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16・情事
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俺は、どんな相手にも従順にできるよう躾けられた犬だった。
ラブホテルの天井に張ってある鏡を眺めながら、三下に組み敷かれ、足を開く。ゴムをつけてやったのは俺だ。戸惑いながら秘部を探っていた男のものが、それとない誘導により挿入口を見いだすなり、仕留めたとばかりに圧しこんでくる。
声くらいかけろ、と内心で舌打ちしつつ、微かな息を洩らすにとどめた。
「あぁ、矢奈くん……っ」
三下は、まさか童貞ではないだろうが、男相手の行為がはじめてだというのはほんとうらしい。受け側の負担など想像もできないらしく、俺の脛を抱え、めちゃくちゃに腰を突きこみながら感歎の息を洩らしている。
「きみはっ、学生なのに……、教授とこんなことをしていいと、思っているのかねっ……?」
もう少しゆっくり動いてくれないだろうか。慣れている行為とはいえ、無闇に擦られるだけでは感じる振りもしづらい。それでも、ごくたまに掠めるポイントへの感覚を意識しながら吐息をこぼすと、小さな声が洩れた。三下は嬉しそうだ。
「こんな、こと……学生としていると大学にばれたら、私は身の破滅、だ……っ」
どうぞ。破滅する前の快楽を、存分に味わえばいい。
俺のスマホは、伏せた状態でベッドサイドに置いてあった。ボイスレコーダーはさぞ鮮明に、三下の喘ぎ声を録音してくれていることだろう。明日、録音を持って大学の事務局を訪れ、三下教授に脅されてレイプされたとでも訴えれば、復讐は完了だ。
森脇がもう、三下にいじめられることはなくなる。
(だが森脇は……三下が追いだされるのを、望まないんじゃないか?)
ふと、そんな疑念が脳裏を過ぎる。だってあいつは食堂にも来られないくらいにいびられ、明らかにやつれていながらも『将来のためにつながることだからいいんだよ』と笑っていた。三下の暴挙を喜んではいないだろうが、そもそもは目をかけられて手伝いもしていたというのだから、心の底では教授として尊敬し、慕っているのかもしれない。
三下のほうもそれをわかっているから、調教などという戯言を……。
「矢奈くん?」
無反応になった俺を、不安そうにのぞき込む顔。無論、三下なのだが、一瞬俺は中年男の冴えない面立ちに森脇を重ねた。
あいつがキラキラした目を心配そうに翳らせて、俺を見おろしていたら、と。
――『どーしたの、矢奈。大丈夫?』
あの顔と、声で……想像したとたんに、三下に貫かれている部分が疼いた。声が洩れる。体の熱が上がり、そこがびくびくと震えたのが三下にも伝わったらしい。
「ぁ、あ……いいのかい? 矢奈くん、感じている? そんなに締めつけないで、くれたまえ……ぁっ、きみはほんとうに、最高だっ……」
――『矢奈、そんな締めんなって。ほんとおまえ、可愛いな』
(黙れ、消えろ)
俺を組み敷き、甘い言葉を囁く森脇の幻影。自分で生みだしたものだとわかっているのに、その存在が許せなかった。森脇はノーマルだ。俺のピアノを好きになってくれた友人なのに、心のなかであっても汚していいはずがない。
俺は森脇を汚したくない。
なのに、三下が腰の動きを激しくするにつれて、俺の理性も飛んでいく。
「矢奈くん」
と、熱のこもった囁きを森脇の声だと思いこもうとし、体を伸ばして圧しつけてきた三下の唇さえ、森脇のもののように受けとめて、舌を絡め返した。
「矢奈くん、矢奈くん、……ぁあ!」
――『矢奈。どーしたの、矢奈……好きだよ』
三下が背を反らし、俺の奥で達する。ゴムのなかで放出される熱が弱まる前に、俺も自分から腰を動かし、少し遅れて達した。下腹部を濡らすものに気づいた三下が、放心しかけていた目に新たな興奮の光を宿らせる。
「きみも……よかったのだね? 矢奈くん。私もとても……ああ泣かないで。怖かったのか。よしよし、待ちなさい。今度はもっとゆっくりと、じっくりと愛してあげるから」
俺は泣いているつもりはなかったが、眦になにか滲ませていたかもしれない。大事な友人を最後のときまで思い浮かべたのが申し訳なくて――なのに、再び三下の唇が肌を辿りだすと、講堂で居眠りをしていた森脇の口の柔らかさを思いだして、触れているのがあの唇だと思いこもうとする。
(だって、そんなことは起こり得ないだろうが)
森脇はノーマルだし、屈託ないから女子にも好かれている。たとえ俺を人として嫌っているわけではないとしても、こんなふうに組み敷いたりする状況など望むわけがない。
あいつと俺は相容れない。
俺は森脇のためだなどと言い訳しながら、あいつが尊敬する教授を貶めて、自慰の代用に使っているだけだった。
ほんとうに気持ち悪い。俺は、俺のことが吐き気がするほど、大嫌いだ。
たっぷり二回戦を楽しんだあと、三下が眠りに落ちたのを確かめてから、俺はボイスレコーダを止めた。カメラを起動し、あられもなく下半身をさらした教授の寝姿を数枚撮影してから、少し迷う。
(俺も一緒に写りこんだほうが……説得力はあるか)
自分の体を見下ろすと、溜息が洩れた。あちこち痣だらけ、キスマークだらけだ。
まったく、げに恐ろしきは初心者というか、相手が俺ではない男だったら三下は殴り倒されていたかもしれない。怠い体で無理やり起き上がり、自撮りモードで、痣がうまく写るように三下を背景に写真を撮った。
(葉山が見たら、よほど呆れるだろうな)
南米まで蝶を追いかけていった友人との違いに、笑いさえ込みあげてくる。
体はあちこちべたついていて、シャワーを浴びたい気持ちはあるのに、動く気力が湧かなかった。これは疲れというより、虚しさか。いったいなぜだろう……俺は自分の意志で三下と寝たはずで、その目的もちゃんと果たしたはずなのに。
好きでもない相手と寝るのだって慣れているはずなのに、どうして、こんなにも……。
明かりの消えたスマホを額に押しつけ、目を閉じてじっとしているうちに、少し意識が途切れたのかもしれない。電話の音に、はっとする。ラブホテルの部屋に備えつけの電話機が光っていた。取るとフロントからで、退出時間十分前の知らせ。頼めば延長できることは知っていたが、俺は「はい」と答えただけで受話器を置き、三下を揺り起こした。
「三下教授、起きてください。ここを出る時間です」
「ん……ううむ、きみは……矢奈くんっ? なんということだ、私は……」
「『あれはナイチンゲールではなく、ひばりの鳴き声です』」
ジュリエットの台詞をサービスしてやりながら、俺は手早く下着を身に着け、着替えた。どうやら三下は酒の酔いが抜けて、現実を受け止めきれずにいるようだ。散らばっていた奴の服を拾ってやって、着替えを促した。
「急がないと、フロントの人間が来て追い出されてしまいますよ」
「そうか。そういうものなのかね……ところで、今夜、ここであったことは」
「……秘密ですね。もちろん、誰にも言うはずありません」
にっこりと大嘘をついてやると、やっと安心したらしい。湿った下着をいそいそと身に着け、鏡を見て姿を整えてから、俺を振り返る。
「それでは行こうか、矢奈くん」
「ええ」
ドア横の支払機で精算を済ませて、廊下に出ると、すぐに出口だ。俺はさっさと三下と別れたかったし、三下もそうだろうと思ったのだが、ロビーを横切るときふいに、腰のところに引きとめる手を感じた。振り向くと三下が真面目な面持ちで俺をじっと見ている。
「なんでしょうか?」
「矢奈くん。その……今日のことは一夜限りの夢だと言ったが……ほんとうにそうなのかね?」
当たり前だ。
と、正直に言って機嫌を損ねるほど俺も馬鹿ではないので、身を屈め、三下の毛量に乏しい生え際に口づけてやる。
「それは教授の『お気の召すまま』に……ですが、今夜はここで。二人で連れ立って出て、誰かに見られたら教授のご迷惑になりますから」
「そ、そうだねっ。では、私が先に出よう。矢奈くんはあとからゆっくり……これで。タクシーで帰って、ゆっくり休むといい」
三下が財布から取り出して俺に握らせたのは、千円札が二枚。これが俺の値段か。突き返す気力も湧かず、浮かれ足で出ていく中年男の背中を見送った。
ラブホテルの天井に張ってある鏡を眺めながら、三下に組み敷かれ、足を開く。ゴムをつけてやったのは俺だ。戸惑いながら秘部を探っていた男のものが、それとない誘導により挿入口を見いだすなり、仕留めたとばかりに圧しこんでくる。
声くらいかけろ、と内心で舌打ちしつつ、微かな息を洩らすにとどめた。
「あぁ、矢奈くん……っ」
三下は、まさか童貞ではないだろうが、男相手の行為がはじめてだというのはほんとうらしい。受け側の負担など想像もできないらしく、俺の脛を抱え、めちゃくちゃに腰を突きこみながら感歎の息を洩らしている。
「きみはっ、学生なのに……、教授とこんなことをしていいと、思っているのかねっ……?」
もう少しゆっくり動いてくれないだろうか。慣れている行為とはいえ、無闇に擦られるだけでは感じる振りもしづらい。それでも、ごくたまに掠めるポイントへの感覚を意識しながら吐息をこぼすと、小さな声が洩れた。三下は嬉しそうだ。
「こんな、こと……学生としていると大学にばれたら、私は身の破滅、だ……っ」
どうぞ。破滅する前の快楽を、存分に味わえばいい。
俺のスマホは、伏せた状態でベッドサイドに置いてあった。ボイスレコーダーはさぞ鮮明に、三下の喘ぎ声を録音してくれていることだろう。明日、録音を持って大学の事務局を訪れ、三下教授に脅されてレイプされたとでも訴えれば、復讐は完了だ。
森脇がもう、三下にいじめられることはなくなる。
(だが森脇は……三下が追いだされるのを、望まないんじゃないか?)
ふと、そんな疑念が脳裏を過ぎる。だってあいつは食堂にも来られないくらいにいびられ、明らかにやつれていながらも『将来のためにつながることだからいいんだよ』と笑っていた。三下の暴挙を喜んではいないだろうが、そもそもは目をかけられて手伝いもしていたというのだから、心の底では教授として尊敬し、慕っているのかもしれない。
三下のほうもそれをわかっているから、調教などという戯言を……。
「矢奈くん?」
無反応になった俺を、不安そうにのぞき込む顔。無論、三下なのだが、一瞬俺は中年男の冴えない面立ちに森脇を重ねた。
あいつがキラキラした目を心配そうに翳らせて、俺を見おろしていたら、と。
――『どーしたの、矢奈。大丈夫?』
あの顔と、声で……想像したとたんに、三下に貫かれている部分が疼いた。声が洩れる。体の熱が上がり、そこがびくびくと震えたのが三下にも伝わったらしい。
「ぁ、あ……いいのかい? 矢奈くん、感じている? そんなに締めつけないで、くれたまえ……ぁっ、きみはほんとうに、最高だっ……」
――『矢奈、そんな締めんなって。ほんとおまえ、可愛いな』
(黙れ、消えろ)
俺を組み敷き、甘い言葉を囁く森脇の幻影。自分で生みだしたものだとわかっているのに、その存在が許せなかった。森脇はノーマルだ。俺のピアノを好きになってくれた友人なのに、心のなかであっても汚していいはずがない。
俺は森脇を汚したくない。
なのに、三下が腰の動きを激しくするにつれて、俺の理性も飛んでいく。
「矢奈くん」
と、熱のこもった囁きを森脇の声だと思いこもうとし、体を伸ばして圧しつけてきた三下の唇さえ、森脇のもののように受けとめて、舌を絡め返した。
「矢奈くん、矢奈くん、……ぁあ!」
――『矢奈。どーしたの、矢奈……好きだよ』
三下が背を反らし、俺の奥で達する。ゴムのなかで放出される熱が弱まる前に、俺も自分から腰を動かし、少し遅れて達した。下腹部を濡らすものに気づいた三下が、放心しかけていた目に新たな興奮の光を宿らせる。
「きみも……よかったのだね? 矢奈くん。私もとても……ああ泣かないで。怖かったのか。よしよし、待ちなさい。今度はもっとゆっくりと、じっくりと愛してあげるから」
俺は泣いているつもりはなかったが、眦になにか滲ませていたかもしれない。大事な友人を最後のときまで思い浮かべたのが申し訳なくて――なのに、再び三下の唇が肌を辿りだすと、講堂で居眠りをしていた森脇の口の柔らかさを思いだして、触れているのがあの唇だと思いこもうとする。
(だって、そんなことは起こり得ないだろうが)
森脇はノーマルだし、屈託ないから女子にも好かれている。たとえ俺を人として嫌っているわけではないとしても、こんなふうに組み敷いたりする状況など望むわけがない。
あいつと俺は相容れない。
俺は森脇のためだなどと言い訳しながら、あいつが尊敬する教授を貶めて、自慰の代用に使っているだけだった。
ほんとうに気持ち悪い。俺は、俺のことが吐き気がするほど、大嫌いだ。
たっぷり二回戦を楽しんだあと、三下が眠りに落ちたのを確かめてから、俺はボイスレコーダを止めた。カメラを起動し、あられもなく下半身をさらした教授の寝姿を数枚撮影してから、少し迷う。
(俺も一緒に写りこんだほうが……説得力はあるか)
自分の体を見下ろすと、溜息が洩れた。あちこち痣だらけ、キスマークだらけだ。
まったく、げに恐ろしきは初心者というか、相手が俺ではない男だったら三下は殴り倒されていたかもしれない。怠い体で無理やり起き上がり、自撮りモードで、痣がうまく写るように三下を背景に写真を撮った。
(葉山が見たら、よほど呆れるだろうな)
南米まで蝶を追いかけていった友人との違いに、笑いさえ込みあげてくる。
体はあちこちべたついていて、シャワーを浴びたい気持ちはあるのに、動く気力が湧かなかった。これは疲れというより、虚しさか。いったいなぜだろう……俺は自分の意志で三下と寝たはずで、その目的もちゃんと果たしたはずなのに。
好きでもない相手と寝るのだって慣れているはずなのに、どうして、こんなにも……。
明かりの消えたスマホを額に押しつけ、目を閉じてじっとしているうちに、少し意識が途切れたのかもしれない。電話の音に、はっとする。ラブホテルの部屋に備えつけの電話機が光っていた。取るとフロントからで、退出時間十分前の知らせ。頼めば延長できることは知っていたが、俺は「はい」と答えただけで受話器を置き、三下を揺り起こした。
「三下教授、起きてください。ここを出る時間です」
「ん……ううむ、きみは……矢奈くんっ? なんということだ、私は……」
「『あれはナイチンゲールではなく、ひばりの鳴き声です』」
ジュリエットの台詞をサービスしてやりながら、俺は手早く下着を身に着け、着替えた。どうやら三下は酒の酔いが抜けて、現実を受け止めきれずにいるようだ。散らばっていた奴の服を拾ってやって、着替えを促した。
「急がないと、フロントの人間が来て追い出されてしまいますよ」
「そうか。そういうものなのかね……ところで、今夜、ここであったことは」
「……秘密ですね。もちろん、誰にも言うはずありません」
にっこりと大嘘をついてやると、やっと安心したらしい。湿った下着をいそいそと身に着け、鏡を見て姿を整えてから、俺を振り返る。
「それでは行こうか、矢奈くん」
「ええ」
ドア横の支払機で精算を済ませて、廊下に出ると、すぐに出口だ。俺はさっさと三下と別れたかったし、三下もそうだろうと思ったのだが、ロビーを横切るときふいに、腰のところに引きとめる手を感じた。振り向くと三下が真面目な面持ちで俺をじっと見ている。
「なんでしょうか?」
「矢奈くん。その……今日のことは一夜限りの夢だと言ったが……ほんとうにそうなのかね?」
当たり前だ。
と、正直に言って機嫌を損ねるほど俺も馬鹿ではないので、身を屈め、三下の毛量に乏しい生え際に口づけてやる。
「それは教授の『お気の召すまま』に……ですが、今夜はここで。二人で連れ立って出て、誰かに見られたら教授のご迷惑になりますから」
「そ、そうだねっ。では、私が先に出よう。矢奈くんはあとからゆっくり……これで。タクシーで帰って、ゆっくり休むといい」
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