成人の儀―特別侍従―

gooneone(ごーわんわん)

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4.二つの仕事8

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 ケネルはせっせと手を動かし、作業を進めた。




 目の前に並ぶ豪華な食事。上等な皿はどこにも欠けがないどころか、ヒビ一つ見つからない。
 しかし今のケネルは食事よりも、ヨンドたちへの隠しごとによる罪悪感に意識を奪われていた。
「ヨンドさん――畑仕事をしている方に何の仕事をしに来たのか、と訊かれてしまいました。なんてお答えしたらいいでしょうか」
 食堂に来るまでは、ありのままを言えば畑仕事をやめろと言われるかもしれないと思っていた。しかしうまい尋ね方が思い浮かばず、結局素直に話してしまった。
「仕事は午前のみと言ってあるんだったな」
 リゲンスが食事の手を止め、顎を撫でた。
「はい……」
 まずいことをしてしまっただろうか。
「ふむ……それなら私の手伝いだと言いなさい。仕事内容は口外しないように命じられていると」
「え……いいんですか」思わず目を見開く。
「かまわぬ。あながち嘘でもないしな。複雑なことを言ってもボロが出るだろう」
 単純な性格は見抜かれていたようだ。しかしバカにされたというより、そういうところも理解した上で言い回しを考えてくれたのだと嬉しくなった。
「ありがとうございます!」
「私に問うて来る者はおるまい。いてもうまく言っておく」
 まさか庇ってくれるなんて。喜びに食欲が増幅する。一瞬で口内に溜まった唾液を飲み込み、フォークを持つ。
「へへ、おいし……」
 肉はとろけるように柔らかく、野菜は甘くてとてもおいしい。これを食べられるのは一部の人だけだと思うと心に影が落ちるが、これから植える苗や種もたくさんある。そちらが豊作になるように頑張りたい。
 最後のスイーツまできれいに平らげると、安堵からかまぶたが重くなり始めた。
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