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「制服をのはフローラ メルデス子爵令嬢なのですか!?」
 サンドラの口から発せられた言葉に、私の心は凍りつきました。
 前回の人生で、サンドラもあの女に人生を壊されていたのです。
 今回も同じにはまってしまっているので、サンドラも前回の記憶はないのでしょう。
 私とは関わりがないので当たり前かもしれません。
 それでも同じ被害者。
 今回の人生は、絶対に幸せになりましょうね。


 子爵家には、フローラが起こした事件をしたためた書状と共に、彼女の荷物を全て送り付けました。
 勿論、制服の代金と慰謝料も請求しております。
 侯爵家と公爵家の連名で送ったので、拒否は出来ないでしょう。
 ただし、制服は今着ている物以外は処分されました。
 当然です。侯爵家が用意した制服を子爵令嬢が着るなど、ありえません。例え、代金を払っていてもです。

 使用人用の馬車で登校したフローラ。
 帰りは迎えが来ない事は予想しているでしょうが、子爵家からの迎えが来ている事には驚くでしょうね。
 前回はその辺はどうだったのでしょう?
 知りようが無いのですが、気になります。


 入学式の席に座ります。
 前回は王太子の婚約者として、王族席へと座っていました。
 きちんと交流をして、関係を築いていた……と思っていたので、特別席にいる自分が誇らしかったのを覚えています。
 今となっては、単なる牢獄に囚われた哀れなだったとしか思えませんが。
 まぁ、その地位だけは今回も頂きますけれどね。

 サンドラとカレーリナと共に席に着きます。
 明確な席が決まっているわけではありませんが、公爵家と侯爵家、そして侍女が一緒にいる事は不自然ではありません。
 本来なら、ここにフローラもるべきなのですが、当然りません。
 もっとも、今更来ても私が座らせませんが。
 今頃は自分の爵位に合った席に座っているのでしょう。
 本来侍女は、仕える家の令嬢と一緒に行動するはずなのに、見習いとはいえ単独行動しているフローラ。
 彼女はサンドラが入学式に間に合わないとのですね。



 私達が席に着いて程なくして、王太子が到着しました。
 私の方を睨んだ気がしますが、私はそれに気付いてはいないのです。
 何故なら私は、今日は貴方が迎えに来ることを知らなかったので、友人と一緒に登校したのですから。怒られる覚えがないのです。
 王族席に動きがあったので、さも今気が付いたかのように立ち上がって簡易なカーテシーをする。
 隣のサンドラとカレーリナも同じように挨拶をした。


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