翠緑の勇者は氷の魔女とお近づきになりたい

大鳳ヒナ子

文字の大きさ
84 / 140
第二部

第03話 年代記【月虹・木蓮の兄妹】

しおりを挟む
 セフィロトの大図書館に来ての初任務は、当たり前だが年代記クロニクルの攻略だ。
 年代記クロニクルは各シリーズごとに何冊も存在しており、一冊当たりに最低でも一人、多くても四人から五人のキャラクターが記されている。メタな話をすれば、実装された時期ごとに章分けされているといった感じだ。

 リコレクションズでは年代記クロニクルの攻略時にプレイヤーがキャラメイクしたマイキャラと、仲間四人までが出撃枠に設定できる。マイキャラはこの世界ではタマキが該当するだろう。なので残りのメンバーは新人である俺以外に、歩兵の剣士であるドルフ、斧騎士のルーファスに氷の貴公子だ。
 俺とドルフが歩兵の剣士系というところで被ってしまっているが、スキル面ではドルフは自分から攻撃したほうがよく、俺のほうは敵が攻撃してくるのを待ったほうが良いという点で役割分担ができる。
 タマキは僧侶ベースの軍師ストラテジストらしいので、守備関係に不安があることから一番後ろ――状況によっては四人で囲むよう中央に配置になる。

 今作におけるシリーズお馴染みの宝物【レギンレイヴ】は、プレイヤーである軍師が持つ指揮杖が該当する。正式名称は【追憶のレギンレイヴ】だ。
 これにより戦闘ユニットとしてのレベルとは別に、マップ攻略時などに消費する行動力の上限などに影響するプレイヤーレベルが一定数上がるごとに使用できる軍師プレイヤースキルが増加するのだ。タマキのプレイヤーレベルは12だそうだから、3つのスキルが解放されていることになる。
 最初から持っているものも含めて二つはマーリンが持っているスキルと大差ないが、三つ目以降に習得する軍師スキルは奥義スキルのゲージを即時発動可能な範囲まで増やすとか、敵の移動範囲の制限とか様々ある。

 今回俺たちが向かう年代記クロニクルは【月虹・木蓮マグノリアの兄妹】。おそらく原作ゲームのほうの『月虹のレギンレイヴ』の年代記だ。
 そして辿り着いた戦場は、とある砦――具体的な場所は明言されていないが、原作ゲームでイレーヌが捕らえられていたマップと同じような間取りの場所だ。このマップは前世で攻略済みなので、予習はバッチリである。

「今回書き換えられちゃったのは、マグノリア王ウォルターさんと妹さんたちの年代記クロニクルですね」

 原作ゲームでは反乱を起こした責任で捕らえられてしまったイレーヌを救出するための章なのだが、この年代記クロニクルでは話が異なる。
 何がどうしてそうなったのかは不明だが、イレーヌたち天馬騎士団がウォルター率いる竜騎士団を追い詰めているのだ。対するウォルターの手勢は数騎の竜騎兵ワイバーンライダーのみである。イレーヌ達は天馬騎士ペガサスナイト天馬騎兵ペガサスライダー――要するに飛竜と天馬の力関係が逆転しているのだ。
 ついでに言えば、仲間になった際と年代記クロニクルで敵対していたときだとステータスの数値が違ったりする。おそらくは難易度なんかの問題なのだろう。キャラクターによっては数字が大きく違うことがあるので正直辛いのだが、原作では弱いキャラクターも敵になっているとはいえ強くなっているのを見るのは嬉しかったりする。

「イレーヌさんたち三姉妹は全員が『飛行特攻無効』のスキルを持って居るみたいですので、ミシェルさんは他の敵を優先的に狙ってください」

 慣れていないプレイヤーがよく確認しないで、このマップに弓兵だけで突撃して玉砕したという話は多数聞いた事がある。しかしだからといって槍に有利な斧ばかりで編成したら、『相性反転』持ちが結構な確率で混ざっていて事故死が起こるのもこのマップである。ようするに斧と弓はひとりずつにしておくのがいい。

 メテオライトから聞いた事前リサーチによるとタマキはシリーズ初心者だが、そこそこに遊び慣れてきたところくらいだそうだ。出撃前は敵の編成とスキルに装備、マップ上の地形や配置に移動範囲など全て確認した上でしっかりと対策を練り攻略をして居るらしい。
 今のところ攻略に失敗しているのは高難易度の年代記クロニクルだけだそうなので、難易度中くらいのこのマップは問題なく攻略できるだろう。

 ちなみにSNSでの黒やんからのこぼれ話によると、このマップはリコレクションズからの新スキルや仕様が原因で届いた『弓による攻撃で飛行特攻が発動しないバグがある』とか『武器の相性が間違えてる』などの問い合わせにキレたスタッフが、『説明文くらいちゃんと読んでから問い合わせしろよFAQ!』と叫びながら作ったものらしい。なお出典元である各シリーズでは『飛行特効無効』のスキルは昔からあったのだが、所持しているのがウォルターのようなボスクラスの竜騎士だけで味方は未所持である。

 なのでタマキのようにしっかりとテキストを読み込んでいるプレイヤーは剣士系を二人連れていく。なお所持キャラによっては、この剣士の一枠を踊り子ダンサー吟遊詩人バードなどの再行動役にするのも悪くない。

「このターン、エリアスさんは一マス下がって待機! ミシェルさんはエリアスさんに隣接してバフを付けてください! ルーファスさんはドルフさんと場所を入れ替わって、ドルフさんは杖で回復しきれないので傷薬も使ってください! 次のターンでウォルターさんに合流します!」

 原作ゲームの氷の貴公子には味方へバフを盛るスキルは無い。しかし彼には一応『策士』という設定があったので、それっぽいものをソシャゲ用に追加したらしい。兵種スキル二つと個人スキルの奇襲、あとはこの隣接する味方へのバフ【守備の策略】の四つを所持している。
 スキル数はレアリティ準拠で、俺たち☆4はパッシブスキル四つを所持する。☆5だと更に奥義と呼ばれる攻撃スキルを所持していて、その攻撃性能は守備貫通だとかダメージ三倍など破格のものだ。専用奥義組になると死亡回避とか、汎用奥義の複合型など面倒なものを持っていたりする。なおタマキのガチャ運はそこまで良くないらしく、このセフィロトにいる☆5は配布キャラだけらしい。

 この年代記クロニクルではウォルターは友軍ユニットとして参戦するのだが、それと同時に敗北条件でもある。周りの竜騎兵たちは生存数によってクリア後の報酬が変わる程度だったはずだ。
 だがウォルターたちは安全なところに撤収してくれるわけではないので、なるべく早めに合流し壁になってやる必要があるのだ。
 武器の相性を気にしながら敵を倒しつつ進んでいくと、肉眼でウォルターの姿が見えるところまで辿り着く。

「くっ、調子に乗るなよ!」

 天馬騎士あいてに苦戦中のマグノリア王ウォルターは、既にHPが半分近くまで減っている。なぜ軍師ストラテジストでもない俺に他人のHPが解るのかというと、リコレクションズではHPが半分以下になると立ち絵が服ビリ差分になるからだ。これは老若男女問わず全キャラに適応される。
 キャラクターの中には服というより紐を着ているような者たちもいるので、なかなか際どいシステムでもあったと思う。

 ターンを跨いだところで移動を開始すると、俺たちはウォルター達の盾になるように布陣した。タマキは後衛で杖を振り、竜騎士団の治療をしている。
 俺たちは協力しながら天馬騎士団を迎え撃つと敵は少しずつ数を減らし、残るはイレーヌたち三姉妹だけとなった。

 一度体勢を立て直すためにタマキがマップアイテムである『流水のぎょく』を使い、味方全員を完全回復する。しかしこのアイテムは前世では課金アイテムだった。一応はイベントなどの報酬で配布もされるが、月に一個か二個もらえればいいほうだ。なのでタマキが所持している数も少ないだろうから、気軽には使うことが出来ない。

「歪みの元を引き摺り出すために、ここは一気に攻め込みます! ルーファスさんを先頭にミシェルさんが攻撃を受けないよう進んでください!」

 友軍であるウォルターたちはこちらの都合などお構いなしに進軍していくAIだったのだが、この世界でもその点は変わらないようだ。歩兵と騎兵しかいない俺たちなどお構いなしと言わんばかりに、地形に関係なく悠々と移動していく。
 スマホゲームと言うことで他のシリーズよりマップは遥かに狭いのだが、その代わりなのか侵入コストが発生する地形がそれなりに設置されている。この砦内でいえば、一階から二階へと向かう階段だ。ゲーム内の表示では一マスだったが、飛行ユニット以外はその一マスを通過するのに一ターン消費する。何せ段数が多いからな、仕方が無い。

「居ました! ウォルターさんたちと戦闘中です!」

 俺たちが階段を上りきったところ――砦内部でも吹き抜けになっている辺りで、交戦中のウォルターとイレーヌを見つけた。

「ここからじゃ僕たちの攻撃は届かないね」
「俺の攻撃力じゃ特攻が乗らないのであれば、イレーヌ王女の守備は抜けないな。先に向こうを片付けるか?」

 ドルフの言葉に氷の貴公子が指し示したのは、竜騎士たちと互角以上に渡り合っているジゼル王女とシュゼット王女だ。あの二人はイレーヌ王女に比べると守備が低めなので、飛行特攻が乗らなくても弓でダメージが入れられる。
 タマキもその提案に納得すると、俺たちは二手に分かれてコの字型になっている足場を進んでいく。

「ここからならば外しはしない」

 一応言っておくとリコレクションズでは命中率と回避率は廃止されている。理由はシリーズごとに計算式が違うからと、ただでさえ処理する情報が多いシミュレーションRPGだ。初心者にはこれが取っ付きにくいので、システムを簡略化するためである。あとはシリーズお馴染みともいえる、肝心な場面で命中率99パーセントを外したことがある皆のトラウマの除去だ。

 氷の貴公子が放った矢は美しく弧を描き飛んでいくと、ジゼル王女を射貫く。流石にこれだけでは倒せないので、俺はすかさずこのターンの行動が終了した氷の貴公子と場所を入れかわる。
 俺が立っている場所はジゼル王女の移動範囲ギリギリだ。隣に移動させた氷の貴公子は攻撃範囲外になるので、次の敵のターンは俺が戦闘を行うことになるか竜騎士たちが戦うかのどちらかだ。この辺りはバフなどを差し引いた守備の数値が低いほうを優先してくる。なので細かい数値までは覚えていない俺には判断できない。
 しかし先ほどタマキがこの作戦を提案してきたと言うことは、敵を釣り出すことが出来ると判断したからのはず。

 予想通りジゼル王女が俺のほうに接近して攻撃を仕掛けてくる。武器の相性ではこちらが不利だが、そのあたりは守備でカバーできる範囲だ。対岸ではルーファスがシュゼット王女と交戦しているのが見える。
 俺はジゼル王女の攻撃をやり過ごすと、氷の貴公子が削り切れなかった分のHPを削りきる。シュゼット王女も倒したのを確認すると、その後はウォルターに合流し残るイレーヌ王女を撃破した。

「イレーヌよ。このようなやり方、お前らしくもない。気でも狂ったか?」

 兄妹のあいだに戦闘後のイベントとして会話が発生する。しかしまだ戦闘は終わっていないのだ。
 倒れていたイレーヌ王女たちの口が大きく開くと、そこから人間の赤ん坊程度の大きさをしたクリオネによく似た魔物が出てくる。これが年代記クロニクルが変異した原因である『歪みの精ディストーション』だ。

「出ましたね! さあ、やっつけますよ!」

 タマキはリカバリーの杖をぶんぶんと振る。回復役である僧侶系は攻撃性能は無いのだが、気合は十分らしい。

 歪みの精ディストーションは飛行系の魔導士ユニットになる。弱点は物理攻撃全般で、他の飛行ユニットと同じように弓と風魔法から特攻を受ける。
 リコレクションズだと魔導士系は攻撃の射程が2なので、射程1の俺たちであれば反撃を受けずに攻撃できる。四方を囲んでしまえば相手は魔導士系に攻撃されたとき以外は何もできなくなるので、まずは囲むのが基本だ。なお歩行の弓兵は射程が3なので、柱や壁などの遮蔽物を上手く利用すれば無傷で一方的に殴り続けることができる。

 騎兵であるルーファスは俺たちの中で一番移動力が高い。なのでイレーヌ王女から出てきた歪みの精ディストーションの向こう側に回り込んで貰う。近くにいたウォルターも逃げ場を塞ぐように立ち塞がり、残りの二辺は俺とドルフで塞ぐ。
 後衛であるタマキと氷の貴公子は残る二体の歪みの精ディストーションを攻撃しに向かう。タマキは魔防が高いらしいので、歪みの精ディストーションの攻撃が通らない。なので攻撃は全て氷の貴公子が受けることになるだろうが、ウォルターの手勢である竜騎士団も手を貸してくれるので一人だけ殴られることは無いだろう。タマキの回復があればどうにかなるだろうし、竜騎士団がどちらか一方を囲んでくれればパターン入ったも同然で勝利が確定だ。

 そのまま歪みの精ディストーションは退治され、イレーヌ王女は原作通り捕らわれの身となった。妹たち二人は少し目を離した隙に逃げたようだ。おそらくは原作ゲームでの初登場時と同じように、ルイス王子に助けを求めに行ったのだろう。

 タマキはウォルターに簡単な事情を説明すると、当たり前のようにそれを受け入れてもらえる。この辺りはお祭りゲーム補正が掛かっているのだろう。助けた竜騎士団も素直に治療を受けてくれている。

「ウォルターさん。ここ怪我してますよ」

 タマキは杖を掲げウォルターを治療すると、彼の怪我は綺麗に消える。何故だか知らないが服ビリも元通りだ。リコレクションズにおけるHPとは本人の生命力というよりも、服の耐久度とかを指している疑惑すらある。

「ふん……酔狂な奴め」

 助けられたというにもかかわらず、ウォルターの態度は普段通りに不遜だ。しかしギリギリとはいえ彼の部下が全員生存した状態で、この年代記クロニクルをクリアすることが出来たのならば『あれ』を貰えるはずだ。

「褒美だ。とっておけ」

 タマキが受け取ったのは、ウォルターを確実に召喚できるチケットだ。このアイテムのデザイン自体は普通のブックマーカーなのだが、顔のアイコンと共にキャラクター名――場合によっては異名や役職が描かれていた。
 そのことから実装当時は『マグノリア王に名刺もらった』などと言われていた。彼のように原作で敵だったキャラクターは通常ガチャからも排出されるが、それなりに人気のあるキャラクターはこうして配布もされる。
 
「わ~い! 噂に聞いてたマグノリア王の名刺です~」

 年代記クロニクルから帰ってくると早速ウォルターを召喚するつもりなのか、タマキは召喚の間へと向かった。しかし、いつまで経っても儀式を始めようとしない。手に持ったチケットを上げたり下げたりしながら、うんうんと唸っている。

「う~ん。でも、なんだか使うのが勿体無いです」

 これから訓練マップを周回するのも疲れているから無理だと言いながら、今日は召喚を止めておくようだ。
 俺たちは任務の成功をお互いに労いあうと、そのまま解散となった。しかし氷の貴公子に捕まった俺は、セフィロトの街に連れ出され夜遅くまで酒の相手をすることとなったのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

私の容姿は中の下だと、婚約者が話していたのを小耳に挟んでしまいました

山田ランチ
恋愛
想い合う二人のすれ違いラブストーリー。 ※以前掲載しておりましたものを、加筆の為再投稿致しました。お読み下さっていた方は重複しますので、ご注意下さいませ。 コレット・ロシニョール 侯爵家令嬢。ジャンの双子の姉。 ジャン・ロシニョール 侯爵家嫡男。コレットの双子の弟。 トリスタン・デュボワ 公爵家嫡男。コレットの婚約者。 クレマン・ルゥセーブル・ジハァーウ、王太子。 シモン・グレンツェ 辺境伯家嫡男。コレットの従兄。 ルネ ロシニョール家の侍女でコレット付き。 シルヴィー・ペレス 子爵令嬢。 〈あらすじ〉  コレットは愛しの婚約者が自分の容姿について話しているのを聞いてしまう。このまま大好きな婚約者のそばにいれば疎まれてしまうと思ったコレットは、親類の領地へ向かう事に。そこで新しい商売を始めたコレットは、知らない間に国の重要人物になってしまう。そしてトリスタンにも女性の影が見え隠れして……。  ジレジレ、すれ違いラブストーリー

処理中です...