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第6章 運命の時は近い

用語辞典 ※追記有

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▼人物事典 

 伊佐凪竜一:本作主人公の1人。地球生まれの日本人。半年前に地球と旗艦アマテラスとの間で起こった戦いの功績を称え英雄と呼ばれる。その身体に500年前に夭折した天才科学者が造り上げた超兵器の1つ、桁外れの戦闘能力の原因となるハバキリを宿している。幼少時に母親と死別、父親は彼を見捨てた為に母方の祖父母に育てられた。祖父の意向により教育の一環として古武術や空手を習っていた。


 ルミナ=AZ1:本作主人公の1人。旗艦アマテラス生まれのアマツミカボシ(※旗艦アマテラスで生まれた人間の呼称)。ルミナという名はスサノヲ入隊時に付けた名前で、本名はルクセリア=アルゼンタム・ザルヴァートル。ザルヴァートル財団現総帥「アクィラ=ザルヴァートル」の血縁。半年前に地球と旗艦アマテラスとの間で起こった戦いの功績を称え英雄と呼ばれる。その身体に500年前に夭折した天才科学者が造り上げた超兵器の1つ、桁外れの戦闘能力の原因となるハバキリを宿している。

 フォルトゥナ=デウス・マキナ:旗艦アマテラスの神"アマテラスオオカミ"と対を成す連合の頂点であり、"運命傅く幸運の星"という正体不明の能力をその身に宿す15歳の少女。「婚姻の儀」を目前に控えた極めてデリケートな時期に専用機「大雷」に搭乗して地球にやって来た理由を含め、その行動理念は未だ不明。

 タケル:完全機械製かつ人型の式守シキガミ。対マガツヒを想定した新兵器開発計画「タケミカヅチ計画」により誕生した試作弐号機。半年前の神魔戦役の折、敵対した兄弟機を打ち破る際に自我を獲得した。"人心を掌握しやすくするという理由により、途轍もなく美しい容姿を与えられた。主な役目はルミナの護衛。


 タナトス:半年前、地球と旗艦アマテラスで起きた戦いを主導した黒幕。本作でも何事かを画策しているが、計画の全容や素性を含めた一切が不明。ただ化け物染みた強さと任務遂行能力を持つアンノウン。容姿は20代前半で黒髪をした妖艶な美女。但し、この姿は神魔戦役時に個人識別IDを乗っ取った「製薬会社アスクレピオス代表」の容姿。元の姿に戻らない理由は全員からの覚えが良いというたったそれだけ、人を食ったような性格で全てを煙に巻く彼女の本当の姿は誰も知らない。

 オレステス=アイールティス・アレウス:守護者の1人。アイアースより総代補佐の座を与えられた年若き守護者。惑星フタゴミカボシ出身。高い実力に極めて整った容姿を持つ事から主星は元より連合中の女性を虜にする。伊佐凪竜一の捕縛に失敗したルミナを叱責する様子から、穏やかな相貌の裏に苛烈な性格を秘めている様子が窺える。フォルトゥナ=デウス・マキナの婚約者であり、「婚姻の儀」におけるもう1人の主役。しかし、何れ夫婦となる姫との関係にはどこか不穏な空気が漂っている。

 監視者:何者かの命を受け連合各惑星を監視する者達の総称。1人が1つの惑星を担当する。登場するのはN-10エヌ・テンE-12イー・トゥエルヴA-24エー・ツーフォーの3名。それぞれが惑星ファイヤーウッド、旗艦アマテラス、地球の一般社会に溶けこみながら本来の目的を遂行する。少なくとも人類に対し敵対的な行動はとっていないが、その目的や行動理念一切は不明。


 アックス=G・ファーザー:惑星ファイヤーウッドの南部首都、サウスウエスト=ウッドを根城にするマフィア組織のボス。本名はアックス=G・ノースト。惑星ファイヤーウッドを牛耳る2大鉄道会社の1つ”ノースト鉄道”現代表アデス=ノーストの実子。父親と反目した末にマフィアへと転身した男は、天性の強運と持ち前の頭脳に人並み外れた銃の腕前を駆使して裏社会をのし上がった。


 カイン:今より500年前に存在した科学者。残した功績は計り知れず、常識では測れない規格外の性能を持つ超兵器「神代三剣ジンダイサンケン」(※ムラクモ、フツノミタマ、ハバキリ)に始まり、婚姻の儀に使用する儀式機「大雷オオイカヅチ」、神魔戦役の原因である式守「ツクヨミ」などをほぼ単独で作り上げた掛け値なしの天才。また、大雷から得た作り出された量産機「黒雷クロイカヅチ」、残した資料を参考に生み出された最新鋭の式守「タケミカヅチ」など、死後も多大な影響力を残す。


 ???:時折姿を現す謎の少女。見た目は10代前半の美少女だが、明らかに人外と思わせる雰囲気を持つ。守護者達は彼女を酷く恐れながらも、同時に付き従う。

 ツクヨミ:"元"地球の神。半年前に起きた神魔戦役の元凶。当時の技術では製造不可能な携帯端末を作り出し地球全土にばら撒いた。その理由は"地球人類全体を戦争の監視者"にすることで再び起こる世界大戦を未然に防ぐ為であり、目論見通り戦いは起きなかった。が、その為に地球の歴史は歪むこととなった。天才科学者"カイン"により製造された彼女の目的はアマテラスオオカミの補佐。500年前に製造されたにも関わらず、現時点でも最新鋭機と遜色ない性能を誇る。惑星ファイヤーウッドで伊佐凪竜一と別れて以降、行方不明となっている。

 アマテラスオオカミ:"元"旗艦アマテラスの神。神魔戦役の終わり、神の座を退いた。その理由は自らが敷いた管理/監視体制は人類の可能性を摘むとの結論に至ったからであるが、監視者が"人類評価プログラム"と称する何かが働いた結果だとも言われる。アマテラスオオカミが神の座を退いた事によりカガセオ連合は実質的に"姫"の独裁体制と呼べる状態に陥った事で各地から懸念の声が上がり、その結果として連合の現状はかつてない程に揺らいでいる。


▼用語辞典

 山県令子の反乱:神魔戦役終戦後約1月後、元清雅社員「山県令子」が引き起こしたナノマシンによる大規模精神汚染事件。これにより神魔戦役からの復興が大幅に遅れ、最終的には主星の介入を受ける要因ともなった。


 スサノヲ:旗艦アマテラスを守護する実力組織。神魔戦役以前は連合最強と謳われ羨望を一身に集めたが、文化文明レベルが大幅に劣る地球との戦いに敗北しかけたという事実に尾ひれが付いた結果、その呼び名は過去の物となった。対マガツヒ戦を主任務とする主力部隊の他に、護衛や治安維持、後方支援を主任務とする部隊が存在する。個々の戦闘能力は他の連合戦力と比較しても一段高い、超がつくエリート集団。


 守護者:旗艦アマテラスと共にカガセオ連合を維持運営する二柱の神のうち、歴代の"姫"を守護する実力組織。歴代の姫を守護する専属護衛部隊。黒雷という人型機動兵器やカグツチを使用した戦闘技術などを用いた戦闘能力はスサノヲに匹敵するとされ、両者が協力する事によりカガセオ連合は発展してきた。


 "Z"Salvator《ザルヴァートル》(財団):元は惑星AZELアゼルから勃興した天才的な頭脳を持つ一族の血縁だけを指す呼び名だったが、現在は一族が引き入れた有能な人材とザルヴァートルの血縁を一纏めにしてそう呼称する。時に有能な人間を一族に引き入れながら勢力を拡大させたザルヴァートルは、今現在においては連合全体の経済の1割を占めるに至っている。その一族が成した財や人脈、特許などを管理するのが同財団。


 大雷:連合、特に守護者が主戦力とする黒雷の大本となった機体。当時の科学技術を逸脱した技術が盛り込まれた特別な機体で、人型兵器の基礎理論、及び巨大兵器構造学を飛躍的に洗練させる程度の内部構造を持っていた。特筆すべきはブラックボックスと呼称される動力源。30メートルを超える巨体を自由に動かすエネルギーを生み出すに止まらず、アケドリの開門に必要な莫大なエネルギーさえも僅か数センチの文字通り"黒い箱"の内から賄う。このブラックボックスの存在と、"ヒヒイロカネ"を封入した外部装甲により連合で唯一単独での超長距離転移を可能とする。極めて強力な兵器だが、"人類に真の幸運と平和を与える"という科学者の願いを受け取った姫の意を汲み、「婚姻の儀」においてのみ使用される。


 黒雷:大雷を元に製造された大雷の量産機と呼べる人型兵器。守護者の主力兵器の1つ。胴体部分以外が破損しても即座に破損部位を交換する事で継続した戦闘を可能とする特徴を持つ。それなりの訓練が必要だが、一般人にも操縦可能な程度に操作性は簡略化されている。中には中古品として払い下げられた黒雷を使用した競技大会を大々的に開催する惑星も存在する。


 婚姻の儀:連合の頂点である姫とその伴侶とで執り行う結婚式を指すが、日取りや場所が厳格に定められているなど特別な儀式としての側面もある。連合の頂点である姫に唯一強制されるのは連合を安定させるという使命の維持、つまり跡継ぎの出産。この性質上、姫の婚姻に関するあらゆる事項は法律という枠組みで縛られない。当代の姫が僅か15歳という、連合法に定められた婚姻開始年齢|(※男女共通で18歳)を逸脱した若さにも関わらず強行する理由であり、大小様々な人権団体がどれだけ批判しようが強行される理由でもある。


 幸運の星:主星フタゴミカボシを治める姫が代々継承するとされる特別な力。姫を守護する実力組織「守護者」が完璧にガードしている為、どのような力か全く不明。


 ハバキリ:今より遡る事500年前に夭折した天才科学者がツクヨミとセット運用を想定して作り上げた超兵器。神代三剣の一振り。現状の地球はおろか、数千年先を行く連合でさえ全く解明できない未知の粒子の塊。監視者達は時折コレを欠片カケラと呼び、ハバキリを取り込んだ英雄2人を"希望"と呼称する。何故カインが作り出した超兵器の情報を監視者達が持っているのか、何が希望なのか、その対となる絶望とは何か等々、何かもが判明していない。


 ※195話公開に伴い追記
 特兵研:正式名称を特殊兵装開発研究所。その仰々しい名称に反し兵器とは無関係な、例えば一般家電に使用される技術の開発なども担当する。

・第一研究室:兵器開発 大型兵器小型兵器人型無人機など様々な部署が林立する、特兵研の中においても花形と呼べる部署。一番規模が大きい。

・第二研究室:運用テスト 第一件で開発されたあらゆる成果物の運用試験、及び評価。元々は一~四までの全業務を第一研究室で担っていたが、規模の拡大に伴い分化。研究室と言う名称はその時の名残。その性質上、退役したスサノヲの受け皿になっている。

・第三研究室:量産化への移行、特許管理、及び連合各企業への技術の払い下げ。そのついでに特兵研全体の資金管理も行っている。ココに睨まれると開発費が下りないという関係上、第一研との関係は良好とは言い難い。

・第四研究室:武器管理 旗艦外へと赴くスサノヲの各武器に内蔵されたIDを管理。その行方を徹底追跡すると同時に正しい用途で運用しているか精査する。武器を無くしたらここから激しい突き上げを喰らう。またその場合に限り、第四研究所はスサノヲ以上神以下の権限を持つ。
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