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復讐実行の章 ※センシティブな内容となります
32:『マリーズ』の初夜
しおりを挟む介添人である魔女に誘導されベッドまで行ったマリーズは、結婚式のベールを短くしたような物を被り、顔が殆ど見えない。
歩き方が妙にぎこちないが、初夜で緊張しているように見えなくもない。
夜着は初夜らしく、透けているけれどあまり肉感的では無く、絶妙に男心を刺激しそうだ。
「あら。客観的に見ると、私は本当にお胸が大きいのね」
ベッドに横たえられるマリーズを見ながら、隣の部屋のマリーズが呟く。
魔女は具合を確かめるように両手でマリーズの胸を揉み、満足そうに頷いて掛布を掛けた。
「さすが魔法使い。抵抗が凄かったわ」
寝室から退出した魔女が、弟子を伴って部屋へ帰って来た。
「ベールはその為ですの?」
マリーズが質問すると、魔女はカラカラと笑う。
「あれはただ単に旦那の趣味さ」
よく判らないわ、とマリーズが言うと、魔女も「私もさ!」と更に笑った。
その後、ジスランが再度入室し、ベッドにマリーズが居る事を確認すると、ニヤリと笑ってベッドへ向かった。
服の上から胸を揉み、下着の上から股間をまさぐり、ベールの上からくちづけをする。
一通り、余す事なく全身を堪能してから、体に纏っていた布を全て取り払う。
そして同じように全身を蹂躙した。
本来ならば蹂躙では無いのだろうが、ベッドに居るマリーズは本気で抵抗している魔法使いである。
魔法で制限されている中で、頑張って抵抗している。
それがジスランを煽り、余計燃え上がらせているのだから皮肉である。
前回は殆ど前戯も無く挿入され、挿入されている間はやたらと胸を揉まれ、舐められた事を思い出し、マリーズは鳥肌を立てる。
愛している相手におざなりに抱かれるのと、愛してもいない相手に執拗に抱かれるのは、どちらの方が苦痛だろうか?
目の前の痴態を眺めながら、マリーズはそんな事を考えていた。
「そういえば、魔法使いは無言なのですか?」
突然マリーズが魔女に問い掛ける。
「いや、ここに聞こえてないだけ凄い罵倒しているよ。と言うか、何を言っても喘ぎ声か旦那の望む台詞に聞こえるように魔法が掛かってるけどね」
「あらあら、それはまぁ……」
マリーズは苦笑した。
「長くて飽きてしまいました。寝ても大丈夫かしら……」
マリーズが欠伸を噛み殺す。
結婚式の準備で早起きだったのだ。
「あぁ、良いよ。事が終わって旦那が部屋を出て行ったら起こしてやるよ」
魔女がマリーズの頭を撫でる。
弟子が部屋の中のベッドへマリーズを誘導する。
半分眠りながら手を引かれ、マリーズは「あら、さっきのマリーズみたいだわ」と呟く。
その声を聞いて弟子の顔が真っ赤に染まった事になど、マリーズは気付かない。
マリーズとは違い、マリーズはベッドに入ってから朝まで熟睡した。
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