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第3章 別れるためのピンキーリング その22
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「なあ……」
「なに……」
別れの儀式が終わり、明かりの下で微睡んでいる時に理玖が話しかけてきた。
「ピンキーリングのデザイン……どんなものにする?」
「…………理玖が決めて良いよ」
「ダメだ。お前が考えろ」
「どうして」
「お前のために作るのは、これが最後だからだ」
ああ、そうか。
理玖は私を抱いたことで、決心してしまったんだ。
それを望んでいたはずなのに、いざ言葉にされると、やはり剣で抉られたように胸が痛くなる。
「そっか、最後か」
「そうだろ。お前、結婚するんだから」
「そう……だね……」
分かっている。
自分で選んだ道だ。
中野さんと結婚をする事で、私たちはたくさんの人を幸せにできる。
そのための、約束の結婚。
後戻りするということは、中野さんを裏切るということ。
私と中野さんは、恋人ではなく、共犯者。
「婚約者を私から裏切ることはできない」
私は、自分に言い聞かせるように言った。
「なに……」
別れの儀式が終わり、明かりの下で微睡んでいる時に理玖が話しかけてきた。
「ピンキーリングのデザイン……どんなものにする?」
「…………理玖が決めて良いよ」
「ダメだ。お前が考えろ」
「どうして」
「お前のために作るのは、これが最後だからだ」
ああ、そうか。
理玖は私を抱いたことで、決心してしまったんだ。
それを望んでいたはずなのに、いざ言葉にされると、やはり剣で抉られたように胸が痛くなる。
「そっか、最後か」
「そうだろ。お前、結婚するんだから」
「そう……だね……」
分かっている。
自分で選んだ道だ。
中野さんと結婚をする事で、私たちはたくさんの人を幸せにできる。
そのための、約束の結婚。
後戻りするということは、中野さんを裏切るということ。
私と中野さんは、恋人ではなく、共犯者。
「婚約者を私から裏切ることはできない」
私は、自分に言い聞かせるように言った。
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