遼太郎さんが好きです。 歴史上の人物のことを知るにはやっぱり物語がある方が覚えやすい。 上記のお二人の他にもいろんな作家さんや、大和和紀さんの「あさきゆめみし」に代表される漫画家さんにぼくもたくさんお世話になりました。 ぼくは特に古代中国史が好きなので題材はそこに求めることが多いですが、その恩返しの気持ちも込めて、自分もいろんな人に、あまり詳しく知られていない歴史上の人物について物語を通して伝えてゆきたい。 そんな風に思いながら書いています。

ハルフェン戦記 -異世界の魔人と女神の戦士たち-

レオナード一世
ファンタジー
軌道エレベーターを築き上げ、月の植民地化まで果たした地球に生きるウィルフレッド。 アルマと呼ばれる生体兵器である彼は旧知との戦いのさなか、剣と魔法の異世界ハルフェンへと転移した。 彼は仲間と女神の巫女達とともに邪神ゾルドの復活を目論む邪神教団ゾルデと戦うことになるが… カクヨムにて同時掲載中。 他のイラストレータ様のキャラ等の依頼絵はtwitterにて。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき
ファンタジー
【書籍出ました!】 異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く異世界での日常を全力で楽しむ女子高生の物語。 暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!

ゴミスキルと追放された【万物鑑定】の俺、実は最強でした。Sランクパーティが崩壊する頃、俺は伝説の仲間と辺境で幸せに暮らしています

黒崎隼人
ファンタジー
Sランク勇者パーティのお荷物扱いされ、「ゴミスキル」と罵られて追放された鑑定士のアッシュ。 失意の彼が覚醒させたのは、森羅万象を見通し未来さえも予知する超チートスキル【万物鑑定】だった! この力を使い、アッシュはエルフの少女や凄腕の鍛冶師、そして伝説の魔獣フェンリル(もふもふ)といった最強の仲間たちを集め、辺境の町を大発展させていく。 一方、彼を追放した勇者たちは、アッシュのサポートを失い、ダンジョンで全滅の危機に瀕していた――。 「今さら戻ってこい? お断りだ。俺はこっちで幸せにやってるから」 底辺から駆け上がる痛快逆転ファンタジー、ここに開幕!

科学部と怪談の反応式

渋川宙
ミステリー
来年新入生が入らないと廃部になってしまう科学部。この危機を救うため、部長の上条桜太を筆頭に科学部が学園七不思議解明に乗り出した。これで成果を上げて新入生にアピールしようというのだが・・・・・・ 変人だらけの科学部に未来はあるのか!?

処理中です...