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分裂のトルコネ編
第138話 計画実行
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リリはスナイパーライフルを担ぎながら荒野の指定地点へと辿り着いた。
リリ「はぁ、重、、、、」
予定より一時間も早くついてしまい、少し休憩をしようと腰を下ろした。
カチャ、カチャカチャカチャ
リリ「!?」
岩陰からゾロゾロと兵士達が現れ、リリへと銃口を向ける。
リリ「探知、、、どうして反応しなかったの?、、、」
リリは空間を指で弾きながら、胸の魔器具に文句を言った。
「ジャミングだよ、リリ。残念ながら私達は探知されない」
そこに現れたのはナツだった。
リリ「、、、、、ナツ、どうして」
ナツ「あの夜、私はズーマー博士の服に盗聴器を忍ばせた。そしてあなた達の会話を盗み聞きし、この計画を知った。リリ、あなたお父さんと同じく大罪人になるつもりのようね」
リリ「、、、、、、、んで、あんたはそれを阻止しようとしてるわけ?」
ナツ「そう、私はすぐに上官に報告した。こんなご時世にそんなことあるわけがないと罵られたけれど、もしものためにとここに兵を配備してくれたわ」
リリ「へぇ~、出世のためなら知人も売るってね」
ナツ「私達、友達でしょ?友達のための踏み台になってよ」
リリ「んー、それはどうかな」
リリは魔法を使おうとした。
ナツ「抗えば、ズーマー博士が危険な目にあうよ?良いの?」
リリ「、、、、、、」
リリは戸惑った、盗聴されていたということはズーマー博士も共犯だということがバレている。
おそらくズーマー博士は今現在拘束されているに違いない。
リリはどうすべきか分からなかった。
リリ「分かった、投降する」
リリは手を下ろした、その時。
ドゴォオオオオオオオン!!!!
荒野の先にそびえ立つ、大陸を囲む壁から爆音が響いた。
ザザザァァァァ!!!!!
そして、波の音が近付いてくる。
ナツ「何の音?」
リリ「分からない」
目を凝らすと壁に大穴が開き、そこから一気に海の水が流れ込んで来ていた。
リリ「ナツ、、、逃げた方が良いかもね」
リリは大波が迫っている方向を指差した。
ナツ「え!?なにこれ!!どうなっているの!?」
兵達はパニックになり、走り出した。
「壁に囲まれたこの国に、海の水が流れ込んだらどうなる?海には凶暴なモンスター達が蠢いているんだ。俺たち人間は丁度良い餌となるだろうなぁ」
遠ざかる兵達とすれ違うように、聞き慣れた低音ボイスが近づいてきた。
リリ「ズーマー博士!!どうしてここに?」
ナツ「あなたは、、、研究ラボにいるはず」
ズーマー「お前、、、名前なんだっけ、まぁ良いや。あれはお前を欺くための嘘だ。盗聴器をつけられていたということは帰宅してから気付いたんでね、会話は聞かれちまったわけだ。それから、毎日後をつけられていることも分かっていた。だから下手に計画を変更することが出来なかったのさ」
ナツ「そんな、、、、」
リリ「どうでも良いけどマジで逃げた方が良いよ、ナツ」
ナツはその場にしゃがみ込んでいる。
ズーマー「リリ、計画変更だ。外には俺も行く」
リリ「でも博士、個人的な研究は?」
ズーマー「今日までに仕上げた。細胞を活性化させる薬、完成品はここにある」
ズーマー博士の手には大型のカバンが握られていた。
リリ「なるほどね。んじゃ行きますか」
リリはヘリコプターを創り出した。
ナツ「待って!!!私も連れて行って!!!」
リリ「、、、、ごめんね、私は全てを置いていくよ」
リリとズーマー博士はヘリコプターに乗り込んだ。
すぐにその場に大波が押し寄せ、ナツは波に飲み込まれた。
リリはその光景を少し高い位置から眺めていた。
リリ「フランさんも、バビも、、、、死んじゃうのかな」
ズーマー「死ぬだろうなぁ」
リリ「、、、、、、、」
ズーマー「ん?何か問題でもあるか?」
リリ「いや、、、、」
リリは何とも言えない胸の痛みに襲われていた。
リリ「来世ではさ」
ズーマー「ん?」
リリ「生まれ変わったらさ、友達を大切にしようと思うよ。私」
ズーマー「好きにしたまえ」
ズーマーは何やら注射器に液体を入れ、自分の身体へと打ち込んでいる。
リリ「それ打ち込んだらどうなるの?」
ズーマー「不死身になるのさ、、、、もう少しだけ成功率を上げたかったがな。どうやら成功率は血に関係するらしい」
リリ「血?」
ズーマー「王家の血だよ、俺にも微量ながらそれが流れているって話だが、、、どうだかな」
「ほう、それは興味深い」
二人は驚いて後部座席を見た。
そこには見知らぬ老人が座っていた。
リリ「誰!?」
無の神「無の神、、とでも言っておこうか」
ズーマー「リリの探知にも引っかからないか」
リリ「いや、ジャミングのせいかズーマー博士も引っかかってないんだけど」
ズーマー「ん?おかしいな、もうジャミングは切れているはずだが」
無の神「クックック、、、こんな状況でも余裕か。せっかくこの大陸に遊びに来たというのに滅びる寸前のようじゃ。がっかりして帰るところだったのじゃが、、、お主ら二人はどうやら勝ち組のようじゃな」
ズーマー「まぁ、確かに人生の勝ち組っすね」
リリ「勝ち負けで言えば、勝ちなのかな?この状況」
無の神「気に入った。いや、この大陸を潰した責任を取ってもらおうか。その不思議な力とその研究の成果とやらで」
ズーマー「流石にこの展開は予測していなかったなぁ」
ズーマー博士のその言葉を最後に、リリは意識を失ったのだった。
リリ「はぁ、重、、、、」
予定より一時間も早くついてしまい、少し休憩をしようと腰を下ろした。
カチャ、カチャカチャカチャ
リリ「!?」
岩陰からゾロゾロと兵士達が現れ、リリへと銃口を向ける。
リリ「探知、、、どうして反応しなかったの?、、、」
リリは空間を指で弾きながら、胸の魔器具に文句を言った。
「ジャミングだよ、リリ。残念ながら私達は探知されない」
そこに現れたのはナツだった。
リリ「、、、、、ナツ、どうして」
ナツ「あの夜、私はズーマー博士の服に盗聴器を忍ばせた。そしてあなた達の会話を盗み聞きし、この計画を知った。リリ、あなたお父さんと同じく大罪人になるつもりのようね」
リリ「、、、、、、、んで、あんたはそれを阻止しようとしてるわけ?」
ナツ「そう、私はすぐに上官に報告した。こんなご時世にそんなことあるわけがないと罵られたけれど、もしものためにとここに兵を配備してくれたわ」
リリ「へぇ~、出世のためなら知人も売るってね」
ナツ「私達、友達でしょ?友達のための踏み台になってよ」
リリ「んー、それはどうかな」
リリは魔法を使おうとした。
ナツ「抗えば、ズーマー博士が危険な目にあうよ?良いの?」
リリ「、、、、、、」
リリは戸惑った、盗聴されていたということはズーマー博士も共犯だということがバレている。
おそらくズーマー博士は今現在拘束されているに違いない。
リリはどうすべきか分からなかった。
リリ「分かった、投降する」
リリは手を下ろした、その時。
ドゴォオオオオオオオン!!!!
荒野の先にそびえ立つ、大陸を囲む壁から爆音が響いた。
ザザザァァァァ!!!!!
そして、波の音が近付いてくる。
ナツ「何の音?」
リリ「分からない」
目を凝らすと壁に大穴が開き、そこから一気に海の水が流れ込んで来ていた。
リリ「ナツ、、、逃げた方が良いかもね」
リリは大波が迫っている方向を指差した。
ナツ「え!?なにこれ!!どうなっているの!?」
兵達はパニックになり、走り出した。
「壁に囲まれたこの国に、海の水が流れ込んだらどうなる?海には凶暴なモンスター達が蠢いているんだ。俺たち人間は丁度良い餌となるだろうなぁ」
遠ざかる兵達とすれ違うように、聞き慣れた低音ボイスが近づいてきた。
リリ「ズーマー博士!!どうしてここに?」
ナツ「あなたは、、、研究ラボにいるはず」
ズーマー「お前、、、名前なんだっけ、まぁ良いや。あれはお前を欺くための嘘だ。盗聴器をつけられていたということは帰宅してから気付いたんでね、会話は聞かれちまったわけだ。それから、毎日後をつけられていることも分かっていた。だから下手に計画を変更することが出来なかったのさ」
ナツ「そんな、、、、」
リリ「どうでも良いけどマジで逃げた方が良いよ、ナツ」
ナツはその場にしゃがみ込んでいる。
ズーマー「リリ、計画変更だ。外には俺も行く」
リリ「でも博士、個人的な研究は?」
ズーマー「今日までに仕上げた。細胞を活性化させる薬、完成品はここにある」
ズーマー博士の手には大型のカバンが握られていた。
リリ「なるほどね。んじゃ行きますか」
リリはヘリコプターを創り出した。
ナツ「待って!!!私も連れて行って!!!」
リリ「、、、、ごめんね、私は全てを置いていくよ」
リリとズーマー博士はヘリコプターに乗り込んだ。
すぐにその場に大波が押し寄せ、ナツは波に飲み込まれた。
リリはその光景を少し高い位置から眺めていた。
リリ「フランさんも、バビも、、、、死んじゃうのかな」
ズーマー「死ぬだろうなぁ」
リリ「、、、、、、、」
ズーマー「ん?何か問題でもあるか?」
リリ「いや、、、、」
リリは何とも言えない胸の痛みに襲われていた。
リリ「来世ではさ」
ズーマー「ん?」
リリ「生まれ変わったらさ、友達を大切にしようと思うよ。私」
ズーマー「好きにしたまえ」
ズーマーは何やら注射器に液体を入れ、自分の身体へと打ち込んでいる。
リリ「それ打ち込んだらどうなるの?」
ズーマー「不死身になるのさ、、、、もう少しだけ成功率を上げたかったがな。どうやら成功率は血に関係するらしい」
リリ「血?」
ズーマー「王家の血だよ、俺にも微量ながらそれが流れているって話だが、、、どうだかな」
「ほう、それは興味深い」
二人は驚いて後部座席を見た。
そこには見知らぬ老人が座っていた。
リリ「誰!?」
無の神「無の神、、とでも言っておこうか」
ズーマー「リリの探知にも引っかからないか」
リリ「いや、ジャミングのせいかズーマー博士も引っかかってないんだけど」
ズーマー「ん?おかしいな、もうジャミングは切れているはずだが」
無の神「クックック、、、こんな状況でも余裕か。せっかくこの大陸に遊びに来たというのに滅びる寸前のようじゃ。がっかりして帰るところだったのじゃが、、、お主ら二人はどうやら勝ち組のようじゃな」
ズーマー「まぁ、確かに人生の勝ち組っすね」
リリ「勝ち負けで言えば、勝ちなのかな?この状況」
無の神「気に入った。いや、この大陸を潰した責任を取ってもらおうか。その不思議な力とその研究の成果とやらで」
ズーマー「流石にこの展開は予測していなかったなぁ」
ズーマー博士のその言葉を最後に、リリは意識を失ったのだった。
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