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帰還

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 光が消え、2人の姿が見えて来た
 アシュリーは気を失い倒れそうになった所を、セリーナが受け止めた

 「「セリーナ!アシュリー!」」

 リアム王子とリンダは、2人の元に駆け寄った

 「2人のおかげで、アシュリーを人間に戻すことが出来ました…本当にありがとう」

 「成功…したんだ…よかった」

 リンダは目に涙をいっぱい浮かべている

 「セリーナ…頑張ったね。本当にお疲れ様!」

 リアム王子はセリーナの頭を優しく撫でた

 アシュリーが人間になった事で、森の結界はなくなり、セリーナたちの元へ追っ手が迫っていた


 「セリーナ、これからどうするー?結界がなくなっちゃったから、ここが見つかるのも時間の問題だよー。」

 「分かってる…でももう、逃げるのはやめようと思う」

 「「!?」」

 「セリーナ?そんなことしたらアシュリーが…」

 リンダは珍しく慌てている

 「また自分を犠牲にするつもりか?」

 リアム王子はセリーナが罪を被るつもりなのだと気づいた

 「アシュリーは人間になれた。これからは私がいなくても大丈夫。リアム王子…リンダ…アシュリーの事をお願いします」

 セリーナは2人に向かい、深々と頭を下げた
 そしてゆっくりと後ろを振り返ると…既に兵士に囲まれていた
 
 セリーナ達は王都へと連れ戻された

 城に連れていかれた4人だったが、リアム王子と別々にされることなく、連れてこられたのは応接の間だった

 そこへ王様がやってきた

 「リアムよ!どれだけ心配したと思っているのだ!」

 応接の間に入ってくるなり、リアム王子を怒鳴りつけた

 「父上…申し訳ございません…」

 「もうよい。おまえの気持ちも考えず、閉じ込めた私も悪い…。王妃に酷く叱られてしまった。まあ、皆座りなさい」

 椅子に座るよう促され、セリーナ達は腰をかけた

 「セリーナと言ったな。そこのお嬢ちゃんを人間にする事は出来たのか?」

 王は全てを把握しているようだった

 「はい…アシュリーはただの人間です。ウィルソン様を殺めたのは私、セリーナです!お願いします!私を罰してください!」

 「はははははっ!そなたは王子の言う通りの娘だな!」

 王様は大声で笑い出した

 「安心しなさい。その子も、そなたも罰する気などない。あれは悪魔の仕業…人間のしたことではないからな」

 「父上…」
 
 「王様…ありがとうございます!本当にありがとうございます!」

 セリーナは目に涙をいっぱい浮かべて、王様に何度も何度も頭を下げた

 「セリーナよ…そなたに話さなければならない事がある…」
 
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