25 / 49
B 楓陥落2
しおりを挟む※
「見てあの熊、壁に向かってぴょんぴょん飛んでる」
「あはは。可愛いです」
動物園に着いてからもいつも通りに俺たちは会話を続けていた。
今日の楓のコーデは、デニム生地のスカートにボーダーのTシャツ。スニーカーと帽子でカジュアルに仕上げている。年齢相応のおしゃれコーデという感じだ。
というか、楓も美乃梨もファッションセンスがいい。俺は最近の流行は知らんけど、どちらも自分の体型や年齢、場所に合わせたシンプルな服装をしている。まあ、2人とも容姿がいいから採点が甘くなっているだけかもしれんが。
「じゃあ、他のところも行ってみよっか」
しかしデートの内容については、特筆すべきことは特段ないから、何を言うか困ってしまうな。いつも通りに会話をして、動物を眺めるだけ。楓はそれでも楽しんでくれたみたいだけど。
「ここ、遊園地もあるからちょっと寄っていこうよ」
「わあ、ここの遊園地、小さい時に来た以来だから懐かしいです」
「そうなんだね。昔来たことがあったんだ」
そして、一通り動物を見終わったら、敷地内に併設されている遊園地に誘う。こじんまりとしていて、目新しいアトラクションはないが、そこそこ楽しめる場所だと思っている。
さて、ここからは少しずつ仕掛けないといけない。俺は心の中で重い腰を上げて、楓攻略へと動きだした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
140
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる