『我が青春』

篠崎俊樹

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第4話。

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 ちょうど、俺は、20歳の夏に、福岡市内の精神科の病院に入院した。半年ほどいた。その時、俺に、一つの災難が訪れた。母親が過労で倒れ、脳梗塞となり、搬送先の大学病院で手術を受けたが、手遅れで、植物人間となったのだ。そして、その年の年末、ちょうど、町に冬が訪れて、寒い頃、帰らぬ人となった。葬儀には、伯父や伯母、その他、親族はすべて参列した。はっきり言って、俺は泣いた。初めて人の死に接した。母親の亡骸は、冷たかった。もうこの人は、この世にいない。そうなのだった。享年48歳。あまりに早い死だった。普通なら、40代などと言えば、亡くなる年じゃないだろう。だが、母親は死んだ。俺にとって、傷となり、痛手となった。俺の文才――大げさな言い方だが――は、母親の血から来ていた。今存命なら、70歳ぐらい。妹に、子供が2人いるから、孫がいることになる。俺にとって、痛手だった。母親とは喧嘩もしたが、基本的に、俺の将来が心配だったらしい。俺は本だけは買って、読んでいた。鴎外全集や芥川全集、太宰全集などは、読んでしまった。俺は文章を書くことに対して、優秀過ぎたのだ。そして、ますます、作家になりたいと願うようになった。その頃、俺は、隣町の精神科に月一回、通院するようになった。外来患者で、投薬もしてもらったし、診察もしてもらえたし、ソーシャルワーカーにお願いして、障害年金も受給できるように、申請を通してもらった。年金は少なかったが、俺は、収入ができたことで、余裕もできた。ブログを開設し、創作を本格化させた。俺にとって、ネット小説家の日々が始まったのだ。


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