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二章 愛の対義語

42話 鉱山攻略

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「成程!奇跡を全員に纏う事で瘴気から体を守るのか!凄い凄い!流石2人とも!」

「フフッ、褒めても頭を撫でる事ぐらいしかできないよ、ガル」

「まあ、知っての通り奇跡は体力を消耗する。普通は一か所に行う奇跡を全身に発動しているという事は、消耗する体力はとんでもない事になっているのはお前なら分かるな?」

 魔術は魔力を消費し、奇跡は体力を使う。他人から見たら酷似している2つの力の明確な違いの1つである。

 団長と副団長には時間制限があるという事になる。それでも、一緒に戦ってくれる仲間が増えた事実は変わらない。僕はそれがうれしくてたまらなかった。

「それじゃあ、長老様。鉱山の入り口まで案内してください」

「分かりました。では、こちらへ」

 長老の部屋を出て、鉱山の入り口へと向かう。長老の部屋を出ると、ドワーフ達が希望の眼差しを僕に向けていた。いつもの事だが、期待にこたえなければいけないな・・・。

「つきましたぞ」

 案内されたのは大きな岩の前だった。きっと、瘴気が漏れ出さないように岩で出入口を塞いだんだろう。

「これは破壊してしまっても良いんですか?」

「どうぞ破壊してください。その際、私はもうこの場から離れた方が良いですよね?」

「死にたくないならな。爆破魔術の使用許可をお願いします」

「許可するわ」

「炎の昂り、破壊の象徴『ボンバー』!!」

 オルタ副団長の手の平から爆発が発生する。凡そ2mの大きさがあった岩は、粉々に砕け、足元に散らばった。その瞬間、押し寄せてくるのは灰色の霧・・・瘴気だ。

「凄い量だ・・・ガル、お前がやれ」

 現在、2人は自分の身を守る為に奇跡を使ってしまっていて、他に注力できない故に、瘴気の中で浄化の奇跡が使えるのは僕だけになる。

 鉱山から漏れてきた瘴気の量はとても多い。栓替わりをしていた岩が無くなり、窮屈になっていた瘴気がブレ洞窟の方へと進行していく。

「はぁ!!」

 その前に浄化の奇跡で瘴気を無効化。次いでに潜っている間も瘴気が集落の方に漏れないように周辺5mの瘴気を完全に浄化してみせた。

「ふう・・・これで、集落に瘴気が漏れるまでの時間稼ぎは出来ますね。その間にさっさと瘴気の穴を塞ぎましょう」

「チッ・・・相変わらず凄い浄化の奇跡だ。一瞬で人を200人殺せそうな量の瘴気を浄化するんだからな」

「にも関わらず、あんなにも元気。流石は神童ね」

「トキは大丈夫?瘴気は吸ってない?」

「うん、大丈夫」

「吸ったら遠慮なく言ってね。僕が浄化してあげるから」

 僕らはブレ鉱山の攻略に取り掛かった。
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