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ダーシェ領
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エドア国がいつからあるのか、誰も知らない。
どの国からの侵略を受けたことがなく、常に安定した政策のおかげで国はまさに平和そのもの。
そして国の周囲を囲むようにそびえ立つ険しい山々から産出される豊富な鉱物資源のおかげで、交易が盛んな豊かな国。
その豊かな資源に目を付け、幾度となく周囲の大国から侵略の対象とされてきたが、ある王は若く健康であったにも拘わらず不審な突然死を迎えたり、エドア国侵略を強く推し進めようとした軍師が二度と起き上がれぬほどの大怪我をし、その計画自体が立ち消えになったこともあったという。
いつしか、『エドア国には守り神がいる』と囁かれるようになり、どの国もエドア国には手を出さぬようになった。
そして、エドア国にはもう一つ、不思議な言い伝えがあった。
かつてこの地には『人ならざる者』達が大勢おり、人との交流を楽しんでいたという。
しかし、いつしか彼らは黒い森の奥深くへと消えてゆき、人々の前に姿を現さなくなった。
長い年月が経ち、いつしか彼らの存在はおとぎ話の中だけのものとなったが、お伽話の最後にはこんな言葉で締めくくられるようになった。
『黒い森に立ち入ってはいけないよ。彼らに見つかると、二度とお家には帰れないから』
その黒い森を管理しており、人の立ち入りや持ち出される資源や鉱物を取り締まっているのが、ダーシェ領だ。
ひらけた土地が少なく、土地柄的には農地には向かないが、その分黒い森の中には豊富な資源が眠っていた。
珍しい薬草や植物、交易に有益な鉱物だけではなく、時には一生働かなくてもいい程の値の付く宝石の原石が手に入ることもあり、一攫千金を夢見る者がこの土地に移り住み始め、ぽつぽつとしかいなかった人々が定住し始め、だんだんと人口を増やしていった。
今では辺境の地でありながらもそこそこ大きな街となり、活気に満ちた街になっている。
活気に溢れている、ということは血気盛んな人々が多くいるということでもあり
「アウローラちゃん!大変だっ!」
「ドアのガラスが壊れるんじゃないか」と思うような勢いで、誰かが店の扉から飛び込んできた。
「西の広場で怪我人が出た!」
アウローラは持ち運び用の応急処置セットを掴み取ると、一目散に店から飛び出した。
アウローラを呼びに来たのは、よく湿布をもらいに来る常連さんのお孫さんだ。
「一体何があったんですか?」
「僕が通りかかった時には、もう乱闘が始まっていて。
「事情はよく分からないけど、最近ここに来たばかりの冒険者がギースに何かしたらしい」
(あぁ…よりにもよってギースさんに絡んだのか……)
ギース・グランディオは、この辺りでもかなり高ランクの『探索者』だ。
地域によっては『冒険者』、という人もいるが、基本的に探索をして採掘や採取をするのが主なので、ここら辺では『探索者』と言っている。
ざっくりとだがランクもあり、上はSで次がAとなり、下はGまである。
Sランクともなると、もはや伝説級の存在とも言われている。
ギースは現段階でBランクだが、もうすぐAランクに上がるだろうと言われているほどの実力者だ。
そんな相手に喧嘩を売る様な馬鹿な真似をするのは、だいたい酔っ払いか、最近他領から一攫千金を夢見ていきりながら来た新参者くらいだ。
(どうかギースさんが手加減してくれていますように)
祈る様な気持ちで、西の広場に辿り着くとガタイのよすぎる男性が3~4人がかりで止められ、その近くに倒れている人がいた。
「離せよっ!止めるんじゃねぇぇッ!!」
「落ち着けっ!ギース!相手はもう気絶してるからっ!」
人混みをかき分け、ぎゃあぎゃあと騒いでいる中心部へとアウローラは急いだ。
倒れている人へ駆け寄り、ざっと状態を確認すると必要になりそうな薬と処置の段取りをつける。
こめかみ辺りの深い切り傷。そこから血が溢れ出て、さらに右手首も異常に腫れているところを見ると骨折している可能性も否定できない。
「こ、こいつを助けてくれ……」
多分倒れている人の仲間か知り合いなのだろう。
震えながら倒れ伏している彼の傍でなすすべなく、座り込んでしまっている。
とりあえず、傷の状態をよく確認しなくては始まらない。
持ってきた救急用の鞄から清潔なガーゼを取り出し、傷口を押さえながら血と汚れを拭っていく。
どうも前に倒されたらしく、顔面全体に細かな擦り傷もある。
こめかみから頬にかけての傷は少し深いが、このくらいであれば縫わなくても済みそうだ。
先程まで暴れていたギースは、周囲の宥めにより少し落ち着きを取り戻してはいるが、まだ怒りが収まらないようだ。
「くそっ!なんだって俺らがこんな目にあわなきゃいけないんだよっ」
震えて座り込んでいる彼とは違い、怒りに満ちた目でギースを睨んでいる見慣れない男。
「ああ゛っ!お前らが勝手に絡んできたんだろうが」
「うるさいっ!お前らみたいなやつらが貴重な資源を独占してるんだろう!」
「こっちだって命がけでやってんだよっ!他所もんが金目当てに気楽に来るようなとこじゃねーんだよ」
ようやく落ち着いてき始めたところだったのに、また不穏な空気が漂い始める。
「お前らみたいな弱っちいやつらが入って無事に済むわけがねぇんだよ!」
ギースの意見は至極まっとうだ。
黒い森は確かに資源の宝庫だが、魔獣と呼ばれる危険な生物が生息している。
うっかり彼らのすみかに足を踏み入れれば襲われることもある。
だからこその『ランク分け』なのだ。
探索者の命を守るためのルール。
だが、一攫千金を夢見てきた者の中には、腕に覚えありとばかりにこのルールを無視して無茶な行動を取る者もいる。
そんな命知らずな行動をいさめ、止めるのがギースのような高ランクの探索者なのだが。
「獣野郎がっ……」
吐き捨てるようなその言葉に、アウローラははっと顔をあげる。
一瞬にして周囲の空気が変わる。
「……今、なんつった……」
ギースの怒りに満ちた地を這うような低い声と、肌を刺すようなビリビリとした空気。
そして何より、膨張し始めたギースの右腕が彼の怒りを表しているように変化していく。
「ひっ……ば、化け物……」
『まずいっ!完全にギースがキレたっ!』
そうして怒りのままにギースはその変化した右腕を自分を侮辱した者へと振り下ろした瞬間。
ギースの右腕と左足にツタの様な植物が巻き付き動きを封じた。
どの国からの侵略を受けたことがなく、常に安定した政策のおかげで国はまさに平和そのもの。
そして国の周囲を囲むようにそびえ立つ険しい山々から産出される豊富な鉱物資源のおかげで、交易が盛んな豊かな国。
その豊かな資源に目を付け、幾度となく周囲の大国から侵略の対象とされてきたが、ある王は若く健康であったにも拘わらず不審な突然死を迎えたり、エドア国侵略を強く推し進めようとした軍師が二度と起き上がれぬほどの大怪我をし、その計画自体が立ち消えになったこともあったという。
いつしか、『エドア国には守り神がいる』と囁かれるようになり、どの国もエドア国には手を出さぬようになった。
そして、エドア国にはもう一つ、不思議な言い伝えがあった。
かつてこの地には『人ならざる者』達が大勢おり、人との交流を楽しんでいたという。
しかし、いつしか彼らは黒い森の奥深くへと消えてゆき、人々の前に姿を現さなくなった。
長い年月が経ち、いつしか彼らの存在はおとぎ話の中だけのものとなったが、お伽話の最後にはこんな言葉で締めくくられるようになった。
『黒い森に立ち入ってはいけないよ。彼らに見つかると、二度とお家には帰れないから』
その黒い森を管理しており、人の立ち入りや持ち出される資源や鉱物を取り締まっているのが、ダーシェ領だ。
ひらけた土地が少なく、土地柄的には農地には向かないが、その分黒い森の中には豊富な資源が眠っていた。
珍しい薬草や植物、交易に有益な鉱物だけではなく、時には一生働かなくてもいい程の値の付く宝石の原石が手に入ることもあり、一攫千金を夢見る者がこの土地に移り住み始め、ぽつぽつとしかいなかった人々が定住し始め、だんだんと人口を増やしていった。
今では辺境の地でありながらもそこそこ大きな街となり、活気に満ちた街になっている。
活気に溢れている、ということは血気盛んな人々が多くいるということでもあり
「アウローラちゃん!大変だっ!」
「ドアのガラスが壊れるんじゃないか」と思うような勢いで、誰かが店の扉から飛び込んできた。
「西の広場で怪我人が出た!」
アウローラは持ち運び用の応急処置セットを掴み取ると、一目散に店から飛び出した。
アウローラを呼びに来たのは、よく湿布をもらいに来る常連さんのお孫さんだ。
「一体何があったんですか?」
「僕が通りかかった時には、もう乱闘が始まっていて。
「事情はよく分からないけど、最近ここに来たばかりの冒険者がギースに何かしたらしい」
(あぁ…よりにもよってギースさんに絡んだのか……)
ギース・グランディオは、この辺りでもかなり高ランクの『探索者』だ。
地域によっては『冒険者』、という人もいるが、基本的に探索をして採掘や採取をするのが主なので、ここら辺では『探索者』と言っている。
ざっくりとだがランクもあり、上はSで次がAとなり、下はGまである。
Sランクともなると、もはや伝説級の存在とも言われている。
ギースは現段階でBランクだが、もうすぐAランクに上がるだろうと言われているほどの実力者だ。
そんな相手に喧嘩を売る様な馬鹿な真似をするのは、だいたい酔っ払いか、最近他領から一攫千金を夢見ていきりながら来た新参者くらいだ。
(どうかギースさんが手加減してくれていますように)
祈る様な気持ちで、西の広場に辿り着くとガタイのよすぎる男性が3~4人がかりで止められ、その近くに倒れている人がいた。
「離せよっ!止めるんじゃねぇぇッ!!」
「落ち着けっ!ギース!相手はもう気絶してるからっ!」
人混みをかき分け、ぎゃあぎゃあと騒いでいる中心部へとアウローラは急いだ。
倒れている人へ駆け寄り、ざっと状態を確認すると必要になりそうな薬と処置の段取りをつける。
こめかみ辺りの深い切り傷。そこから血が溢れ出て、さらに右手首も異常に腫れているところを見ると骨折している可能性も否定できない。
「こ、こいつを助けてくれ……」
多分倒れている人の仲間か知り合いなのだろう。
震えながら倒れ伏している彼の傍でなすすべなく、座り込んでしまっている。
とりあえず、傷の状態をよく確認しなくては始まらない。
持ってきた救急用の鞄から清潔なガーゼを取り出し、傷口を押さえながら血と汚れを拭っていく。
どうも前に倒されたらしく、顔面全体に細かな擦り傷もある。
こめかみから頬にかけての傷は少し深いが、このくらいであれば縫わなくても済みそうだ。
先程まで暴れていたギースは、周囲の宥めにより少し落ち着きを取り戻してはいるが、まだ怒りが収まらないようだ。
「くそっ!なんだって俺らがこんな目にあわなきゃいけないんだよっ」
震えて座り込んでいる彼とは違い、怒りに満ちた目でギースを睨んでいる見慣れない男。
「ああ゛っ!お前らが勝手に絡んできたんだろうが」
「うるさいっ!お前らみたいなやつらが貴重な資源を独占してるんだろう!」
「こっちだって命がけでやってんだよっ!他所もんが金目当てに気楽に来るようなとこじゃねーんだよ」
ようやく落ち着いてき始めたところだったのに、また不穏な空気が漂い始める。
「お前らみたいな弱っちいやつらが入って無事に済むわけがねぇんだよ!」
ギースの意見は至極まっとうだ。
黒い森は確かに資源の宝庫だが、魔獣と呼ばれる危険な生物が生息している。
うっかり彼らのすみかに足を踏み入れれば襲われることもある。
だからこその『ランク分け』なのだ。
探索者の命を守るためのルール。
だが、一攫千金を夢見てきた者の中には、腕に覚えありとばかりにこのルールを無視して無茶な行動を取る者もいる。
そんな命知らずな行動をいさめ、止めるのがギースのような高ランクの探索者なのだが。
「獣野郎がっ……」
吐き捨てるようなその言葉に、アウローラははっと顔をあげる。
一瞬にして周囲の空気が変わる。
「……今、なんつった……」
ギースの怒りに満ちた地を這うような低い声と、肌を刺すようなビリビリとした空気。
そして何より、膨張し始めたギースの右腕が彼の怒りを表しているように変化していく。
「ひっ……ば、化け物……」
『まずいっ!完全にギースがキレたっ!』
そうして怒りのままにギースはその変化した右腕を自分を侮辱した者へと振り下ろした瞬間。
ギースの右腕と左足にツタの様な植物が巻き付き動きを封じた。
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