翠緑の勇者は氷の魔女とお近づきになりたい

大鳳ヒナ子

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第二部

第22話 現在キッチンは男子禁制でございます

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 シミュレーションRPG【月虹のレギンレイヴ】の人気キャラクターである氷の貴公子ミシェルの外見の解釈には二通りのパターンが存在する。一つはゲーム画面通りのショートヘアで、もう一つの解釈が白いリボンで一つに束ねられたロングヘア――これは書籍版スピンオフである翠緑の抱擁で挿絵に出てきたやつになる。
 何が言いたいかというと、昨日まで短かったラウルスの髪が一晩で腰程まで届いている。丁寧に束ねられたその長い髪を指で弄りながら遠くを眺めつつラウルスは口を開いた。

「最近フェイス様が厨房に入り浸っているんだが、ルーナから何か聞いていないか?」
「……は?」

 言いながらラウルスはいじけた様子をみせる。指を切ったりとか、火傷をしないかとか心配で付いていこうとしたらしいが、厨房の入口で『男性は立ち入り禁止!』と追い返されたらしい。

 ここ数日はセフィロトの大図書館も街も甘い匂いに包まれているし、愛に関する言葉をもつ花、お菓子をモチーフにしたレターセットなんかも店先に多く並んでいる。
 言うまでもなく愛のイベント――前世でいうバレンタインだ。この時期に女性が厨房に入り浸る理由など一つしかない。お菓子を作っているに他ならない。
 ローレッタ大陸では馴染みのないイベントだが、セフィロトの地では男女問わずに大切な人へ贈り物をする日だとされている。

「他の大陸には愛する人とかお世話になった人に贈り物をするイベントがあるみたいだから、お菓子でも作っているんじゃないか?」
「何故、菓子を作るんだ?」

 そう言いながら首をかしげるラウルスは、料理など高貴な身分の女性がすることでは無いとでも言いたげだ。
 俺としても、ふだん厨房に立たない人が鍋やら包丁やらに触れるのは心配でしかないのだが、このセフィロトの大図書館には数多くの料理本や、様々な時代と大陸から集まった人々が居るので、どうにかなるだろうと高を括ったのだ。

「愛する人への贈り物は本気度が高いと手作りのお菓子を準備するそうだ。男からは花を贈るのが定番らしいぞ」

 ここ数日のあいだに街を見て回った印象では、女性からは前世の文化と同じくお菓子が定番らしい。男からは鉄板の贈り物が花と言うだけで、他にも宝石だったりぬいぐるみだったりとそのバラエティは豊かだ。

「ふむ……赤い薔薇を百本、いや三百六十五本か」
「随分と本気だな」
「待て。まさか今の意味が通じたのか? こっちのエリアスは花言葉も本数ごとの意味も知らなかったぞ!?」
「色々あって勉強したんだよ」

 それはもうみっちりと勉強した。薔薇は愛を伝える花としては定番なので基礎みたいなものだ。

 珍しく狼狽えるラウルスをからかっていると、さすがに少し怒られて付き合わされることになった。勿論だがフェイス様が怪我をしていないかどうかの確認だ。
 そわそわと気になって落ち着かないらしいラウルスに引きずられるようにして厨房に様子を伺いに行くと、入り口付近でミシェルが仁王立ちで迎えてくれた。料理中なこともあって髪を一つに纏めている姿はなかなか新鮮で可愛らしい。贈り物に髪飾りを追加しよう、そうしよう。

「男性は現在、厨房に立ち入り禁止でしてよ!」

 厨房への立ち入りを防ぐように立ち塞がるミシェルの頬には、僅かにだが跳ねたらしいチョコがくっついている。

「ルーナ。フェイス様は指を切られたり、火傷などなされていないだろうな?」
「私とそちらの世界のメレディスでしっかり監督していますので御心配には及びませんわ。ささっ、殿方たちはあちらで訓練でもしていらしてくださいまし」

 察しろと云わんばかりのミシェルの視線に促され、俺はラウルスを連れて訓練場へと向かうことにした。チョコレートは楽しみに待つのみである。



 半ば八つ当たり気味なラウルスに付き合って訓練場で鍛錬に明け暮れていると、俺たちが休憩に向かうのと入れ違いになるようにセシルが入ってきた。「今回のイベントは男しか入れない戦場らしいぞ!」と楽しそうな様子で教えられ、広間においてある掲示板を見にいく。
『愛の祭り20XX~チョコレート争奪戦~』という見出しとともに張り出されたイベント内容やガチャへの追加内容やらを見ていると、召喚が終わったタマキがこちらへと走り寄ってくる。

「ミシェルさんはこの武器と衣装で周回にお付き合いして下さい!」

 そう言いながらタマキがラウルスに差し出したのは、今回のイベント用武器とおまけである衣装だ。

「悪いがタマキ。あの甘ったるい匂いがする空間に飛び込むのは勘弁願いたい」

 イベントマップの入り口は訓練場から広間へ来る途中にあるので通ったばかりだ。甘いものが苦手だというラウルスは先程もあの匂いに顔をしかめていた。

「去年は無かったイベントなのでご存じないかもですけど、今回のイベントではフェイスさんの手作りチョコを手に入れるにはミシェルさんが居ないと駄目なんですよう! しかもフェイスさんのチョコ三百個で『霊光』の奥義書が貰えるんです!」
「フェイス様の手作りチョコ……だと?」

 前世で履修済みのこのイベントマップの内容はペアエンド持ちの男女、あるいは人気のある男女の組み合わせにおける男側が出撃していると、敵を撃破したときに彼女の手作りチョコがドロップするという内容だ。
 ここまでのやり取りで判る通りラウルスはボーナスキャラクターで、今回の特別衣装付きの武器『白百合の弓』を装備させるとバレンタイン衣装に身を包んだ騎馬ユニットになる。

「なあ、エリアス。チョコというのはあれだよな? カカオから作る黒っぽい色をした甘い菓子のことだよな?」

 白とか赤っぽいものも見かけるが基本形は黒に近い濃い茶色だろう。甘いものが苦手なラウルスには拷問みたいなイベントなので言わんとすることは判る。

「苦いのも見かけるが基本はそうだな。でもフェイス様ってラウルスが甘いもの苦手なの知ってるんだよな?」
「さあ、どうだろうな。フェイス様に出されたものであれば全て笑顔で咀嚼し嚥下するから解らん」
「お前凄いな。そこまで行くと変態だぞ」

 これはもはやプロだ。フェイス様ガチ勢は伊達じゃない。おそらくダークマターを出されても食べるんじゃないだろうか。心配だ。

「とりあえず急いで支度するから、お前も出られるよう準備しておけ」

 タマキに渡された武器と衣装をひっつかみラウルスは去っていく。愛の力は偉大だが、あいつはいつになったら素直に気持ちを伝えるのだろうか。実にじれったい。



 茶色に赤にピンクに白――様々な色のチョコレートをモチーフにしたイベントマップに侵入した瞬間、タマキを除く今日の出撃メンバーは顔をしかめた。すごく甘ったるい匂いがする。

「地面も木も全部お菓子で出来ているなんて凄いです!」

 お菓子の森だとはしゃぎ回るタマキを横目に俺たちのテンションは低めだ。この匂いだけで胸焼けしそうである。

「凄い匂いだな。ラウルス、大丈夫か?」

 俺はミシェルとのデートでそれなりに慣れているが、ラウルスはそうでもない。心配になって声を掛けると遠い目で何かをぶつぶつと呟いている。

「フェイス様のチョコ。手作りチョコ。甘いチョコ。フェイス様の――」
「これでも嗅いで落ち着け! 正気に戻るんだ!」

 開始前からこれは拙い――そう感じた俺は、念の為にと持ってきていた気付け薬の蓋を開けラウルスの鼻先に持っていく。唐突なアンモニア臭にラウルスは正気を取り戻したようで、一つ咳払いをすると謝辞を述べて武器を取り直す。
 俺たち二人以外の今回のメンバーはセシルにウォルター、サポートにはショウのところから借りてきたマーリンである。セシルは婚約者のナタリアから、ウォルターは末の妹であるシュゼットから貰えるらしい。
 そして今回のイベントマップのボスは悪属性を持っているので、チョコのドロップ率に関係なく俺が連れてこられた。出撃メンバーはアイテムの収集具合でチェンジするそうなので、他のメンバーによっては俺もエノクと交代になる。

「そういえば前にセシルから聞いたんだが、昇格で歩兵から騎兵になると足下から馬が生えてくるって本当か?」

 以前耳にしたホラーじみた話を思い出して問いかける。今回は狙撃手スナイパーではなく弓騎士アーチナイトの扱いになっているラウルスは騎兵になっているのだが、この馬の出どころがどこなのかが気になったのだ。

「ルイス王子の馬はそうだと聞いているが、俺が今日乗っているのはセフィロト側で用意してくれた馬だな」

 そういってラウルスが紹介してきたのは、チョコレート色の毛並みをした賢そうな顔立ちの馬だ。このマップの地面から生えてきたと言われても違和感のない見た目なので、出どころが判ってひと安心だ。

「そういえばセシルも甘いのは苦手なのか?」
「ああ、そうだ。だからナタリアにはチョコに何か適当に辛いものでも入れておくように頼んでおいたから、俺の分は大丈夫だ!」

 脇から「その手があったか」というラウルスの声が聞こえる。だがセシルのいう『適当な辛いもの』は激辛系だ。セシルの故郷では口が焼けるレベルの激辛料理が存在するはずなので、正直言って激辛に無縁なローレッタ貴族にはお勧めできない。俺も無理だ。

「ふん。くだらん」
「そんなこと言って、ウォルターさんも妹さんからのチョコ楽しみにしているんでしょう?」

 当然だがウォルターも特別衣装だ。板チョコを模した柄の衣服と、木蓮の花で飾った武器。そして懐には大切そうに贈り物を抱えている。彼の飛竜も口にハート型のものを咥えているので、誰がどう見ても愛のイベントを楽しんでいる様子だ。

 彼の故郷であるマグノリア王国は熱帯地域でカカオの樹も育つくらいなのだが、国民性からなのか甘いものを好むものは少ないらしい。しかも女性でも男と同じように飛竜や天馬を駆り戦場に立ち武器を振るう。なのでこういったイベントとは殆ど縁がないそうだが、三人も妹が居れば一人くらいはこういったイベントをやりたがるのも当然だ。

「これはシュゼットがどうしてもと強請ってきたから仕方なく、特別に準備したのであってだな。この俺がこんな浮かれた催しに参加すること自体が気まぐれみたいなものだ。あいつらと一緒にするな」

 なおよく見るとウォルターの懐にはプレゼントが三つある。間違いなく妹三人の分だ。殺し合うことになってしまった妹たちでもやはり可愛いのだろう。マグノリアの王ではなく、兄としての顔がうっすらと見えた。

「この俺にこんな格好までさせたのだから、さっさと終わらせるぞ」

 そういうやウォルターは飛竜を駆り進んでいく。俺たちもそれを追いかけるように進んでいくと、さっそく敵と遭遇した。
 今回のイベントマップに登場する敵はカカオの精という小型の魔物で、その外見はカカオの実に目と鼻と口が付きそこへ短い手足が生えたものだ。小さな羽根が生えており、それで飛行している。武器の種類は様々持っているようなので、相性に気を付ければ問題ないだろう。

「ウォルターさんは何か言いにくいお名前のスキルで飛行特効が通らないので大丈夫だと思いますが、私たちも急ぎましょう」

 言いにくい名前のスキルこと『ヴェズルフェルニルの護り』は原作でもウォルターが所持していたもので、竜騎士や天馬騎士が苦手とする弓や風魔法による攻撃の特攻部分を無効化できる。名前を覚えられない人のほうが多いので『ヴェなんとかの護り』で通じる。

 騎馬に乗り機動力のあるラウルスが地形に関係なく移動できるウォルターを援護するかたちで遊撃に回り、俺とセシルはタマキの護衛をしながらカカオの精を倒しては収集品を拾っている。
 マーリンのサポートスキルのおかげでほとんどの敵は反撃不可のステートを受けているので道中は楽なものである。

 しかし問題はマップのボス――イベントアイテムのドロップ率上昇効果もない俺が駆り出された原因であるカカオの悪霊が面倒なのだ。
 まず最初に相手の姿はカカオの樹だ。そこに目と鼻と口が付くが、カカオの精と違って手足は無い。枝が腕代わりかもしれないが、根は足にはならないようで移動力はゼロだ。だからなのか武器効果に遠距離反撃が付き、兵種スキルに魔法反射、終いにはカカオアタックという自身を中心とした十字方向に居る全ユニットに固定ダメージをばら撒いてくるスキルがある。このカカオアタックは奥義ではなく、ターン終了時にHPが減少していると発動する兵種スキルらしく防ぎようがない。

「接近だけなら大丈夫そうですけど、問題は攻撃開始後ですね」
「松明でもあれば燃やしてしまうのも手なのだろうがな。どうせ燃えないんだろう?」
「やったことないので判りませんが、キャラクター説明をみると火気厳禁って書いてありますね」

 そりゃそうだ。そう思いながらカカオの悪霊を眺める。人面だが樹であることに変わりはない。だが松明は暗闇を照らすアイテムだ。セシルは放火に使ったことがあるだろうが、それは正しくない使い方なので真似してはいけない。

「スキル関係も含めると誰が一番打たれ強くなるんだ?」

 今日のメンバーは全員が防御関係に補正が付くスキルを所持している。ラウルスは『遠距離ダメージ軽減』の他に兵種変更に伴い『赤の闘志』が、セシルはもともと持っている『王者』で守備が増えるし『青の闘志』もある。闘志系スキルは発動条件がステータス合計の差が10以上必要だが、たいていのボスはステータスが高いので問題なく発動するはずである。
 ウォルターは元の守備の数値も高いが『上天の翼』や『空を制すもの』の効果に加えて、出発前に読まされていた奥義書で防御系奥義『沃地よくち』を習得しているから平地以外に陣取ればものすごく硬くなるはずだ。

「反撃時はウォルターさんですね。攻撃時だとセシルさんが一番高くなります」
「そうなると相手が優先的に狙ってくるのは俺か?」
「多分そうなりますね。なので回復はエリアスさん優先になります」

 そういうとタマキはヒールの杖を構える。こちらからも仕掛けることになるが、回復を優先してもらえるのであれば問題ないだろう。

「背後側が山になっているのでウォルターさんはそっちに回り込んで下さい。セシルさんは『カリスマ』の効果を全員に行き届くところに配置したいので左側に、エリアスさんはセシルさんの斜め側だからこのまま直進でミシェルさんはその後ろにお願いします」

 こうして一回目のイベントマップボスの攻略が開始された。個人スキルの効果で相手の反撃を封じることが出来るラウルスの奇襲を皮切りに一斉に仕掛ける。セシルが物凄い回数の攻撃をしているが、悪属性が邪魔をしているようでそこまで削れていない。
 一番最後になる形で俺が攻撃を加える。大きく伸びた枝が一本切り落とされると他の枝で反撃をしてくる。回避は不可能だが当たってもさほど痛くはない。
 だがカカオの悪霊の悲鳴と嘆きが響き渡る。その刹那、無数に伸びる枝から物凄い速さでカカオの実が生り勢いよく射出される。

「ぐおっ!」

 思いっきり鳩尾に入った。凄く痛い。だが早く倒さなければまたあの攻撃が飛んでくるので呻いている暇はない。
 敵の攻撃を耐え抜くと、先ほどと同じように波状攻撃を仕掛ける。

 一本二本と枝を切り捨てようやく本体である幹へ攻撃が届くと、カカオの悪霊の表情がよく見える。バレンタインにチョコを一つも貰えなかった男の悲しい顔だった。

(これから一週間ちょっとの間、この顔を何度も見るのは心が病みそうだ)

 そんなことを考えながら聖剣を振りぬく。いっそ一思いに切ってやるのがせめてもの慈悲だ。
 最後の一太刀でカカオの悪霊は真っ二つに切り裂かれ一枚のカードが落ちてくる。何かメッセージが書かれているが、カードのデザインからして愛の言葉が書かれているのだろう。一応これもドロップ品なので回収する。

「タマキ。このカードはどうすればいいんだ?」
「そちらは十枚単位でアイテム交換してもらえるので、こっちの箱に入れておいてください」

 カードゲームなんかで使用するデッキケースのような箱にドロップ品のカードを入れると、一度入口へと戻される。そこで集まったチョコの集計をすると一周目に手に入ったチョコの数は八個だった。

「フェイス様のチョコが二つしか手に入らなかった……」

 この調子では百回以上は周回に参加することになるだろう。たった一周でもあの甘ったるい香りに辟易したラウルスの眼が淀む。俺はそっと着付け薬を差し出すのだった。
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