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お局様と私
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「あなた、いつも顔色悪いわよね。しっかり食べてるの? どうせコンビニばかりでしょ。私なんて、一人暮らしでも毎回自炊してるわよ。こういうのって今のうちに慣れておかないと、結婚した時に困るって言うわよね。あ、ごめんね? あなたは結婚願望とかないんだっけ?」
うちのお局様はよくしゃべる。しかも余計なことしか言わなかった。
事務職が勤続十年にもなってくると、古株同士が一緒にいるようになるのだけれど。うちのお局様は私と同類とは思われたくないらしくて、こうやって牽制というか、面倒臭い対応をしてくるのである。
お昼の長い休憩時間がちっとも楽しくない私は、近所で買った弁当の唐揚げを口に放り込む。確かに、こんな食生活はよくないと思うけれど、大きなお世話である。かといって、そういう反論をすれば、何十倍にもなって返ってくるので、私は何も言わずにただ頷くしかなかった。
なんて枯れた日々。なんだか一生、この牢獄にいるような気がして、すごく人生がつまらなく思えた。
そんなある日のことだった。
「中村先輩、爪綺麗ですね」
新入社員の一番派手な女の子が、私に声をかけてきた。彼女は湯川アイさんと言って、いつも綺麗にしていて、社内の人気もすこぶる良かった。まるでモデルさんか女優さんのような彼女がどうしてうちの会社なんかにいるのかはわからないけれど、洗練された美女を前に、私はなんとなく気後れしてしまう。
「爪、オイル塗ってるからかな?」
「どこのやつですか?」
「普通にオリーブオイルだよ」
「そんなので綺麗になるんですか?」
「私の爪が綺麗に見えるってことは、そういうことじゃない?」
「なら、一度やってみる価値はありますね」
真面目に聞く湯川さんが面白くて、私がくすりと笑っていると、そこにお局様がやってくる。こういう時、自分も仲間に入れてほしい彼女は、堂々と話題に入ってくる。
「オリーブオイルなんて、調理で使うものよ。どうせなら、A社のクリームとかがいいわよ」
お局様の田辺さんは相変わらずで、私が呆れていると、湯川さんは真面目にメモを取り始める。こういうスレてないところが、男の人に受けるのだろうか? などと考えていると、お局様の余計な一言が発動した。
「あなた、化粧がちょっとあってないわよね? 目鼻立ちがハッキリしているんだから、もっと薄化粧でもいいんじゃない? それとも男に媚びたくてそうしてるのかしら?」
(ちょっと田辺さん、言い方!)
とは思っても、口には出せない私である。新人が気分を害さないか心配していると、彼女はカラッとした笑顔で言い返した。
「男受けは多少考えてますね。じゃないと、化粧なんてできませんよ。それに、私は平凡な顔をしているから、化粧で誤魔化しているんですよ」
「男受けを考えてるのなんて、よく堂々と言えるわね。無遠慮なのをサバサバしているのと勘違いしてそうよね」
(それはお前のことだろ)
思っても、やっぱり私は口に出せなかった。だけど、お局様の攻撃にも湯川さんは一歩もひるまなくて、むしろ清々しいほどの笑顔で言った。
「私は鯖でもサバサバでもないです。でも、田辺先輩だって流行りのフェロモン香水なんかつけてるじゃないですか? それって、二万くらいするやつですよね? さすがです」
「ちょ、ちょっと!」
湯川さんの切り返しに、焦り始めるお局様。まさか、そんな大そうな香水をつけているとは、私も知らなかった。それに周囲の社員たちも面白そうにお局様と湯川さんの会話に耳を傾けていた。どうやら、このバトルを見守っているのは、私だけではないようだった。そりゃ、そうだよね。こんな会話、面白くないわけがない。
最初はハラハラしながら見守っていた私も、いつの間にか湯川さんに惹きつけられていた。なんという肝の太さ! 私はそういうの、嫌いじゃない。
そして湯川さんはさらに告げた。
「それと、その襟についてるハートのピンバッチって、カップルがつけるやつですよね? 普通は半分こしてつけるものなのに、一個まるまるつけてるのは、痛いですよ」
「な! あなた、なんてこと言うのよ!」
「いつも気になってましたが、誰も言わないので代表して言いました」
「ちょっと、あなた! あとで給湯室いらっしゃい」
「なんですかそれ。校舎裏に呼び出す不良みたいですね。私は行きませんよ。それと、その首に巻いてるスカーフですけど、ブランドの偽物を堂々とつけてるのはどうかと思いますよ? タグの色が違うし」
「な……」
周囲から巻き起こる笑い声。いつも威張ってばかりのお局様に、これでもかと攻撃する湯川さん。最初は私も笑って見ていたけれど、だんだん胸が悪くなってくる感じがした。
そして、涙を浮かべて顔を伏せる田辺先輩を見て、私は思わず湯川さんに告げていた。
「あのね、湯川さん。言いたいことはわかるけど、場所は選ばないとダメだよ。おつぼ——田辺先輩の揚げ足をとって、湯川さんは楽しいかもしれないけど、衆人環視の下で辱めるのはさすがにやりすぎだと思うんだ。これからは、こっそり言ってあげて」
私が言った途端、刺すような視線を感じた。みんな、お局様のことが嫌いなのだろう。その気持ちはわからなくはないけれど、だからって、何をしていいとも思わなかった。だから私は、ガラにもなく湯川さんを注意した。すると、周囲から「これだからお局コンビは~」と嘲笑する声が聞こえた。それでも私は、自分の言葉を撤回する気にはならなかった。
そして私がお局様に「お昼終わりますよ」と告げると、彼女はいそいそと自分の席に戻っていった。残った湯川さんは何かを言いたそうな顔をしていたけれど、私は「またね」とだけ言って背中を向けた。
その日の帰り道。コンビニに入ると、偶然湯川さんの背中を見つけた。どうやら、家が近いらしい。私はなんとなく気まずくて、そのまま去ろうとするけど、その前に目が合ってしまい、湯川さんがこちらに駆け寄ってくる。
「あ、あの! 中村先輩」
「あ、えっと……湯川さん。今帰りなの?」
「はい! 実は、中村先輩と同じマンションに住んでるんですよ」
「え? そうなの?」
「はい。だから、いつも声をかけたくて……でも、なんて声をかけていいのかわからなくて、今日は舞い上がって失敗しちゃいました」
「普通に声をかけてくれたらいいのに」
「そんなのできないですよ。中村先輩はみんなの憧れの先輩ですから」
「そんなこと、初めて言われたなぁ。ていうか、こんなところで立ち話もなんだから、あっちのファミレスでも入る?」
「いいんですか?」
「うん。昼間のことも謝りたいし」
「そんな! 私こそです!」
それから私たちは、近くのファミレスで食事をした。それで初めて知ったことだけど、湯川さんは同じ大学のOGらしい。弓道でちょっとした成績を残した私のことを、湯川さんは誇らしげに語った。湯川さんも弓道部だったそうで、私のことをよく顧問の先生から聞いたそうだ。
そして大学の話や、仕事の話に花を咲かせた私たちは、そのうち昼間の件についても話した。
「どうしてあんなこと言ったの?」
「だって、中村先輩が……いっつもいびられてたから」
「いびるというか、あれは田辺先輩のキャラなのよ」
「キャラですか?」
「そうよ。どんな物語にだって役割はあるでしょう? でも、ヴィランというほど、悪い人じゃないのよ」
「そうですか……中村先輩が言うなら、きっとそうなんですね!」
「だから、明日は優しい言葉をかけてあげてほしいな」
「……優しい言葉?」
「そう、それだけで、きっと田辺先輩は機嫌が良くなるから」
「でも、機嫌取りって疲れないですか?」
「そうかもね。疲れることもあるけど、私は田辺先輩のことが嫌いじゃないから。あの人、普段はああだけど、仕事では誰よりも頼りになるし、本当に悪い人じゃないのよ」
「そうですか……中村先輩がそう言うなら、きっとそうなんですね! わかりました」
「それ」
「え?」
「私が言うから、っていうのやめてくれない? 責任が私にふりかかるから」
「中村先輩って、意外と繊細なんですね」
「そうかもしれない。でも、湯川さんのおかげで、田辺先輩のことが嫌いじゃないってわかったから——ありがとう」
「よくわからないけど、お役に立てたなら良かったです」
きっと、誰にだって嫌なところがあって、どこまで許容できるかが問題なのだと思うけれど、私はお局様のことが意外と嫌いじゃないらしい。
お局様を言い負かしたことよりも、お局様のことが意外と嫌いじゃないとわからせてくれたことが、なによりも有り難かった。
そしてその次の日、私が言った通り、湯川さんが謝罪すると、お局様はすぐに機嫌を治した。そういう単純なところは、愛嬌だと思った。
それから私とお局様の関係に、何か変化があったわけではないけれど、前よりも今の状況が幸せに思えるようになって、会社に行くのも苦痛じゃなくなっていた。
うちのお局様はよくしゃべる。しかも余計なことしか言わなかった。
事務職が勤続十年にもなってくると、古株同士が一緒にいるようになるのだけれど。うちのお局様は私と同類とは思われたくないらしくて、こうやって牽制というか、面倒臭い対応をしてくるのである。
お昼の長い休憩時間がちっとも楽しくない私は、近所で買った弁当の唐揚げを口に放り込む。確かに、こんな食生活はよくないと思うけれど、大きなお世話である。かといって、そういう反論をすれば、何十倍にもなって返ってくるので、私は何も言わずにただ頷くしかなかった。
なんて枯れた日々。なんだか一生、この牢獄にいるような気がして、すごく人生がつまらなく思えた。
そんなある日のことだった。
「中村先輩、爪綺麗ですね」
新入社員の一番派手な女の子が、私に声をかけてきた。彼女は湯川アイさんと言って、いつも綺麗にしていて、社内の人気もすこぶる良かった。まるでモデルさんか女優さんのような彼女がどうしてうちの会社なんかにいるのかはわからないけれど、洗練された美女を前に、私はなんとなく気後れしてしまう。
「爪、オイル塗ってるからかな?」
「どこのやつですか?」
「普通にオリーブオイルだよ」
「そんなので綺麗になるんですか?」
「私の爪が綺麗に見えるってことは、そういうことじゃない?」
「なら、一度やってみる価値はありますね」
真面目に聞く湯川さんが面白くて、私がくすりと笑っていると、そこにお局様がやってくる。こういう時、自分も仲間に入れてほしい彼女は、堂々と話題に入ってくる。
「オリーブオイルなんて、調理で使うものよ。どうせなら、A社のクリームとかがいいわよ」
お局様の田辺さんは相変わらずで、私が呆れていると、湯川さんは真面目にメモを取り始める。こういうスレてないところが、男の人に受けるのだろうか? などと考えていると、お局様の余計な一言が発動した。
「あなた、化粧がちょっとあってないわよね? 目鼻立ちがハッキリしているんだから、もっと薄化粧でもいいんじゃない? それとも男に媚びたくてそうしてるのかしら?」
(ちょっと田辺さん、言い方!)
とは思っても、口には出せない私である。新人が気分を害さないか心配していると、彼女はカラッとした笑顔で言い返した。
「男受けは多少考えてますね。じゃないと、化粧なんてできませんよ。それに、私は平凡な顔をしているから、化粧で誤魔化しているんですよ」
「男受けを考えてるのなんて、よく堂々と言えるわね。無遠慮なのをサバサバしているのと勘違いしてそうよね」
(それはお前のことだろ)
思っても、やっぱり私は口に出せなかった。だけど、お局様の攻撃にも湯川さんは一歩もひるまなくて、むしろ清々しいほどの笑顔で言った。
「私は鯖でもサバサバでもないです。でも、田辺先輩だって流行りのフェロモン香水なんかつけてるじゃないですか? それって、二万くらいするやつですよね? さすがです」
「ちょ、ちょっと!」
湯川さんの切り返しに、焦り始めるお局様。まさか、そんな大そうな香水をつけているとは、私も知らなかった。それに周囲の社員たちも面白そうにお局様と湯川さんの会話に耳を傾けていた。どうやら、このバトルを見守っているのは、私だけではないようだった。そりゃ、そうだよね。こんな会話、面白くないわけがない。
最初はハラハラしながら見守っていた私も、いつの間にか湯川さんに惹きつけられていた。なんという肝の太さ! 私はそういうの、嫌いじゃない。
そして湯川さんはさらに告げた。
「それと、その襟についてるハートのピンバッチって、カップルがつけるやつですよね? 普通は半分こしてつけるものなのに、一個まるまるつけてるのは、痛いですよ」
「な! あなた、なんてこと言うのよ!」
「いつも気になってましたが、誰も言わないので代表して言いました」
「ちょっと、あなた! あとで給湯室いらっしゃい」
「なんですかそれ。校舎裏に呼び出す不良みたいですね。私は行きませんよ。それと、その首に巻いてるスカーフですけど、ブランドの偽物を堂々とつけてるのはどうかと思いますよ? タグの色が違うし」
「な……」
周囲から巻き起こる笑い声。いつも威張ってばかりのお局様に、これでもかと攻撃する湯川さん。最初は私も笑って見ていたけれど、だんだん胸が悪くなってくる感じがした。
そして、涙を浮かべて顔を伏せる田辺先輩を見て、私は思わず湯川さんに告げていた。
「あのね、湯川さん。言いたいことはわかるけど、場所は選ばないとダメだよ。おつぼ——田辺先輩の揚げ足をとって、湯川さんは楽しいかもしれないけど、衆人環視の下で辱めるのはさすがにやりすぎだと思うんだ。これからは、こっそり言ってあげて」
私が言った途端、刺すような視線を感じた。みんな、お局様のことが嫌いなのだろう。その気持ちはわからなくはないけれど、だからって、何をしていいとも思わなかった。だから私は、ガラにもなく湯川さんを注意した。すると、周囲から「これだからお局コンビは~」と嘲笑する声が聞こえた。それでも私は、自分の言葉を撤回する気にはならなかった。
そして私がお局様に「お昼終わりますよ」と告げると、彼女はいそいそと自分の席に戻っていった。残った湯川さんは何かを言いたそうな顔をしていたけれど、私は「またね」とだけ言って背中を向けた。
その日の帰り道。コンビニに入ると、偶然湯川さんの背中を見つけた。どうやら、家が近いらしい。私はなんとなく気まずくて、そのまま去ろうとするけど、その前に目が合ってしまい、湯川さんがこちらに駆け寄ってくる。
「あ、あの! 中村先輩」
「あ、えっと……湯川さん。今帰りなの?」
「はい! 実は、中村先輩と同じマンションに住んでるんですよ」
「え? そうなの?」
「はい。だから、いつも声をかけたくて……でも、なんて声をかけていいのかわからなくて、今日は舞い上がって失敗しちゃいました」
「普通に声をかけてくれたらいいのに」
「そんなのできないですよ。中村先輩はみんなの憧れの先輩ですから」
「そんなこと、初めて言われたなぁ。ていうか、こんなところで立ち話もなんだから、あっちのファミレスでも入る?」
「いいんですか?」
「うん。昼間のことも謝りたいし」
「そんな! 私こそです!」
それから私たちは、近くのファミレスで食事をした。それで初めて知ったことだけど、湯川さんは同じ大学のOGらしい。弓道でちょっとした成績を残した私のことを、湯川さんは誇らしげに語った。湯川さんも弓道部だったそうで、私のことをよく顧問の先生から聞いたそうだ。
そして大学の話や、仕事の話に花を咲かせた私たちは、そのうち昼間の件についても話した。
「どうしてあんなこと言ったの?」
「だって、中村先輩が……いっつもいびられてたから」
「いびるというか、あれは田辺先輩のキャラなのよ」
「キャラですか?」
「そうよ。どんな物語にだって役割はあるでしょう? でも、ヴィランというほど、悪い人じゃないのよ」
「そうですか……中村先輩が言うなら、きっとそうなんですね!」
「だから、明日は優しい言葉をかけてあげてほしいな」
「……優しい言葉?」
「そう、それだけで、きっと田辺先輩は機嫌が良くなるから」
「でも、機嫌取りって疲れないですか?」
「そうかもね。疲れることもあるけど、私は田辺先輩のことが嫌いじゃないから。あの人、普段はああだけど、仕事では誰よりも頼りになるし、本当に悪い人じゃないのよ」
「そうですか……中村先輩がそう言うなら、きっとそうなんですね! わかりました」
「それ」
「え?」
「私が言うから、っていうのやめてくれない? 責任が私にふりかかるから」
「中村先輩って、意外と繊細なんですね」
「そうかもしれない。でも、湯川さんのおかげで、田辺先輩のことが嫌いじゃないってわかったから——ありがとう」
「よくわからないけど、お役に立てたなら良かったです」
きっと、誰にだって嫌なところがあって、どこまで許容できるかが問題なのだと思うけれど、私はお局様のことが意外と嫌いじゃないらしい。
お局様を言い負かしたことよりも、お局様のことが意外と嫌いじゃないとわからせてくれたことが、なによりも有り難かった。
そしてその次の日、私が言った通り、湯川さんが謝罪すると、お局様はすぐに機嫌を治した。そういう単純なところは、愛嬌だと思った。
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