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第41話:神様という存在
しおりを挟む神様は、やはり神様で、情け容赦無かった。
力無く座り込んでしまった王家の人達とか、キーキー喚いているアモローサとか、全然眼中に無いの。
私と、私の周りの人達を瞬間移動で公爵邸までチョチョイと運んでくれた。
勿論、馬車と馭者もね。
その辺は抜かりありません。
そして、もう第二王子を木乃伊にした事なんか、記憶から削除しちゃったんだろうなぁ。
今は女神様と一緒に私のパーティードレスを見て、『凄いな。この布とか想定外だ』とか『人間の探究心って半端無いわぁ』なんて、変な感心の仕方をしている。
どうでも良いので、そろそろ出て行ってください。
私もパーティー準備が有るんですよ!
卒業式には来なかったけど、公爵家でのパーティーには、バージルとバーナビー王子も参加した。
騎士服は、やはり実用的なしなやかな筋肉と、しっかりした骨格があってこそよね。
何て思ってしまってる私。アイリス様に毒されたのかもしれない。
「明日は、侯爵邸でパーティーだっけ?」
カナッペを一気に2個も口に放り込みながら、バージルが聞いてくる。
同じ味でも、1個ずつ食べなさいよ。
「明後日ですよ。1ヶ月後には、グルーバー辺境伯邸でのパーティーです」
「あー。アンブローズが張り切ってたわ。義妹と婚約者を祝えるって、山狩りしそうな勢いで」
何を狩るの?てか、気が早過ぎる!
肉が腐るわ!
「合同結婚式の準備も、俺だけ蚊帳の外だし」
いやいやいや!自分の結婚式だし!
そこは頑張って主張しなさいよ!
ドレスや飾り付けなどは女性が決めるけど、段取りとか演出とかは男性なんだからね!?
1年後に、合同結婚式を行う事が決まったのは、私とバージルの婚約が決まってすぐだった。
元々、バーナビー王子とマーガレット様と、アンブローズ様とアイリス様の結婚式を、合同でしてはどうかとの話は出ていたらしい。
国内の招待客が殆ど被っているからだとか。
そこに、私とバージルの結婚である。
アンブローズ様と私は義理とはいえ兄妹なので、招待客は同じ。
そして隣国の辺境伯家嫡男のバージルと、バーナビー王子の招待客も被る人が多いとか。
普通なら警備とか防衛とかの面で、躊躇するところだ。
先の合同結婚式も、そこが解決出来ずに計画が頓挫していたらしい。
そこに聖女の私ですよ!
もしもこの合同結婚式を邪魔しようものなら、その人どころか一族郎党、下手したら住んでる領地が滅ぶわ。
神様って、気に入らない人には容赦無いからね。
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