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第17話 ダーリン
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#第17話 ダーリン
ルカはまだベッドにいた。
だが、もう目は覚めている。
カーテン越しに差し込む朝の光を見つめながら、
そっと拳を握ってみる。
――もう、震えてなんか、いなかった。
ナオは隣で静かに資料を読んでいた。
ときどき、ちらとこちらを見るだけで、何も言わない。
その沈黙が、今は心地よかった。
「……ナオ、コーヒーくれ。」
ペンを止めず、あきれた声だけが返ってくる。
「胃ん中空っぽでコーヒー飲むバカ、どこにいんだよ。」
「……いま、ここに。」
「知ってる。だから、“バカ”って言ったんだ。」
ナオの言葉に、ルカは小さく笑う。
――その笑いは、もう、昨日までのそれじゃなかった。
そこへ――
「……っと、失礼。」
ミツがノックもそこそこに顔を出す。
手にはタブレット。
そして、少し困ったような顔。
無言のままルカの様子をひと目見て、
少しだけ、眉をゆるめた。
「……まあ、顔色はマシそうだな。」
「ご挨拶だな、センセ。」
「このベッドにいるうちは、僕の患者だからね。」
そう言いながら、ミツはタブレットを開いて手早く数ページをめくる。
何かを見つけたように小さく息を吐き、ふたりの方に視線を戻した。
「……ちょっと、知らせておきたいことがあってね。…迷ったんだけど。」
その語尾には、ほんの僅かに“ためらい”が滲んでいた。
それを、ナオがすぐに察する。
「叉道街か。」
ミツは目だけで頷く。
「俺の知り合いの診療所、覚えてるだろ?
……そっちが、もう完全にパンク状態だって。
人数も増えたし、
――とうとう、“子どもまで”、だって。」
空気が、一瞬だけ、重くなる。
ルカの唇に、ナオの拳に、強く力がこもる。
「……今の君たちになら、伝えても大丈夫だろう、って。」
ミツは目元だけで笑って、タブレットをナオに渡す。
「現場の写真と、状況ログ。一応、残してある。」
ナオが頷き、それを受け取る。
画面を見たその目が、ほんの僅かに鋭くなった。
ルカは、布団を払い、体を起こした。
「……ありがと、ミツさん。――行こう、ナオ。」
ルカの目が、ゆっくりとミツを見据える。
そこにあったのは、逃げないと決めた者の静かな光だった。
その声に、もう迷いはなかった。
---
叉道街に向けて、ナオが車を飛ばす。
少し沈黙が続いたところで、インカムから声が落ちた。
『――ルカ兄、聞こえる?』
雪だった。
ルカが軽く耳を押さえ直す。
「ああ、もうすぐ着くとこ。なにかあったか?」
『ん……、ちょっと気になる“ログの空白”があってね。』
「ログの、空白?」
『うん。叉道街周辺、数日前から。
誰かが“出入り”してる形跡はあるんだけど、痕跡がきれいに消されてるの。』
クラウンの声が割り込む。
『ありえないんだよ、普通。アルゴスのネットは超監視社会だからさ。
でもこれは……“その監視ごと騙してる”タイプのやり口だ。』
「……つまり、余程の腕前なのか……、」
ルカの声が低くなる。
『“誰かがわざと残した空白かも”って線もある。
…まだハッキリとは言えないけど、
この件、思ったより根が深いかも。』
雪の声が、わずかに緊張を帯びる。
「分かった。……心当たりが、なくはない。
――っと、着いたわ。」
ルカの言葉が、唐突に会話を断ち切る。
「ありがとな!」
通信が切れた耳に、エンジンの低い唸りだけが残る。
ルカは深く息を吐き――車のドアを開けた。
「……叉道街で、不意打ち食らった以外にも、何かあったのか?」
「……悪ぃ、ナオ。たぶん、少し荒れるかも。」
ナオが一瞬だけルカを見たが、余計なことは聞かなかった。
「構わねぇよ。好きに暴れろ。」
ドアが閉まり、熱を孕んだ街の空気が肌を撫でた。
――叉道街の“修羅場”が、二人を迎え入れる。
---
叉道街は、最初から汚れていた。
ひび割れた舗装、割れた窓、濁った空気――そんなものは、“日常”だった。
だが、今日は違った。
路地に転がるゴミ袋は破れ、中から這い出た何かが、足跡を残している。
壁の落書きの上には、乾ききらない赤黒い染み。
地鳴りのような呻き声に、遠くから子どもの泣き声が重なってくる。
それでも――誰も、立ち止まらない。
見て見ぬふりをするのが、この街のルールだったはずなのに、
今日は、誰も“見る”ことすらしていなかった。
「……なぁナオ、これ、いつからこんなに……」
ルカの声が行くあてもなく震える。
「……違ぇよ……この間までは、まだ、“人の街”だった……」
ナオは何も言わなかった。
ただ隣を歩きながら、その言葉だけを胸に刻むように、沈黙を守っていた。
そのままふたりは、裏手の路地へと足を踏み入れる。
廃材と、薬の臭い。
擦れた吐息と、乾いた咳。
さっきまでの喧騒が嘘のように、その一角だけが妙に静かだった。
――違和感が、ナオの足を止める。
「……変だな。妙に、静かすぎる。」
その瞬間、奥から一歩、足音が落ちた。
まるで“待っていた”かのように。
「あれで懲りてなかったなんて……。
やっぱり、君のそれ、悪癖だよ。」
低くもない、軽やかで澄んだ声。
影が路地の奥からゆらりと現れる。
ルカとナオが反応する前に、その“蛇”のような目がふたりを射抜いた。
その瞬間、ナオの肩が揺れる。
「……っ、那智……!?」
ナオが呟いた名に応じて、男は微笑む。
それは涼しげで、清潔感すら感じる好青年の顔だった。
「やぁ、ナオ。――“おひさしぶり”だね。」
その笑顔は、親しげで柔らかい。
――だが、目だけは、笑っていない。
「今度は君まで来るとは思わなかったよ。
……彼の馬鹿が、伝染ったんじゃないの?」
那智がさらりと口にした言葉に、ナオの表情が、かすかに揺れた。
無表情を保ったまま、しかしほんの一瞬だけ、目が泳ぐ。
ルカがその“揺れ”を見逃すはずもなかった。
「……知り合い、か?」
ふと漏れたルカの問いに、ナオは返事をしない。
まるで聞こえなかったふりをするように、ただ那智から視線を逸らす。
それが、ルカの中に小さなざらつきを落とした。
(なんだ、この空気……。なんで、そんな顔すんだよ。)
那智は、その一瞬の間すらも見逃さず、目を細めて微笑んだ。
「……あれ?もしかして、まだ“話してなかった”?」
那智が笑う。
その“静かな愉悦”に、ナオの拳がわずかに震えた。
――その動揺を、ルカは見逃さない。
(……ああ、こいつ、ナオで遊んでやがる。)
だからこそ――
ルカは、笑った。
だがその目は、まったく笑っていなかった。
「よぉ、那智。“うちのハニー”に、なんかご用かよ?」
軽く挑発するような声音。
だが、そのひと言には“触れさせない”という強い意志がにじむ。
ナオが小さく息を呑む。
那智は、ゆるやかに目を細めて、肩をすくめた。
「……ハニー、ねぇ。変わらないな、君って。
ほんと、相変わらず――女々しい。」
「そうか?俺は気に入ってんだわ。」
ルカの笑みは崩れない。
だが、その奥の眼差しは鋭く、獣のように静かな怒りを灯していた。
「“最高のハニー”で、“最高のダーリン”なんだよ、俺にとってはな。」
ナオの顔がぴくりと動く。
その目は伏せられたままだが、指先だけがわずかに震えていた。
那智は口元に皮肉な笑みを浮かべ、ひとつ息を吐いた。
「……分かってないなぁ。
ナオには、そういうの、似合わないよ。
そうだな……“ステイ”、それと、“ゴー”。」
空気が、淀む。
那智の言葉に、ナオはわずかに目を伏せ、
何もない地面に、何かを探すような視線を落とした。
「……分かるよね、ナオ。」
那智の言葉に、ナオの肩がぴくりと揺れる。
その反応に、また“彼”が笑う。
その瞬間だった。
――風が、裂けた。
一気に距離を詰めたのは、ルカだった。
革靴が石畳を抉り、鞭が風を切る音を残す。
鞭はしなり、まるで獣の尾のようにうねる。
一瞬で那智の間合いに入り込み――狙うは、ただ一点。
那智も反応した。
コートの内側から抜かれた棒が、鋭く横に払われる。
ガチィッ――!!
火花が、散った。
鞭と棒がぶつかり合い、金属音が闇に刺さる。
「……これじゃ本当に、“守られてる女々しい男”だね。ナオは。」
那智が、愉悦を滲ませて呟く。
その顔の前で、ルカの表情が、獣のように鋭く歪んだ。
「――黙れ。」
低く、息を吐くように。
そして、
「ッ……あんなスパダリ、他にいるかよ!!」
叫ぶように、吠えるように。
その言葉には、命令でも虚勢でもない、
“全面的な信頼”と“肯定”が、ありのままに宿っていた。
空気が、一瞬、凍る。
ナオの目が、瞬間――見開かれた。
――その瞳に、一瞬だけ、“光”が差した。
ルカはまだベッドにいた。
だが、もう目は覚めている。
カーテン越しに差し込む朝の光を見つめながら、
そっと拳を握ってみる。
――もう、震えてなんか、いなかった。
ナオは隣で静かに資料を読んでいた。
ときどき、ちらとこちらを見るだけで、何も言わない。
その沈黙が、今は心地よかった。
「……ナオ、コーヒーくれ。」
ペンを止めず、あきれた声だけが返ってくる。
「胃ん中空っぽでコーヒー飲むバカ、どこにいんだよ。」
「……いま、ここに。」
「知ってる。だから、“バカ”って言ったんだ。」
ナオの言葉に、ルカは小さく笑う。
――その笑いは、もう、昨日までのそれじゃなかった。
そこへ――
「……っと、失礼。」
ミツがノックもそこそこに顔を出す。
手にはタブレット。
そして、少し困ったような顔。
無言のままルカの様子をひと目見て、
少しだけ、眉をゆるめた。
「……まあ、顔色はマシそうだな。」
「ご挨拶だな、センセ。」
「このベッドにいるうちは、僕の患者だからね。」
そう言いながら、ミツはタブレットを開いて手早く数ページをめくる。
何かを見つけたように小さく息を吐き、ふたりの方に視線を戻した。
「……ちょっと、知らせておきたいことがあってね。…迷ったんだけど。」
その語尾には、ほんの僅かに“ためらい”が滲んでいた。
それを、ナオがすぐに察する。
「叉道街か。」
ミツは目だけで頷く。
「俺の知り合いの診療所、覚えてるだろ?
……そっちが、もう完全にパンク状態だって。
人数も増えたし、
――とうとう、“子どもまで”、だって。」
空気が、一瞬だけ、重くなる。
ルカの唇に、ナオの拳に、強く力がこもる。
「……今の君たちになら、伝えても大丈夫だろう、って。」
ミツは目元だけで笑って、タブレットをナオに渡す。
「現場の写真と、状況ログ。一応、残してある。」
ナオが頷き、それを受け取る。
画面を見たその目が、ほんの僅かに鋭くなった。
ルカは、布団を払い、体を起こした。
「……ありがと、ミツさん。――行こう、ナオ。」
ルカの目が、ゆっくりとミツを見据える。
そこにあったのは、逃げないと決めた者の静かな光だった。
その声に、もう迷いはなかった。
---
叉道街に向けて、ナオが車を飛ばす。
少し沈黙が続いたところで、インカムから声が落ちた。
『――ルカ兄、聞こえる?』
雪だった。
ルカが軽く耳を押さえ直す。
「ああ、もうすぐ着くとこ。なにかあったか?」
『ん……、ちょっと気になる“ログの空白”があってね。』
「ログの、空白?」
『うん。叉道街周辺、数日前から。
誰かが“出入り”してる形跡はあるんだけど、痕跡がきれいに消されてるの。』
クラウンの声が割り込む。
『ありえないんだよ、普通。アルゴスのネットは超監視社会だからさ。
でもこれは……“その監視ごと騙してる”タイプのやり口だ。』
「……つまり、余程の腕前なのか……、」
ルカの声が低くなる。
『“誰かがわざと残した空白かも”って線もある。
…まだハッキリとは言えないけど、
この件、思ったより根が深いかも。』
雪の声が、わずかに緊張を帯びる。
「分かった。……心当たりが、なくはない。
――っと、着いたわ。」
ルカの言葉が、唐突に会話を断ち切る。
「ありがとな!」
通信が切れた耳に、エンジンの低い唸りだけが残る。
ルカは深く息を吐き――車のドアを開けた。
「……叉道街で、不意打ち食らった以外にも、何かあったのか?」
「……悪ぃ、ナオ。たぶん、少し荒れるかも。」
ナオが一瞬だけルカを見たが、余計なことは聞かなかった。
「構わねぇよ。好きに暴れろ。」
ドアが閉まり、熱を孕んだ街の空気が肌を撫でた。
――叉道街の“修羅場”が、二人を迎え入れる。
---
叉道街は、最初から汚れていた。
ひび割れた舗装、割れた窓、濁った空気――そんなものは、“日常”だった。
だが、今日は違った。
路地に転がるゴミ袋は破れ、中から這い出た何かが、足跡を残している。
壁の落書きの上には、乾ききらない赤黒い染み。
地鳴りのような呻き声に、遠くから子どもの泣き声が重なってくる。
それでも――誰も、立ち止まらない。
見て見ぬふりをするのが、この街のルールだったはずなのに、
今日は、誰も“見る”ことすらしていなかった。
「……なぁナオ、これ、いつからこんなに……」
ルカの声が行くあてもなく震える。
「……違ぇよ……この間までは、まだ、“人の街”だった……」
ナオは何も言わなかった。
ただ隣を歩きながら、その言葉だけを胸に刻むように、沈黙を守っていた。
そのままふたりは、裏手の路地へと足を踏み入れる。
廃材と、薬の臭い。
擦れた吐息と、乾いた咳。
さっきまでの喧騒が嘘のように、その一角だけが妙に静かだった。
――違和感が、ナオの足を止める。
「……変だな。妙に、静かすぎる。」
その瞬間、奥から一歩、足音が落ちた。
まるで“待っていた”かのように。
「あれで懲りてなかったなんて……。
やっぱり、君のそれ、悪癖だよ。」
低くもない、軽やかで澄んだ声。
影が路地の奥からゆらりと現れる。
ルカとナオが反応する前に、その“蛇”のような目がふたりを射抜いた。
その瞬間、ナオの肩が揺れる。
「……っ、那智……!?」
ナオが呟いた名に応じて、男は微笑む。
それは涼しげで、清潔感すら感じる好青年の顔だった。
「やぁ、ナオ。――“おひさしぶり”だね。」
その笑顔は、親しげで柔らかい。
――だが、目だけは、笑っていない。
「今度は君まで来るとは思わなかったよ。
……彼の馬鹿が、伝染ったんじゃないの?」
那智がさらりと口にした言葉に、ナオの表情が、かすかに揺れた。
無表情を保ったまま、しかしほんの一瞬だけ、目が泳ぐ。
ルカがその“揺れ”を見逃すはずもなかった。
「……知り合い、か?」
ふと漏れたルカの問いに、ナオは返事をしない。
まるで聞こえなかったふりをするように、ただ那智から視線を逸らす。
それが、ルカの中に小さなざらつきを落とした。
(なんだ、この空気……。なんで、そんな顔すんだよ。)
那智は、その一瞬の間すらも見逃さず、目を細めて微笑んだ。
「……あれ?もしかして、まだ“話してなかった”?」
那智が笑う。
その“静かな愉悦”に、ナオの拳がわずかに震えた。
――その動揺を、ルカは見逃さない。
(……ああ、こいつ、ナオで遊んでやがる。)
だからこそ――
ルカは、笑った。
だがその目は、まったく笑っていなかった。
「よぉ、那智。“うちのハニー”に、なんかご用かよ?」
軽く挑発するような声音。
だが、そのひと言には“触れさせない”という強い意志がにじむ。
ナオが小さく息を呑む。
那智は、ゆるやかに目を細めて、肩をすくめた。
「……ハニー、ねぇ。変わらないな、君って。
ほんと、相変わらず――女々しい。」
「そうか?俺は気に入ってんだわ。」
ルカの笑みは崩れない。
だが、その奥の眼差しは鋭く、獣のように静かな怒りを灯していた。
「“最高のハニー”で、“最高のダーリン”なんだよ、俺にとってはな。」
ナオの顔がぴくりと動く。
その目は伏せられたままだが、指先だけがわずかに震えていた。
那智は口元に皮肉な笑みを浮かべ、ひとつ息を吐いた。
「……分かってないなぁ。
ナオには、そういうの、似合わないよ。
そうだな……“ステイ”、それと、“ゴー”。」
空気が、淀む。
那智の言葉に、ナオはわずかに目を伏せ、
何もない地面に、何かを探すような視線を落とした。
「……分かるよね、ナオ。」
那智の言葉に、ナオの肩がぴくりと揺れる。
その反応に、また“彼”が笑う。
その瞬間だった。
――風が、裂けた。
一気に距離を詰めたのは、ルカだった。
革靴が石畳を抉り、鞭が風を切る音を残す。
鞭はしなり、まるで獣の尾のようにうねる。
一瞬で那智の間合いに入り込み――狙うは、ただ一点。
那智も反応した。
コートの内側から抜かれた棒が、鋭く横に払われる。
ガチィッ――!!
火花が、散った。
鞭と棒がぶつかり合い、金属音が闇に刺さる。
「……これじゃ本当に、“守られてる女々しい男”だね。ナオは。」
那智が、愉悦を滲ませて呟く。
その顔の前で、ルカの表情が、獣のように鋭く歪んだ。
「――黙れ。」
低く、息を吐くように。
そして、
「ッ……あんなスパダリ、他にいるかよ!!」
叫ぶように、吠えるように。
その言葉には、命令でも虚勢でもない、
“全面的な信頼”と“肯定”が、ありのままに宿っていた。
空気が、一瞬、凍る。
ナオの目が、瞬間――見開かれた。
――その瞳に、一瞬だけ、“光”が差した。
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