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羽音 2
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暫くベンチに座って海翔の様子を見ていた犬飼が
「タクシーで帰りましょう」
と、海翔を促した
「え・・・もう少し休めば電車で帰れるよあと一駅だし」
「帰れるようには見えませんよ」
すっかり血の気を失って青ざめたままの海翔の横顔を見つめながら、犬飼が静かに言った
「私もそろそろ戻って食事の支度をしないと」
所用を済ませてこれから寮に戻るところだった、と犬飼は言っていた
「それに・・・朝から朋君が随分心配してましたよ」
「あぁ・・・」
そういえば、寮に着いたら連絡しろって言ってたな・・・
落ち着かない様子で何度もスマホを確認している朋の姿が脳裏に浮かんだ
「お願いします」
「改札を出れば駅前にタクシーが並んでいるはずです。そこまで歩けますか?」
「たぶん・・・」
何度か小さく瞬きをしてから、海翔は息を止めるようにしてゆっくり立ち上がる
「荷物、持ちますよ」
犬飼は自然な動きで海翔が持っていた鞄とペットボトルを引き受けると、海翔の様子を伺いながら駅の改札へと先に立って歩いた
「タクシーで帰りましょう」
と、海翔を促した
「え・・・もう少し休めば電車で帰れるよあと一駅だし」
「帰れるようには見えませんよ」
すっかり血の気を失って青ざめたままの海翔の横顔を見つめながら、犬飼が静かに言った
「私もそろそろ戻って食事の支度をしないと」
所用を済ませてこれから寮に戻るところだった、と犬飼は言っていた
「それに・・・朝から朋君が随分心配してましたよ」
「あぁ・・・」
そういえば、寮に着いたら連絡しろって言ってたな・・・
落ち着かない様子で何度もスマホを確認している朋の姿が脳裏に浮かんだ
「お願いします」
「改札を出れば駅前にタクシーが並んでいるはずです。そこまで歩けますか?」
「たぶん・・・」
何度か小さく瞬きをしてから、海翔は息を止めるようにしてゆっくり立ち上がる
「荷物、持ちますよ」
犬飼は自然な動きで海翔が持っていた鞄とペットボトルを引き受けると、海翔の様子を伺いながら駅の改札へと先に立って歩いた
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