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第二部
第19話 女王陛下に冬休みを
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レギンレイヴ・リコレクションズではなぜかクリスマスやそれに類したイベントが存在しない。一説には黒やんが非リアの魔法使いだからだと囁かれているのが原因とされている。
しかし代わりといっては何だが、歴代『亡国の王女』の誕生日パーティというコンセプトのイベントが開催される。内容は王女の誕生日プレゼント収集が目的の周回イベントだ。各色のプレゼントボックスを規定数集めるごとにイベントアイテムが貰えて、キャラクターの特別衣装もここで入手できる。
「セフィロトのほうでもイベントを組んでくださっているようですが、聖王国式の祝いの儀式も――」
「必要なものの手配は明日までに済ませてしまいたいが、参加するのは――」
「祭壇は大工仕事が得意な――」
俺はミシェルとラウルス、ラウルスと同じ異界から来たメレディスたちに呼ばれて、とある会議に参加していた。季節的にもメンバー的にも、なんとなく相談している内容は見当がつく。
「えっと……月虹節の話をしているんだよな?」
「はい、そうです。ローレッタの聖王はハール教の最高司祭の役割を持っているのはエリアスも知っているでしょう?」
月虹節というのは聖王の誕生日だ。ラウルスたちの世界ではフェイス様が聖王として国を統治しているので、そろそろ誕生日を迎えるのであれば行われるはずの儀式である。
「ああ。軍神ハールの加護によって邪竜ロキの支配から解放されたことを信仰の由来にしていて、月虹節は当代の聖王の誕生日に改めて平和と安寧を祝う日だったか? 昼間は国中お祭り騒ぎだから、その辺りは知っている。夜の本祭はその……勉強したはずなんだが覚えていない」
俺も親父もあまり熱心な信徒ではなかったので、ハール教に関しては一般的な知識しか持っていない。月虹節は昼間こそ国中がお祭り騒ぎになるが、日が暮れてから行われる儀式は非公開だ。
「夕暮れ後に行われる本祭は簡単に説明するなら、これからもローレッタの民を護って下さるようハール神にお祈りをする一連の儀式ですわね。日付けをまたいで遅くまで行われるので翌朝はお寝坊が出来ますし、五大公爵家にはお供えに使ったフルーツケーキが下賜されますのよ」
助け船を出すようにミシェルが教えてくれる。フェイス様の護衛となってからは作法や教養を色々と身につけなくてはならず、仕事の合間や休日に本を読んだり教師に聞いたりしていた。しかし一度に覚えられる量は少なく、知識系はこうして助けてもらえると非常にありがたい。
「ああ、そうだった。ありがとう」
「いいえ。月虹節の本祭は聖王家以外には神殿関係者と公爵家しか参加できませんもの。覚えていないのは仕方ありませんわ」
だが警備の面を考えれば覚えておくに越したことは無いだろう。神殿内部に入れないにしても、周囲の警戒は俺たち近衛の仕事だ。ローレッタに戻ったあと役に立つはずである。
俺たちがセフィロトの大図書館へと召喚されて結構な月日が過ぎている。だが俺たちより早く召喚されていたメテオライトに聞いた話からすると、俺が召喚された時点で半年近くはこのセフィロトに居たそうなので時間の流れが違うものだと推測できる。たぶん俺たちの故郷では、まだ一週間程度しか経過していないだろうというのが見解だ。
「そっちだとグレアム様が健在だったな。そうなると今よりも暖かい季節だから外の警備も少しは楽か」
「グレアム様のお誕生日は秋分で比較的穏やかな気候ですからね。しかもフルーツが豊富な時期なのでケーキも楽しみです」
「そう! そのフルーツケーキだけど、儀式に参加するのがあの子と私たちだけでしょ? いつもみたいに一家に三個は多いし食べ切る前に悪くなっちゃうんじゃない?」
「だが少ないと格好がつかん」
ああでもないこうでもないとミシェルたち三人は話し合いを続けている。今ミシェルたちの話題に上がっているフルーツケーキは見た目でいうとシュトレンのような菓子パンに近いはずだ。大きな神殿のある街なんかでは月虹節に合わせて家庭でも作ったりしていたはずなので間違いない。
「それもいいけどさ。普通の誕生日ケーキとかでの祝いってしないのか?」
うちは男所帯だったので誕生日ケーキなど俺が子供の頃しか食べなかったが、クリームとフルーツで飾られたケーキは定番だろう。フェイス様もミシェルと同じく甘いものが好きなので、こっちのほうが喜ぶのではなかろうか。
「確かに。月虹節では日付が変わるまで儀式が続いてしまいますし、昼間は祝典やら何やらでお忙しいから家族のお祝いは後回しに……ラウルス」
「セフィロトにいる間は女王陛下の公務は休みにすればいいんだな?」
「普段は年代記などでの戦闘にお心を痛めているのですから、この地にいるあいだだけでもお誕生日は仕事を忘れてゆっくりしていただきましょう」
「ふむ。そうなると…………あれを――して。……ああ、こちらのほうはどうにかなりそうだ」
ラウルスは主君のスケジュールをすべて把握しているのだろう。セフィロトの地では皆、故郷の祭りは有志で行っていたりする。先日のハロウィンのように盛り上がるものもあるが、冬至近くに誕生日を迎える『亡国の王女』はそこまで多くない。聖王国のように非公開の儀式が附属するところなど更に少数派だろう。なので祭り自体がない確率のほうが高い。
「メレディスは何かあったら来月の異伝での衣装の相談というネタで陛下の足止めをしてくれ。できれば今年は赤じゃなく緑のほうで頼む」
「はいはい。あなた好みのデザインは緑のほうだって伝えておいてあげるわ」
「そっ、そこまで伝えなくていい!」
「まったく……あなたって本当に面倒くさい男ね。今度は何輪渡す気なのかしら」
「ああっ、もう! いいから任せたぞ」
頭の中で筋書きが出来上がったのかラウルスは彼と同じ異界から来たメレディスに慣れた様子で指示を出す。流石に幼馴染というだけあってメレディスの反応も勝手知ったる友へのものだ。
その後もラウルスの指示で準備するものが決められていく。俺にとってはプレゼント選びが難敵だが、ミシェルと一緒に選べば失敗は無いはず。
しかし年明け後のイベントだなんて何かあっただろうか。そもそもリコレクションズでは毎週なんらかのイベントをしているので、季節に関係ないものも多数存在する。
聖王国では年明けにこれといって大きなイベントは存在しない。なので期間限定らしい異伝の話をされてもさっぱりである。前世が事故死した後に発表された部分が多すぎるのも困りものだ。
「俺ら全員が集まっているとフェイス様も気になるだろうから、準備はなるべくばらけてしたほうが良いんだよな」
ここに揃っているのは、いつもの茶会のメンバーだ。なのでフェイス様だけ呼ばれていないのは不自然になるだろう。
「そうですわね。サプライズは大事です」
「タマキに頼めば周回メンバーの調整は簡単だろう。問題はアレに隠し事ができるかどうかだ」
ミシェルはやる気満々だが、タマキは結構素直なのでラウルスの心配も判る。あのくらいの年頃の女の子はイベントごとは好きだろうから乗ってくれるはずだが、タマキは楽しみ過ぎて態度に出るタイプだ。
「ラウルスはサポートの常連だし、タマキからフェイス様にバレないよう見張る係な」
「ふむ。最近はしていないが女性の気を引くのは得意なほうだ。任せておけ」
何人もの人生を台無しにしたことがある程度に口先には自信がある――そう付け足してきたラウルスに対して若干震えながら任せると、俺は隣に居るミシェルと目を合わせる。
「そうなると会場とケーキの準備は私たちですわね。気合い入れていきますわよ!」
「お、おー?」
*
さすがに周回イベントに一度も参加しないというのは無理があるので、今日の俺はミシェルたちと一緒にタマキへ同行している。準備のほうはメレディスが留守番しているので任せてある。男手が必要な部分はベルトラムたちに頼んであるので心配もいらないだろう。
イベントは今日が最終日である。フェイス様の誕生日も今日だ。サプライズパーティは帰還したらすぐにでも出来るようになっている手筈なので楽しみである。
「エリアスはそちらの宝箱の確認をお願いします」
「赤はこっちの袋に詰めてくれ。青はタマキが持っている袋だ」
今日の周回を終えて入手したアイテムの仕分けをしているところだ。宝箱の中から出てきた今回の収集品『プレゼントボックス』はもの凄く嵩張るので、サンタクロースのように袋に入れて担いで帰るのである。
次々に宝箱を開けていると不意に違う色の宝箱が出てきた。この色違いの宝箱は好感度イベント用のアイテムが入っている。
持ち主はドロップしたマップに所縁あるキャラクターに限定されるので、今回のイベントキャラクター『亡国の王女』と周辺人物に限られる。イベント対象の王女は三人で、関係者はそれぞれ三人前後。前世の知識で見ればすぐに分かるメンバーなので、とりあえず開けてみることにした。
中に入っていたのは少し年季の入った白いリボンだ。これは前世がコレクション目的で真っ先に探したアイテムである。
「ラウルス。このリボン、誰のものか分かるか?」
素知らぬふりで宝箱に入ったままのリボンを見せる。これはラウルスが子供の頃にフェイス様から賜ったという髪結い用のリボンだ。リコレクションズの好感度イベントの攻略情報をはじめて聞いたときは、ベッドの上で転げ回るくらい興奮した覚えがある。
「あっ! それは……」
見るからにラウルスが驚いているのが判った。しかし多少は動揺しているものの、すぐに安堵の表情を見せる。普段はあまり派手な反応を出さないだけに、ここまで解りやすい状態は珍しい。
そこへ顔を覗かせてきたタマキは、手にしていたクリップボードに挟んである書類を捲り対象を確認すると「そのリボンの持ち主は男性のミシェルさんですね」と続ける。
「ああ。そうだ……まさか本当に見つかるとはな」
膨大な種類のアイテムから見つけられるとは思っていなかったのだろう。俺はいまだに見つからない指輪に対して心配しかないが、ラウルスの場合は殆ど諦めている様子だったので見つかってよかったと思える。
「まあ、懐かしいですね」
今回のイベントの主役ともいえるために出ずっぱりだったフェイス様も先ほどまでは疲れた様子を見せていたが、今は穏やかな笑みを浮かべている。宝箱の前まで歩み出ると、そっとリボンを手に取った。
「また髪を伸ばしたら結わせてくださいね?」
「はい。陛下のお心のままに」
手にしたリボンをラウルスに渡す。お姫様の前に跪く騎士は最高である。
それからは大図書館へと帰還して、入手したアイテムを倉庫番の職員に預ける。すると待っていたと言わんばかりにメレディスが呼びに来た。
タマキは気を利かせてくれたのか「お疲れさまでした~!」というなり足早に去っていく。昨日はドルフたちとクリスマスパーティを楽しんでいたようだが、今日は別のメンバーと楽しむようだ。
「お疲れさま。今日は西棟の談話室に茶会の準備が整ってるわ。行きましょう」
メレディスに促されるままに建物内を進む。彼女の態度はあえていつも通りに振舞う事で、サプライズ演出を確実にする作戦である。
このセフィロトの大図書館には複数の喫茶室がある。西棟の談話室は庭の風景を楽しみながら談話できるスペースだ。今の時期だと美しい雪景色が見られるだろう。
貸し切っている談話室内は通常のお茶会とは違うが、大々的なパーティには届かない程度に飾り付けをしてある。身内だけの気軽なパーティを意識してのものなので、飾りつけに派手さは無いが上品な飾り付けだ。
さすがに気が付いたのかフェイス様も、いつもと違う雰囲気に首を傾げている。
「フェイス様。お誕生日おめでとうございます」
入り口から死角となる場所に予め置いておいたプレゼントを俺たちは手に取る。まず最初にラウルスが色とりどりの花で作られた花束を渡すと、それに続くように俺たちも祝いの言葉と共に渡す。
「ありがとうございます。でも本当に月虹節は大丈夫なのですか?」
フェイス様が月虹節をしなくていい理由、それは『だってここ聖王国じゃないし』だ。ミシェルたちが出した答えである。
いうなればフェイス様は自主的にセフィロトの聖堂でこの地に住まう人々のために祈りを捧げていただけだ。なので別に今日じゃなくても良いというのが俺たちの総意である。
「この一週間ずっと出ずっぱりだったんだから、休んじゃって良いのよ」
「そうです。フェイス様は働き過ぎです。もしお倒れになられたらと思うと、わたくし気が気でありません」
メレディスとミシェルが揃ってフェイス様を席へと座らせる。テーブルには軽食や、見た目にも楽しめる様々な焼き菓子が並べられている。
お茶を淹れ軽食を楽しんでいるとタイミングよくケーキが届く。店から届いた後に食堂のほうで保存を頼み、冷やしておいて貰ったものなのでカットもしやすいだろう。祝福の歌のあとに一息で蝋燭の火が消される。
女性受けの良さそうなケーキはフルーツの他にも食用の花が飾られており、切り分けてしまうのが勿体無いほどだ。蝋燭を取り払うと、予め温めておいたナイフで丁寧に切り分ける。
ホールケーキを五等分となると一人あたり結構な量になってしまいそうだが、甘いものが苦手だというラウルスがいるので女性陣へのおかわり用に八等分にカットしている。俺とラウルスは一切れずつで十分だからだ。
「見た目も素敵ですが、お味のほうも絶品です。それにお花が食べられるというのは初めて知りました」
「ローレッタとは違った飾りつけだから特別感が増すわね」
「こちらのケーキの製作を依頼したお店は、セフィロトでもかなりの人気店ですのよ。先日もエリアスと二人で伺った際は季節のタルトがたくさん並んで――」
ケーキをひとくち食べた女性陣は至福の表情で口々に感想などを言い合っている。依頼した店はミシェルとのデートで定番となっている店なのだが、今度は皆で行くつもりらしく大いに盛り上がっている。
盛り上がっている女性たちの話に混ざるのは気が引けるので、俺は静かにケーキを観察しているラウルスと話をしながらケーキを食べる。甘そうなクリームもフルーツの酸味と絶妙にマッチしているためか、甘いものが苦手なラウルスでも普通に食べられているようだ。
「パンジーか。うちでは育てていないな」
「ラウルスってさ。結構すらすらと花の種類を言い当てるけど、ガーデニングの趣味でもあるのか?」
「趣味というほどではないが育ててはいるな。何かと必要になるからというのもあるが、父上の趣味が植物の品種改良だったというのもある」
この建物は『大図書館』と銘打たれているだけあり、貯蔵されている書籍の数は膨大だ。おそらくラウルスはフェイス様の為だけに、食用に出来る花を調べるつもりだろう。こいつはそういう男なので間違いない。
「パンジーといえばエリアス。お前も爵位の授与の話は出ているのか?」
「は? 爵位? なんで俺に?」
騎士の身分があれば十分だと思っていたが、まさかの情報である。ラウルスは異なる世界線のローレッタ大陸で女王の側近をしている人間だ。なので情報の信憑性は高いといえる。
「こちらだと帝国との戦いにおける功績や、恋人とのバランス取りだな。予定では空位になっているヴィオレット伯爵。領地は持たないから宮中伯といったほうが妥当か。まあ、どのみちお前にとっては飾りみたいなもんだろう」
「いや、聞いていないな。とりあえず忘れておくことにする」
「そうだな。そちらでの利害関係を考えると、別の爵位になるかもしれん」
ロザリー家から嫁を貰うかリリエンソール家から嫁を貰うかで大幅に変わるのは、なんとなくでも察しが付く。
領地がないという事はおそらく、婿入りが正しい解釈だろう。だとすればヴィオレット伯爵はメレディスの兄であるサミュエル殿の補佐という形をとる可能性も強い。
しかし聖王国の爵位に関しては貴族でもなければ把握しきれないだろうから、俺には全く予想もつかない範囲だ。
「おっと。そろそろケーキが食べ終わるな。エリアスは茶の準備」
「わかったよ」
ラウルスは俺と話しながらもフェイス様たちの皿に注意を払っていたようだ。目聡く次のケーキを準備し始める。
茶のほうはいつもミシェルと飲んでいる茶葉なので、俺でも淹れ慣れているものだ。クッキーなども多めに用意してあるので、そちらも皿に盛ると空いた皿と入れ替えるようにテーブルへと並べた。カップが空いたタイミングを見計らい、紅茶を注ぎ込むと再び談笑に戻る。
戦いを終えてやっと手に入った女王陛下の冬休みは楽しい誕生日会から始まり、次のイベントが始まるまで続くのであった。
しかし代わりといっては何だが、歴代『亡国の王女』の誕生日パーティというコンセプトのイベントが開催される。内容は王女の誕生日プレゼント収集が目的の周回イベントだ。各色のプレゼントボックスを規定数集めるごとにイベントアイテムが貰えて、キャラクターの特別衣装もここで入手できる。
「セフィロトのほうでもイベントを組んでくださっているようですが、聖王国式の祝いの儀式も――」
「必要なものの手配は明日までに済ませてしまいたいが、参加するのは――」
「祭壇は大工仕事が得意な――」
俺はミシェルとラウルス、ラウルスと同じ異界から来たメレディスたちに呼ばれて、とある会議に参加していた。季節的にもメンバー的にも、なんとなく相談している内容は見当がつく。
「えっと……月虹節の話をしているんだよな?」
「はい、そうです。ローレッタの聖王はハール教の最高司祭の役割を持っているのはエリアスも知っているでしょう?」
月虹節というのは聖王の誕生日だ。ラウルスたちの世界ではフェイス様が聖王として国を統治しているので、そろそろ誕生日を迎えるのであれば行われるはずの儀式である。
「ああ。軍神ハールの加護によって邪竜ロキの支配から解放されたことを信仰の由来にしていて、月虹節は当代の聖王の誕生日に改めて平和と安寧を祝う日だったか? 昼間は国中お祭り騒ぎだから、その辺りは知っている。夜の本祭はその……勉強したはずなんだが覚えていない」
俺も親父もあまり熱心な信徒ではなかったので、ハール教に関しては一般的な知識しか持っていない。月虹節は昼間こそ国中がお祭り騒ぎになるが、日が暮れてから行われる儀式は非公開だ。
「夕暮れ後に行われる本祭は簡単に説明するなら、これからもローレッタの民を護って下さるようハール神にお祈りをする一連の儀式ですわね。日付けをまたいで遅くまで行われるので翌朝はお寝坊が出来ますし、五大公爵家にはお供えに使ったフルーツケーキが下賜されますのよ」
助け船を出すようにミシェルが教えてくれる。フェイス様の護衛となってからは作法や教養を色々と身につけなくてはならず、仕事の合間や休日に本を読んだり教師に聞いたりしていた。しかし一度に覚えられる量は少なく、知識系はこうして助けてもらえると非常にありがたい。
「ああ、そうだった。ありがとう」
「いいえ。月虹節の本祭は聖王家以外には神殿関係者と公爵家しか参加できませんもの。覚えていないのは仕方ありませんわ」
だが警備の面を考えれば覚えておくに越したことは無いだろう。神殿内部に入れないにしても、周囲の警戒は俺たち近衛の仕事だ。ローレッタに戻ったあと役に立つはずである。
俺たちがセフィロトの大図書館へと召喚されて結構な月日が過ぎている。だが俺たちより早く召喚されていたメテオライトに聞いた話からすると、俺が召喚された時点で半年近くはこのセフィロトに居たそうなので時間の流れが違うものだと推測できる。たぶん俺たちの故郷では、まだ一週間程度しか経過していないだろうというのが見解だ。
「そっちだとグレアム様が健在だったな。そうなると今よりも暖かい季節だから外の警備も少しは楽か」
「グレアム様のお誕生日は秋分で比較的穏やかな気候ですからね。しかもフルーツが豊富な時期なのでケーキも楽しみです」
「そう! そのフルーツケーキだけど、儀式に参加するのがあの子と私たちだけでしょ? いつもみたいに一家に三個は多いし食べ切る前に悪くなっちゃうんじゃない?」
「だが少ないと格好がつかん」
ああでもないこうでもないとミシェルたち三人は話し合いを続けている。今ミシェルたちの話題に上がっているフルーツケーキは見た目でいうとシュトレンのような菓子パンに近いはずだ。大きな神殿のある街なんかでは月虹節に合わせて家庭でも作ったりしていたはずなので間違いない。
「それもいいけどさ。普通の誕生日ケーキとかでの祝いってしないのか?」
うちは男所帯だったので誕生日ケーキなど俺が子供の頃しか食べなかったが、クリームとフルーツで飾られたケーキは定番だろう。フェイス様もミシェルと同じく甘いものが好きなので、こっちのほうが喜ぶのではなかろうか。
「確かに。月虹節では日付が変わるまで儀式が続いてしまいますし、昼間は祝典やら何やらでお忙しいから家族のお祝いは後回しに……ラウルス」
「セフィロトにいる間は女王陛下の公務は休みにすればいいんだな?」
「普段は年代記などでの戦闘にお心を痛めているのですから、この地にいるあいだだけでもお誕生日は仕事を忘れてゆっくりしていただきましょう」
「ふむ。そうなると…………あれを――して。……ああ、こちらのほうはどうにかなりそうだ」
ラウルスは主君のスケジュールをすべて把握しているのだろう。セフィロトの地では皆、故郷の祭りは有志で行っていたりする。先日のハロウィンのように盛り上がるものもあるが、冬至近くに誕生日を迎える『亡国の王女』はそこまで多くない。聖王国のように非公開の儀式が附属するところなど更に少数派だろう。なので祭り自体がない確率のほうが高い。
「メレディスは何かあったら来月の異伝での衣装の相談というネタで陛下の足止めをしてくれ。できれば今年は赤じゃなく緑のほうで頼む」
「はいはい。あなた好みのデザインは緑のほうだって伝えておいてあげるわ」
「そっ、そこまで伝えなくていい!」
「まったく……あなたって本当に面倒くさい男ね。今度は何輪渡す気なのかしら」
「ああっ、もう! いいから任せたぞ」
頭の中で筋書きが出来上がったのかラウルスは彼と同じ異界から来たメレディスに慣れた様子で指示を出す。流石に幼馴染というだけあってメレディスの反応も勝手知ったる友へのものだ。
その後もラウルスの指示で準備するものが決められていく。俺にとってはプレゼント選びが難敵だが、ミシェルと一緒に選べば失敗は無いはず。
しかし年明け後のイベントだなんて何かあっただろうか。そもそもリコレクションズでは毎週なんらかのイベントをしているので、季節に関係ないものも多数存在する。
聖王国では年明けにこれといって大きなイベントは存在しない。なので期間限定らしい異伝の話をされてもさっぱりである。前世が事故死した後に発表された部分が多すぎるのも困りものだ。
「俺ら全員が集まっているとフェイス様も気になるだろうから、準備はなるべくばらけてしたほうが良いんだよな」
ここに揃っているのは、いつもの茶会のメンバーだ。なのでフェイス様だけ呼ばれていないのは不自然になるだろう。
「そうですわね。サプライズは大事です」
「タマキに頼めば周回メンバーの調整は簡単だろう。問題はアレに隠し事ができるかどうかだ」
ミシェルはやる気満々だが、タマキは結構素直なのでラウルスの心配も判る。あのくらいの年頃の女の子はイベントごとは好きだろうから乗ってくれるはずだが、タマキは楽しみ過ぎて態度に出るタイプだ。
「ラウルスはサポートの常連だし、タマキからフェイス様にバレないよう見張る係な」
「ふむ。最近はしていないが女性の気を引くのは得意なほうだ。任せておけ」
何人もの人生を台無しにしたことがある程度に口先には自信がある――そう付け足してきたラウルスに対して若干震えながら任せると、俺は隣に居るミシェルと目を合わせる。
「そうなると会場とケーキの準備は私たちですわね。気合い入れていきますわよ!」
「お、おー?」
*
さすがに周回イベントに一度も参加しないというのは無理があるので、今日の俺はミシェルたちと一緒にタマキへ同行している。準備のほうはメレディスが留守番しているので任せてある。男手が必要な部分はベルトラムたちに頼んであるので心配もいらないだろう。
イベントは今日が最終日である。フェイス様の誕生日も今日だ。サプライズパーティは帰還したらすぐにでも出来るようになっている手筈なので楽しみである。
「エリアスはそちらの宝箱の確認をお願いします」
「赤はこっちの袋に詰めてくれ。青はタマキが持っている袋だ」
今日の周回を終えて入手したアイテムの仕分けをしているところだ。宝箱の中から出てきた今回の収集品『プレゼントボックス』はもの凄く嵩張るので、サンタクロースのように袋に入れて担いで帰るのである。
次々に宝箱を開けていると不意に違う色の宝箱が出てきた。この色違いの宝箱は好感度イベント用のアイテムが入っている。
持ち主はドロップしたマップに所縁あるキャラクターに限定されるので、今回のイベントキャラクター『亡国の王女』と周辺人物に限られる。イベント対象の王女は三人で、関係者はそれぞれ三人前後。前世の知識で見ればすぐに分かるメンバーなので、とりあえず開けてみることにした。
中に入っていたのは少し年季の入った白いリボンだ。これは前世がコレクション目的で真っ先に探したアイテムである。
「ラウルス。このリボン、誰のものか分かるか?」
素知らぬふりで宝箱に入ったままのリボンを見せる。これはラウルスが子供の頃にフェイス様から賜ったという髪結い用のリボンだ。リコレクションズの好感度イベントの攻略情報をはじめて聞いたときは、ベッドの上で転げ回るくらい興奮した覚えがある。
「あっ! それは……」
見るからにラウルスが驚いているのが判った。しかし多少は動揺しているものの、すぐに安堵の表情を見せる。普段はあまり派手な反応を出さないだけに、ここまで解りやすい状態は珍しい。
そこへ顔を覗かせてきたタマキは、手にしていたクリップボードに挟んである書類を捲り対象を確認すると「そのリボンの持ち主は男性のミシェルさんですね」と続ける。
「ああ。そうだ……まさか本当に見つかるとはな」
膨大な種類のアイテムから見つけられるとは思っていなかったのだろう。俺はいまだに見つからない指輪に対して心配しかないが、ラウルスの場合は殆ど諦めている様子だったので見つかってよかったと思える。
「まあ、懐かしいですね」
今回のイベントの主役ともいえるために出ずっぱりだったフェイス様も先ほどまでは疲れた様子を見せていたが、今は穏やかな笑みを浮かべている。宝箱の前まで歩み出ると、そっとリボンを手に取った。
「また髪を伸ばしたら結わせてくださいね?」
「はい。陛下のお心のままに」
手にしたリボンをラウルスに渡す。お姫様の前に跪く騎士は最高である。
それからは大図書館へと帰還して、入手したアイテムを倉庫番の職員に預ける。すると待っていたと言わんばかりにメレディスが呼びに来た。
タマキは気を利かせてくれたのか「お疲れさまでした~!」というなり足早に去っていく。昨日はドルフたちとクリスマスパーティを楽しんでいたようだが、今日は別のメンバーと楽しむようだ。
「お疲れさま。今日は西棟の談話室に茶会の準備が整ってるわ。行きましょう」
メレディスに促されるままに建物内を進む。彼女の態度はあえていつも通りに振舞う事で、サプライズ演出を確実にする作戦である。
このセフィロトの大図書館には複数の喫茶室がある。西棟の談話室は庭の風景を楽しみながら談話できるスペースだ。今の時期だと美しい雪景色が見られるだろう。
貸し切っている談話室内は通常のお茶会とは違うが、大々的なパーティには届かない程度に飾り付けをしてある。身内だけの気軽なパーティを意識してのものなので、飾りつけに派手さは無いが上品な飾り付けだ。
さすがに気が付いたのかフェイス様も、いつもと違う雰囲気に首を傾げている。
「フェイス様。お誕生日おめでとうございます」
入り口から死角となる場所に予め置いておいたプレゼントを俺たちは手に取る。まず最初にラウルスが色とりどりの花で作られた花束を渡すと、それに続くように俺たちも祝いの言葉と共に渡す。
「ありがとうございます。でも本当に月虹節は大丈夫なのですか?」
フェイス様が月虹節をしなくていい理由、それは『だってここ聖王国じゃないし』だ。ミシェルたちが出した答えである。
いうなればフェイス様は自主的にセフィロトの聖堂でこの地に住まう人々のために祈りを捧げていただけだ。なので別に今日じゃなくても良いというのが俺たちの総意である。
「この一週間ずっと出ずっぱりだったんだから、休んじゃって良いのよ」
「そうです。フェイス様は働き過ぎです。もしお倒れになられたらと思うと、わたくし気が気でありません」
メレディスとミシェルが揃ってフェイス様を席へと座らせる。テーブルには軽食や、見た目にも楽しめる様々な焼き菓子が並べられている。
お茶を淹れ軽食を楽しんでいるとタイミングよくケーキが届く。店から届いた後に食堂のほうで保存を頼み、冷やしておいて貰ったものなのでカットもしやすいだろう。祝福の歌のあとに一息で蝋燭の火が消される。
女性受けの良さそうなケーキはフルーツの他にも食用の花が飾られており、切り分けてしまうのが勿体無いほどだ。蝋燭を取り払うと、予め温めておいたナイフで丁寧に切り分ける。
ホールケーキを五等分となると一人あたり結構な量になってしまいそうだが、甘いものが苦手だというラウルスがいるので女性陣へのおかわり用に八等分にカットしている。俺とラウルスは一切れずつで十分だからだ。
「見た目も素敵ですが、お味のほうも絶品です。それにお花が食べられるというのは初めて知りました」
「ローレッタとは違った飾りつけだから特別感が増すわね」
「こちらのケーキの製作を依頼したお店は、セフィロトでもかなりの人気店ですのよ。先日もエリアスと二人で伺った際は季節のタルトがたくさん並んで――」
ケーキをひとくち食べた女性陣は至福の表情で口々に感想などを言い合っている。依頼した店はミシェルとのデートで定番となっている店なのだが、今度は皆で行くつもりらしく大いに盛り上がっている。
盛り上がっている女性たちの話に混ざるのは気が引けるので、俺は静かにケーキを観察しているラウルスと話をしながらケーキを食べる。甘そうなクリームもフルーツの酸味と絶妙にマッチしているためか、甘いものが苦手なラウルスでも普通に食べられているようだ。
「パンジーか。うちでは育てていないな」
「ラウルスってさ。結構すらすらと花の種類を言い当てるけど、ガーデニングの趣味でもあるのか?」
「趣味というほどではないが育ててはいるな。何かと必要になるからというのもあるが、父上の趣味が植物の品種改良だったというのもある」
この建物は『大図書館』と銘打たれているだけあり、貯蔵されている書籍の数は膨大だ。おそらくラウルスはフェイス様の為だけに、食用に出来る花を調べるつもりだろう。こいつはそういう男なので間違いない。
「パンジーといえばエリアス。お前も爵位の授与の話は出ているのか?」
「は? 爵位? なんで俺に?」
騎士の身分があれば十分だと思っていたが、まさかの情報である。ラウルスは異なる世界線のローレッタ大陸で女王の側近をしている人間だ。なので情報の信憑性は高いといえる。
「こちらだと帝国との戦いにおける功績や、恋人とのバランス取りだな。予定では空位になっているヴィオレット伯爵。領地は持たないから宮中伯といったほうが妥当か。まあ、どのみちお前にとっては飾りみたいなもんだろう」
「いや、聞いていないな。とりあえず忘れておくことにする」
「そうだな。そちらでの利害関係を考えると、別の爵位になるかもしれん」
ロザリー家から嫁を貰うかリリエンソール家から嫁を貰うかで大幅に変わるのは、なんとなくでも察しが付く。
領地がないという事はおそらく、婿入りが正しい解釈だろう。だとすればヴィオレット伯爵はメレディスの兄であるサミュエル殿の補佐という形をとる可能性も強い。
しかし聖王国の爵位に関しては貴族でもなければ把握しきれないだろうから、俺には全く予想もつかない範囲だ。
「おっと。そろそろケーキが食べ終わるな。エリアスは茶の準備」
「わかったよ」
ラウルスは俺と話しながらもフェイス様たちの皿に注意を払っていたようだ。目聡く次のケーキを準備し始める。
茶のほうはいつもミシェルと飲んでいる茶葉なので、俺でも淹れ慣れているものだ。クッキーなども多めに用意してあるので、そちらも皿に盛ると空いた皿と入れ替えるようにテーブルへと並べた。カップが空いたタイミングを見計らい、紅茶を注ぎ込むと再び談笑に戻る。
戦いを終えてやっと手に入った女王陛下の冬休みは楽しい誕生日会から始まり、次のイベントが始まるまで続くのであった。
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