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0027.小屋からの出発
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エルフの女に案内された部屋は質素だがそこそこ広く、寝心地の良さそうなベッドが2つ置いてあった。片方には、どうやって運んだのか分からないが、チビ助がスヤスヤ寝ている。
「いい感じだな。これなら宿屋も経営できそうだ。」
「いえいえ、あなた達は特別よ。普段は他の人を自分の私的な空間には絶対に入れないのよ。」
「そうか。チビ助のおかげだな。特別扱いしてもらえて嬉しいよ。」
健は異世界に来て初めてのベッドに横になった。ベッドってこんなにいいもんだったんだな。そのあまりの気持ちよさにすぐに眠りに落ちた。
「ねえ、お腹減ったよ。早く起きてよ。」
健は龍にユサユサと揺さぶられて目が覚めた。外はすっかり明るくなっており、窓の外から眩しい日差しが差し込んでくる。
「うーん、どのくらい寝たんだろう。外は結構、明るいな。」
「もうお昼だよ。お昼ご飯の時間だよ。」
龍がまた健をユサユサと揺さぶる。さすが龍だ。小さいのにすごい力だ。幸いにして、凶悪な爪をうまく丸めてくれている。あんなのが体に食い込んだらただの軽傷ではすまない。
「昼か。寝過ぎたな。明るいうちに森の中を進みたいし、早く準備してここを出よう。」
そう言うと健はベッドを出て、手早く身支度を整えた。その後、龍に背中を押されながらエルフの女の元に向い、銀貨4枚で龍と一緒に食事をさせてもらった。前回の経験からチビ助の食事の量はほどほどに抑えてもらう。また爆睡されたらたまらない。
食事の後、出発の準備を終えると健と龍は早々に小屋を出た。小屋から森に戻る時にエルフの女がわざわざ見送ってくれる。
「何から何まで世話になってすまんね。本当に助かったよ。」
「こちらこそ、研究に役立ちそうなものと情報を色々ともらえて有り難かったわ。まだまだ研究しないといけないから是非また来てね。旧知の友との再会も楽しかったわ。」
「了解。約束通り、研究にはしっかり協力するよ。」
「また美味しい物を食べさせてね。」
「いいことを教えてあげるわ。この道を分岐点まで戻ってから右の道を少し進むと、大きな赤い岩が左手に見えるはずよ。その赤い岩の方に進んで、赤い岩を越えてさらに進むと迷宮の入口があるのよ。もし、興味があるのなら迷宮の中を探索してみるといいかもね。勿論、危険はあるけど、健が望むように自分を強くしてくれる何かがみつかもしれないわよ。」
健は、エルフの女が初めて自分の名前を呼んでくれたことに気付いて嬉しかった。
「有難う、レイニー。その迷宮に行ってみるよ。俺は、まずは強くならないといけないんだ。」
「何か美味しい物があるといいな。」
「それじゃ、またね。」
手を振るエルフの女を後にして、龍と健は森の道を戻って行った。
「いい感じだな。これなら宿屋も経営できそうだ。」
「いえいえ、あなた達は特別よ。普段は他の人を自分の私的な空間には絶対に入れないのよ。」
「そうか。チビ助のおかげだな。特別扱いしてもらえて嬉しいよ。」
健は異世界に来て初めてのベッドに横になった。ベッドってこんなにいいもんだったんだな。そのあまりの気持ちよさにすぐに眠りに落ちた。
「ねえ、お腹減ったよ。早く起きてよ。」
健は龍にユサユサと揺さぶられて目が覚めた。外はすっかり明るくなっており、窓の外から眩しい日差しが差し込んでくる。
「うーん、どのくらい寝たんだろう。外は結構、明るいな。」
「もうお昼だよ。お昼ご飯の時間だよ。」
龍がまた健をユサユサと揺さぶる。さすが龍だ。小さいのにすごい力だ。幸いにして、凶悪な爪をうまく丸めてくれている。あんなのが体に食い込んだらただの軽傷ではすまない。
「昼か。寝過ぎたな。明るいうちに森の中を進みたいし、早く準備してここを出よう。」
そう言うと健はベッドを出て、手早く身支度を整えた。その後、龍に背中を押されながらエルフの女の元に向い、銀貨4枚で龍と一緒に食事をさせてもらった。前回の経験からチビ助の食事の量はほどほどに抑えてもらう。また爆睡されたらたまらない。
食事の後、出発の準備を終えると健と龍は早々に小屋を出た。小屋から森に戻る時にエルフの女がわざわざ見送ってくれる。
「何から何まで世話になってすまんね。本当に助かったよ。」
「こちらこそ、研究に役立ちそうなものと情報を色々ともらえて有り難かったわ。まだまだ研究しないといけないから是非また来てね。旧知の友との再会も楽しかったわ。」
「了解。約束通り、研究にはしっかり協力するよ。」
「また美味しい物を食べさせてね。」
「いいことを教えてあげるわ。この道を分岐点まで戻ってから右の道を少し進むと、大きな赤い岩が左手に見えるはずよ。その赤い岩の方に進んで、赤い岩を越えてさらに進むと迷宮の入口があるのよ。もし、興味があるのなら迷宮の中を探索してみるといいかもね。勿論、危険はあるけど、健が望むように自分を強くしてくれる何かがみつかもしれないわよ。」
健は、エルフの女が初めて自分の名前を呼んでくれたことに気付いて嬉しかった。
「有難う、レイニー。その迷宮に行ってみるよ。俺は、まずは強くならないといけないんだ。」
「何か美味しい物があるといいな。」
「それじゃ、またね。」
手を振るエルフの女を後にして、龍と健は森の道を戻って行った。
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