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知らない時間
63:読めない本
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アケロンが作ってくれた扉は本当に便利だわ。すぐに色んな場所へ行けますもの。
今だって5分で宮殿の私の部屋へ戻って来れた。欲を言えばペルラに繋げていただきたいけども…
「ですが皇女様、ペルラに繋がったらカエオレウムに戻っていらっしゃる気があるのですか?」
「…ないわね」
私の独り言へのアガタの指摘に力強く頷く。
「でも勝手に国に戻ったら、それこそ攻め込まれてしまうでしょうから嫌々戻ってくると思うわ」
「ペルラの海が、お婆様達が言っていたように荒れ狂っていた時代ならまだ良かったかもしれませんね」
「ーーその手があるわね。お父様の三又槍で出来ないものかしら」
「どうでしょうね?」
首を傾げているアガタは私に本を手渡してくれた。表紙のカエオレウム語でもペルラ語でもない言葉で書かれているこれがタイトルかしら。
「皇女様が仰っているような記述の本はこちらになるかと」
「これだけ広い書斎なのに3冊しかないのね。ペルラに戻った方が見つかるかしら?」
「ど~でしょうねぇ?私も、アガタも実家の書斎では目にしたこともないです」
「コラーロがそう言うのなら、絶対にペルラには1冊もないわね」
魔法や呪術関係の本で2人の実家にないのであれば、それ以外あるとすればアケロンか魔女の所しかない。アケロンに聞くべきかもしれないけど、今は毒の方に集中して貰いたいし…。私のお詫びなのだから自分で手を動かさなきゃ意味がない気もするし…
でも大きな問題があるのよね。この言語、全く読めないわ。中身どころかタイトルすら分からないんじゃどうしようもない。アガタが見つけてくれたってことは、アガタとコラーロは読めるってことよね。出来が良すぎる侍女で嬉しいやら悔しいやら。
「アガタとコラーロはこの本が読めるの?」
「おおよそは…しかし、この一番分厚い本については私どもでは分からない言葉が多用されています」
そうアガタが指差したのは、古めかしい革張りの本であった。
「私とアガタは現代の主要な言葉を読めるように魔力を使っておりますが、読めないと言うことは古語だと思いますわ。それもカエオレウムの古語です」
「ふむ…アケロン以外で読める人を捜したいわね」
本好きと言えば、ああ、セールビエンスに聞いてみましょうか。ちょうど良いわ、セールビエンスに会いに行きましょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そんな流れでセールビエンスに訪問のお願いをした所、快諾していただけた。しかもトゥットに手紙を持って行って貰ったら、その場で『明日でも構わない』との返事までくれるなんて、セールビエンスはとても優しい人だと思う。
「それじゃあ、たまには正式に外出しましょうかしら」
「私めと、コラーロ、トゥット、誰がご一緒いたしましょうか?」
「そうねぇ…ではアガタ、久しぶりの外出に付き合って貰えるかしら?」
「かしこまりました」
あえて外出をすることにしたのには訳がある。
謹慎をし出して大分経っていることもあり、世間では私に対する噂やそれこそサラとの不仲説がかなり浮上しているらしい。
ーー正しく言えば、不仲説ではなく私がサラを一方的に避けており、皇女という存在にぞんざいに扱われる悲劇のテンペスタス子爵令嬢といった見方があると、王太后が教えてくれた。別に不仲でも私が避けているのでもただの噂だし、関わるよりも無害と思っていたのだけどそうとはいかないみたい。
関心の高い人物同士の不仲というのは、暇な上流階級にはなによりも美味しいごちそうなのだそうだ。
とりあえず避けていないですという素振りを見せることが大事というアドバイスを元に、サラがいるであろう時間帯にあえて廊下を歩くことにした。
すると予想通り、鍛錬をしている騎士達に微笑みを返したりしているサラと遭遇することが出来た。
外廊下だったので使用人やら官使やらがそれなりににぎやかにしていたはずなのに、私たちが顔を合わせた途端、辺りが妙に静まり返った。盗み見る程度にはマナーを持っているらしいわね。
「まぁぁルサルカ様!!お久しぶりです。お加減はもうよろしいのですか?」
「はい。随分よくなりましたわ。ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません」
「色々ございましたものね。先日の救民祭に向けた貴族令嬢の集まりにも来ていただけませんでしたし、心配しておりましたのよ」
救民祭の令嬢の集まり・・・?『来てない』とサラが言った途端、斜め前にいらっしゃる年配の女性が眉を顰めているわ。確かに、救民祭は令嬢達が真心を込めたバザーをするしきたりですもんね。
でも言い訳をさせてもらうと、そもそもお誘いも受けていないのですけどもねぇ。
考える必要もなく、恐らく参加者には『お声掛けしたのに無視されました』と悲しげなお顔で伝えて下さったのでしょう。
…まぁ、いいか。
集まりには体調が悪いくて遠慮したとして、救民祭そのものはまだ開催してないし。私は私で何か用意させていただくわ。
「…サラ様のお気遣いを無下にしてしまって大変失礼をしてしまいました。お許しくださいね」
「いいえいいえ。皆さんにはルサルカ様の状況をお伝えしましたので大丈夫です。私でよろしければまたお話を聞きますわ!それに私のお友達もルサルカ様とお話ししたいと言っておりますのよ?是非、この国の同世代と交流を深めてくださいね」
「ええ、機会があれば(そんな機会は全力で作らないようにいたしますけど)」
これで会話を終わりにする印として、にっこりと微笑み合うと、サラはアガタが持っている本に気がついたようだった。
「ーーあら、ルサルカ様は古語が読めますの?」
「お恥ずかしい。まだ勉強中なのです」
「差し出がましいですが、古語で書かれた本は禁書であることが多いですからあまりお手に取らない方が良いですよ」
「そうだったのですか?!しかし、この本は陛下が用意して下さった書斎にあった物ですし…」
「紛れ込んでしまったのかもしれませんねぇ。お部屋に戻って隠した方がよろしいですよ!幸い私しか見ておりませんから」
それは一番怖いわね。
酷く晴れている昼間なのに、サラの笑顔に影が見えるのは気のせいかしら。
「ご忠告ありがとうございます。ではそのようにいたしますので、急いで部屋に戻りますわ。それでは失礼いたします」
サラの忠告を受け入れ本を隠しに行くと言うと、サラは満足げに頷き、そして周囲の何人かは『身分に臆さずに発言が出来るサラ様』を誉め称えていた。
私は忠告をしてくれたサラにことさら大げさに礼を言い、そのまま会話を終了させる良い口実として本を部屋に戻すフリをして用意していた馬車に乗り込んだのだった。
今だって5分で宮殿の私の部屋へ戻って来れた。欲を言えばペルラに繋げていただきたいけども…
「ですが皇女様、ペルラに繋がったらカエオレウムに戻っていらっしゃる気があるのですか?」
「…ないわね」
私の独り言へのアガタの指摘に力強く頷く。
「でも勝手に国に戻ったら、それこそ攻め込まれてしまうでしょうから嫌々戻ってくると思うわ」
「ペルラの海が、お婆様達が言っていたように荒れ狂っていた時代ならまだ良かったかもしれませんね」
「ーーその手があるわね。お父様の三又槍で出来ないものかしら」
「どうでしょうね?」
首を傾げているアガタは私に本を手渡してくれた。表紙のカエオレウム語でもペルラ語でもない言葉で書かれているこれがタイトルかしら。
「皇女様が仰っているような記述の本はこちらになるかと」
「これだけ広い書斎なのに3冊しかないのね。ペルラに戻った方が見つかるかしら?」
「ど~でしょうねぇ?私も、アガタも実家の書斎では目にしたこともないです」
「コラーロがそう言うのなら、絶対にペルラには1冊もないわね」
魔法や呪術関係の本で2人の実家にないのであれば、それ以外あるとすればアケロンか魔女の所しかない。アケロンに聞くべきかもしれないけど、今は毒の方に集中して貰いたいし…。私のお詫びなのだから自分で手を動かさなきゃ意味がない気もするし…
でも大きな問題があるのよね。この言語、全く読めないわ。中身どころかタイトルすら分からないんじゃどうしようもない。アガタが見つけてくれたってことは、アガタとコラーロは読めるってことよね。出来が良すぎる侍女で嬉しいやら悔しいやら。
「アガタとコラーロはこの本が読めるの?」
「おおよそは…しかし、この一番分厚い本については私どもでは分からない言葉が多用されています」
そうアガタが指差したのは、古めかしい革張りの本であった。
「私とアガタは現代の主要な言葉を読めるように魔力を使っておりますが、読めないと言うことは古語だと思いますわ。それもカエオレウムの古語です」
「ふむ…アケロン以外で読める人を捜したいわね」
本好きと言えば、ああ、セールビエンスに聞いてみましょうか。ちょうど良いわ、セールビエンスに会いに行きましょう。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そんな流れでセールビエンスに訪問のお願いをした所、快諾していただけた。しかもトゥットに手紙を持って行って貰ったら、その場で『明日でも構わない』との返事までくれるなんて、セールビエンスはとても優しい人だと思う。
「それじゃあ、たまには正式に外出しましょうかしら」
「私めと、コラーロ、トゥット、誰がご一緒いたしましょうか?」
「そうねぇ…ではアガタ、久しぶりの外出に付き合って貰えるかしら?」
「かしこまりました」
あえて外出をすることにしたのには訳がある。
謹慎をし出して大分経っていることもあり、世間では私に対する噂やそれこそサラとの不仲説がかなり浮上しているらしい。
ーー正しく言えば、不仲説ではなく私がサラを一方的に避けており、皇女という存在にぞんざいに扱われる悲劇のテンペスタス子爵令嬢といった見方があると、王太后が教えてくれた。別に不仲でも私が避けているのでもただの噂だし、関わるよりも無害と思っていたのだけどそうとはいかないみたい。
関心の高い人物同士の不仲というのは、暇な上流階級にはなによりも美味しいごちそうなのだそうだ。
とりあえず避けていないですという素振りを見せることが大事というアドバイスを元に、サラがいるであろう時間帯にあえて廊下を歩くことにした。
すると予想通り、鍛錬をしている騎士達に微笑みを返したりしているサラと遭遇することが出来た。
外廊下だったので使用人やら官使やらがそれなりににぎやかにしていたはずなのに、私たちが顔を合わせた途端、辺りが妙に静まり返った。盗み見る程度にはマナーを持っているらしいわね。
「まぁぁルサルカ様!!お久しぶりです。お加減はもうよろしいのですか?」
「はい。随分よくなりましたわ。ご心配をおかけしてしまい申し訳ございません」
「色々ございましたものね。先日の救民祭に向けた貴族令嬢の集まりにも来ていただけませんでしたし、心配しておりましたのよ」
救民祭の令嬢の集まり・・・?『来てない』とサラが言った途端、斜め前にいらっしゃる年配の女性が眉を顰めているわ。確かに、救民祭は令嬢達が真心を込めたバザーをするしきたりですもんね。
でも言い訳をさせてもらうと、そもそもお誘いも受けていないのですけどもねぇ。
考える必要もなく、恐らく参加者には『お声掛けしたのに無視されました』と悲しげなお顔で伝えて下さったのでしょう。
…まぁ、いいか。
集まりには体調が悪いくて遠慮したとして、救民祭そのものはまだ開催してないし。私は私で何か用意させていただくわ。
「…サラ様のお気遣いを無下にしてしまって大変失礼をしてしまいました。お許しくださいね」
「いいえいいえ。皆さんにはルサルカ様の状況をお伝えしましたので大丈夫です。私でよろしければまたお話を聞きますわ!それに私のお友達もルサルカ様とお話ししたいと言っておりますのよ?是非、この国の同世代と交流を深めてくださいね」
「ええ、機会があれば(そんな機会は全力で作らないようにいたしますけど)」
これで会話を終わりにする印として、にっこりと微笑み合うと、サラはアガタが持っている本に気がついたようだった。
「ーーあら、ルサルカ様は古語が読めますの?」
「お恥ずかしい。まだ勉強中なのです」
「差し出がましいですが、古語で書かれた本は禁書であることが多いですからあまりお手に取らない方が良いですよ」
「そうだったのですか?!しかし、この本は陛下が用意して下さった書斎にあった物ですし…」
「紛れ込んでしまったのかもしれませんねぇ。お部屋に戻って隠した方がよろしいですよ!幸い私しか見ておりませんから」
それは一番怖いわね。
酷く晴れている昼間なのに、サラの笑顔に影が見えるのは気のせいかしら。
「ご忠告ありがとうございます。ではそのようにいたしますので、急いで部屋に戻りますわ。それでは失礼いたします」
サラの忠告を受け入れ本を隠しに行くと言うと、サラは満足げに頷き、そして周囲の何人かは『身分に臆さずに発言が出来るサラ様』を誉め称えていた。
私は忠告をしてくれたサラにことさら大げさに礼を言い、そのまま会話を終了させる良い口実として本を部屋に戻すフリをして用意していた馬車に乗り込んだのだった。
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