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触っていいって言われたら触りますよね
しおりを挟むアグリッサ・メローの名前に2人がピクリと反応する。
しかしメロー、mellowか。
確かにこの胸はメローだ。見事に熟している。
「まさかこのような身なりでフィーオウの英雄にお会いすることになるとは思いませんでした。わたしは…、いまはメルと名乗っています。」
お前も誰だよ。
ほんとにお前ら誰だよ。
しかし胸と同じくらいに立場も大物なのか、この人。
「そちらは?」
「私は、エルダと。」
その細い目で2人を観察するメロー。
「メル様とエルダ殿…ですか。どうぞ、お掛けください。」
そういって2人に着座を促す。
2人が座るのを見届けて自分も椅子へと腰掛けた。
おっぱいがゆさっと揺れる。
「そちらの君も掛けてくれませんか?」
と部屋の隅にある椅子に着座を進められる。
2人と俺の扱いを分けてきてるな。
これは…、もう気づいてるってことか。
「いや、俺は結構…。ここで立たせてもらう。」
思わず出そうになった敬語を飲み込み、メルの斜め後に立つ。
俺は横暴に生きるんだ。
敬語なんて使わんぞ。
などと馬鹿なことを考えていると、メローの横に立つロリ巨乳兵士と目が会う。
にこっと笑ってくれた。
かわいい。
「君に立たれていると怖いのですが。まあ仕方ありませんね。」
細い目が少し開く。
なんか圧を感じるな。
「君、名前は?」
「クロウだ。」
きゅっと目が細まる。
「ふふっ、クロウ君。覚えておきましょう。」
どこか妖艶な響きのあるメローの声。
ぜひ覚えといてくれ。
「さて、本題にはいりましょう。この街へはどのような用件で?」
「言うまでもありません。ギルドに所属し市民権を得るためです。」
言葉遣いは違うけど、いつもの淡々とした雰囲気はあるな。
「なるほど。では経歴をお伺いしても?」
「私とエルダは国境の森を根城にする山賊に捕らえられていました。そこに騎士王国騎士団の襲撃があり逃げ出したところをクロウに救われました。」
ほぼ嘘だ。
すごいよメル。
「なぜ騎士団に助けを求めなかったのですか?」
「騎士王国の者に助けを求めることはできないとだけ…。」
これは嘘だけど本当でもあるんだろうな。
「山賊に捕らえられる前のことを伺っても?」
「それは…、お答えできません…。」
ふぅ、とため息をつくメロー。
「分の悪い賭けにでましたね。その回答ではとてもここには入れませんよ?本来であれば、ですが。」
「本来であれば、とは?」
「ふふっ、もしかすると確信がありましたか?ここに通されれば間違いないと。」
エルダの顔が僅かに引きつる。
「それにしても…、亡命を希望されるのかと思えば一市民となりたいとは…。すこし意外でした。確かに、それであれば勝算はあったのでしょうね。」
質問に答えず、独白を続けるメロー。
そして突然立ち上がり、メルの前に膝をつく。
「賭けは貴方の勝ちですよ。いえ、もしかしたら負けでしょうか。メルフィリア・オーデール閣下。フィーオウは貴方を歓迎いたします。」
メルフィリア・オーデール。
その名前を聞いた瞬間、メルの表情が凍りついたように固まる。
ガタリと椅子を倒さんばかりの勢いでエルダが立ち上がった。
「メロー将軍!その名で呼んで!その名を呼んだ上で我々を受け入れると言うのですか!?」
膝を着いたまま顔を上げ、エルダを見るメロー。
「私は将軍は辞していますよ。エルシーダ・カラント卿。仰るとおり、フィーオウは貴方方を受け入れます。すべてを理解した上で。」
「それが…、なにを意味するかは…。」
「もちろん理解しています。私たちは、フィーオウは既に準備ができているんですよ。そこに自分から切欠が転がり込んできた。喜ばしいことです。」
エルダも俯いたまま黙り込んでしまう。
「ふふっ、もちろん貴方方に干渉するつもりはありません。私たちが欲しいのは、貴方方が何者かを知った上で受け入れたという事実だけ。ですからどうぞ、この都市に冠された名前の通りに自由を謳歌してください。」
これは完全にやられたな。
外交問題を避けたいものだと思ってたら、外交問題を起こしたがってたわけか。
「あー、発言していいか?」
「おや、どうぞ、クロウ君。」
そう答えながら、メローが立ち上がり椅子へ掛け直す。
おっぱいがゆさっとした。
「俺は2人から詳しい話は聞いていないんだが、結局、俺達の今後に悪影響があるのか?」
「それはないと断言しましょう。オーデール閣下は立場を利用されることがご不快かもしれませんが。」
「そうか、なら問題ないな。」
俺の答えにきょとんとした表情を浮かべるメロー。
そしてすぐに肩を震わせ始める。
「ふふっ、ふふふっ、君、いいですね。クロウ君。民兵に登録するんでしょう?ぜひ正規兵にあがってきてください。私の傍に置きますから。」
「そのでかいのを揉ませてくれるなら考えとく。」
「ふふっ、その程度でいいんですか?こんなもので良ければ好きにしてかまいませんよ。」
そう言いながら、胸の下で腕を組んで持ち上げてくる。
すっげえ。
「真剣に考える。」
「ぜひお願いしますね。さて、それでは手続きを済ませてしまいましょうか。」
「あ、ひとつお願いがあった!」
「なんです?すこし触りますか?」
ロリ巨乳兵士に何かを申し付けようとしていたメローが手をとめる。
せっかくなので近付いて、おっぱいを掴んだ。
「はぁん!」
うっわ、でっかっ!柔らかっ!
「騎士王国から貰ってきた軍馬、買い取ってくれないか?」
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