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第四話
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――とある夜会にて。
華々しい雰囲気の会場の中、二人の男女が向かい合っていた。
しかしその二人は決して婚約者同士ではない。それは当然のことだ。私の婚約者だったあなたは、もういない。
婚約者と瓜二つの兄と向き合うのは、やはり変な気持ちだった。
まるであなたを相手しているようであって、しかしやはりあなたではない。喋り方もあなたとは似ても似つかないのだから。ただ、私へ向けるその瞳は今日も同じに見えた。
しばらくさりげない話をしていた私たちだったが、頃合いを見計らい、私は切り出した。
「今日わざわざ、本来は彼の死を悲しむべき私がこの場にやって来た理由はわかっておいでですね?」
「僕と会うためですね?」
「はい。その通りですわ。……ずっと気になっていることがあって」
「何です?」
「あなたのその目つきです。まるで、あなたのそれはオランが私を見ていた物のように感じられるのですわ。そっくりなんです」
アラン伯爵令息が首を傾げる。
私は彼を追い詰めた。
「本当にオランが私のことを大切に思い、自殺したのだとしたら。あなたはそれを誘導したのではございませんか?」
いくら公爵家の娘とはいえ、今の発言が許されることではないくらいわかっている。
今のは遺族へ対する侮辱とも言えたろう。双子の弟を失ったアランに言っていい言葉では、断じてない。
ではどうして口にしたのか。簡単である。私の胸の中に大きな疑惑があったからだ。
アランがあなたを唆し、死を選ばせたのではないか?
私はあなたが、安易に死を選ぶような人だなんて思っていない。
あなたは強い人だった。そうでなければどうして私のような女を最期まで愛することができるだろう。
もしも、彼――アランがあなたと同じ感情を私に抱いていたら。
もしそうだとすれば、双子の兄であり、あなたに慕われていた彼があなたを誘導しても何もおかしkはない。
私との別れ話をそれとなく提案し、そして死に追い込む――。そうすれば私はアランの思いのままだ。
疑いの視線を投げかける私。対するアランはゆるゆると首を振った。
「僕を悪者にしようとしているところ悪いですが、僕はオランを死にやったりしない。……できれば守ってやりたかったんですよ、本当に」
涙を堪えるような表情だった。でも、「ではなぜ私をそんな目で見るの?」
彼は言葉に詰まった。目が泳いでいるのを私は見逃さない。
「私へ恋情を抱いていたのではなくて? オランは次男だからと公爵家に婿入りすることが決まっていたんですものね。対してあなたは婚約者がいない。さぞや弟を恨めしく思ったでしょうよ」
「――違うッ!」
「何も違わないわ。図星を突かれたからって逆上するなんてお粗末ですわ」
「そんなのじゃ、ない。僕はオランが……あいつが大好きだった! 死なせたのは貴女でしょうが! あんたがあいつを殺したくせに、何を!」
「この前は『貴女のせいじゃないですよ』って言っていたのに、やはりそう思っているのね。そうよ、きっと今私が言っているのは八つ当たりでしかないのでしょうね。――それでも」
――ごめんなさい。
私、あなたにそっくりな彼を見ると胸がムカムカして、嫌味ばかり言ってしまう。
本当はわかっている。アランがそんなことをするはずないことくらい。でもそうでも思わなければ、心が耐えられなかった。
「私をその目で見ないで。私を……イザベルを愛していいのはたった一人だけ、愛しのオランだけなのよ」
私は席を立ち、彼を振り返ることなく猛然と駆け出した。
一体自分が何をしたいのか、わからない。ただただ悲しみと怒りにまみれてどうにかなってしまいそうだった。
本当はあなたに謝って、弔って、償わなければならないのに。
あなたが慕っていたたった一人の兄を罵るだけの傲慢で救いようのないこの女を、それでもあなたは愛し続けてくれますか。
強く噛み締めた唇から一筋の紅が溢れ出した。
もうアランとは二度と会わないだろう。
あなたの遺志を知っているたった一人の人とは訣別してしまった。だって、あの目で見つめられるのが耐えられなかったから。あなたと同じ真っ青な瞳で心の奥底を覗かれて、震えないわけがないのだから。
あなたが戻って来てくれたと錯覚してしまう。そんな自分が嫌で、彼と会うのはやめたはずだった。――なのに。
アランと私が再会するのは、それからたった三日後のことであった。
***
お詫びがしたくてやって来たというアランを見て、私は何を言えばいいのかわからなかった。
彼とは決別したはずだ。私がそれを望み、彼はそれを受け入れた。
なのにどうしてアランが私とまた顔を合わせているの?
「あなたに謝っていただくことなんて何もございません。お引き取り願いたいですわ」
単刀直入にそう言うと、傍で茶を淹れていた侍女たちがギョッと目を見開くのがわかった。
ええ、そうでしょう。相手は婚約者だった人物の兄。普通、もっと丁寧に扱うべきなのだから。
すぐに私は人払いをし、アランと二人きりになった。
あの晩を知っているアラン。彼は私のことを恨んでいたはずだ。なのにどうしてお詫びなんて。
「迷惑なのは重々承知です。それでも言いたいことが」
「――」
「申し訳ありませんでした。あの時は貴女のせいで弟が死んだと、そう言ってしまった。そんなことはないと知っていたのに」
「――。私のせいで彼は死にました。何も間違ったことなど」
「ありますッ! オランが死んだのは僕のせいなんです。僕があいつの気持ちに気づいてやれなかったからあいつは……」
突然顔を真っ赤にして叫ぶアラン。
私はそれに威圧されながら、思った。ああ――あなたがこんな風にして怒ったことなんてなかったな、と。
あなたの怒った顔も一度でいいから見たかったのに。
「誰が何と言おうと、オランを殺したのは私よ!!! 彼が海に身を投げた時、助けられたはずだった! なのに見ていた! 見ていることしか、しなかった……」
あなたが飛び込んだ時、私も同じようにして身投げしていたら良かった。
なのに私は呆然としてただ突っ立っていた。騒ぐ護衛の声を聞きながら、何をすることもなく、見ていたのだ。
――そしてあなたは死んだ。
「あの人の顔で! 声で! 目で! 私を甘やかすのはやめて……。私はあの人を殺した女なの。だからっ、だからっ」
「僕だって同じです。双子の弟を見捨ててしまったんだ。――貴女の言う通り、僕は貴女を愛していました。貴女と弟が二人で茶会をしている時に魅入られてそれ以来あなたにぞっこんだったんです」
「――っ!?」
私は息を呑む。今、彼はなんと言った?
ついていかない頭を必死で回転させて、やっと意味を理解した。その直後に沸いたのは「やっぱり」という気持ちと、怒りだった。
「あなた、最低な男ね」
「そうです。僕は貴女にうつつを抜かし、弟の苦悩を見逃してしまった」苦しそうな顔でアランは言った。「全部、僕のせいです」
「いいえ。彼が死んだのは私のせいよ。そこだけは絶対に譲らないから」
アランが世界一最低な男だとしたら、私は宇宙一最低な女。
もしも私がマシな女であったら……きっとあなたは。
だから私は私を許さない。
でもアランのことも嫌いだ。彼と会うと胸が辛くなるから。
「プロポーズはお受けできません。私は、私が死ぬまでずっとずっとあの人に全てを捧げると、そう誓ったの」
「あいつがそれを望むとでも思うんですか」
「思いませんわ。でも、これは私の勝手な償いだから」
アランは悲しそうな顔をした。
どうしてそんな表情で私の心を揺さぶろうとするのだろう? 私なんて今にも泣いてしまいそうなのに。
「アラン。お詫びの言葉も、花もいらない。だから」
しかし私が次の言葉を口にする前に、アランが口を挟んだ。
「なら一緒に弔わせてくださいよ、あいつを」
「――あなたが?」
「僕だってあなたと同罪だ。だから二人で償い、あいつを弔ってやりましょうよ、イザベル嬢」
馬鹿げた提案だった。
あなたと瓜二つの彼と一緒に過ごすなんて、私はきっと耐えられない。耐えられないとわかっていたのに。
私はどうしてか、こくりと頷いてしまっていた。
「ええ。あなたも、あの人に謝って、謝り尽くしなさいよ」
この傲慢な物言いは昔からちっとも変わりない。
あなたと過ごしていたあの日々と全く同じように意地悪に口を歪めた私に、彼はふふっと笑った。
あなたがもし傍にいたら、笑ってくれただろうか。
華々しい雰囲気の会場の中、二人の男女が向かい合っていた。
しかしその二人は決して婚約者同士ではない。それは当然のことだ。私の婚約者だったあなたは、もういない。
婚約者と瓜二つの兄と向き合うのは、やはり変な気持ちだった。
まるであなたを相手しているようであって、しかしやはりあなたではない。喋り方もあなたとは似ても似つかないのだから。ただ、私へ向けるその瞳は今日も同じに見えた。
しばらくさりげない話をしていた私たちだったが、頃合いを見計らい、私は切り出した。
「今日わざわざ、本来は彼の死を悲しむべき私がこの場にやって来た理由はわかっておいでですね?」
「僕と会うためですね?」
「はい。その通りですわ。……ずっと気になっていることがあって」
「何です?」
「あなたのその目つきです。まるで、あなたのそれはオランが私を見ていた物のように感じられるのですわ。そっくりなんです」
アラン伯爵令息が首を傾げる。
私は彼を追い詰めた。
「本当にオランが私のことを大切に思い、自殺したのだとしたら。あなたはそれを誘導したのではございませんか?」
いくら公爵家の娘とはいえ、今の発言が許されることではないくらいわかっている。
今のは遺族へ対する侮辱とも言えたろう。双子の弟を失ったアランに言っていい言葉では、断じてない。
ではどうして口にしたのか。簡単である。私の胸の中に大きな疑惑があったからだ。
アランがあなたを唆し、死を選ばせたのではないか?
私はあなたが、安易に死を選ぶような人だなんて思っていない。
あなたは強い人だった。そうでなければどうして私のような女を最期まで愛することができるだろう。
もしも、彼――アランがあなたと同じ感情を私に抱いていたら。
もしそうだとすれば、双子の兄であり、あなたに慕われていた彼があなたを誘導しても何もおかしkはない。
私との別れ話をそれとなく提案し、そして死に追い込む――。そうすれば私はアランの思いのままだ。
疑いの視線を投げかける私。対するアランはゆるゆると首を振った。
「僕を悪者にしようとしているところ悪いですが、僕はオランを死にやったりしない。……できれば守ってやりたかったんですよ、本当に」
涙を堪えるような表情だった。でも、「ではなぜ私をそんな目で見るの?」
彼は言葉に詰まった。目が泳いでいるのを私は見逃さない。
「私へ恋情を抱いていたのではなくて? オランは次男だからと公爵家に婿入りすることが決まっていたんですものね。対してあなたは婚約者がいない。さぞや弟を恨めしく思ったでしょうよ」
「――違うッ!」
「何も違わないわ。図星を突かれたからって逆上するなんてお粗末ですわ」
「そんなのじゃ、ない。僕はオランが……あいつが大好きだった! 死なせたのは貴女でしょうが! あんたがあいつを殺したくせに、何を!」
「この前は『貴女のせいじゃないですよ』って言っていたのに、やはりそう思っているのね。そうよ、きっと今私が言っているのは八つ当たりでしかないのでしょうね。――それでも」
――ごめんなさい。
私、あなたにそっくりな彼を見ると胸がムカムカして、嫌味ばかり言ってしまう。
本当はわかっている。アランがそんなことをするはずないことくらい。でもそうでも思わなければ、心が耐えられなかった。
「私をその目で見ないで。私を……イザベルを愛していいのはたった一人だけ、愛しのオランだけなのよ」
私は席を立ち、彼を振り返ることなく猛然と駆け出した。
一体自分が何をしたいのか、わからない。ただただ悲しみと怒りにまみれてどうにかなってしまいそうだった。
本当はあなたに謝って、弔って、償わなければならないのに。
あなたが慕っていたたった一人の兄を罵るだけの傲慢で救いようのないこの女を、それでもあなたは愛し続けてくれますか。
強く噛み締めた唇から一筋の紅が溢れ出した。
もうアランとは二度と会わないだろう。
あなたの遺志を知っているたった一人の人とは訣別してしまった。だって、あの目で見つめられるのが耐えられなかったから。あなたと同じ真っ青な瞳で心の奥底を覗かれて、震えないわけがないのだから。
あなたが戻って来てくれたと錯覚してしまう。そんな自分が嫌で、彼と会うのはやめたはずだった。――なのに。
アランと私が再会するのは、それからたった三日後のことであった。
***
お詫びがしたくてやって来たというアランを見て、私は何を言えばいいのかわからなかった。
彼とは決別したはずだ。私がそれを望み、彼はそれを受け入れた。
なのにどうしてアランが私とまた顔を合わせているの?
「あなたに謝っていただくことなんて何もございません。お引き取り願いたいですわ」
単刀直入にそう言うと、傍で茶を淹れていた侍女たちがギョッと目を見開くのがわかった。
ええ、そうでしょう。相手は婚約者だった人物の兄。普通、もっと丁寧に扱うべきなのだから。
すぐに私は人払いをし、アランと二人きりになった。
あの晩を知っているアラン。彼は私のことを恨んでいたはずだ。なのにどうしてお詫びなんて。
「迷惑なのは重々承知です。それでも言いたいことが」
「――」
「申し訳ありませんでした。あの時は貴女のせいで弟が死んだと、そう言ってしまった。そんなことはないと知っていたのに」
「――。私のせいで彼は死にました。何も間違ったことなど」
「ありますッ! オランが死んだのは僕のせいなんです。僕があいつの気持ちに気づいてやれなかったからあいつは……」
突然顔を真っ赤にして叫ぶアラン。
私はそれに威圧されながら、思った。ああ――あなたがこんな風にして怒ったことなんてなかったな、と。
あなたの怒った顔も一度でいいから見たかったのに。
「誰が何と言おうと、オランを殺したのは私よ!!! 彼が海に身を投げた時、助けられたはずだった! なのに見ていた! 見ていることしか、しなかった……」
あなたが飛び込んだ時、私も同じようにして身投げしていたら良かった。
なのに私は呆然としてただ突っ立っていた。騒ぐ護衛の声を聞きながら、何をすることもなく、見ていたのだ。
――そしてあなたは死んだ。
「あの人の顔で! 声で! 目で! 私を甘やかすのはやめて……。私はあの人を殺した女なの。だからっ、だからっ」
「僕だって同じです。双子の弟を見捨ててしまったんだ。――貴女の言う通り、僕は貴女を愛していました。貴女と弟が二人で茶会をしている時に魅入られてそれ以来あなたにぞっこんだったんです」
「――っ!?」
私は息を呑む。今、彼はなんと言った?
ついていかない頭を必死で回転させて、やっと意味を理解した。その直後に沸いたのは「やっぱり」という気持ちと、怒りだった。
「あなた、最低な男ね」
「そうです。僕は貴女にうつつを抜かし、弟の苦悩を見逃してしまった」苦しそうな顔でアランは言った。「全部、僕のせいです」
「いいえ。彼が死んだのは私のせいよ。そこだけは絶対に譲らないから」
アランが世界一最低な男だとしたら、私は宇宙一最低な女。
もしも私がマシな女であったら……きっとあなたは。
だから私は私を許さない。
でもアランのことも嫌いだ。彼と会うと胸が辛くなるから。
「プロポーズはお受けできません。私は、私が死ぬまでずっとずっとあの人に全てを捧げると、そう誓ったの」
「あいつがそれを望むとでも思うんですか」
「思いませんわ。でも、これは私の勝手な償いだから」
アランは悲しそうな顔をした。
どうしてそんな表情で私の心を揺さぶろうとするのだろう? 私なんて今にも泣いてしまいそうなのに。
「アラン。お詫びの言葉も、花もいらない。だから」
しかし私が次の言葉を口にする前に、アランが口を挟んだ。
「なら一緒に弔わせてくださいよ、あいつを」
「――あなたが?」
「僕だってあなたと同罪だ。だから二人で償い、あいつを弔ってやりましょうよ、イザベル嬢」
馬鹿げた提案だった。
あなたと瓜二つの彼と一緒に過ごすなんて、私はきっと耐えられない。耐えられないとわかっていたのに。
私はどうしてか、こくりと頷いてしまっていた。
「ええ。あなたも、あの人に謝って、謝り尽くしなさいよ」
この傲慢な物言いは昔からちっとも変わりない。
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