【完結】最後は貴方と

仲村 嘉高

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09 :王太子 Ⅱ 18歳

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 いきなり床が光ったと思ったら、いきなり女が現れた。
 今まで見た事も無い肌の色に、不思議な髪色。
 なぜ裸なのかは判らないが、その体が極上なのはよく判った。

 なぜ胸があれほど大きく、形良く天を向いている?
 腰も細いが、今までの女みたいに歪な細さでは無い。
 人が大勢居る場なのに、俺の股間は熱を持って大きくなった。

 同じような者が多く居たようで、男達の腰が妙に引けている。
 女の上気した頬や虚ろな目、体に浮かんだ汗も情事を想像させた。



「ちょ、なんだよここ!見てんじゃねぇよ!」
 とても令嬢とは、いや、貴族とは思えない口調で女が怒鳴った。
 胸を隠して蹲るが、膝から下を床につけた状態だから、尻を向けたこちら側にはあらぬ所が丸見えである。

 警備の騎士が駆け込んで来て、女を無理矢理立たせようとした。
「何すんだよ!やめろよ!まずバスローブかバスタオル持って来いよ!」
 女は片手で胸を隠し、もう片手で抵抗する。
 何を言っているのか、意味が理解出来なかった。


 聖女召喚。


 突然頭にひらめいた。
 見た事の無い容姿に、意味の解らない言葉。
 言葉は通じるのに、女の言う物を理解出来ない。
 あのクビになった魔法使いが「聖女は別の世界から来るので、私達の知らない物を知っているのです」と言っていた。

 この女は、別世界から召喚された聖女だ。

「この者を俺の部屋へ」
 女に上着を掛けてやりながら言う。
「!?……しかし」
 騎士が戸惑った顔をする。
 もし仮に聖女じゃなかったら、抱き潰して牢屋に入れるだけだ。
 何も問題は無い。

「大丈夫だ。俺のベッドには特別な魔法が掛けてある」
 ハニートラップや閨での暗殺に備えて、命の危険を察知したら相手を殺す魔法が掛けてあるのだ。

 俺の意図を理解したのだろう。
 頷いた騎士は、女を会場から退場させた。


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