イアン・ラッセルは婚約破棄したい

4-4※

このままでは自身の健気な息子が爆発してしまう。

横恋慕している訳でも不倫でもないし教会に行かない限り子供は出来ない。ならば、この一回くらい気持ちい事に浸っても良いのでは？

元より前世の記憶がある為初心という訳でもない。
そう考えてしまうともう駄目だった。気持ちいい事しようと考えが傾くと、イアンは涙塗れの顔を更に涙で濡らしぼんやりとした視界にアルフレートを捕らえる。

「でんか、いきたい、いきたぃい！」
「……どうされたい？」
「俺のちんこ、触ってよぉ」

グスグスと鼻を啜りながらそう言ったイアンに、アルフレートは興奮したままニヤリと凶悪な笑みを浮かべた。

「イアン、かわいいな。出してやろう」
「ん、うん…ふっ…はやくぅ」

腰を振りつつも動かない腕を動かそうとするイアンに笑って、アルフレートはソッとイアンの中心を握る。そのまま少し扱けば三回ほどでイアンは大いに射精した。

（めちゃくちゃ気持ちいい！嵌るかもしれない……っ俺の体本気で淫乱仕様かよ！？）

はぁはぁと息を吐き出しながらも少しだけ理性が戻る。しかしムズムズした状態は治まらない。イアンは泣きながら体を捩った。

「なんでぇ……でんか、くるしい」
「殿下じゃない、アルフレートだ」
「んんーぅ、アルフレート、たすけて」

縋りつきたい腕が動かない。それだけで涙が流れた。完全なる情緒不安定な状態であるが、イアンはアルフレートに助けてお願いと繰り返す。

アルフレートは暫くその様をニヤニヤ見届けてふと何処からか小瓶を取り出し、ぬるぬるとした液体を手に広げ出した。恐らくローションだろうと思うと同時に、やはり尻たぶをぐにぐに揉まれる。それだけでも十分に気持ちが良く、イアンは喘ぎながらもふと今世で勉強させられた閨関連の事を思い出した。

「アル…レート、俺、じゅんび、してない」

回らない口でたどたどしく伝えると、アルフレートは少しだけ目を見開き初めて見る優しい顔で笑った。

「大丈夫だ。中は綺麗にしたし、これも痛くないようにするものだ」
「そっかぁ……アルフレート、いたくしないで、やさしくして」
「……あぁ、もちろんだ」

もう既にエロイ事しか考えていないイアンは頭の片隅で俺キモイ！とは思っているが、この行為を止める気は失せていた。

（どうせやられるなら、SMチックなのはやだ！出来れば優しく気持ちよくしてほしい。それなら新しい扉を開いても後悔しない、はず！）

どうせ逃げられないしなと前向きに開き直ったイアンは、全力で気持ちよくしてもらうぞと内心で意気込んでいた。何故こんなにもすんなり腹が決まったのか自身でも不明だったが、とにかく気持ちいい事がしたかった。

「あぅ！？あ、はぁっ、アルフレート！ゆっくりぃ」
「痛くないだろう？」
「う、ん……んんぅ……でも、あっ！」

ツプリと尻の穴に指を入れられてからはもう未知の気持ちよさだった。アルフレートの思ったよりも太くゴツゴツした指が、穴の中をぐるぐると広げる様に動き、ズポズポと出し入れされれば何とも言えない異物感と、妙な興奮と微かな快感に恥ずかしげもなく腰を揺らす。

アルフレートは瞳孔が開いたような目でイアンを眺めては息荒く穴を解していく。その視線が体の至るところに流れる度、ゾクゾクと言い知れぬ快楽が体を巡った。気持ちの良さに鳥肌が立ち大きく開かれた両足の先端がギュッと丸くなる。こんなはしたない格好をしているというのも、もしかしたら興奮剤になっているかもしれない。イアンははぁはぁと息を吐き出し、勝手に動く腰をそのままに欲望を口にする。

「アルフレート、ちくびもっん、おねがっあぁっ！？」

グッともう一本指が入ってきた。大きく体を揺らしビシャッと腹に温かい感覚がして薄っすらと驚く。

（ケツ弄られていっちゃった！ますます淫乱説ぅぅ！あと名前なげぇ！めんどくせぇ！）

「後ろだけでイけたな、嬉しいか？」

嬉しいかは分からないが気持ちよかったとイアンはコクコク頷く。するとアルフレートが血走った眼をしながら、乳首をペロリと舐めた。

「どう触って欲しいか言え」
「さっきみたいにして！」
「さっきとは？」
「アル、おねがっ！？ひっあぁっ！？」
「もう一回」
「おねがいっ」
「名前、もう一回」
「アル……？ぅあ゛ぁっ！」
「今後その呼び名で呼べ」

何故か勝手に省略して呼んだ呼び名が気に入ったらしい。本来王族の人間の名を勝手に省略すると不敬になるのだが、もうどうでもいいので承知で呼べば逆に気に入られるという不可思議な現象が起こった。

だがまぁいいかと命令されるたびにアルと呼ぶ。少し乱暴に、でも根気強く乳首を舐め吸われ、じわじわと快楽を拾い始めた穴を暫くそうして弄られた。