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旅行編 お墓参り〜赤砂の街
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目覚めた時にはどこも縛られていなくて、身体は綺麗になっていた。といっても裸だしとてつもなくダルい。頭も痛いし腰も痛いしお腹の調子も悪い。寒気がするし関節も痛い。目覚めなければよかったと思うくらい絶不調だ。
今何時なんだろう。
窓が閉まっているから時間も分からないし、部屋は相変わらず真っ暗だった。隣にアニキがいなかったのでそろりと起き上がって、近くにあった服を身につけた。
アニキ、もしかしてルイーズさんの所に行ったんだろうか。嫌な考えにたどり着いたけど、とにかく部屋を出てノロノロと共同トイレに向かった。
トイレに行って少しスッキリしたから部屋に戻り、置いてあった水を飲み、ついでに貰った薬を飲む。お医者のおじいさんにあれだけ無茶するなって言われたのに、アニキには全然通じてない。
……俺のこと、愛してないからなのかも。
この考えは思いつくと同時にすんなりと納得できた。
そうだよな、普通は愛があればもう少し相手の身体を労わるものじゃないか? 契約のせいで離れられないから、性欲の捌け口にだけ使って、俺なんて壊れればいいと思ってるんだ。
そう思うと涙が出て、枕に突っ伏して泣いた。
アニキを島に助けに行ったことは後悔していない。みんなに忘れられても、アニキを助けたかった。だけど馬鹿みたいだ。少しくらいは感謝されると思ってた。アニキには過去にあんなに美人の恋人がいて、盗賊じゃなくなった今ならなんの障害もない。俺という邪魔者を除けば。
そのまましばらくベッドで落ち込んでいたら、部屋の扉がノックされた。
「ミサキ君? 起きてる?」
ルイーズさんの声だ。
起きていたけど話したくなくて寝たフリをする。
「まだ寝てるのかしら……」
扉の前に何かを置く音がして、ルイーズさんの足音は遠ざかっていった。いなくなってから扉を開けて廊下を覗くと、部屋の前にトレーに乗せられた食事が置かれていた。
そういえば、仕事を手伝うって約束してたんだ。アニキのせいだけど、約束をすっぽかした事になるんだよな。
ルイーズさんには悪いと思ったけど話す気になれない。でもトレーは受け取って、食べられそうなものだけ口にする事にした。どんな時でも腹は減るらしい。
今何時なんだろう。
窓が閉まっているから時間も分からないし、部屋は相変わらず真っ暗だった。隣にアニキがいなかったのでそろりと起き上がって、近くにあった服を身につけた。
アニキ、もしかしてルイーズさんの所に行ったんだろうか。嫌な考えにたどり着いたけど、とにかく部屋を出てノロノロと共同トイレに向かった。
トイレに行って少しスッキリしたから部屋に戻り、置いてあった水を飲み、ついでに貰った薬を飲む。お医者のおじいさんにあれだけ無茶するなって言われたのに、アニキには全然通じてない。
……俺のこと、愛してないからなのかも。
この考えは思いつくと同時にすんなりと納得できた。
そうだよな、普通は愛があればもう少し相手の身体を労わるものじゃないか? 契約のせいで離れられないから、性欲の捌け口にだけ使って、俺なんて壊れればいいと思ってるんだ。
そう思うと涙が出て、枕に突っ伏して泣いた。
アニキを島に助けに行ったことは後悔していない。みんなに忘れられても、アニキを助けたかった。だけど馬鹿みたいだ。少しくらいは感謝されると思ってた。アニキには過去にあんなに美人の恋人がいて、盗賊じゃなくなった今ならなんの障害もない。俺という邪魔者を除けば。
そのまましばらくベッドで落ち込んでいたら、部屋の扉がノックされた。
「ミサキ君? 起きてる?」
ルイーズさんの声だ。
起きていたけど話したくなくて寝たフリをする。
「まだ寝てるのかしら……」
扉の前に何かを置く音がして、ルイーズさんの足音は遠ざかっていった。いなくなってから扉を開けて廊下を覗くと、部屋の前にトレーに乗せられた食事が置かれていた。
そういえば、仕事を手伝うって約束してたんだ。アニキのせいだけど、約束をすっぽかした事になるんだよな。
ルイーズさんには悪いと思ったけど話す気になれない。でもトレーは受け取って、食べられそうなものだけ口にする事にした。どんな時でも腹は減るらしい。
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