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ヘイスレイブ奪還編
第107話 雲泥の差
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ナミチュの沼魔法により全ての床と壁が泥沼へと化す。
オダルジョーとホーリーは浮遊し、沼を回避した。
アンチェアが玉座と共に沼へと沈んでいく。
ホーリー「国への忠誠心は無いのだろうか、私の台詞ではないけれど」
しかし泥がアンチェアの肌に触れる前に下降は止まった。
オダルジョー「ふーん、コントロール出来るんだ」
泥沼からとてつもない量の手が現れ二人に襲いかかる。
ホーリー「グロテスクな魔法ですね」
ナミチュ「カナメルさんはカッコつけなので煌びやかな見た目の魔法しか使いませんが、私の魔法選びの基準は殺傷能力と効率重視ですのでご用心を。だってそうでしょう?これから殺す相手に綺麗な魔法を見せる必要なんてあるのかしら?」
オダルジョー「それに関しては同感だね」
オダルジョーとホーリーは泥の手を華麗に回避している。
ホーリー「流石に断ち切ることは不可能か」
ホーリーの大鎌が泥の手を切ると、切断面からまた新たな手が伸びる。
追い詰められたホーリーは水魔術を展開しようとした。
オダルジョー「待って、ホーリー。泥、および沼魔法は水と土の融合系。水かさが増せばこっちが不利になる。洗い流すことは不可能ね」
ホーリー「この魔術の解除方法が分からないわ」
ホーリーはいくつもの泥の手に襲われ、沼へと沈んでいった。
オダルジョー「確かに、爆破をしても飛散して数が増えるだけ、風で巻き上げるには重すぎる。見た目は悪いけど隙のない魔術ね」
ナミチュ「私の得意魔術ですの、泥沼は」
オダルジョーはあらゆる魔法を駆使して泥の手を回避している。
ナミチュ「打開策は浮かんだかしら?」
オダルジョー「うーん、そんなものはとっくの昔に浮かんでるというか、準備は出来てるんだけど、今は時間稼ぎをしているんだ」
ナミチュ「それはどういう意味かしら?」
オダルジョー「まんまの意味だよ」
ナミチュ「カナメルさんがやってきたというのに、あとは何のために時間を稼ぐ必要があるのでしょう?」
オダルジョー「うーん、ヒント、人質は多い方が良い」
ナミチュ「仰る意味が分かりませんわ」
オダルジョー「でも、そうか。この子は今すぐにやっちゃっても問題ないのか」
ナミチュ「やれるのであれば早めの方が良いですよ?お仲間が一人が沼の中で窒息死してしまいますから」
オダルジョーは眉を上げ、ポカンとした表情である。
オダルジョー「ホーリーのこと?だとしたら大きな勘違いだよ、お嬢さん」
ナミチュの眉間に皺が寄る。
オダルジョー「ホーリーは水魔法のエキスパート。中でも水との一体化に優れてる滅多にいない優秀な魔術師だよ、エリートの君ならこの意味が分かるよね」
ナミチュ「まさか」
ナミチュはすぐさま雷属性の魔法を放とうとしたが身体が動かない。
ナミチュ「これは、、、、」
よく見ると浮遊する雲が壁際をゆっくりと移動していた。
オダルジョー「蜘蛛の糸。最初から張り巡らせていたんだけどね、君はあんまり動かないスタイルの魔導士だったから、雲に糸をくくりつけて、君の身体にくるくると巻いていたわけ」
ナミチュ「最初から張り巡らせていたですって?」
オダルジョー「そう、最初から。だからホーリーには申し訳なかったんだけどね、戦い辛かっただろうから」
ナミチュ「まさか、あなた方は蜘蛛の糸を避けながら私と戦い続けていたということかしら?」
オダルジョー「うん、そうだよ。正直に言うと、カナメルが来たあたりで君の動きを止めることは出来たんだけど」
ナミチュ「いつでも勝てたってことですわね」
オダルジョー「そうだけど、そう言ったら君は傷つくんでしょ?そこらへんの感情、私にはもう無いから分かんないんだけどね」
ナミチュ「これから私をどうする気かしら?」
オダルジョー「うーん、、、とりあえず倒れててもらおうか。ホーリーやっちゃって良いよ」
オダルジョーの呼びかけにより沼の中から水化したホーリーが現れる。
そして、嵐のような鎌捌きでナミチュを切り刻んだ。
ナミチュの沼魔法が静かに消えていく。
ホーリー「泥との一体化は初体験でした。私の処女は奪われた。ああ、悲しい」
実体化したホーリーはナミチュの血で赤く染まっていた。
オダルジョーとホーリーは浮遊し、沼を回避した。
アンチェアが玉座と共に沼へと沈んでいく。
ホーリー「国への忠誠心は無いのだろうか、私の台詞ではないけれど」
しかし泥がアンチェアの肌に触れる前に下降は止まった。
オダルジョー「ふーん、コントロール出来るんだ」
泥沼からとてつもない量の手が現れ二人に襲いかかる。
ホーリー「グロテスクな魔法ですね」
ナミチュ「カナメルさんはカッコつけなので煌びやかな見た目の魔法しか使いませんが、私の魔法選びの基準は殺傷能力と効率重視ですのでご用心を。だってそうでしょう?これから殺す相手に綺麗な魔法を見せる必要なんてあるのかしら?」
オダルジョー「それに関しては同感だね」
オダルジョーとホーリーは泥の手を華麗に回避している。
ホーリー「流石に断ち切ることは不可能か」
ホーリーの大鎌が泥の手を切ると、切断面からまた新たな手が伸びる。
追い詰められたホーリーは水魔術を展開しようとした。
オダルジョー「待って、ホーリー。泥、および沼魔法は水と土の融合系。水かさが増せばこっちが不利になる。洗い流すことは不可能ね」
ホーリー「この魔術の解除方法が分からないわ」
ホーリーはいくつもの泥の手に襲われ、沼へと沈んでいった。
オダルジョー「確かに、爆破をしても飛散して数が増えるだけ、風で巻き上げるには重すぎる。見た目は悪いけど隙のない魔術ね」
ナミチュ「私の得意魔術ですの、泥沼は」
オダルジョーはあらゆる魔法を駆使して泥の手を回避している。
ナミチュ「打開策は浮かんだかしら?」
オダルジョー「うーん、そんなものはとっくの昔に浮かんでるというか、準備は出来てるんだけど、今は時間稼ぎをしているんだ」
ナミチュ「それはどういう意味かしら?」
オダルジョー「まんまの意味だよ」
ナミチュ「カナメルさんがやってきたというのに、あとは何のために時間を稼ぐ必要があるのでしょう?」
オダルジョー「うーん、ヒント、人質は多い方が良い」
ナミチュ「仰る意味が分かりませんわ」
オダルジョー「でも、そうか。この子は今すぐにやっちゃっても問題ないのか」
ナミチュ「やれるのであれば早めの方が良いですよ?お仲間が一人が沼の中で窒息死してしまいますから」
オダルジョーは眉を上げ、ポカンとした表情である。
オダルジョー「ホーリーのこと?だとしたら大きな勘違いだよ、お嬢さん」
ナミチュの眉間に皺が寄る。
オダルジョー「ホーリーは水魔法のエキスパート。中でも水との一体化に優れてる滅多にいない優秀な魔術師だよ、エリートの君ならこの意味が分かるよね」
ナミチュ「まさか」
ナミチュはすぐさま雷属性の魔法を放とうとしたが身体が動かない。
ナミチュ「これは、、、、」
よく見ると浮遊する雲が壁際をゆっくりと移動していた。
オダルジョー「蜘蛛の糸。最初から張り巡らせていたんだけどね、君はあんまり動かないスタイルの魔導士だったから、雲に糸をくくりつけて、君の身体にくるくると巻いていたわけ」
ナミチュ「最初から張り巡らせていたですって?」
オダルジョー「そう、最初から。だからホーリーには申し訳なかったんだけどね、戦い辛かっただろうから」
ナミチュ「まさか、あなた方は蜘蛛の糸を避けながら私と戦い続けていたということかしら?」
オダルジョー「うん、そうだよ。正直に言うと、カナメルが来たあたりで君の動きを止めることは出来たんだけど」
ナミチュ「いつでも勝てたってことですわね」
オダルジョー「そうだけど、そう言ったら君は傷つくんでしょ?そこらへんの感情、私にはもう無いから分かんないんだけどね」
ナミチュ「これから私をどうする気かしら?」
オダルジョー「うーん、、、とりあえず倒れててもらおうか。ホーリーやっちゃって良いよ」
オダルジョーの呼びかけにより沼の中から水化したホーリーが現れる。
そして、嵐のような鎌捌きでナミチュを切り刻んだ。
ナミチュの沼魔法が静かに消えていく。
ホーリー「泥との一体化は初体験でした。私の処女は奪われた。ああ、悲しい」
実体化したホーリーはナミチュの血で赤く染まっていた。
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