45 / 60
卒業アルバム
6
しおりを挟む
「ん……?あれ……?」
この先生、誰かに似ているような……?
学生時代によく似た先生でもいたかな?
「どないした?」
「いえ……。担任の先生が誰かに似ているような気がして」
「担任な……。結構男前やろ?」
「そうですね」
先輩がそんなふうに言うところを見ると、先生を教師としてだけではなく、大人の男としても尊敬する存在だったのだろう。
「先輩の学校は男子の制服、学ランだったんですね。カッコいいなあ……。僕は中学も高校もブレザーだったんで、憧れてたんですよね」
先輩のクラスメイトたちを順番に見ていく。
僕みたいな小柄な生徒もいたようだ。
「ん……?」
女子の生徒の中に、やたらと大人びた美人を見つけた。
とても中学生とは思えない色気が漂っている。
「今度はなんや?」
僕はまじまじと、その女子生徒の顔を見た。
つまらなさそうな、憂いを帯びた表情。
少し茶色い長い髪と、涼しげな切れ長の目に、スタイルの良いスラリとした体。
「あー、こいつか」
先輩は横からアルバムを覗き込んだ。
「こいつ、俺のヤンチャしてた時の仲間でな。小学校の時から一緒に遊んでたやつや。大人っぽくて美人やろ?」
「……ですね」
「こんなほっそい体してんのに、ケンカもめちゃめちゃ強うてな。そやけど優しくて面倒見はええねん。そんなんやから、みんなから『ねえさん』って呼ばれとった」
「……ねえさん……?」
やっぱりそうだ、間違いない。
先輩、ねえさんと友達だったのか!!
「ん?なんや、気になるんか?」
「先輩は……その、ねえさんとは仲が良かったんですよね?」
「ああ、付き合い長かったからな」
「どんな人でした?」
見ず知らずのはずのねえさんに興味を持った僕を、不思議に思ったのだろう。
先輩は少し首をかしげた後、ゆっくりと話し出した。
「こいつな……可哀想なやつやねん」
その夜、僕は先輩の部屋に泊めてもらった。
先輩は布団に入って間もなく、軽い寝息をたて始めた。
僕は用意してもらった布団に横になり、眠れなくて寝返りを打つ。
『こいつな……可哀想なやつやねん』
先輩がしてくれた『ねえさん』の話は、僕に大きなショックを与えた。
先輩の話によると、中学時代のねえさんは向かうところ敵無しのヤンキーで、先輩や他のヤンキー仲間とつるんでは、他校の不良たちとしょっちゅうケンカをしていたそうだ。
中学3年の時に例の先生が担任になり、熱心に声を掛けてくる先生に心を動かされ、先輩もねえさんも変わったのだと言う。
それまでは学校に行ってもまともに授業を受けていなかったのに、服装や髪型の乱れを正し、真面目に授業を受けるようになったらしい。
この先生、誰かに似ているような……?
学生時代によく似た先生でもいたかな?
「どないした?」
「いえ……。担任の先生が誰かに似ているような気がして」
「担任な……。結構男前やろ?」
「そうですね」
先輩がそんなふうに言うところを見ると、先生を教師としてだけではなく、大人の男としても尊敬する存在だったのだろう。
「先輩の学校は男子の制服、学ランだったんですね。カッコいいなあ……。僕は中学も高校もブレザーだったんで、憧れてたんですよね」
先輩のクラスメイトたちを順番に見ていく。
僕みたいな小柄な生徒もいたようだ。
「ん……?」
女子の生徒の中に、やたらと大人びた美人を見つけた。
とても中学生とは思えない色気が漂っている。
「今度はなんや?」
僕はまじまじと、その女子生徒の顔を見た。
つまらなさそうな、憂いを帯びた表情。
少し茶色い長い髪と、涼しげな切れ長の目に、スタイルの良いスラリとした体。
「あー、こいつか」
先輩は横からアルバムを覗き込んだ。
「こいつ、俺のヤンチャしてた時の仲間でな。小学校の時から一緒に遊んでたやつや。大人っぽくて美人やろ?」
「……ですね」
「こんなほっそい体してんのに、ケンカもめちゃめちゃ強うてな。そやけど優しくて面倒見はええねん。そんなんやから、みんなから『ねえさん』って呼ばれとった」
「……ねえさん……?」
やっぱりそうだ、間違いない。
先輩、ねえさんと友達だったのか!!
「ん?なんや、気になるんか?」
「先輩は……その、ねえさんとは仲が良かったんですよね?」
「ああ、付き合い長かったからな」
「どんな人でした?」
見ず知らずのはずのねえさんに興味を持った僕を、不思議に思ったのだろう。
先輩は少し首をかしげた後、ゆっくりと話し出した。
「こいつな……可哀想なやつやねん」
その夜、僕は先輩の部屋に泊めてもらった。
先輩は布団に入って間もなく、軽い寝息をたて始めた。
僕は用意してもらった布団に横になり、眠れなくて寝返りを打つ。
『こいつな……可哀想なやつやねん』
先輩がしてくれた『ねえさん』の話は、僕に大きなショックを与えた。
先輩の話によると、中学時代のねえさんは向かうところ敵無しのヤンキーで、先輩や他のヤンキー仲間とつるんでは、他校の不良たちとしょっちゅうケンカをしていたそうだ。
中学3年の時に例の先生が担任になり、熱心に声を掛けてくる先生に心を動かされ、先輩もねえさんも変わったのだと言う。
それまでは学校に行ってもまともに授業を受けていなかったのに、服装や髪型の乱れを正し、真面目に授業を受けるようになったらしい。
0
あなたにおすすめの小説
七竈 ~ふたたび、春~
菱沼あゆ
ホラー
変遷していく呪いに終わりのときは来るのだろうか――?
突然、英嗣の母親に、蔵を整理するから来いと呼び出されたり、相変わらず騒がしい毎日を送っていた七月だが。
ある日、若き市長の要請で、呪いの七竃が切り倒されることになる。
七竃が消えれば、呪いは消えるのか?
何故、急に七竃が切られることになったのか。
市長の意図を探ろうとする七月たちだが――。
学園ホラー&ミステリー
優しい雨が降る夜は
葉月 まい
恋愛
浮世離れした地味子 × 外資系ITコンサルのエリートイケメン
無自覚にモテる地味子に
余裕もなく翻弄されるイケメン
二人の恋は一筋縄ではいかなくて……
雨降る夜に心に届いた
優しい恋の物語
⟡☾·̩͙⋆☔┈┈┈ 登場人物 ┈┈┈ ☔⋆·̩͙☽⟡
風間 美月(24歳)……コミュニティセンター勤務・地味でお堅い性格
雨宮 優吾(28歳)……外資系ITコンサルティング会社勤務のエリートイケメン
結婚相手は、初恋相手~一途な恋の手ほどき~
馬村 はくあ
ライト文芸
「久しぶりだね、ちとせちゃん」
入社した会社の社長に
息子と結婚するように言われて
「ま、なぶくん……」
指示された家で出迎えてくれたのは
ずっとずっと好きだった初恋相手だった。
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
ちょっぴり照れ屋な新人保険師
鈴野 ちとせ -Chitose Suzuno-
×
俺様なイケメン副社長
遊佐 学 -Manabu Yusa-
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
「これからよろくね、ちとせ」
ずっと人生を諦めてたちとせにとって
これは好きな人と幸せになれる
大大大チャンス到来!
「結婚したい人ができたら、いつでも離婚してあげるから」
この先には幸せな未来しかないと思っていたのに。
「感謝してるよ、ちとせのおかげで俺の将来も安泰だ」
自分の立場しか考えてなくて
いつだってそこに愛はないんだと
覚悟して臨んだ結婚生活
「お前の頭にあいつがいるのが、ムカつく」
「あいつと仲良くするのはやめろ」
「違わねぇんだよ。俺のことだけ見てろよ」
好きじゃないって言うくせに
いつだって、強引で、惑わせてくる。
「かわいい、ちとせ」
溺れる日はすぐそこかもしれない
◌⑅◌┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈◌⑅◌
俺様なイケメン副社長と
そんな彼がずっとすきなウブな女の子
愛が本物になる日は……
神様がくれた時間―余命半年のボクと記憶喪失のキミの話―
コハラ
ライト文芸
余命半年の夫と記憶喪失の妻のラブストーリー!
愛妻の推しと同じ病にかかった夫は余命半年を告げられる。妻を悲しませたくなく病気を打ち明けられなかったが、病気のことが妻にバレ、妻は家を飛び出す。そして妻は駅の階段から転落し、病院で目覚めると、夫のことを全て忘れていた。妻に悲しい思いをさせたくない夫は妻との離婚を決意し、妻が入院している間に、自分の痕跡を消し出て行くのだった。一ヶ月後、千葉県の海辺の町で生活を始めた夫は妻と遭遇する。なぜか妻はカフェ店員になっていた。はたして二人の運命は?
――――――――
※第8回ほっこりじんわり大賞奨励賞ありがとうございました!
僕《わたし》は誰でしょう
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
青春
※第7回ライト文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
交通事故の後遺症で記憶喪失になってしまった女子高生・比良坂すずは、自分が女であることに違和感を抱く。
「自分はもともと男ではなかったか?」
事故後から男性寄りの思考になり、周囲とのギャップに悩む彼女は、次第に身に覚えのないはずの記憶を思い出し始める。まるで別人のものとしか思えないその記憶は、一体どこから来たのだろうか。
見知らぬ思い出をめぐる青春SF。
※表紙イラスト=ミカスケ様
ハチミツ色の絵の具に溺れたい
桃本もも
青春
大学生になったばかりの梅若佐保には、ひとつだけ悔やんでも悔やみきれないことがあった。
高校で唯一仲良くしていた美術部の後輩、茜谷まほろが事故に遭うきっかけを作ってしまったことだ。
まほろは一命を取りとめたものの、意識不明がつづいている。
まほろがいない、無味乾燥な日々。
そんな佐保のもとに、入院しているはずのまほろが現れる。
「あたし、やりたいことがあって、先輩のところに来たんです」
意識だけの存在になったまほろとの、不思議なふたり暮らしがはじまる――
春風の香
梅川 ノン
BL
名門西園寺家の庶子として生まれた蒼は、病弱なオメガ。
母を早くに亡くし、父に顧みられない蒼は孤独だった。
そんな蒼に手を差し伸べたのが、北畠総合病院の医師北畠雪哉だった。
雪哉もオメガであり自力で医師になり、今は院長子息の夫になっていた。
自身の昔の姿を重ねて蒼を可愛がる雪哉は、自宅にも蒼を誘う。
雪哉の息子彰久は、蒼に一心に懐いた。蒼もそんな彰久を心から可愛がった。
3歳と15歳で出会う、受が12歳年上の歳の差オメガバースです。
オメガバースですが、独自の設定があります。ご了承ください。
番外編は二人の結婚直後と、4年後の甘い生活の二話です。それぞれ短いお話ですがお楽しみいただけると嬉しいです!
あやかし帝都の婚姻譚 〜浄癒の花嫁が祓魔の軍人に溺愛されるまで〜
鳴猫ツミキ
キャラ文芸
【完結】【第一章までで一区切り】時は大正。天羽家に生まれた桜子は、特異な体質から、家族に虐げられた生活を送っていた。すると女学院から帰ったある日、見合いをするよう命じられる。相手は冷酷だと評判の帝国陸軍あやかし対策部隊の四峰礼人だった。※和風シンデレラ風のお話です。恋愛要素が多いですが、あやかし要素が主体です。第9回キャラ文芸大賞に応募しているので、応援して頂けましたら嬉しいです。【第一章で一区切りで単体で読めますので、そこまででもご覧頂けると嬉しいです】。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる