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第2話
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私、アイリーン・フォン・メッサーシュミットが前世の記憶について気が付いたのは物心がついたころに階段から転落して頭を打った時だ。まるでナーロッパ形成期の異世界魔法チートモノみたいでノスタルジックな風情のある思い出し方ですね。もはやナーロッパといってよいのかすらわからなくなりつつある昨今の産声を上げながらノーブレスで思い出してしまう異世界転生モノと違ってもはや懐かしさすら感じるのはどこぞのパンデミック直前に高校を卒業したぐらいのタイミングで生まれたゆえだろうか。
閑話休題。
生前好きだった同人乙女ゲームの世界だと気が付いたのは六歳の時だった。シュバルツと婚約した時期だった。導力革命というものが過去に発生し、スチームパンク的世界観の国産ファンタジーRPGヒロイックサーガシリーズの同人ゲームとして開発されたそれはスチームパンクという独特な世界観が大好きだった私にははまるべくしてはまるというモノだった。
貧乏貴族のハインケル男爵令嬢はお家復興のためにお金持ちの貴族と結ばれるために王立魔法学園の門扉をたたくことになる。男爵令嬢は家族から一人離れて故郷から遠く離れた王都に行くのが嫌でたまらなかったが、入学式の時に出会った男の子に一目ぼれする。その後、告白しようとしたが、その男の子には婚約者が初恋は告白する前に潰えた。
しかし、その男の子と婚約者との関係はうまくいっておらず、卒業したら関係を清算すると言い聞かせて男の子『シュバルツ・フォン・フォークト』と甘酸っぱい恋をするのだが……
というのがパッケージの説明文だった。あえて続きを書くならば、傲慢で高飛車な婚約者に嫌気がさしていたシュバルツは可憐で素直なヒロインに癒されてだんだんと心を惹かれていくが、男爵令嬢ごと気に! と噴気したアイリーンは男爵令嬢に執拗な嫌がらせを行い、シュバルツを取り戻そうとした。しかし、その結果、アイリーンは婚約破棄されてフォークト家からの支援を失ったアイリーンの実家は遂に破綻し、爵位を返上させられ一家離散の憂き目にあうことになる。といったところだろうか。
しかし、現実はそうはならなかった。そもそものアイリーンとシュバルツの婚約理由は作中で明らかにされていなかったが、フォークト辺境伯家から悪役令嬢アイリーンの実家に対して援助が行われていたことは確定しているため、援助の対価として身売り同然の婚約だったのだろう。シュバルツが次男であることを考えれば、子飼いの部下に与えるための爵位を確保したかったか、実質的に領地を増やしたかったのかはわからないがメッサーシュミット伯爵家の乗っ取りがその目的だったに違いない。
そして、私が六歳の時にメッサーシュミット伯爵領は大規模な災害によって税収が激減し、領地の復興のために多額の資金が必要となったためにその援助をフォークト辺境伯家に懇願した。その結果、私は身売り同然でシュバルツ婚約することになる。
当時は私も彼に同情していたのだ。メッサーシュミット伯爵家を乗っ取るための先兵として私のような芋女と勝手に婚約させられたシュバルツに。
しかし、10歳の時に私が与えられたわずかばかりのお小遣いをためて作ったCCクリームやルースパウダーは大ヒットして10歳ながら商会長になった。その商会はたった3年間で王国を代表する巨大な商会に成長し、化粧品のほかに洗剤や医薬品などのライフサイエンス分野の化学品を網羅的に販売する商会となっていた。前世の職業である大手トイレタリー用品メーカーの研究職が異世界で活用された結果だった。
また、大学時代に経済戦記物にはまって経済学部の友人と小説内の企業経営についての描写であれこれと議論を交わしたのが生きた。メーカーの研究職の経験では物を作ることはできても売り方や全体のマネジメントまではカバーできないためだ。
そして、農産物の輸出と貿易港や卸売市場の利益が主な収入だった税収に王国を代表する巨大商会の収入が加わったメッサーシュミット伯爵家の財政は劇的に改善し、余裕を生んだ。その余裕をもとに将来への投資を行い、領地の人口は増え続け、商人が集まったことで人頭税や商業税はうなぎのぼりだった。
おかげで、フォークト辺境伯家からの借金をあっという間に完済し、むしろこちらの方が立場的に強くなった。それをあのバカが知っているのかはわからない。ただ本当に効いていないかもしれないし、聞いたけど忘れているのかもしれない。
いずれにせよ、そのことが頭の中になかったからこそあんなに強気に出られたのだろう。
おそらくだが、婚約破棄も本気ではなかったはずである。あの会場でのエリザに対する態度を見るにイベントの消化率は3個ほどであり、まだこなかけレベルのはずだ。そんなに親密度は高くない。おそらく、狼狽する私を見て自分の方が立場が上なのだと思いたかっただけ。涙や鼻水で顔をぐちょぐちょにしながら縋り付く姿でも想像していたのだろう。
おそらく、本人としては付き合っているつもりもなく、モーションにも気が付いていない。ただ、エリザがうまい具合に操縦したのだろう。
今頃、シュバルツは辺境伯にこってりと絞られているのだろう。それでおやじ同伴で謝罪に来て、婚約は貴なんてなかったことにしようとする。
そんなのはごめんだ。昔世話になったし、一番つらいときに理由は何であれ、手を差し伸べてくれた音はある。一応話し合いには応じるつもりだし、慰謝料についてもあきらめてやってもいい。
しかし、婚約破棄の撤回だけはするつもりはない。メデューク商会の会頭が公衆の面前で婚約破棄を言い渡され恥をかいたにもかかわらず、短期間で撤回されたなんて商会のブランド失墜にもつながるスキャンダルだ。
そうでなくても公衆の面前での婚約破棄宣言なんて最高の愚行を生かさない手はない。これほどまでにつつがなく婚約破棄ができる条件などない。生かさない手はないのだ。
それにしてもあの女。婚約者である私の目の前で、堂々とモーションをかけてきただけに飽き足らず、公衆の面前で恥をかかせようとしたなんてどうしてくれようか。
中身が日本人で庶民とはいえ、伯爵令嬢という上級貴族の仲間である私が男爵令嬢という貴族の中で最下級のエリザに恥をかかされるなんて言えとして報復をするようなレベルだ。貴族というのはやられたら倍返し、やられてなくてもやり返す、八つ当たりだ! なんていうヤクザな職業なわけだし、私自身のモットーが前世も含めてだいたい同じだから報復をしないという選択肢はない。
そもそも男爵家というのは貴族ではあるけど貴族ではない。海上自衛隊の「幹部及び二尉及び三尉」という感じで貴族社会も『貴族及び子爵及び男爵』というくくりになる。
今まで目の前でモーションをかけられていてもなんだコイツと思いつつ取り巻き立による彼女への嫌がらせを貴族としてスマートなやり方でしなさいなといさめる程度にしていたがそろそろ本気で相手しなくてはならないようだ。
私の通う学園は王立魔法学園といい、王族から平民に至るまで王国に住まうすべての人間の中から魔法の適性があるものすべて入学が許される。そのため貴族と庶民が同じ学校に通うことになる。一応貴族と平民は教室や学生寮を分けているが、比較的両者の中は良い。もちろんお互いに遠慮して配慮しているからこそ秩序があり、その秩序が守られているゆえに平民たちも無駄に貴族を恐れないし、貴族も将来の家臣候補として庶民たちを尊重しているからこそなのだが。
そんな中で、エリザという少女はほかの女子とは少し違っていた。
一言でいえば学園のふわふわ小動物系アイドルだ。
しかし、それは男子側の見方であり、女子生徒からすればただのぶりっ子だ。当然女子の友達はいない。日本でもよく言われているが同姓の友達がいない女と付き合うのはやめた方がよい。その意味をまざまざと見せつけてくれるのが彼女だ。
そんな彼女に男子生徒たちは彼女をチヤホヤし、女子生徒は蛇蝎の如く嫌い、様々な嫌がらせをした。そして私はただかかわらないようにしていた。
学生業と社長業の両立は非常に厳しく、そんな細事に時間を割く余裕がなかったというのももちろんある。しかしそれ以上にシュバルツとうまくいっていなかった。その時に羽毛田さんだけの婚約者は不要なものであり、伯爵家にとってさっさと切りたい存在だったためだ。
そのため、私の放任とシュバルツの不貞を理由に婚約破棄を迫るという作戦は父親後任の作戦となるのはそう遅くなかった。あんな不良債権を欲しがるなんて奇特な方がいるのだなという驚きはあったが、さっさと持っていてくれという思いの方がはるかに大きく、陰ながら応援することすらあった。メデューク商会の新作化粧品の試供品の配布で女子生徒たちを足止めしたりなどいろいろとしていた。
もともと、あの二人がくっつくのが正規ルートである世界だし、ゲームでの悪役令嬢の役割はスチル収集のための周回要素と悪役令嬢によって嫌がらせをされるとトゥルーエンド到達に必要な親密度のたまりがえげつないほど上がるというギミック的なものでしかなかった。
ある程度の嫌がらせはした方がよいのだろうが、別にしなくともハッピーエンドになるし、ちょっと頑張れば悪役令嬢からの嫌がらせをすべて回避してもトゥルーエンド到達は可能だった。
ならば、私は無視していても問題ない。そう思って目の前でモーションをかけられても無視を決め込んでいた。
しかし、それが気に食わなかったのだろうか。ともかく私はエリザに嫌われたらしい。
今や、シュバルツにかかわりのないところでも彼女はやたらと私に絡んでくるようになってしまった。
閑話休題。
生前好きだった同人乙女ゲームの世界だと気が付いたのは六歳の時だった。シュバルツと婚約した時期だった。導力革命というものが過去に発生し、スチームパンク的世界観の国産ファンタジーRPGヒロイックサーガシリーズの同人ゲームとして開発されたそれはスチームパンクという独特な世界観が大好きだった私にははまるべくしてはまるというモノだった。
貧乏貴族のハインケル男爵令嬢はお家復興のためにお金持ちの貴族と結ばれるために王立魔法学園の門扉をたたくことになる。男爵令嬢は家族から一人離れて故郷から遠く離れた王都に行くのが嫌でたまらなかったが、入学式の時に出会った男の子に一目ぼれする。その後、告白しようとしたが、その男の子には婚約者が初恋は告白する前に潰えた。
しかし、その男の子と婚約者との関係はうまくいっておらず、卒業したら関係を清算すると言い聞かせて男の子『シュバルツ・フォン・フォークト』と甘酸っぱい恋をするのだが……
というのがパッケージの説明文だった。あえて続きを書くならば、傲慢で高飛車な婚約者に嫌気がさしていたシュバルツは可憐で素直なヒロインに癒されてだんだんと心を惹かれていくが、男爵令嬢ごと気に! と噴気したアイリーンは男爵令嬢に執拗な嫌がらせを行い、シュバルツを取り戻そうとした。しかし、その結果、アイリーンは婚約破棄されてフォークト家からの支援を失ったアイリーンの実家は遂に破綻し、爵位を返上させられ一家離散の憂き目にあうことになる。といったところだろうか。
しかし、現実はそうはならなかった。そもそものアイリーンとシュバルツの婚約理由は作中で明らかにされていなかったが、フォークト辺境伯家から悪役令嬢アイリーンの実家に対して援助が行われていたことは確定しているため、援助の対価として身売り同然の婚約だったのだろう。シュバルツが次男であることを考えれば、子飼いの部下に与えるための爵位を確保したかったか、実質的に領地を増やしたかったのかはわからないがメッサーシュミット伯爵家の乗っ取りがその目的だったに違いない。
そして、私が六歳の時にメッサーシュミット伯爵領は大規模な災害によって税収が激減し、領地の復興のために多額の資金が必要となったためにその援助をフォークト辺境伯家に懇願した。その結果、私は身売り同然でシュバルツ婚約することになる。
当時は私も彼に同情していたのだ。メッサーシュミット伯爵家を乗っ取るための先兵として私のような芋女と勝手に婚約させられたシュバルツに。
しかし、10歳の時に私が与えられたわずかばかりのお小遣いをためて作ったCCクリームやルースパウダーは大ヒットして10歳ながら商会長になった。その商会はたった3年間で王国を代表する巨大な商会に成長し、化粧品のほかに洗剤や医薬品などのライフサイエンス分野の化学品を網羅的に販売する商会となっていた。前世の職業である大手トイレタリー用品メーカーの研究職が異世界で活用された結果だった。
また、大学時代に経済戦記物にはまって経済学部の友人と小説内の企業経営についての描写であれこれと議論を交わしたのが生きた。メーカーの研究職の経験では物を作ることはできても売り方や全体のマネジメントまではカバーできないためだ。
そして、農産物の輸出と貿易港や卸売市場の利益が主な収入だった税収に王国を代表する巨大商会の収入が加わったメッサーシュミット伯爵家の財政は劇的に改善し、余裕を生んだ。その余裕をもとに将来への投資を行い、領地の人口は増え続け、商人が集まったことで人頭税や商業税はうなぎのぼりだった。
おかげで、フォークト辺境伯家からの借金をあっという間に完済し、むしろこちらの方が立場的に強くなった。それをあのバカが知っているのかはわからない。ただ本当に効いていないかもしれないし、聞いたけど忘れているのかもしれない。
いずれにせよ、そのことが頭の中になかったからこそあんなに強気に出られたのだろう。
おそらくだが、婚約破棄も本気ではなかったはずである。あの会場でのエリザに対する態度を見るにイベントの消化率は3個ほどであり、まだこなかけレベルのはずだ。そんなに親密度は高くない。おそらく、狼狽する私を見て自分の方が立場が上なのだと思いたかっただけ。涙や鼻水で顔をぐちょぐちょにしながら縋り付く姿でも想像していたのだろう。
おそらく、本人としては付き合っているつもりもなく、モーションにも気が付いていない。ただ、エリザがうまい具合に操縦したのだろう。
今頃、シュバルツは辺境伯にこってりと絞られているのだろう。それでおやじ同伴で謝罪に来て、婚約は貴なんてなかったことにしようとする。
そんなのはごめんだ。昔世話になったし、一番つらいときに理由は何であれ、手を差し伸べてくれた音はある。一応話し合いには応じるつもりだし、慰謝料についてもあきらめてやってもいい。
しかし、婚約破棄の撤回だけはするつもりはない。メデューク商会の会頭が公衆の面前で婚約破棄を言い渡され恥をかいたにもかかわらず、短期間で撤回されたなんて商会のブランド失墜にもつながるスキャンダルだ。
そうでなくても公衆の面前での婚約破棄宣言なんて最高の愚行を生かさない手はない。これほどまでにつつがなく婚約破棄ができる条件などない。生かさない手はないのだ。
それにしてもあの女。婚約者である私の目の前で、堂々とモーションをかけてきただけに飽き足らず、公衆の面前で恥をかかせようとしたなんてどうしてくれようか。
中身が日本人で庶民とはいえ、伯爵令嬢という上級貴族の仲間である私が男爵令嬢という貴族の中で最下級のエリザに恥をかかされるなんて言えとして報復をするようなレベルだ。貴族というのはやられたら倍返し、やられてなくてもやり返す、八つ当たりだ! なんていうヤクザな職業なわけだし、私自身のモットーが前世も含めてだいたい同じだから報復をしないという選択肢はない。
そもそも男爵家というのは貴族ではあるけど貴族ではない。海上自衛隊の「幹部及び二尉及び三尉」という感じで貴族社会も『貴族及び子爵及び男爵』というくくりになる。
今まで目の前でモーションをかけられていてもなんだコイツと思いつつ取り巻き立による彼女への嫌がらせを貴族としてスマートなやり方でしなさいなといさめる程度にしていたがそろそろ本気で相手しなくてはならないようだ。
私の通う学園は王立魔法学園といい、王族から平民に至るまで王国に住まうすべての人間の中から魔法の適性があるものすべて入学が許される。そのため貴族と庶民が同じ学校に通うことになる。一応貴族と平民は教室や学生寮を分けているが、比較的両者の中は良い。もちろんお互いに遠慮して配慮しているからこそ秩序があり、その秩序が守られているゆえに平民たちも無駄に貴族を恐れないし、貴族も将来の家臣候補として庶民たちを尊重しているからこそなのだが。
そんな中で、エリザという少女はほかの女子とは少し違っていた。
一言でいえば学園のふわふわ小動物系アイドルだ。
しかし、それは男子側の見方であり、女子生徒からすればただのぶりっ子だ。当然女子の友達はいない。日本でもよく言われているが同姓の友達がいない女と付き合うのはやめた方がよい。その意味をまざまざと見せつけてくれるのが彼女だ。
そんな彼女に男子生徒たちは彼女をチヤホヤし、女子生徒は蛇蝎の如く嫌い、様々な嫌がらせをした。そして私はただかかわらないようにしていた。
学生業と社長業の両立は非常に厳しく、そんな細事に時間を割く余裕がなかったというのももちろんある。しかしそれ以上にシュバルツとうまくいっていなかった。その時に羽毛田さんだけの婚約者は不要なものであり、伯爵家にとってさっさと切りたい存在だったためだ。
そのため、私の放任とシュバルツの不貞を理由に婚約破棄を迫るという作戦は父親後任の作戦となるのはそう遅くなかった。あんな不良債権を欲しがるなんて奇特な方がいるのだなという驚きはあったが、さっさと持っていてくれという思いの方がはるかに大きく、陰ながら応援することすらあった。メデューク商会の新作化粧品の試供品の配布で女子生徒たちを足止めしたりなどいろいろとしていた。
もともと、あの二人がくっつくのが正規ルートである世界だし、ゲームでの悪役令嬢の役割はスチル収集のための周回要素と悪役令嬢によって嫌がらせをされるとトゥルーエンド到達に必要な親密度のたまりがえげつないほど上がるというギミック的なものでしかなかった。
ある程度の嫌がらせはした方がよいのだろうが、別にしなくともハッピーエンドになるし、ちょっと頑張れば悪役令嬢からの嫌がらせをすべて回避してもトゥルーエンド到達は可能だった。
ならば、私は無視していても問題ない。そう思って目の前でモーションをかけられても無視を決め込んでいた。
しかし、それが気に食わなかったのだろうか。ともかく私はエリザに嫌われたらしい。
今や、シュバルツにかかわりのないところでも彼女はやたらと私に絡んでくるようになってしまった。
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