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揺らぎ始める
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「ナギという名前は、この国の古典語で『視野が広い』って意味なんです…あまり、俺には合っているようには思えないですが」
「いいえ、ナギ様に良く合うお名前だと思います。隠れて折れたあの花に目を向けられる視野の広さと心の深さが表された、素敵な名前ですよ。よりナギ様が好きになってしまいそうです」
「あ、ぅ、照れちゃうから止めてください…そうだ、翠蓮様のお名前の由来は何ですか?」
「我が家は代々長男に両親が選んだ色を名付けられる風習があるんです。それで翠色が選ばれて、お母様の好きな蓮の花と合わせて翠蓮となりました」
「わぁ……翠色って、どんな色なんですか?」
「ふふ、目の前にありますよ。ほら」
「…えっ!このお着物の色なんですか!?凄い…!!こ、これ、このお着物の名前ってなんですか?」
「興味を持ってくれて嬉しいです、これは母国の伝統衣装で、『ユカタ』と言うんですよ」
「えっユカタ!?まさか、ニホンと同じだなんて…!!」
「オシバナ?って、何ですか?」
「お花が枯れる前に透明な紙を表にして推し挟むことで、ずっと其の姿を保てると言う方法です。栞とか飾りにも出来ますよ」
「わぁ、凄い…!!やってみたいなぁ…」
「今度透明な紙をお送り致しますね、是非作って見てください。良ければ私にも見せて下さると嬉しいです」
「勿論です!ああ、あの時知っていればなぁ~」
「ーーーー………それで、皇位継続の際は宝刀を受け継ぐんです。イッセ王国でもそう言ったものはありますか?」
「はい、長男のリギア兄様は数年後には第一国王から伝わっている王冠を戴くんです」
「成程、王冠ですか…ナギ様にはこの国のティアラを着けて結婚式に出て頂こうかな?」
「えっそんなぁ、一応男なんですから王冠がいいですよぉ~!」
「ふふ、結婚は嫌じゃないんですね」
「あっちが、違くもないですけど、ええと……っ」
翠蓮様の国は、やっぱりあのニホンとほぼ同じ文化があって他にも独自の歴史があって凄く面白かった
気づけば時間はあっという間に経っていって…
翠蓮様の付き添いらしき方と、メイドさんが一礼して部屋のドアを開けた事で漸く体の疲れに気づいた
「失礼致します。翠蓮様、もうそろそろお時間となります」
「…分かりました。ああ、随分と話し込んでしまいましたね。座りっぱなしで疲れた頃でしょう?」
「あ、もうそんなお時間に!?わあ、三時間も経ってる…翠蓮様と話すのが楽しかったからあっという間でした!」
「…!ふふっ嬉しいです。次は来月には来られるかと思いますので、それ迄はお手紙を送らせて頂きますね」
「っはい!お手紙、お待ちしております」
こうして、玄関先までお見送りして………
「…結婚、かぁ」
俺は、揺らぎ始めていた
「いいえ、ナギ様に良く合うお名前だと思います。隠れて折れたあの花に目を向けられる視野の広さと心の深さが表された、素敵な名前ですよ。よりナギ様が好きになってしまいそうです」
「あ、ぅ、照れちゃうから止めてください…そうだ、翠蓮様のお名前の由来は何ですか?」
「我が家は代々長男に両親が選んだ色を名付けられる風習があるんです。それで翠色が選ばれて、お母様の好きな蓮の花と合わせて翠蓮となりました」
「わぁ……翠色って、どんな色なんですか?」
「ふふ、目の前にありますよ。ほら」
「…えっ!このお着物の色なんですか!?凄い…!!こ、これ、このお着物の名前ってなんですか?」
「興味を持ってくれて嬉しいです、これは母国の伝統衣装で、『ユカタ』と言うんですよ」
「えっユカタ!?まさか、ニホンと同じだなんて…!!」
「オシバナ?って、何ですか?」
「お花が枯れる前に透明な紙を表にして推し挟むことで、ずっと其の姿を保てると言う方法です。栞とか飾りにも出来ますよ」
「わぁ、凄い…!!やってみたいなぁ…」
「今度透明な紙をお送り致しますね、是非作って見てください。良ければ私にも見せて下さると嬉しいです」
「勿論です!ああ、あの時知っていればなぁ~」
「ーーーー………それで、皇位継続の際は宝刀を受け継ぐんです。イッセ王国でもそう言ったものはありますか?」
「はい、長男のリギア兄様は数年後には第一国王から伝わっている王冠を戴くんです」
「成程、王冠ですか…ナギ様にはこの国のティアラを着けて結婚式に出て頂こうかな?」
「えっそんなぁ、一応男なんですから王冠がいいですよぉ~!」
「ふふ、結婚は嫌じゃないんですね」
「あっちが、違くもないですけど、ええと……っ」
翠蓮様の国は、やっぱりあのニホンとほぼ同じ文化があって他にも独自の歴史があって凄く面白かった
気づけば時間はあっという間に経っていって…
翠蓮様の付き添いらしき方と、メイドさんが一礼して部屋のドアを開けた事で漸く体の疲れに気づいた
「失礼致します。翠蓮様、もうそろそろお時間となります」
「…分かりました。ああ、随分と話し込んでしまいましたね。座りっぱなしで疲れた頃でしょう?」
「あ、もうそんなお時間に!?わあ、三時間も経ってる…翠蓮様と話すのが楽しかったからあっという間でした!」
「…!ふふっ嬉しいです。次は来月には来られるかと思いますので、それ迄はお手紙を送らせて頂きますね」
「っはい!お手紙、お待ちしております」
こうして、玄関先までお見送りして………
「…結婚、かぁ」
俺は、揺らぎ始めていた
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