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ヒトのキョウカイ4巻(オレいつの間にか子持ちになっていました。)
18 (お手軽核爆弾)
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まだ生身の頃は 毎日のジョギングと筋トレが日課だったが、こっちに来てからジョギングも筋トレもしていない。
義体で筋トレした所で無意味だし、息切れや そもそも肺の無い この身体でジョギングしても意味が無い。
さて、最近日課になりつつあるトレーニングは空間ハッキングのトレーニングだ。
今回のレースは空間ハッキングが解禁されるので本番までに物にしたい。
いつも学校から帰り、6時頃に始め 7時頃の夕食までやる。
ナオは自分の部屋に戻るとベットに寝転がり、有線でフルダイブを開始する。
ダイブ先はやけに広い体育館で ナオの服装はいつもの緑色のパイロットスーツだ。
ナオはARウィンドウを開き、いくつかのキーを押しトレーニングを始める。
大量の敵兵士が体育館中に配置されて行く…。
オレは体育館の中心に立ち、背中に量子フライトユニットを展開する。
敵兵士がこちらに向け構えているのはアサルトライフル…。
「はあぁぁぁぁ」
仮想の空気を吐き出し、意識を集中させる…。
「撃て!!」
敵兵士の声に合わせてナオの思考が加速した。
敵兵士からの発砲…次々と銃から弾が吐き出されていく。
ナオはハイスピード撮影をしたかのように見える その弾を最小限の動作で回避し続ける。
撃ち尽くした敵兵士が何処からか湧《わ》いてくるマガジンを装填し、兵士が次々に弾をナオに向けて撃ち、ナオは ひたすら回避する。
如何にナオの思考速度が加速しているからと言っても通常の義体でここまでの反応速度は出せない。
そこでナオは、自分の身体自体を空間ハッキングで直接操作する。
コード名は『マリオネット』。
これにより、身体の反応速度は物理限界まで速くなり、弾を見て回避する事が現実レベルで出来るようになる。
ただ、避けるスペースが無い面制圧に対しては全くの効果が無い。
オレの思考を読んだかのように敵兵士が面制圧に移り、その中の1発が偶然、オレの頭に向かってくる…回避不能。
オレは即座にそれを判断し 分解のコードをピンポイント展開し、展開した場所にあるすべての物を原子レベルまで分解し無害化する。
よし分解できた。
だが義体の制御が疎《おろそ》かになり、僅《わず》かだが次弾への対応が遅れる。
次も分解、次も次も次も…。
もはや回避は間に合わず、ひたすら銃弾を分解していく…。
クオリアなら全身に展開するだろうが…オレは まだ、そこまでは出来ない。
オレは演算を無意識のレベルで行っているが、演算リソースを食われている感覚がする。
1澗の処理能力を持つオレのブレインキューブは、この程度は処理の内に入らないレベルなのだが、まだキューブの能力をすべて使える訳では無い。
ほぼ無限の処理速度があってもオレのスペックが上限になり、完全に宝の持ち腐れ状態なのだ。
あっ
演算が遅れた…しかも最もマズイ所で…。
咄嗟それを理解し、次にエラーコードが正面に表示される。
ナオの目の前が光り熱を発生させる…それは核分裂の光。
ウラン?プロトニウム?…そんなのは必要無い。
『分解』は鉛玉《なまりだま》さえ核分裂させ、その反応を止める為のコードが遅れ、爆発した。
温度は4000℃…鉛《なまり》で量が少ないとは言え…体育館を焼き尽くすには十分な量だ。
体育館が灼熱《しゃくねつ》に包まれ…当然ながら オレは死んだ。
「ぐあはあ」
危険を感知したナオの首が 接続端子の磁石を反発させ、コードを抜き飛ばした。
回線を強制切断させられ、平衡感覚がおかしくなっているオレの視界に映る光景は、見慣れた天井に真實世界と書かれた画用紙が貼られている。
「今…何時だ?」
ベットの横に置いてあるARでは無く ここではレトロな デジタル式の目覚まし時計を見る…。
時間は6:50分…。
体感時間は6時間程度…随分《ずぶん》無意識での演算が上手くなった。
最初は10分で体感12時間だった処理も、意識に上らないで演算出来るようになって行った事で 体感時間がぐっと減り、処理出来る容量も随分《ずいぶん》と上がった。
クオリアがオレに出した課題が体感時間の操作だった。
いくら高処理が出来るキューブがあろうが、数千年の演算に意識が耐えられないからだ。
なので演算処理を無意識に出来るまで最適化を行い、意識表面は1倍に近づける。
これは、数千年間、地道に演算だけして過ごしても問題無いクオリアには無縁な事なので、完全に自分頼りのトライ&エラーだ。
「一応実践レベルで出来るか…。」
1つのミスで核分裂を起こしてしまう『分解』はともかく『マリオネット』は実践レベルで使えるだろう…。
ただし、これがワームに使えるかと言うと別になるだろうが…。
10分間の休憩の後、7時になりナオは食堂に向かう。
ARの食事だから 食堂に行く必要は無いのだが、いつも皆が集まり騒《さわ》いでいるので食堂で食事を取る事にしている。
トヨカズは 部屋で食べていてるだろうし、ハルミはいないし、レナはこのウイルス騒ぎで帰ってきて無いし…今日も市役所で泊まりか?
残るはクオリアとジガにロウ…か。
ナオはそう考えながら、食堂のスライドドアを開けた。
義体で筋トレした所で無意味だし、息切れや そもそも肺の無い この身体でジョギングしても意味が無い。
さて、最近日課になりつつあるトレーニングは空間ハッキングのトレーニングだ。
今回のレースは空間ハッキングが解禁されるので本番までに物にしたい。
いつも学校から帰り、6時頃に始め 7時頃の夕食までやる。
ナオは自分の部屋に戻るとベットに寝転がり、有線でフルダイブを開始する。
ダイブ先はやけに広い体育館で ナオの服装はいつもの緑色のパイロットスーツだ。
ナオはARウィンドウを開き、いくつかのキーを押しトレーニングを始める。
大量の敵兵士が体育館中に配置されて行く…。
オレは体育館の中心に立ち、背中に量子フライトユニットを展開する。
敵兵士がこちらに向け構えているのはアサルトライフル…。
「はあぁぁぁぁ」
仮想の空気を吐き出し、意識を集中させる…。
「撃て!!」
敵兵士の声に合わせてナオの思考が加速した。
敵兵士からの発砲…次々と銃から弾が吐き出されていく。
ナオはハイスピード撮影をしたかのように見える その弾を最小限の動作で回避し続ける。
撃ち尽くした敵兵士が何処からか湧《わ》いてくるマガジンを装填し、兵士が次々に弾をナオに向けて撃ち、ナオは ひたすら回避する。
如何にナオの思考速度が加速しているからと言っても通常の義体でここまでの反応速度は出せない。
そこでナオは、自分の身体自体を空間ハッキングで直接操作する。
コード名は『マリオネット』。
これにより、身体の反応速度は物理限界まで速くなり、弾を見て回避する事が現実レベルで出来るようになる。
ただ、避けるスペースが無い面制圧に対しては全くの効果が無い。
オレの思考を読んだかのように敵兵士が面制圧に移り、その中の1発が偶然、オレの頭に向かってくる…回避不能。
オレは即座にそれを判断し 分解のコードをピンポイント展開し、展開した場所にあるすべての物を原子レベルまで分解し無害化する。
よし分解できた。
だが義体の制御が疎《おろそ》かになり、僅《わず》かだが次弾への対応が遅れる。
次も分解、次も次も次も…。
もはや回避は間に合わず、ひたすら銃弾を分解していく…。
クオリアなら全身に展開するだろうが…オレは まだ、そこまでは出来ない。
オレは演算を無意識のレベルで行っているが、演算リソースを食われている感覚がする。
1澗の処理能力を持つオレのブレインキューブは、この程度は処理の内に入らないレベルなのだが、まだキューブの能力をすべて使える訳では無い。
ほぼ無限の処理速度があってもオレのスペックが上限になり、完全に宝の持ち腐れ状態なのだ。
あっ
演算が遅れた…しかも最もマズイ所で…。
咄嗟それを理解し、次にエラーコードが正面に表示される。
ナオの目の前が光り熱を発生させる…それは核分裂の光。
ウラン?プロトニウム?…そんなのは必要無い。
『分解』は鉛玉《なまりだま》さえ核分裂させ、その反応を止める為のコードが遅れ、爆発した。
温度は4000℃…鉛《なまり》で量が少ないとは言え…体育館を焼き尽くすには十分な量だ。
体育館が灼熱《しゃくねつ》に包まれ…当然ながら オレは死んだ。
「ぐあはあ」
危険を感知したナオの首が 接続端子の磁石を反発させ、コードを抜き飛ばした。
回線を強制切断させられ、平衡感覚がおかしくなっているオレの視界に映る光景は、見慣れた天井に真實世界と書かれた画用紙が貼られている。
「今…何時だ?」
ベットの横に置いてあるARでは無く ここではレトロな デジタル式の目覚まし時計を見る…。
時間は6:50分…。
体感時間は6時間程度…随分《ずぶん》無意識での演算が上手くなった。
最初は10分で体感12時間だった処理も、意識に上らないで演算出来るようになって行った事で 体感時間がぐっと減り、処理出来る容量も随分《ずいぶん》と上がった。
クオリアがオレに出した課題が体感時間の操作だった。
いくら高処理が出来るキューブがあろうが、数千年の演算に意識が耐えられないからだ。
なので演算処理を無意識に出来るまで最適化を行い、意識表面は1倍に近づける。
これは、数千年間、地道に演算だけして過ごしても問題無いクオリアには無縁な事なので、完全に自分頼りのトライ&エラーだ。
「一応実践レベルで出来るか…。」
1つのミスで核分裂を起こしてしまう『分解』はともかく『マリオネット』は実践レベルで使えるだろう…。
ただし、これがワームに使えるかと言うと別になるだろうが…。
10分間の休憩の後、7時になりナオは食堂に向かう。
ARの食事だから 食堂に行く必要は無いのだが、いつも皆が集まり騒《さわ》いでいるので食堂で食事を取る事にしている。
トヨカズは 部屋で食べていてるだろうし、ハルミはいないし、レナはこのウイルス騒ぎで帰ってきて無いし…今日も市役所で泊まりか?
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