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友人の距離
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しおりを挟む「もう冬か……」
僕は窓の外を見ながら呟いた。
彰から告白されてから約三ヶ月が経とうとしていた。
僕らは相変わらず週に一度は会いスキンシップを重ねている。
彰の肉の付いた大きな手は僕の骨ばった手に良く馴染み、キスの後に見つめ合うあの時間を僕は好きになり初めていた。
だけど今週は彰が秋田へ雪山を撮りに行ってしまい、会えない。
寒そうな窓の外を見ながら僕は彰の体温を思い出していた。
彰に会いたい……。
もう週一では足りなくなりそうだった。
でもこれ以上会ってしまったら僕らの関係はさらに進んでしまいそうで怖いんだ。彰は僕にどこまで望んでいるんだろう……?
でももうこれ以上は……。
僕は考えるのをやめ、パソコンの前に座り直した。流れるようにとまではいかなくても小説家としての機能が回復し始めていた。しかし今は書こうとしても書けない。
どうして今週は会えないんだろう?
そのことで頭が一杯になってしまうんだ。これほど会いたい人ができるのはどれぐらいぶりだろう?
彰はたまに外国にも撮影に行く。行ったら数週間帰って来ないこともある。
今の僕にそれが耐えられるだろうか? 不安で仕方がない。
いやでも今回は国内だ。
そうか、それなら僕からでも簡単に会いに行けるじゃないか。
そう思ったら止まらなかった。僕はパソコンを閉じ鞄の中にしまった。
「どうした?」
彰はホテルのロビーで驚いた顔をしている。
「い、一度秋田に来てみたかったんだ」
言いながら目が泳いでしまったかもしれない。
自分でも驚く。旅行嫌いな僕が一人で飛行機に乗り、夜には秋田に着いてしまうなんて。自分の行動力に。
「あの、部屋は僕の分とったから、ちゃんと」
僕が慌ててそう言うと、
「わかった」
と言って彰が微笑んだ。
僕は彰に鞄を持ってもらい、エレベーターへと向かった。
部屋に入った途端、彰に抱きしめられた。
僕も背中に腕を回し、彰を抱きしめた。
そして体を離し、キスをした。
まるで挨拶のように自然に……。
「腹減ってないか?」
彰の嬉しそうな顔を見て僕も嬉しくなった。
「いや、それより秋田ってやっぱり寒いね。お風呂に入りたい」
「そうか。じゃあ風呂から出たら食べられるもの買ってくるから」
「うん」
彰が部屋から出ていくと僕は服を脱ぎ、ユニットバスに湯を溜めて入った。
温かさに体がほぐれる。彰の笑顔を思い出してまた嬉しくなった。ここに来たことは正解だったのだと思った。
僕はたっぷり湯に浸かってから浴室から出ると彰は既に帰っていてベッドに座りテレビを見ていた。
僕は替えの服を出すのが面倒臭くて備え付けの部屋着を着た。上下一箇所ずつ紐で結んで留めるタイプの生地の薄いパジャマだ。
袖の裾の丈が少し短い。彰が振り返ってそんな僕を見てフフッと笑った。
僕は彰の隣に座った。初めて来た場所だと違和感を感じてしまうけど彰がいれば安心する。彰がいればそこは僕の場所だと感じる。
久し振りに会ったから距離を縮めたくて彰の肩に頭を乗せてみた。
彰は僕の顔を覗きこみ、おでこへそっとキスをし、そして頬から唇へとキスをした。
何度も軽いキスを重ねながら彰の右手が僕の頬を触り、強く唇を押し付けられた。
優しい手と唇の感触に僕は思わず息を漏らしてしまう。
待っていたように開いた唇の中に彰の舌が入ってきた。確かめるように舌はためらいがちに動く。
「……んっ」
僕はいつのまにか彰の首に手を回し、彰は僕の腰に手を回していた。
それはお互いの表面をなぞるような静かなキスなのに頭が真っ白になる程気持ちがいい……。
僕は徐々にベッドに倒れ、彰は僕の上に乗った。キスをしつつ服の上から上半身を撫でられる。そして唇を離し、彰が言った。
「駄目ならすぐにやめるから」
彰の心配そうな目に僕は何も言えなくなる。
ここまで来たのは僕なのに拒否するなんてできるわけがない。
そして今度は舌を深く差し込まれ、素肌に滑り込んだ彰の手の感触を感じる。
両方の脇腹を触られ体が捩れるが口が塞がれて声が出せない。
手が徐々に脇腹から胸へ上がってくるのを感じぞわぞわとする。
舌を思う存分貪られながら乳首を優しく摘ままれた時には思わず小さくのけぞってしまった。
彰もそれに気が付いたのか、唇を離れた舌は首すじを通り、今度ははだけた上着の隙間から乳首に吸い付いた。
片方を舌で弄られ、もう片方を指で弄られる。
「……んっ! ……んっ! ……んっ! ……」
そんなところにそんなことされたのは初めてだからか、彰の舌が柔らかすぎるからか、僕は我を忘れそうになほど彰の下で悶えた。
下を見ると彰が舌の先で乳首を転がしながら僕を見ている。
それはとても卑猥な光景で、僕はさらに興奮した。
彰がズボンのヒモに手をかけたのがわかった。
僕はもう小さな万歳をするように顔の横に手を置き、子猫のように降伏体勢だった。
下着も一緒にゆっくりと下ろされ、足から引き抜かれた。
僕は恥ずかしくて目が開けられない。
僕の興奮したペニスを親友の彰に見られていると思うと恥ずかしくてたまらない。
しかし柔らかい彰の手に包まれ、優しく上下に動かされると焦れったくてやっと僕は目を開けた。
彰は僕を見ながら速度や動きを変え、湖畔で船を漕ぐように僕を巧みに操る。自分でするよりも彰の手でされる方がより感度が増すのだとわかった。僕は彰の行きたい方向へと進んでいくだけだ。
「……んぁっ……あっ……!!」
僕の反応が大きくなると彰は僕に口づけをし、僕をあっという間に絶頂まで誘った。
僕は自らの腹に精子を放った。
しばらく目をつむり、息が整うのを待つと、部屋の中を静かな時間が過ぎた。
「……征?」
彰は優しく僕の髪を撫でてくれる。僕は目を開け彰を見た。
見つめ合う。
「…………」
この二人の間に流れるこの空気にぴったりの言葉がたしかあるはずなのに、絶頂を迎えたばかりの僕の頭ではなんだったか思い出せない。
「……お前は?」
彰が望むなら僕は彰に同じことをするつもりだぅた。
彰が優しく笑う。
「俺はいいよ。シャワー浴びてこい」
そう言って僕の腕を掴み起き上がらせた。
シャワーを浴び、部屋に戻ると彰は居なかった。
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