ダンジョン島へようこそ! 創造スキル持ちの転生者、ダンジョン島を改造し、ほのぼのライフを満喫したい! 

あ、まん。

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 女皇蟻エンプレスアントを連れてきて、大量の糸を吐いて繭を作ってもらった。ピコンは自分が進化するのを知っているのか、繭の中へ素直に入ったので、自宅にゴーレムを数体生成して、ピコンが羽化するまで護衛につかせた。

 ピコンが繭の中へ入ってから、なんとなく月日が流れるのが早くなった気がする。

 3ヵ月後に大陸の方へ冒険者ギルド長のテリヤキとフィオレが帰ってきた。彼らは魔法王国エブラハイムの再建国で偉業を成し遂げた女性賢者が作ったとされる距離と方角がわかる魔法具「トータルステーション」を無事手に入れて、ここまで大事に運んできてくれた。

 三脚を立てて、レンズを覗くと高さと距離、方角までわかるから驚きだ。──でも、これって日本で作業服を着たおじさん達が使っていたヤツにすごく似てるんだけど? これを作った魔法王国エブラハイムの女性賢者って、もしかして異世界人かもしれない。

 ひとつ手に入れてしまえばあとは簡単、自分のクリエイティブで大量に複製して測量を始めた。測量は大きく二つのグループに分けた。ひとつは地図──地形図を作るグループと測量をしながら、座標を確認して街道を造るグループ。地形図を作るグループは自分が生成したNPCを多めに配置して、街道を造るグループには、雇った冒険者が測量し、伐木や盛り土、埋め立てをする力仕事は土建ゴーレムに分担させた。

 それからさらに半年経った頃、ようやくエーイチ達、元「S016」のメンバーがダンジョン島すべての拠点を攻略し、拠点化に成功。その場所へ案内してもらい、ダンジョンや拠点の「レベル」……難易度を調整してまわった。

 その2か月後にサーバー「S462」にとって2回目のサーバー対抗戦が始まったが、エーイチ達が、たった3日で相手サーバーを制圧して、サーバー戦が終結した。この時に彼らのストラテジーモードは拠点を奪ったり、相手をキルしてポイントを稼ぐだけで、このS462のように吸収したのは異例中の異例だと初めて知った。

 さらに半年後。

「アラタ様」
「ごめん、遅くなっちゃって」

 冒険者の街を復興しつつ、新たな機能を追加するべく、ダンジョン島の大陸との航路を結ぶダンジョン島の玄関口である新生冒険者の街「ペヤンテ」をここ数か月ほど集中して建造していたところへクリエの街から使者がやってきたので、急いで空間転移して駆けつけた。

 クリエの街の代表者となったシュリが自分を待っていた。その昔、最初に作った川沿いの小さな家から今は大きな屋敷へと建て替えて自宅としている。その一室には繭から極彩色の光が漏れ出していて、まもなくピコンが羽化しようとしているだろうと感じた。

 あれ……光が消えた……。

 急に繭の光が淡くなっていき、やがて完全に光を失って室内が薄暗くなる。心配になって繭のそばへ近寄ると突然、繭から何かが飛び出して自分の懐へと潜りこんだ!?

「パパ!?」

 5歳くらいの女の子、浅葱色あさぎいろの髪と瞳で、ピコンだと直感的にわかったけど……。

 ぱ……ぱっ、パパ!? 

「ママぁ!」

 あたふたしていると今度は、シュリの胸に飛び込んで甘えだした。シュリももちろん顔を真っ赤にして「ふぇ?」と言葉を漏らし、混乱している。

 自分とシュリは落ち着きを取り戻すのに結構時間が掛かった。しばらくしてようやく落ち着きを取り戻し、3日後にこのアラタ邸でピコンの進化を祝うべくダンジョン島の主要メンバーに声をかけた。

「パパ、これ食べていい?」
「うん、いいよ」
「アラタ、シュリ、久しぶりだなっておい……今、何て言った?」
「ヤコ、実はこの子……」
「そうか……シュリ、ついに結ばれたんだな。おめでとう」
「え……なっ……ち、違いますぅぅ~~~ッ」

 ほら、パパって言うからヤコが誤解してるし、ちなみにピコンはヤコにもママって言い出した。S016の人たちとか街の人たちの自分への視線が冷たくなっていくのが分かるから言うなら小声でお願い!

 ヤコは実に半年ぶりの帰宅になる。彼女は半年前に完成した冒険者の街ペヤンテのそばの埋め立て地に完成した闘技場で現在、連勝記録を重ねている。このダンジョン島では彼女に敵う者はおらず、噂を聞きつけた大陸の猛者たちが次々とヤコへ勝負を挑むが、そのすべてを返り討ちにしているそうだ。

 翌日から古龍となったピコンの能力「炎器」をたくさん作ってもらった。これは高温のブレスエネルギーが蓄熱されたシリンダー状の容器で、この炎器の登場により、ダンジョン島の改造も大詰めを迎えた。

 鉱石などを溶かして建材を作ったり、岩を溶かし、木を燃やすなど整地にも貢献してくれた。また、冒険者の街ペヤンテとクリエの街、そして水の街ユールンの3都市を結ぶ街道に併設した「路面車」にも動力源として、この炎器を使うことが決定された。

 それからさらに3年後、ダンジョン島は新たなコンセプトのもと、生まれ変わった。大陸からの観光客や冒険者を受け入れる体制が整い、正式に建国したことを大陸各国へ通知した。その名も「ツクリ共和国」、自分の上の名前……名字なのだが、以前ピコンの進化したお祝いの席で、疲れていたのかいつの間にか寝落ちしたはずの自分が本名を名乗った挙句、いつか建国したら国名に使っていいと発言したそうで、複数の証人がいる。後日シュリから聞いた話では、サクラが怪しい動きをしていたので、術で寝言を操ったのではないかと教えてもらった。

 ある日、四半期に1回刊行しているダンジョン島の観光誌の原稿を書き上げた自分は、印刷所のある水の街ユールンへ向かった。

「目を瞑ってみるのじゃ」

 印刷所の手前で相変わらず変態的なサキュバスと鉢合わせした。本当に偶然だろうか?

 サクラのヤツ。また、変なことしたらアイアンクローをお見舞いしてやるけど?

 舐めはしない、と約束したので、目を閉じた。サクラが自分の右手を両手で掴み、何やら上やら横やら手を振り回している。怪しい遊びじゃないだろうな? 

 そろそろ目を開けていいかとサクラへ聞こうとした瞬間。






 自分の存在が「消えていく・・・・・」のがわかった……。





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