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第一章、草の友達
4、友情とか来世
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―1週間後―
俺とケリーは周りの全ての栄養を食べ終えていた。
俺は葉を伸ばしさらに大きくなった。
しかし、ケリーの大きさは変わらず、それどころか小さくなっているように思えた。
俺は、そのことを思い切って聞くことにした。
「ケリー、聞いていいのか分からないけどさ……」
足元のケリーを見ると、彼は寂しそうに笑った。
「お前が言いたいことは分かるさ。ま、これもこれで、良い人生なんじゃないか?」
「どこがだよ。もう、枯れそうじゃないか」
そう。実際、ケリーは小さくなっているのではなかった。
会った時あれだけ青々としていた彼の葉は見る影がなく、茶色に変色していた。
ケリーは言う。
「俺はもうすぐ枯れる。そういう種類の草だからな」
淡々と喋る彼は、どこか感情を我慢しているようだった。
「そんなの、寂しいじゃないか。もっとそばにいてくれよ!」
自然と涙が込み上げるのが分かった。
「リング、またどこかで会えるさ。泣くことじゃない」
空が重たくなり、ポツポツと雨が降ってきた。
俺たちにとって恵みの雨のはず。けれど、今は悲しみの感情のように思えた。
「空も泣いてるな」
ケリーは静かに笑いながら言った。
そんなケリーに言う。
「俺はまだこの世界を知らない。ケリー、お前から聞きたいよ。この世界の物語を……」
声が震える。頭の上の葉も揺れているような気がした。
雨足が強くなる。
「リング、お前の話を聞いて、夢を作ってみたんだ」
ケリーは無理に明るく振る舞っている様子。
「俺の体についているこの実、けっこう珍しくてな?不死鳥の卵って呼ばれているんだ」
ケリーはいつになく真剣な眼差しで空を見ていた。
「燃えた灰の中から復活する不死鳥の如く、この実は、俺が枯れてから熟すんだ。不思議だろ?」
不死鳥の卵。拳よりも小さく実る真っ赤な実によう似合う呼ばれ方だ。
「この実を、世界中の人に食べてもらいたいんだ」
「そうか」
俺は静かにそう返事をした。
『夢なんて、もうねぇよ』
ケリーが行っていたその言葉を思い出す。
「夢、見つかってよかったな」
俺はそう言うしかなかった。それしか言えなかった。
ケリーは力強い言い方で言う。
「なぁリング、ちょっと手伝ってくれよ」
そう言うと、濡れた地面で泥だらけになっている草を高く持ち上げて言った。
「俺が枯れてこの実が熟したら、世界中に俺を広げてくれ!皆んなに、俺の実を食べさせてくれ!」
喉に感情が溜まり、それはやがて涙となって溢れた。
「分かった!ケリー、お前が生きた証を、俺が絶対残して、広げてやる!」
「おう!約束だからな!」
「いつか、お前がこの世界を生きる時、また会おうな」
雲が切れ始める。黒かった雲が灰色になり、やがて青空から陽がこぼれた。
ケリーが明るい声で叫ぶ。
「あのハゲ神様に頼んでみっかな!来世、またお前に会いに行くからよ」
「あぁ、その時は酒でも飲もうな!」
「約束だ!」
雨はもうすっかり上がり、明るい空が地面にに反射している。もうすぐ夕焼けが現れて、時期に星が空を満たした。
翌朝、ケリーは朝露に囲まれて、枯れていった。
俺とケリーは周りの全ての栄養を食べ終えていた。
俺は葉を伸ばしさらに大きくなった。
しかし、ケリーの大きさは変わらず、それどころか小さくなっているように思えた。
俺は、そのことを思い切って聞くことにした。
「ケリー、聞いていいのか分からないけどさ……」
足元のケリーを見ると、彼は寂しそうに笑った。
「お前が言いたいことは分かるさ。ま、これもこれで、良い人生なんじゃないか?」
「どこがだよ。もう、枯れそうじゃないか」
そう。実際、ケリーは小さくなっているのではなかった。
会った時あれだけ青々としていた彼の葉は見る影がなく、茶色に変色していた。
ケリーは言う。
「俺はもうすぐ枯れる。そういう種類の草だからな」
淡々と喋る彼は、どこか感情を我慢しているようだった。
「そんなの、寂しいじゃないか。もっとそばにいてくれよ!」
自然と涙が込み上げるのが分かった。
「リング、またどこかで会えるさ。泣くことじゃない」
空が重たくなり、ポツポツと雨が降ってきた。
俺たちにとって恵みの雨のはず。けれど、今は悲しみの感情のように思えた。
「空も泣いてるな」
ケリーは静かに笑いながら言った。
そんなケリーに言う。
「俺はまだこの世界を知らない。ケリー、お前から聞きたいよ。この世界の物語を……」
声が震える。頭の上の葉も揺れているような気がした。
雨足が強くなる。
「リング、お前の話を聞いて、夢を作ってみたんだ」
ケリーは無理に明るく振る舞っている様子。
「俺の体についているこの実、けっこう珍しくてな?不死鳥の卵って呼ばれているんだ」
ケリーはいつになく真剣な眼差しで空を見ていた。
「燃えた灰の中から復活する不死鳥の如く、この実は、俺が枯れてから熟すんだ。不思議だろ?」
不死鳥の卵。拳よりも小さく実る真っ赤な実によう似合う呼ばれ方だ。
「この実を、世界中の人に食べてもらいたいんだ」
「そうか」
俺は静かにそう返事をした。
『夢なんて、もうねぇよ』
ケリーが行っていたその言葉を思い出す。
「夢、見つかってよかったな」
俺はそう言うしかなかった。それしか言えなかった。
ケリーは力強い言い方で言う。
「なぁリング、ちょっと手伝ってくれよ」
そう言うと、濡れた地面で泥だらけになっている草を高く持ち上げて言った。
「俺が枯れてこの実が熟したら、世界中に俺を広げてくれ!皆んなに、俺の実を食べさせてくれ!」
喉に感情が溜まり、それはやがて涙となって溢れた。
「分かった!ケリー、お前が生きた証を、俺が絶対残して、広げてやる!」
「おう!約束だからな!」
「いつか、お前がこの世界を生きる時、また会おうな」
雲が切れ始める。黒かった雲が灰色になり、やがて青空から陽がこぼれた。
ケリーが明るい声で叫ぶ。
「あのハゲ神様に頼んでみっかな!来世、またお前に会いに行くからよ」
「あぁ、その時は酒でも飲もうな!」
「約束だ!」
雨はもうすっかり上がり、明るい空が地面にに反射している。もうすぐ夕焼けが現れて、時期に星が空を満たした。
翌朝、ケリーは朝露に囲まれて、枯れていった。
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