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本編
第二十八話:ささやかな願い *
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――二人は速攻で髪を乾かしてベッドに移動後、詠寿は人化薬を飲み直して人に化けると明澄とキスをし合った。
「――んっ、ふぁ……あっ」
わずかな薬の苦い味が舌にしみ込んでいて、明澄の舌に苦味が伝わる。
――キスだけでみっともなくイってしまいそう。
明澄はそう思うほど、うっとりと目を細めた。
漸く長いキスから解放されると明澄は肩で息をし、詠寿は余韻に浸るのもつかの間首筋に顔を埋め始めた。
――ちゅっ、ちぅ
「――あっ、ひぁっ」
「前から思っていたが……、首辺り弱いんだな?」
詠寿は明澄の首筋に顔を埋めてキスを落として明澄の敏感な部分を探し始め、前の経験で見つけていた明澄の性感帯と思わしき部分をなぞった。
「――ねぇ、詠寿さん」
「……どうした、明澄?」
明澄は情事の途中で上体を起こし、詠寿に話を振った。
「あのね……詠寿さん、気付いてた?」
「――何を?」
「実はね……砕波に媚薬盛られて詠寿さんに抱かれた日、あれが初めてだったんだよ?」
砕波に媚薬を盛られて身体の疼きと媚薬の毒を抜くために詠寿に抱かれた日が実は明澄の人生初のセックスだったことに、詠寿は気付いていたか聞いてみたのだった。
「えっ!? あぁ……そうだったのか」
「――気付かなかったの!?」
その言葉に目を点にする詠寿の反応に、処女だということに気付いていなかったのか明澄は驚いて聞くと顔を赤くしながら気不味そうな顔をした。そして……、
「媚薬にあてられていたから、あんまり……」
「ちょっと~、酷いですよ!」
「すまん……」
言われれば明澄のナカはきつかったかもしれないが、媚薬のにおいにあてられていたこともあって気付かなかったと詠寿は答えた。媚薬を盛られていたとはいえ処女だと気付かないで抱いていたことを失礼だと指摘すると、詠寿はばつの悪い顔をして詫びる。詠寿がばつの悪い顔をしてる様子を見た明澄は……、
「でも今思えば、初めてが詠寿さんでよかったって思ってるんだ。」
初の相手が媚薬を盛られた状態だったとはいえまさか初めての相手が詠寿になるとは思っていなかったが、今思えば危うくもいい思い出かもしれないと明澄は呟く。
その言葉を聞いていた詠寿は、答えはしなかったがそれを聞かれて興奮が増したのか顔を真っ赤にしベッドヘッド側に明澄の上体を再び押し倒した。
「――そんな言葉で煽って、後悔するなよ?」
「あっ……」
――カリッ
「あぅ……ひぁっ!」
明澄の煽り文句に詠寿は新しい噛み跡を項や肩、背中などところどころにつけていく。
明澄は上体を起こし背中を詠寿に向けて詠寿に寄り掛かった状態で、勃ちあがってる明澄のモノを詠寿は弄り始めていた。
「あっ、ひっ、もぅ……ベッド、汚れちゃう」
「あ、すみ……」
ここで出したくはないと思ったが、詠寿は解放せず明澄の勃ち上がったモノを触り続ける。
「――ここも、良いみたいだな?」
「ふ、ぁ! あぁっ……」
詠寿は耳元でそう囁くと明澄の秘部も同時に触り始め、明澄は襲ってくる性感に戸惑いを隠せていなかった。
「いやっ、そこは……やぁ!」
――れろっ
「あっ、ひぃ……!」
先走りしている明澄のモノの先頭部分を指でカリカリと爪で弄ってやると過敏に反応してきた。
詠寿は明澄の耳を舐めたりして明澄の反応を愉しんでいる、そしてついに明澄の秘部に指を入れ始める。
――くちゅっ、ぐちゅっ
「あっ、ひぁ、あぁ……!」
指が動けば動く程に粘膜の感度は増し、声も高くなっていく。
――ぐりっ
「――あぁ! そこ……!」
指が前立腺に当たり、明澄はびくびくと体を跳ねあがらせた。
詠寿は明澄の前立腺を探り当てると笑みを浮かべて「可愛い」と耳元で囁いた、耳もぞくぞくして体にも伝わってくる感覚が走る。
「あっ、~~っ!」
耳元で囁かれた途端に声にならない絶叫を上げて絶頂を迎えてしまった、自分が出した液体を見て結局ベッドを汚してしまった背徳感に襲われる。詠寿は一旦、指を引き抜くと明澄の体液がうっすらついていたことが分かり明澄はぞくりと体を震わせた。
「――明澄、腰を少し浮かせろ……」
そして、腰を少し浮かせるように命じられた為明澄は詠寿の言う通り腰を浮かせると、
後ろから硬い男根がぶつかる。詠寿の陰茎が明澄の窄まりを宛てがって侵入を待ち望んでいるのがわかる。
「そのまま、腰を下ろしてみてくれ……」
「――っ」
少しずつ腰を下ろすと、自分のナカに詠寿の陰茎が入っているのだと分かる異物感に襲われる。
だが、異物感に慣れず腰を下ろすのを躊躇してしまう。
「んぅ……もっ」
「――すまんっ」
――ずぷぷっ
「あぁ――っ!」
これ以上腰を下ろすのは怖いと伝えようとしたが、詠寿は一言謝ると腰を掴んで奥まで銜え込ませた。
甲高い絶叫が部屋の中に木霊した、詠寿のモノを最後まで銜え込み最奥まで挿入されたのだ。
「明澄のナカ、すごく吸い付いてきて締まるな……」
興奮を抑えられず遠慮なしに詠寿は動く、明澄の体内から伝わる熱と緊張も相まって自分の陰茎を締め付ける感覚がさらに詠寿の興奮を高めさせていた。静寂で暗い部屋の中に淫猥な音が響き渡っている。
――ずちゅっ、ずちゃ、ずちゃ……
「あっ、ひっ、あぁっ! そこ……!」
詠寿の陰茎は大きくて、最奥まで当たっている感覚が嫌という程伝わってくる。
「あっ、あっ……ひっ、えい、じゅ、さぁん!」
前立腺を刺激されてもう限界が来て、明澄は達したい衝動に駆られて詠寿に懇願する。
逃げそうになる腰を、詠寿はつかんで離さなかった。そしてキスを施された後……、
「明澄、一緒にいこう……」
詠寿は耳でそう囁き、腰の動きをさらに速める。
「あっ、やぁ! ひあっ、ああぁ――っ!」
「――っ」
みっともなく甲高い声をあげて体液がベッドに飛び散った、詠寿も限界に達して迸る体液を明澄のナカに注ぎ込んだ。
お隣さんからクレーム来ないかとかベッドを汚してしまって洗濯しなければとか思っていたが、
快楽からくる疲弊で頭がぼんやりしてしまい、もうそんなことどうでもいいと思って明澄は眠ってしまった。
――あれから何時間も経ち……、
「んぁ……」
目が覚めると明澄はベッドではなくソファで眠っていたことに気付いた。
そして隣には抱き枕する形で添い寝している詠寿が傍にいた、どうやら自分たちの体液で汚してしまったベッドで寝るのはいたたまれなかったようで詠寿は自分を抱えてソファに移動してくれたようだった。
その証拠に自分の身体が綺麗にされていたのと、ベッドのシーツを洗濯していると思われる洗濯機の音が洗面所方面に響いていたからだ。詠寿は達して気絶してしまった自分の代わりに後始末をしてくれたことにお礼を兼ねて明澄は眠りについている詠寿の頬に軽いキスを施した。
明澄は詠寿の体液を自分の体内にに出されたことを思い出し、顔を赤くしお腹をさすった。
(……子供、出来る身体になれる薬あるって言っていたよね。)
明澄は本来なら同性同士がいくらセックスしても子供が出来ることはない原理を覆す薬を人魚界は所持していることを思い出し、お腹をさすりながら……
「子供かぁ……本当にその薬があって、詠寿さんと出来た子供だったら、欲しいかも。」
明澄はもし本当にその薬があって詠寿との子供が出来ればどれだけ嬉しいかと思った。
自分に似た子かそれとも詠寿にそっくりな子かと想像していると……、
「……それは本当か?」
「――!?」
詠寿がいつの間にか目を覚ましていることに驚き、明澄は顔を真っ赤にさせる。
「いっ、何時の間に……!?」
「お前が……俺にキスしてくれた時から」
先程、明澄が頬にキスを施してくれたことで目が覚めたと詠寿は正直に話した。
「ーーそれで、その言葉は本当か?」
詠寿は明澄が自分との間に出来た子供なら欲しいと言う言葉に嘘偽りはないか確かめてくる。
明澄は顔を赤くして俯き加減になりながらも、ゆっくりと首を縦に振った。
「そう思ってくれて俺は嬉しい。」
――チュッ
詠寿は上体を起こすと明澄の言葉をうれしく思い、明澄の瞼にキスをした。
「お盛んですねぇ……二人とも」
「――!?」
自分たちと違う声が響いて、慌てて声がした方向を見ると厳生とクリアがいた。
「――げっ、厳生!?」
「物騒ですよ、明澄様。……ちゃんと鍵を掛けないと」
「――あっ」
厳生が来ていたことに戸惑いを隠せていなかったようだった、厳生の言葉で明澄は風呂に上がったらドアノブのチェーンを掛ける予定だったのをすっかり忘れていた事を思い出した。
「あの、一応声はお掛けしたんですけど……」
苦笑いでクリアは明澄に合い鍵を返しながら、一応声はかけたが返事がなかったので上がらせてもらったと答え二人がセックスしていた事は一目瞭然だったのでクリアは顔を伏せていた。
「いちゃつくのもいいですけど、やるべきことはちゃんとやってくださいね?」
呆れながら厳生は「台所借りますね」と言いながらも、朝食の用意をし始める。
「あっ、今日のバイト……何時からだったっけ?」
明澄は、居心地が悪くなって誤魔化して時計を見ながらシフト表を慌てて見る。
羞恥心で詠寿も顔を赤くして固まっていた。
「あの、バイトとかいうお仕事があるんでしたら早く支度をした方が……」
クリアは取りあえず朝の支度をした方がいいのではと詠寿に話しかけると、詠寿は我に返ってすぐ着替えを済ませるのだった。
――朝、8時半頃、朝食を済ませた二人はバイト先の水族館に向かおうと部屋を出ていく。
「――行ってらっしゃいませ。」
「お気をつけて」
朝の支度をし終えた二人はクリア達に鍵を渡すとクリア達が手を振って見送ってくれているのを同じく手を振って返し、アルバイト先の水族館の方に赴く。数分歩くとアルバイト先の水族館にたどり着き従業員用のドアを開け二人は支度を済ませて出勤する。
「おや、二人ともおはよう」
「――おはようございます」
すると少しくたびれた顔をした警備員の格好をした男が二人に挨拶をしてきた、水族館の警備員の仕事をしている桑野に出会い、挨拶をする。
「おや、二人とも肌の調子良さそうだねぇ?」
「あはは……」
桑野は冗談を言ってきたため、明澄は苦笑いして誤魔化す。
セックスしたせいか肌の調子がいいなんて、他の人には絶対に言えない。
「明澄ちゃん、ちょっと今後の運勢占ってあげようか?」
桑野は明澄に占ってあげようか聞いて来た、桑野は占いが得意だと自称している変わった警備員で周りからはちょっと薄気味悪いと敬遠されがちな人だった。だが挨拶すれば普通の男性と変わりないので挨拶するくらいなら何ともなかった。
「――あぁ、後で……」
明澄は当たり障りなく丁寧に断って詠寿とともに仕事場に急いだ。
桑野は仕事場に去っていく明澄の後姿を見ながら……、
「ちょっと災難の相が見えるからちょっと忠告してあげたかったんだけどなぁ……まぁ、時間があれば後でフォローしてやるか」
意味深な言葉を呟いて明澄の後姿をただ、見ていた。
「? おや、おはよう……阿久津さん」
桑野は踵を返そうとすると出勤してきた阿久津の姿を捕え、阿久津に挨拶をしたが阿久津は桑野なんか眼中にないように面白くなさそうに仲良くしている詠寿と明澄の姿を目に焼き付けていた。
「――おい、なんだよ阿久津、せっかく桑野さん挨拶してくれたのに」
「ん? あぁ……悪い、桑野さん。気付かなかった、悪気はない……許してくれ。」
阿久津の同僚の一人が、桑野に返事を返さない阿久津の様子を見て心配そうに阿久津に小突いて聞いた。
同僚の言葉で我に返った顔をした阿久津は桑野に挨拶をしなかったことをにこやかな笑みを浮かべつつ、詫びた。
同僚に早く行こうと発破を掛けられた阿久津は、早くロッカーのある場所に同僚と共に行く。
「阿久津、嫉妬してるね。でも言わなくても分かるよ、その嫉妬は“本物の愛”から来るものじゃないことはね」
桑野は、阿久津の本性に気付いているような言葉をぶつぶつと呟きながら明澄達とは逆の方向に歩く。
「どうか、阿久津だけには気を付けて明澄を守ってやってくださいね? ……王子。」
意味深な言葉を呟きながら、桑野は警備室に戻ったのだった。
――そして仕事場であるお土産売り場に移動後、明澄はバイトに励んでいた。
「葉月君、今日大雨予報来るの知ってる~?」
先輩が、今日豪雨が来る事を知っているか客がいないときに明澄に聞いて来た。
「――えっ!? そうなんですか?」
「うん、今日の晩くらいに強くなるんだって」
「そうなんだ、傘……持ってきたらよかったかなぁ」
明澄は傘を持ってき忘れてしまったと先輩に返事を返しつつも、どうりで今日は客足が少ないと思ったと心の中で思っていた。今日は豪雨が降るのに傘を忘れてしまった、もしも詠寿が豪雨のせいで体が濡れてしまったら鮫の人魚の姿に戻らないかと少し心配だった。
しかしこの不安が本当になることも、桑野が呟いた災難の相があるという言葉が的中することをまだ明澄は知らなかった……。
「――んっ、ふぁ……あっ」
わずかな薬の苦い味が舌にしみ込んでいて、明澄の舌に苦味が伝わる。
――キスだけでみっともなくイってしまいそう。
明澄はそう思うほど、うっとりと目を細めた。
漸く長いキスから解放されると明澄は肩で息をし、詠寿は余韻に浸るのもつかの間首筋に顔を埋め始めた。
――ちゅっ、ちぅ
「――あっ、ひぁっ」
「前から思っていたが……、首辺り弱いんだな?」
詠寿は明澄の首筋に顔を埋めてキスを落として明澄の敏感な部分を探し始め、前の経験で見つけていた明澄の性感帯と思わしき部分をなぞった。
「――ねぇ、詠寿さん」
「……どうした、明澄?」
明澄は情事の途中で上体を起こし、詠寿に話を振った。
「あのね……詠寿さん、気付いてた?」
「――何を?」
「実はね……砕波に媚薬盛られて詠寿さんに抱かれた日、あれが初めてだったんだよ?」
砕波に媚薬を盛られて身体の疼きと媚薬の毒を抜くために詠寿に抱かれた日が実は明澄の人生初のセックスだったことに、詠寿は気付いていたか聞いてみたのだった。
「えっ!? あぁ……そうだったのか」
「――気付かなかったの!?」
その言葉に目を点にする詠寿の反応に、処女だということに気付いていなかったのか明澄は驚いて聞くと顔を赤くしながら気不味そうな顔をした。そして……、
「媚薬にあてられていたから、あんまり……」
「ちょっと~、酷いですよ!」
「すまん……」
言われれば明澄のナカはきつかったかもしれないが、媚薬のにおいにあてられていたこともあって気付かなかったと詠寿は答えた。媚薬を盛られていたとはいえ処女だと気付かないで抱いていたことを失礼だと指摘すると、詠寿はばつの悪い顔をして詫びる。詠寿がばつの悪い顔をしてる様子を見た明澄は……、
「でも今思えば、初めてが詠寿さんでよかったって思ってるんだ。」
初の相手が媚薬を盛られた状態だったとはいえまさか初めての相手が詠寿になるとは思っていなかったが、今思えば危うくもいい思い出かもしれないと明澄は呟く。
その言葉を聞いていた詠寿は、答えはしなかったがそれを聞かれて興奮が増したのか顔を真っ赤にしベッドヘッド側に明澄の上体を再び押し倒した。
「――そんな言葉で煽って、後悔するなよ?」
「あっ……」
――カリッ
「あぅ……ひぁっ!」
明澄の煽り文句に詠寿は新しい噛み跡を項や肩、背中などところどころにつけていく。
明澄は上体を起こし背中を詠寿に向けて詠寿に寄り掛かった状態で、勃ちあがってる明澄のモノを詠寿は弄り始めていた。
「あっ、ひっ、もぅ……ベッド、汚れちゃう」
「あ、すみ……」
ここで出したくはないと思ったが、詠寿は解放せず明澄の勃ち上がったモノを触り続ける。
「――ここも、良いみたいだな?」
「ふ、ぁ! あぁっ……」
詠寿は耳元でそう囁くと明澄の秘部も同時に触り始め、明澄は襲ってくる性感に戸惑いを隠せていなかった。
「いやっ、そこは……やぁ!」
――れろっ
「あっ、ひぃ……!」
先走りしている明澄のモノの先頭部分を指でカリカリと爪で弄ってやると過敏に反応してきた。
詠寿は明澄の耳を舐めたりして明澄の反応を愉しんでいる、そしてついに明澄の秘部に指を入れ始める。
――くちゅっ、ぐちゅっ
「あっ、ひぁ、あぁ……!」
指が動けば動く程に粘膜の感度は増し、声も高くなっていく。
――ぐりっ
「――あぁ! そこ……!」
指が前立腺に当たり、明澄はびくびくと体を跳ねあがらせた。
詠寿は明澄の前立腺を探り当てると笑みを浮かべて「可愛い」と耳元で囁いた、耳もぞくぞくして体にも伝わってくる感覚が走る。
「あっ、~~っ!」
耳元で囁かれた途端に声にならない絶叫を上げて絶頂を迎えてしまった、自分が出した液体を見て結局ベッドを汚してしまった背徳感に襲われる。詠寿は一旦、指を引き抜くと明澄の体液がうっすらついていたことが分かり明澄はぞくりと体を震わせた。
「――明澄、腰を少し浮かせろ……」
そして、腰を少し浮かせるように命じられた為明澄は詠寿の言う通り腰を浮かせると、
後ろから硬い男根がぶつかる。詠寿の陰茎が明澄の窄まりを宛てがって侵入を待ち望んでいるのがわかる。
「そのまま、腰を下ろしてみてくれ……」
「――っ」
少しずつ腰を下ろすと、自分のナカに詠寿の陰茎が入っているのだと分かる異物感に襲われる。
だが、異物感に慣れず腰を下ろすのを躊躇してしまう。
「んぅ……もっ」
「――すまんっ」
――ずぷぷっ
「あぁ――っ!」
これ以上腰を下ろすのは怖いと伝えようとしたが、詠寿は一言謝ると腰を掴んで奥まで銜え込ませた。
甲高い絶叫が部屋の中に木霊した、詠寿のモノを最後まで銜え込み最奥まで挿入されたのだ。
「明澄のナカ、すごく吸い付いてきて締まるな……」
興奮を抑えられず遠慮なしに詠寿は動く、明澄の体内から伝わる熱と緊張も相まって自分の陰茎を締め付ける感覚がさらに詠寿の興奮を高めさせていた。静寂で暗い部屋の中に淫猥な音が響き渡っている。
――ずちゅっ、ずちゃ、ずちゃ……
「あっ、ひっ、あぁっ! そこ……!」
詠寿の陰茎は大きくて、最奥まで当たっている感覚が嫌という程伝わってくる。
「あっ、あっ……ひっ、えい、じゅ、さぁん!」
前立腺を刺激されてもう限界が来て、明澄は達したい衝動に駆られて詠寿に懇願する。
逃げそうになる腰を、詠寿はつかんで離さなかった。そしてキスを施された後……、
「明澄、一緒にいこう……」
詠寿は耳でそう囁き、腰の動きをさらに速める。
「あっ、やぁ! ひあっ、ああぁ――っ!」
「――っ」
みっともなく甲高い声をあげて体液がベッドに飛び散った、詠寿も限界に達して迸る体液を明澄のナカに注ぎ込んだ。
お隣さんからクレーム来ないかとかベッドを汚してしまって洗濯しなければとか思っていたが、
快楽からくる疲弊で頭がぼんやりしてしまい、もうそんなことどうでもいいと思って明澄は眠ってしまった。
――あれから何時間も経ち……、
「んぁ……」
目が覚めると明澄はベッドではなくソファで眠っていたことに気付いた。
そして隣には抱き枕する形で添い寝している詠寿が傍にいた、どうやら自分たちの体液で汚してしまったベッドで寝るのはいたたまれなかったようで詠寿は自分を抱えてソファに移動してくれたようだった。
その証拠に自分の身体が綺麗にされていたのと、ベッドのシーツを洗濯していると思われる洗濯機の音が洗面所方面に響いていたからだ。詠寿は達して気絶してしまった自分の代わりに後始末をしてくれたことにお礼を兼ねて明澄は眠りについている詠寿の頬に軽いキスを施した。
明澄は詠寿の体液を自分の体内にに出されたことを思い出し、顔を赤くしお腹をさすった。
(……子供、出来る身体になれる薬あるって言っていたよね。)
明澄は本来なら同性同士がいくらセックスしても子供が出来ることはない原理を覆す薬を人魚界は所持していることを思い出し、お腹をさすりながら……
「子供かぁ……本当にその薬があって、詠寿さんと出来た子供だったら、欲しいかも。」
明澄はもし本当にその薬があって詠寿との子供が出来ればどれだけ嬉しいかと思った。
自分に似た子かそれとも詠寿にそっくりな子かと想像していると……、
「……それは本当か?」
「――!?」
詠寿がいつの間にか目を覚ましていることに驚き、明澄は顔を真っ赤にさせる。
「いっ、何時の間に……!?」
「お前が……俺にキスしてくれた時から」
先程、明澄が頬にキスを施してくれたことで目が覚めたと詠寿は正直に話した。
「ーーそれで、その言葉は本当か?」
詠寿は明澄が自分との間に出来た子供なら欲しいと言う言葉に嘘偽りはないか確かめてくる。
明澄は顔を赤くして俯き加減になりながらも、ゆっくりと首を縦に振った。
「そう思ってくれて俺は嬉しい。」
――チュッ
詠寿は上体を起こすと明澄の言葉をうれしく思い、明澄の瞼にキスをした。
「お盛んですねぇ……二人とも」
「――!?」
自分たちと違う声が響いて、慌てて声がした方向を見ると厳生とクリアがいた。
「――げっ、厳生!?」
「物騒ですよ、明澄様。……ちゃんと鍵を掛けないと」
「――あっ」
厳生が来ていたことに戸惑いを隠せていなかったようだった、厳生の言葉で明澄は風呂に上がったらドアノブのチェーンを掛ける予定だったのをすっかり忘れていた事を思い出した。
「あの、一応声はお掛けしたんですけど……」
苦笑いでクリアは明澄に合い鍵を返しながら、一応声はかけたが返事がなかったので上がらせてもらったと答え二人がセックスしていた事は一目瞭然だったのでクリアは顔を伏せていた。
「いちゃつくのもいいですけど、やるべきことはちゃんとやってくださいね?」
呆れながら厳生は「台所借りますね」と言いながらも、朝食の用意をし始める。
「あっ、今日のバイト……何時からだったっけ?」
明澄は、居心地が悪くなって誤魔化して時計を見ながらシフト表を慌てて見る。
羞恥心で詠寿も顔を赤くして固まっていた。
「あの、バイトとかいうお仕事があるんでしたら早く支度をした方が……」
クリアは取りあえず朝の支度をした方がいいのではと詠寿に話しかけると、詠寿は我に返ってすぐ着替えを済ませるのだった。
――朝、8時半頃、朝食を済ませた二人はバイト先の水族館に向かおうと部屋を出ていく。
「――行ってらっしゃいませ。」
「お気をつけて」
朝の支度をし終えた二人はクリア達に鍵を渡すとクリア達が手を振って見送ってくれているのを同じく手を振って返し、アルバイト先の水族館の方に赴く。数分歩くとアルバイト先の水族館にたどり着き従業員用のドアを開け二人は支度を済ませて出勤する。
「おや、二人ともおはよう」
「――おはようございます」
すると少しくたびれた顔をした警備員の格好をした男が二人に挨拶をしてきた、水族館の警備員の仕事をしている桑野に出会い、挨拶をする。
「おや、二人とも肌の調子良さそうだねぇ?」
「あはは……」
桑野は冗談を言ってきたため、明澄は苦笑いして誤魔化す。
セックスしたせいか肌の調子がいいなんて、他の人には絶対に言えない。
「明澄ちゃん、ちょっと今後の運勢占ってあげようか?」
桑野は明澄に占ってあげようか聞いて来た、桑野は占いが得意だと自称している変わった警備員で周りからはちょっと薄気味悪いと敬遠されがちな人だった。だが挨拶すれば普通の男性と変わりないので挨拶するくらいなら何ともなかった。
「――あぁ、後で……」
明澄は当たり障りなく丁寧に断って詠寿とともに仕事場に急いだ。
桑野は仕事場に去っていく明澄の後姿を見ながら……、
「ちょっと災難の相が見えるからちょっと忠告してあげたかったんだけどなぁ……まぁ、時間があれば後でフォローしてやるか」
意味深な言葉を呟いて明澄の後姿をただ、見ていた。
「? おや、おはよう……阿久津さん」
桑野は踵を返そうとすると出勤してきた阿久津の姿を捕え、阿久津に挨拶をしたが阿久津は桑野なんか眼中にないように面白くなさそうに仲良くしている詠寿と明澄の姿を目に焼き付けていた。
「――おい、なんだよ阿久津、せっかく桑野さん挨拶してくれたのに」
「ん? あぁ……悪い、桑野さん。気付かなかった、悪気はない……許してくれ。」
阿久津の同僚の一人が、桑野に返事を返さない阿久津の様子を見て心配そうに阿久津に小突いて聞いた。
同僚の言葉で我に返った顔をした阿久津は桑野に挨拶をしなかったことをにこやかな笑みを浮かべつつ、詫びた。
同僚に早く行こうと発破を掛けられた阿久津は、早くロッカーのある場所に同僚と共に行く。
「阿久津、嫉妬してるね。でも言わなくても分かるよ、その嫉妬は“本物の愛”から来るものじゃないことはね」
桑野は、阿久津の本性に気付いているような言葉をぶつぶつと呟きながら明澄達とは逆の方向に歩く。
「どうか、阿久津だけには気を付けて明澄を守ってやってくださいね? ……王子。」
意味深な言葉を呟きながら、桑野は警備室に戻ったのだった。
――そして仕事場であるお土産売り場に移動後、明澄はバイトに励んでいた。
「葉月君、今日大雨予報来るの知ってる~?」
先輩が、今日豪雨が来る事を知っているか客がいないときに明澄に聞いて来た。
「――えっ!? そうなんですか?」
「うん、今日の晩くらいに強くなるんだって」
「そうなんだ、傘……持ってきたらよかったかなぁ」
明澄は傘を持ってき忘れてしまったと先輩に返事を返しつつも、どうりで今日は客足が少ないと思ったと心の中で思っていた。今日は豪雨が降るのに傘を忘れてしまった、もしも詠寿が豪雨のせいで体が濡れてしまったら鮫の人魚の姿に戻らないかと少し心配だった。
しかしこの不安が本当になることも、桑野が呟いた災難の相があるという言葉が的中することをまだ明澄は知らなかった……。
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ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
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