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決戦のグレイス城編
第217話 闇を断ち切る闇
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その時、無の神はセリアへと手を伸ばした。
セリア「え!?」
引力に引き寄せられるかのようにセリアの身体は無の神の方へと移動する。
ツグルの動きが止まった。
一同は咄嗟の出来事に判断が遅れ、安定しない魔力で救出するのは不可能だった。
トゥールは少し遅れて駆け出した、しかし判断が遅過ぎた。
ツグル「セリア!!!!!!!!」
無の神がセリアを狙うことは至極当たり前の話である。
そんな簡単なことを忘れてしまうほどに無の神を倒すことに夢中になっていたのだ。
セリア「ツグル!!!!」
セリアはツグルへと手を伸ばした。
その時何者かがセリアの手を掴んだ。
氷の道を滑りながら現れたのはリキッドだった。
リキッド「大丈夫ですか?お姫様」
セリア「あ、、ありがとうございます!」
そのまま氷の道を使って距離を取ろうとしたリキッドだったが、無の神の力によって道は消滅し、リキッドとセリアは無の神のすぐ近くに降り立った。
無の神「あの時と同じだな」
無の神が黒い手を生やし、振り上げた。
ムー「あの馬鹿が!!!!」
ムーの頭にグレイス城を六人で襲撃した際の記憶が蘇る。
闇魔法を使った高速転移も魔力が安定しないせいか使えない。
トゥール「くそ!、、、」
トゥールは刀に手をかけた。
しかしそれを制止するようにリキッドが掌を向けた。
リキッド「あの時と同じ?神様にはそう見えるのか」
無の神「またお前を操って、ここで暴れてもらうか。漆黒の騎士よ」
黒い大きな手が振り下ろされた。
リキッド「姫の守りは任せろ。お前は、お前の役割を全うするんだ」
リキッドと無の神の間に入ったのはツグルだった。
ツグル「またあんたと戦うのはごめんだからな」
ツグルは無の神の大きな黒い手を払い退けた。
リキッド「さぁ、こちらへ」
リキッドはセリアをお姫様抱っこしながら氷の上を滑走し、トゥールの元へと降り立った。
ムー「結果オーライとは言わせない、てめぇがもしまた囚われたとしたらここで全滅する可能性もあったわけだ」
ムーはユラユラとリキッドへと近付いた。
その顔には明らかな怒りが見て取れる。
リキッド「どうやら訳あって魔法を使えないらしいが、もし使えたとしたら君も自分の身体を犠牲にして他者を助けるだろう」
ムー「ふん、僕は最強の魔術師だ、闇魔法による肉体や感情の欠落など知ったことではない。よってそれらを犠牲とは思っていないってことだ」
ピリついた空気を断ち切るようにトゥールが割って入った。
トゥール「まぁ、結果オーライってことで」
ムー「、、、、トゥールに免じて今回は許してやろう」
リキッドは弁解するように手を広げた。
リキッド「俺も無策に突っ込んだわけじゃない。あの程度の攻撃は容易く防げるようにツグルを鍛えたからな。ツグルは優秀な俺の部下だ」
その言葉にムーとトゥールは首を傾げる。
ムー「何を勘違いしている?あの怪物を鍛えたのは僕だ。てめぇは僕が整えた地盤に水をあげただけに過ぎない」
トゥール「いやいや、ツグルは俺の技を盗んでる。ってことは俺の弟子なんじゃないか?」
タクティス「いや、ツグルは」
リリ「どーでも良いから!!!ちゃんとツグルのことを見なさい!!!」
無の神は明らかに疲弊していた。
ツグル「流石にさっきのは大技過ぎたんじゃないか?」
無の神「、、、、、」
無の神は背中から黒い翼を生やし、空中へと飛び上がった。
そして両手を重ね、照準をツグルへと合わせる。
無の神「次はこっちの番だ」
無の神の両手に禍々しい魔力が集まっていく。
ツグル「こっちもまだとっておきを残してあるんだ」
ツグルの短剣はガチャガチャと形を変え、大きなスナイパーライフルへと姿を変えた。
リリ「あれは私の最高傑作!!」
トゥール「創造魔術まで使えるようになったのか!?」
ムー「いや、流石にそれは無理だ。撃つのに必要な炎魔法、銃を構成する鉄や雷は使っていないように視える。あいつが行ったのは短剣の変形、そして撃ち込むのはただの闇魔法の塊だ」
リリ「じゃあ最高傑作じゃないじゃん!」
ムー「いや、闇の魔力の圧縮だ。てめぇのライフルには劣るが並の威力じゃ収まらねぇ」
無の神「消えろ」
無の神の手から禍々しい光線が放たれる。
ツグル「これが俺の最高傑作、、、」
ツグルは引き金を引いた。
黒い弾丸が光線を消滅させ、無の神の翼を貫いた。
無の神「これほどまでとは、、、」
ツグル「強くなることを忘れた奴はいずれ誰かに超えられる。トゥール達六人よりあんたは弱い、攻撃する手段があれば簡単にお前はやられていただろう。そして時間はかかったが俺はお前を超えた」
無の神「我は神だ!!人間風情が調子に乗るなよ!!」
ツグル「俺は人間じゃない、お前を殺すために作られた。神殺しの怪物だ!!!!」
ツグルの身体はいつの間にか悪魔のような風貌に変わっていた。
二人の悪魔が凄まじい攻防を繰り広げる。
互いに容赦ない連撃を繰り出し、空中庭園が血に染まっていく。
ツグル「ハァァアァあああ!!!!!」
しかし、ツグルの身体は人間の姿に戻っていた。
無の神「所詮は紛い物だ!!!」
無の神はツグルの限界を感じ、ここぞとばかりに仕掛ける。
身体が動かない、しかしここで負けるわけにはいかない。
トゥール「ツグル!!!お前ならやれる。共に行くぞ!!!未来へ!!」
ムー「ここで負けるなんて茶番があるなら、僕が地獄で更なる痛みを与えてやる。勝ちやがれ、ツグル!!」
リキッド「さて、限界を超える時が来たな。必要なのは勢いだ、勢い」
タクティス「俺達は託すことしか出来ない。頼むぞ」
リリ「おーいツグルくーん!!セリアちゃんが見てるよ~~!!!!!カッコ良い所見せてよ!」
セリアは祈るように手を合わせていた。
セリア「ツグル、、、、」
ツグル「俺がここで全てを断ち切る!!」
ツグルは最後の力を振り絞り、立ち上がった。
無の神の爪がツグルを捉えたかのように見えた、しかしそこにツグルはいなかった。
ツグル「居合、、、旋闇、、、」
ツグルは無の神の背後にいた。
その手には黒い刀が納められている。
トゥール「ぶった斬れ!!!!!!」
ツグル「獺祭!!!!!!」
黒い斬撃が無の神の身体を真っ二つにした。
セリア「え!?」
引力に引き寄せられるかのようにセリアの身体は無の神の方へと移動する。
ツグルの動きが止まった。
一同は咄嗟の出来事に判断が遅れ、安定しない魔力で救出するのは不可能だった。
トゥールは少し遅れて駆け出した、しかし判断が遅過ぎた。
ツグル「セリア!!!!!!!!」
無の神がセリアを狙うことは至極当たり前の話である。
そんな簡単なことを忘れてしまうほどに無の神を倒すことに夢中になっていたのだ。
セリア「ツグル!!!!」
セリアはツグルへと手を伸ばした。
その時何者かがセリアの手を掴んだ。
氷の道を滑りながら現れたのはリキッドだった。
リキッド「大丈夫ですか?お姫様」
セリア「あ、、ありがとうございます!」
そのまま氷の道を使って距離を取ろうとしたリキッドだったが、無の神の力によって道は消滅し、リキッドとセリアは無の神のすぐ近くに降り立った。
無の神「あの時と同じだな」
無の神が黒い手を生やし、振り上げた。
ムー「あの馬鹿が!!!!」
ムーの頭にグレイス城を六人で襲撃した際の記憶が蘇る。
闇魔法を使った高速転移も魔力が安定しないせいか使えない。
トゥール「くそ!、、、」
トゥールは刀に手をかけた。
しかしそれを制止するようにリキッドが掌を向けた。
リキッド「あの時と同じ?神様にはそう見えるのか」
無の神「またお前を操って、ここで暴れてもらうか。漆黒の騎士よ」
黒い大きな手が振り下ろされた。
リキッド「姫の守りは任せろ。お前は、お前の役割を全うするんだ」
リキッドと無の神の間に入ったのはツグルだった。
ツグル「またあんたと戦うのはごめんだからな」
ツグルは無の神の大きな黒い手を払い退けた。
リキッド「さぁ、こちらへ」
リキッドはセリアをお姫様抱っこしながら氷の上を滑走し、トゥールの元へと降り立った。
ムー「結果オーライとは言わせない、てめぇがもしまた囚われたとしたらここで全滅する可能性もあったわけだ」
ムーはユラユラとリキッドへと近付いた。
その顔には明らかな怒りが見て取れる。
リキッド「どうやら訳あって魔法を使えないらしいが、もし使えたとしたら君も自分の身体を犠牲にして他者を助けるだろう」
ムー「ふん、僕は最強の魔術師だ、闇魔法による肉体や感情の欠落など知ったことではない。よってそれらを犠牲とは思っていないってことだ」
ピリついた空気を断ち切るようにトゥールが割って入った。
トゥール「まぁ、結果オーライってことで」
ムー「、、、、トゥールに免じて今回は許してやろう」
リキッドは弁解するように手を広げた。
リキッド「俺も無策に突っ込んだわけじゃない。あの程度の攻撃は容易く防げるようにツグルを鍛えたからな。ツグルは優秀な俺の部下だ」
その言葉にムーとトゥールは首を傾げる。
ムー「何を勘違いしている?あの怪物を鍛えたのは僕だ。てめぇは僕が整えた地盤に水をあげただけに過ぎない」
トゥール「いやいや、ツグルは俺の技を盗んでる。ってことは俺の弟子なんじゃないか?」
タクティス「いや、ツグルは」
リリ「どーでも良いから!!!ちゃんとツグルのことを見なさい!!!」
無の神は明らかに疲弊していた。
ツグル「流石にさっきのは大技過ぎたんじゃないか?」
無の神「、、、、、」
無の神は背中から黒い翼を生やし、空中へと飛び上がった。
そして両手を重ね、照準をツグルへと合わせる。
無の神「次はこっちの番だ」
無の神の両手に禍々しい魔力が集まっていく。
ツグル「こっちもまだとっておきを残してあるんだ」
ツグルの短剣はガチャガチャと形を変え、大きなスナイパーライフルへと姿を変えた。
リリ「あれは私の最高傑作!!」
トゥール「創造魔術まで使えるようになったのか!?」
ムー「いや、流石にそれは無理だ。撃つのに必要な炎魔法、銃を構成する鉄や雷は使っていないように視える。あいつが行ったのは短剣の変形、そして撃ち込むのはただの闇魔法の塊だ」
リリ「じゃあ最高傑作じゃないじゃん!」
ムー「いや、闇の魔力の圧縮だ。てめぇのライフルには劣るが並の威力じゃ収まらねぇ」
無の神「消えろ」
無の神の手から禍々しい光線が放たれる。
ツグル「これが俺の最高傑作、、、」
ツグルは引き金を引いた。
黒い弾丸が光線を消滅させ、無の神の翼を貫いた。
無の神「これほどまでとは、、、」
ツグル「強くなることを忘れた奴はいずれ誰かに超えられる。トゥール達六人よりあんたは弱い、攻撃する手段があれば簡単にお前はやられていただろう。そして時間はかかったが俺はお前を超えた」
無の神「我は神だ!!人間風情が調子に乗るなよ!!」
ツグル「俺は人間じゃない、お前を殺すために作られた。神殺しの怪物だ!!!!」
ツグルの身体はいつの間にか悪魔のような風貌に変わっていた。
二人の悪魔が凄まじい攻防を繰り広げる。
互いに容赦ない連撃を繰り出し、空中庭園が血に染まっていく。
ツグル「ハァァアァあああ!!!!!」
しかし、ツグルの身体は人間の姿に戻っていた。
無の神「所詮は紛い物だ!!!」
無の神はツグルの限界を感じ、ここぞとばかりに仕掛ける。
身体が動かない、しかしここで負けるわけにはいかない。
トゥール「ツグル!!!お前ならやれる。共に行くぞ!!!未来へ!!」
ムー「ここで負けるなんて茶番があるなら、僕が地獄で更なる痛みを与えてやる。勝ちやがれ、ツグル!!」
リキッド「さて、限界を超える時が来たな。必要なのは勢いだ、勢い」
タクティス「俺達は託すことしか出来ない。頼むぞ」
リリ「おーいツグルくーん!!セリアちゃんが見てるよ~~!!!!!カッコ良い所見せてよ!」
セリアは祈るように手を合わせていた。
セリア「ツグル、、、、」
ツグル「俺がここで全てを断ち切る!!」
ツグルは最後の力を振り絞り、立ち上がった。
無の神の爪がツグルを捉えたかのように見えた、しかしそこにツグルはいなかった。
ツグル「居合、、、旋闇、、、」
ツグルは無の神の背後にいた。
その手には黒い刀が納められている。
トゥール「ぶった斬れ!!!!!!」
ツグル「獺祭!!!!!!」
黒い斬撃が無の神の身体を真っ二つにした。
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