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第6話。
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妻との出会いが、俺を変えた。俺と父親の距離が開くにしたがって、俺は、妻の方の家族との距離が近くなってきた。また、俺は、その頃から、父親と会いたくなくなって、同じ家にいても、逃げ回るようになった。そして、どんどん、妻の方と仲が良くなった。妻の家である武田家には、週末、通い婚をするようになった。また、妻は、うちの町から車で1時間ほど行ったところにある、縫製工場で働いていた。俺は妻に惹かれた。そして、どんどん、父親やうちの親族のことが嫌になってきた。これは、正直な気持ちだ。例えば、父親が耄碌するにつれて、すっかり愛想が尽き、写真を全部、燃えるゴミに捨ててやったし、持ち物も片っ端から処分してやった。それでいい。世の中、光と影だ。俺はいつの間にか、光になっていた。一方で、父親は影だ。俺は、父親の財布から、定期的にお金を抜き取って、妻の家に持っていくことをした。悪いこととは思ってなかった。父親がわがままになるにつれ、俺は武田家に献金をするようになった。若い俺の気が済まなかったのだった。また、レビー小体型認知症の老人の財布から現金を抜いても、バレも何もしなかったのだ。
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