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第十一話

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一方、お屋敷では案の定とんでもない騒ぎとなっていた。

「お、お嬢様が何処にも居ません!」

「ステラの奴、逃げ出したとでも言うのか!本当に馬鹿な娘だ!」
そう公爵であるステラの父が叫ぶも、継母は余裕の笑みでまあまあと宥める。

「あんな世間知らずの子がそう遠くには行けませんわ。
きっと大恥かいて戻ってきますわよ。」

「しかし、もうドレッド伯爵が来る時間になるんだぞ!」

「ステラが帰ってきたら、存分に謝らせればいいですわ、世間的にも、ね。」
クスクスと継母は笑う。

「全く、なんなんだあの娘は…!今まで育ててきた恩も知らずに!」
憤る公爵の元に、3人の娘が駆け寄ってくる。

「お父様、ステラお姉様のせいで恥をかかされるなんて!」
「お父様、私たちでドレッド伯爵のおもてなしを致しますわ。」
「お父様、どうか落ち込まないで?」

「お前たち、いや、お前たちに接待はさせない、あんな変態な伯爵に会いたくないだろう?俺が1人で謝るさ。」

そう言って公爵は3人の娘を抱きしめた。

「ステラの奴、絶対に許さないからな…!」


その頃、ステラお嬢様こと私はと言うと、新聞屋のお爺さんであるアルデーレさんのお手伝いとして、お店の掃除をしていた。

「アルデーレおじさん、ここの方掃除終わりました!」

「掃除なんてしてくれなくていいんだが。」

そう言いながらもアルデーレおじさんはペンを走らせる紙から一切顔を上げません。

「お爺さん、もうお昼もとうに超えてますよ?少し休憩なさった方が…」

しかしアルデーレおじさんは強い口調で否定する。

「情報は素早く正確にが命だ!
こんな特大情報、今日中にでもばら撒いてやる!」

「アルデーレおじさん、その心意気は素晴らしいしとてもありがたいけれど、お食事は…」
ちゃんと摂った方がいいと言う前に言葉が遮られる。

「食事なら奥の部屋の冷蔵庫から好きなもん勝手にあっためて食ってくれ!」

「お食事をねだりたかった訳ではないのですが…」

私は渋々外に出て買い物をする事にした。

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