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019、魔法少年たちの覚醒
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行為が終わって、蓮華寺先輩はぐったりと私の上に倒れ込んでくる。先輩の体重が、熱さが私に伝わってくる。
「灰崎さん……僕、」
と、蓮華寺先輩が私に言いかけた、その時。
蓮華寺先輩の全身から、温かな光が溢れ出した。光はどんどん強さを増し、部室中にを光で満たしていく。
「これは……」
先輩は体を起こし、自分の体を不思議そうに確かめていく。
「すごい、全身に力が満ちていくのがわかる。これが……灰崎さんの力なんだね」
蓮華寺先輩の体からあふれる光に、思わず私は目を細める。それはただの眩しさではなく、どこか心が温かくなるような、不思議な感覚だった。
「灰崎さん……」
先輩の声は震えていたけれど、それは恐れや迷いの声ではなかった。
「僕……」
蓮華寺先輩は、自分の手を見つめている。光が指先から揺らめき、波のように全身を包み込んでいる。
「今までずっと自分の気持ちを抑えて生きてきたんだ。こんな願望を抱くなんておかしい、普通じゃないって、ずっと自分を否定してきた。その気持ちは、正直今もある。でも、君のおかげで、僕は――
僕の汚い部分も受け入れてくれて、ありがとう」
蓮華寺先輩の言葉に、私はそっと微笑んだ。
「先輩が一歩踏み出してくれたから、全部受け止めてあげたくなっちゃっただけですよ」
先輩の瞳が私を見つめてくる。その目には、感謝と驚きと、ほんの少しの恥じらいが混じっていた。
先ほどまでの激しい行為を思い出してしまう。
この穏やかな笑顔を浮かべる人の中に、あんなに強い衝動があったなんて。
「それにしても、すごい光……他の人たちも、こんな感じだったの?」
先輩が半ば笑いながら言うと、私は少し困った顔でうなずいた。
「はい……累君も、目々澤部長も、白人先輩も。でも、蓮華寺先輩の光は、特に優しくて暖かい気がします」
その言葉に、先輩の顔がほんのり赤くなった。
光がだんだんと収まり始め、部屋の中は元の暗さを取り戻していく。けれど、蓮華寺先輩の表情は明るく、そして少しだけ力強くなったように見えた。
「ありがとう、灰崎さん。本当に、ありがとう」
先輩の優しい声に、私は胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
「これで――魔法少年部の全員の力が……」
蓮華寺先輩の言葉はそこで切られてしまった。
しかし、私も同じことを考えていた。
全員の力が解放された今、魔法少年たちは今までとは比べ物にならないほど強くなっている。
これなら、怪物たちを倒すことだって簡単だろう。
怪物を倒し、魔法少年部の謎、マネージャーの謎を解き明かすことが出来るかもしれない。
私はこの時、そんな能天気な気分でいた。
しかし、この能天気さは一瞬で奪われることになる。
ガラガラっと、大きな音を立てて部室のドアが開かれる。
「蓮華寺先輩! 有理須ちゃん! 累が怪物にやられた!!!」
真っ青な顔をして、漣白人先輩が走り込んできた。
――累が?
「白人君、いったい何があったんだ」
蓮華寺先輩が慌てて白人先輩に駆け寄る。白人先輩は震える体で蓮華寺先輩にしがみついて、必死にわたしたちに事情を伝えようとする。
「見たこともないヤバいやつが体育館に現れたんだ。あいつは――なんだ、本当にわからない。とにかく、気が付いたときにはもう、茶山が倒されていて……」
「大丈夫、落ち着いて」
必死に白人先輩の体を撫でさすって落ち着かせようとする。
「ああ……。ごめん。あの怪物――いや、見た目は怪物じゃない、普通の人間みたいなんだ。なのに全然人間には思えない。バカみたいに強くて、何をされたかわからないのに勝手にダメージを受けているんだ。
茶山は怪物の正体不明な攻撃にやられて、意識を失ってしまっている。
部長がひとりで相手してるけど、このままじゃ部長もやられるかもしれない」
私は蓮華寺先輩と顔を見合わせる。
――累が、意識を失っている。
――人間みたいな、怪物。
なんだろう、嫌な感じしかしない。何が起きているのか、わからないけれど、とにかく恐ろしい。
しかし、蓮華寺先輩は白人先輩を見つめたまま、頷いて見せる。
「わかった。体育館だね。灰崎さん、一緒に来てくれるかい?」
蓮華寺先輩の声は力強く、でも少しだけ震えていた。私も怖い。これまでは部員たちの怪物退治の場には立ち会わず、部室で待っていただけだった。でも、累のピンチに、待ってなんていられない。
「私にも、出来ることがあると思います」
私たちの様子に、白人先輩は少しずつ落ち着きを取り戻す。
「蓮華寺先輩、有理須ちゃん――。
オレも少し休んだら戻る。絶対に油断だけはしないで」
白人先輩の言葉にしっかり頷くと、私と蓮華寺先輩は部室を飛び出し、体育館に向かって走り出した。
「灰崎さん……僕、」
と、蓮華寺先輩が私に言いかけた、その時。
蓮華寺先輩の全身から、温かな光が溢れ出した。光はどんどん強さを増し、部室中にを光で満たしていく。
「これは……」
先輩は体を起こし、自分の体を不思議そうに確かめていく。
「すごい、全身に力が満ちていくのがわかる。これが……灰崎さんの力なんだね」
蓮華寺先輩の体からあふれる光に、思わず私は目を細める。それはただの眩しさではなく、どこか心が温かくなるような、不思議な感覚だった。
「灰崎さん……」
先輩の声は震えていたけれど、それは恐れや迷いの声ではなかった。
「僕……」
蓮華寺先輩は、自分の手を見つめている。光が指先から揺らめき、波のように全身を包み込んでいる。
「今までずっと自分の気持ちを抑えて生きてきたんだ。こんな願望を抱くなんておかしい、普通じゃないって、ずっと自分を否定してきた。その気持ちは、正直今もある。でも、君のおかげで、僕は――
僕の汚い部分も受け入れてくれて、ありがとう」
蓮華寺先輩の言葉に、私はそっと微笑んだ。
「先輩が一歩踏み出してくれたから、全部受け止めてあげたくなっちゃっただけですよ」
先輩の瞳が私を見つめてくる。その目には、感謝と驚きと、ほんの少しの恥じらいが混じっていた。
先ほどまでの激しい行為を思い出してしまう。
この穏やかな笑顔を浮かべる人の中に、あんなに強い衝動があったなんて。
「それにしても、すごい光……他の人たちも、こんな感じだったの?」
先輩が半ば笑いながら言うと、私は少し困った顔でうなずいた。
「はい……累君も、目々澤部長も、白人先輩も。でも、蓮華寺先輩の光は、特に優しくて暖かい気がします」
その言葉に、先輩の顔がほんのり赤くなった。
光がだんだんと収まり始め、部屋の中は元の暗さを取り戻していく。けれど、蓮華寺先輩の表情は明るく、そして少しだけ力強くなったように見えた。
「ありがとう、灰崎さん。本当に、ありがとう」
先輩の優しい声に、私は胸の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。
「これで――魔法少年部の全員の力が……」
蓮華寺先輩の言葉はそこで切られてしまった。
しかし、私も同じことを考えていた。
全員の力が解放された今、魔法少年たちは今までとは比べ物にならないほど強くなっている。
これなら、怪物たちを倒すことだって簡単だろう。
怪物を倒し、魔法少年部の謎、マネージャーの謎を解き明かすことが出来るかもしれない。
私はこの時、そんな能天気な気分でいた。
しかし、この能天気さは一瞬で奪われることになる。
ガラガラっと、大きな音を立てて部室のドアが開かれる。
「蓮華寺先輩! 有理須ちゃん! 累が怪物にやられた!!!」
真っ青な顔をして、漣白人先輩が走り込んできた。
――累が?
「白人君、いったい何があったんだ」
蓮華寺先輩が慌てて白人先輩に駆け寄る。白人先輩は震える体で蓮華寺先輩にしがみついて、必死にわたしたちに事情を伝えようとする。
「見たこともないヤバいやつが体育館に現れたんだ。あいつは――なんだ、本当にわからない。とにかく、気が付いたときにはもう、茶山が倒されていて……」
「大丈夫、落ち着いて」
必死に白人先輩の体を撫でさすって落ち着かせようとする。
「ああ……。ごめん。あの怪物――いや、見た目は怪物じゃない、普通の人間みたいなんだ。なのに全然人間には思えない。バカみたいに強くて、何をされたかわからないのに勝手にダメージを受けているんだ。
茶山は怪物の正体不明な攻撃にやられて、意識を失ってしまっている。
部長がひとりで相手してるけど、このままじゃ部長もやられるかもしれない」
私は蓮華寺先輩と顔を見合わせる。
――累が、意識を失っている。
――人間みたいな、怪物。
なんだろう、嫌な感じしかしない。何が起きているのか、わからないけれど、とにかく恐ろしい。
しかし、蓮華寺先輩は白人先輩を見つめたまま、頷いて見せる。
「わかった。体育館だね。灰崎さん、一緒に来てくれるかい?」
蓮華寺先輩の声は力強く、でも少しだけ震えていた。私も怖い。これまでは部員たちの怪物退治の場には立ち会わず、部室で待っていただけだった。でも、累のピンチに、待ってなんていられない。
「私にも、出来ることがあると思います」
私たちの様子に、白人先輩は少しずつ落ち着きを取り戻す。
「蓮華寺先輩、有理須ちゃん――。
オレも少し休んだら戻る。絶対に油断だけはしないで」
白人先輩の言葉にしっかり頷くと、私と蓮華寺先輩は部室を飛び出し、体育館に向かって走り出した。
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