騎士団長のお抱え薬師

衣更月

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魔女の家

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 おばあちゃんは、森の入り口から、さらに500メートル近く”帰らずの森”に踏み込んだ場所にある。
 小さな荷台を引くロバは通れても、大型の馬車は通れない。そんな小径が、鬱蒼とした森の奥へと続いているので、そこに足を踏み入れる住民は誰もいない。ずかずかと入って来るのは、おばあちゃん特製の魔物除けの香を渡されている商人くらいだ。
 出入りの商人たちは、その香を有難がり、それ欲しさに足繁く通っていた節があった。
 それくらい魔除けの香の効果は抜群で、各地に赴く商人に安全を提供していたのだ。
「確かに、これは……見つけられないはずだ」
 アーロンが感嘆の息を吐き、手製の柵で囲われたヴァーダト家をしげしげと見ている。
 屋根に草を生やし、壁に蔦草を巻き付けた家屋は、”魔女の家”と言われても仕方ない趣だ。子供の頃は何も思わなかったけど、外で暮らしてみて初めて我が家の迫力を知った感じだ。
 1年以上も手入れを怠ってしまった分、さらに森との同化が加速しているようにも見える。
 懐かしさ半分、家の状態を不安に思う恐ろしさが半分。
 屋根が崩れ落ちてなければいいけど…。
 ここは町とは違う。頭上に張り出した木々のせいで、なかなか陽射しも届かない。風が強い日は枝葉が落ちて来る。挙句、夏場は湿気が籠り、冬場は一日中薄暗い。
 洗濯物は乾かないし、毎年見たこともない虫が部屋に飛び込んでくる、生活するには不自由しかない土地だ。
 それでもヴァーダド家が此処に住み続けたのは、この環境が薬草を育てるのに適していたから。家屋の裏手には薬草畑があり、流通が難しい、日光や乾燥が苦手な薬草が作られていた。
「それじゃあ、ちょっと行ってきますね」
 ジャレッド団長に断りを入れ、よたよたと馬を下りる。
「手伝おう」と馬を降りたのはアーロンで、ジャレッド団長とイアンの顔色は優れない。イアンに至っては、鼻をつまんで口を噤んでいる。
「魔物除けの香の効力は1年なんですけど、うちは常に魔物除けの香を家だけじゃなく柵にも塗り込んでたので、臭いが染み付いているんです。嗅覚が鋭い2人には辛いかと…。なので、そこで待っていて下さい」
「いや…俺も行こう」
 騎士団長としてのプライドなのか、はたまた魔女ヴァーダトの家に興味があるのか、ジャレッド団長は馬から下りた。
「イアンは周囲を警戒していてくれ」
「…了解…しました」
 ほっ、とイアンが息を吐く。
「案内してくれ」
 と言うが、ジャレッド団長の顔色は悪い。
 左腕で口と鼻を押さえつけながら、鋭い目つきで我が家を睨んでいる。
 家を壊されたら公爵家に請求書を送ろう…。
 そっと心の中で誓いを立て、「どうぞ」と錆びついた門を開ける。
 庭の雑草が茫々と伸び、木の実から芽吹いたひょろりとした小さな木が生えている。足を踏み込む度に羽虫が舞い上がるけど、獣の姿はない。魔物除けの香は、魔物ではない動物にも効果があるのだ。
「げふっ…」と聞こえる噎せた声を無視して、ポケットから鍵を取り出してドアを開ける。
 キィィィ…、と蝶番が錆びた音を立ててドアが開いた。
 人が住んでいない家は薄暗くて生気がない。家に対して”生気”というのも変だけど、淀んだ空気と微かな黴の臭いが哀愁を帯びる。
 空気の動き埃が舞い、否応なく空き家なのだと痛感する。
 ここを守るのは、もう私しかいないのだと思うと辛い。
「……………うぐ」
 呻き声に振り返れば、ジャレッド団長の顔色が真っ青だ。
 アーロンと手分けして蜘蛛の巣の張った鎧戸を開け、窓を全開にして行く。
 1階は食事をする居間、炊事場、トイレとお風呂だ。お風呂とは言っても、騎士団にあるような浴槽でのびのび浸かれるものではない。お湯を溜めた盥で体を拭いたり、髪の汚れを流したりする場所になる。
 それから薬草を保管する小部屋に、調合する部屋が続く。
 2階は寝室が2部屋と納戸ある。
 納戸には図鑑や事典、ヴァーダト家代々のレシピが置かれている。子供の頃は、小さな図書館と言っていた。実際の図書館とは比べるべくもないけど、専門書や貴重な絶版書は、図書館を凌ぐと自負している。
「なかなかの量だな」
 幾分、顔色が良くなったジャレッド団長が驚嘆する。
 2階は1階と違って薬草は置かないし、魔物が侵入する心配もないので魔物除けの香は使っていないのだ。窓を開ければ風通りもよく、ようやくジャレッド団長がひと息つくことができたらしい。
「図鑑とかは珍しいものじゃないので、持って行こうとは思いません」
「それでも、とても価値があるぞ?」とアーロン。
「これほど古い書物は帝都の図書館でも、早々お目にかかれないかもしれない」
 アーロンは意外にも読書家らしい。
 意外にも…というと失礼だけど、騎士と読書が結びつかないのだ。
 アーロンは図鑑を抜き取り、しげしげとページを捲っている。
「全て持って行っても仕方ないじゃないですか」
「なぜだ?」
 不可解とばかりに、ジャレッド団長が眉宇を顰めた。
「泥棒が入るかもしれないだろ?」
「命懸けでうちに入る泥棒はいませんよ。それに、こんな大荷物を抱えて行っても大変じゃないですか」
 私は派遣されているにすぎない。
 万が一にもクロムウェル公爵家お抱えになったとしても、死ぬまで雇ってくれる保証はない。
 キャトラル王国では、女性は結婚や妊娠を機に退職するのが通例となっている。帝国も似たようなものだろう。
 戻って来る時の為に、管理する人をギルドで雇おう。出費は嵩むが、家が倒壊してた…なんて事態よりは良い。
「ギルドに依頼して、週一で家を見てくれる人を雇えば、数年は向こうで働いても大丈夫だと思います」
「あ”?数年?」
「所詮は雇われです。戻って来る時を考え、荷物は最小限がいいかなって思うんです」
「戻って来る…?ここに帰る、と言っているのか?」
「はい。いずれ結婚するかもしれませんし。その時は婿養子希望なんですけど」
 婿養子なんて、相手もいないのに。
 ちょっと照れ臭く笑いながら、書棚からレシピノートを引っ張り出す。
 おばあちゃんのものは全て持って行く。
 それ以外のレシピは、かなりの年代物なので破れかねない。使えそうなレシピだけメモにとって持って行くことにする。
 ぱらぱらとノートを捲っていると、ぞわぞわぞわっと悪寒が走った。
 ふと頭を上げれば、闘神ヴァルトゥーゼも裸足で逃げ出すくらいに凶悪顔のジャレッド団長と目が合った。
 魔物除けの香にキレたのか、お貴族様を招くには粗末すぎる家に憤怒しているのか…時間差でキレるようなことをやらかした記憶はないけど、絶対零度の黄金色の双眸に見下ろされて、瞬刻、呼吸が止まった。
 いや、そもそも門の前で魔物除け香の注意はした。家だって見ればわかる年代物だ。それを承知で同行したのはジャレッド団長で…。
 お貴族様の特技、理不尽逆ギレなのかもしれない…。
 恐怖で泣きそうだ。
 びくびくと首を窄めると、「団長」とアーロンが嘆息した。
「威圧してどうするのですか。余計に嫌われますよ?」
「威圧などしていないだろ!」
「してますよ」
 アーロンの指摘に、ジャレッド団長が「ぐぅ…」と言葉を詰まらせる。それから眉尻を下げ、まるで道に迷った子犬みたいな顔で私を見た。
「この顔は…生まれつきだ。別に威圧はしていないし、怒ってもいない」
 首の後ろを掻きながら、「怖がらせたなら謝る…」と項垂れた。
 ジャレッド団長から謝罪を受ける方が怖い!
 私の体には、隅々まで平民の血が染み渡っているのだ。貴族に頭を下げられようものなら、土下座返しで許しを乞うしかない。
「ジャレッド団長は大狼の血統だから、どうしても圧があるんだ。イヴ、慣れてくれ」
 アーロンは言って、私が抜き取ったノートをリュックの中に詰めていく。
「お…大狼…ですか?」
「獣人の多くは凡下な血統だが、皇族や高位貴族は古代種と呼ばれる血統が占めている」
「古代種…?絶滅しちゃった珍しい血統ってことですか?」
 なんとなく、化石で発掘されるような獣を思い描く。
「ヴォレアナズ帝国の紋章の通り、皇族は金獅子の獣人。クロムウェル公爵家は大狼。他にも剣牙虎、幻豹などの古代種がいる。見た目は人族との違いはないが、どうしても血統故の圧がある。ちなみに、私はネコ科獣人の混血。イアンはイヌ科獣人。騎士団は使用人を含めネコ科やイヌ科の獣人が多い。ペトリのように、少数のクマやウシがいるが…。ヒツジなどの獣人がいないのは、本能的に恐怖を抱いてしまうからだ」
「そうなんですね…。私みたいなのは、ヒツジ系の獣人と相性がいいのかもしれません…」
 そういえば、ハベリット商会の人たちもジャレッド団長に気付いて緊張していたのを思い出す。あれは公爵家というより、本能的な恐怖が含まれていたのかもしれない。
「だから、俺は怒ってはいない」
 眉尻を下げたままの表情は、今にも「くぅ~ん」と悲しげな声をあげそうだ。
 でも、騙されてはいけない。
 大狼はイヌに非ず。
 私が絆されないと悟ったのか、ジャレッド団長は凶悪顔で「チッ」と舌打ちした。
 やっぱり貴族オオカミだわ!
 腹芸がすごい!
 頭を抱えているアーロンを見るに、ジャレッド団長の腹芸はこれが初めてではないみたいだ。
 気を付けないと!
「とにかく、この書物が価値あるものだと分かった以上、安全が確保できない空き家に放置することはできない。今回は手が足りないので必要なものだけを持って行くが、改めて、公爵家の者を派遣する」
「え!?」
 そんな大事おおごとに発展するようなことじゃない!
 なのに、にやりと口角を吊り上げたジャレッド団長の悪人面に、反論が口の中で消える…。
「大丈夫だ。お前がこっちに戻る時は、クロムウェル公爵家が責任をもって荷を戻す。心配は不要だ」
 これはお貴族様の秘儀”決定事項”だ。
 平民の意見、反論は認めないという横暴な態度に、生粋の公爵家のお坊ちゃんの腹黒さが透けて見える。アーロンも額に手を当て、無言のままに首を振っているから概ね私と同意見なのだろう。
 救いを求めてアーロンを見つめてみたけど、アーロンはため息を吐いて、「あ、き、ら、め、ろ」と声なく口を動かした。
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