『我が青春』

篠崎俊樹

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第5話。

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 ブログに、俺は、ミステリー小説を連載し始めた。最初、何も分からずに書いていて、適当に執筆して、原稿を推敲して、サイトにアップしていた。それが、結構評判が良くて、東京の某出版社の営業マンが、うちで出版しないか、と言ってきた。最初、書籍の出版というのが分からなくて、俺は戸惑った。それに、使ったペンネームも、本名をもじったもので、正直言って、変だった。俺の処女作は、初版1000部。自費出版だから、そんなものだ。掛かった費用は400万円。俺の障害年金から出した。その前後に、父親が経営していた会社が倒産し、多額の借金ができた。全部で、2500万円ほど。その頃から、父親は認知症が入り始めて、記憶障害も出始め、俺が、後に、ネットで検索して調べたら、レビー小体型認知症ということだった。深刻だ。物事に関心が無くなる。昔話が多くなる。全般的に、消極的になってくる。俺は父親を見て、分かった。あの虚ろな目。挙動不審。全部そうだ。あと、記憶が飛んでいる。俺はその頃から、父親に関して、投げ始めた。当時、60代後半で、悪い類の認知症の症状が出てきても、おかしくはない。また、偉く乱暴な態度を取るようになってきたことも、その、レビー小体型認知症の症状ゆえだと分かった。どうしようもない。夜は酒。浴びるほど飲んで、顔も洗わずに、寝室に入って、グーグー寝る。下手すると、10時間ぐらい寝ていた。人間、六十代でそうなるものか?俺はそう思った。同時に、俺にまた、転機が訪れた。事実婚の妻との出会いだ。



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