転生草の約束

おにぎり

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第二章、試練

9、最初の試練

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 エーリング界。
 この世界のどこかに存在する秘境の大地。
 神が降り立つと言われるその地に辿り着いた者は、誰1人としていない。


 その地に今、異変が起きていた。
 悠々と闊歩する巨大樹と、それに追従する巨大岩。
 神神が創り出した摩訶不思議な魔宮に古代生物。
 そしてこの地に踏み入ろうとする冒険者。


 決して出会うことのなかったそれらの存在が、秘境の大地に集合する。


 ―――

 それにしても、この体は全く便利なことこの上ない。

 視界は360度。首を捻らなくても後ろを見ることができるし、視力も相当いい。

 目下に茂る森の木々を眺めながら俺は歩く。

 太い根は12本。その他、細い根が無数にある。
 それを器用に動かすと、どんな山だってどんな川だって乗り越えることができるのだ。


 そして俺は、とあることを発見した。

 それさ神様がくれた力のひとつ、【魂の顕現】というスキルだ。

 このスキルは回収した魂を核に、任意の物体に意思を持たせることができるというものらしい。


 使用する魔力は、1回の使用で魔力量の、3分の1くらい。

 魔力が全回復したら、このスキルを使ってみるのもいいかもしれない。

 そして肝心の魂なのは魂なのだが、それは問題ない。
 実は森の木々を薙ぎ倒して進むと、時々魂が浮かび上がるのだ。

 その魂を太い根で触れると、俺の枝に虹色の実が成る。

 その実に、魂が保存される。
 なんとも不思議な現象。


 とりあえず、ここで言いたかったことは、
【魂の顕現】というスキルを発見したこと。
 俺の枝に魂の実が成ったこと。
 この2つである。


 それにしても、どれだけ広いんだ!この森は!
 全く終わりが見えないぞ!

 魔法が何かが掛かっていて、実は一歩も進んでなかったとか、そんなことはないよね?

 不安がすぎて、腹が痛くなりそうだ!


 それから丸2日歩き続けて、俺はようやく気持ちが晴れた。森の終わりが見えてきたのだ。

 森の向こうは平原になっていて、その境界には大きな大河が流れている。

 森の侵食を、大河が堰き止めているようにも見える。


 ようやく大河のほとりまで辿り着くと、全ての葉が深呼吸をし始めた。

 その時になってようやく、森の空気が異様に汚かったことに気がついた。

 重たく、いわゆる瘴気という部類の空気。
 一体、この森はなんだったのだろう……



 まぁ、考えても仕方ないか!あとは対岸に渡るだけ。

 かなり距離はあるが、なんとか行けるだろう!

 ケリーの実を抱えた根が水に浸からないように気をつけながら、浅瀬踏み出した。

 冷たいものが根に染み込み、体が冷える感覚。

 纏わりつく土の塊が溶け出し、体がどんどん軽くなっていく。
 思わず、息が漏れた。



 それは、大河の中腹にまで進んだ時だった。
 一気に川底が深くなり、つま先立ちで歩かざるを得なくなる。

 バランスを崩しそうになりながら、少しずつ進んでいた時。

 突然、川の上流で大きな衝撃とともに、水飛沫が上がった。

 何かが、こちらに向かってくる。
 そして、大きな影が現れた。

 それを認識した次の瞬間、その影が水面から飛び出した。

 大河が荒れ始め、体に波が強く打ちつける。

 危うく流されそうになりながら、俺は最大の警戒を影に向けた。
 再び大きく上がる水飛沫。その中心から何かが迫る。

 巨大な黒いもの。鋭い牙に4つのエラ。

 その正体は、魚の姿をした、怪物だった。
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