王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第2章

バグという上位悪魔sideアドルファス

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ルナイスが攫われて2日目。





マルコシアスという名の悪魔が協力をしてくれるだろうと言っていたバグという悪魔が姿を現した。



「この度は同胞が大変迷惑をかけた。すまない。責任を持って奴を捕らえ、貴殿等の子は必ず返すと約束する。話を聞き既に貴殿の子の傍へ我が眷属を向かわせている。明日には夢世界への強制介入もできよう。貴殿等の子の精神を壊さぬよう最善の状態で介入せねばならん。対応が遅く申し訳ないが堪えてくれ。」


バグと呼ばれる悪魔は上位悪魔というだけあって、存在自体に重い圧を感じる。

無条件に従ってしまうような威圧にぐっと歯を食いしばる。





「バグ殿、少し魔力を抑えて貰わないと今の状態では敵意を感じさせてしまいます。」

ぐっと身構えた父上やヒル侯爵の前にマルコシアスが立ち、バグにそう言うとあぁっという顔をした後、直ぐに先ほどまで感じていた威圧感がなくなった。




「すまない。人間と対話するのは数百年ぶりでな…忘れていた。」


「うっかりさんですねぇ。」


「黙れ。」




謝罪をしたバグに茶々を入れたマルコシアスへすかさず重たい拳がみぞおちに入っていたが、痛いですっと言うだけでダメージを受けた様子のないマルコシアスを見て、やはり彼も只者ではないと確信する。












それからはバグを含め、話し合った結果


ルナイスは魔界の骸爆がいばくの森の洞窟の地下深くで眠らされているということが分かった。



そこには夢魔と夢魔と契約をした聖魔法を使う人間の娘が居るということをルゲイエ殿から、それがルナイスが言うにはロロア・ジョーズ子爵令嬢なのではないかという事。

ヒル侯爵が直ぐに確認を取り、ジョーズ令嬢は2日前から姿を眩ませていることが確認できたことから聖魔法を扱い夢魔と手を組んでいる人間がロロア・ジョーズ令嬢で間違いないだろうということだ。






「ロロア・ジョーズと言えばノヴァ殿に陶酔していることで有名ではなかったか?」

途中から合流していたヒューがそう言って私を見る。


言われて記憶を探り、確かにそう言った話を耳にしたことがあったと頷く。




アーナンダ国随一の魔法使いであり、容姿も優れているノヴァは学園に通っておらずともどこかしらで見かけたご令嬢達の注目の的である。

ルナイスのことでアーバスノイヤー家が以前よりも頻繁にノヴァを街へ呼び寄せるので、ここ数年で余計に令嬢達の間でノヴァのことが話題となっていた。




そんな話の中で、ジョーズ子爵令嬢がノヴァに陶酔しており国王に呼ばれ王都へ訪れる度にノヴァに接触し、他に近づこうとする者を過剰に攻撃しているようだという噂を耳にしたことがあった。







「一人…やたらと親し気に話をかけて来る者がいるとは思っていたが……公爵様、申し訳ございません。」


私たちの会話で思い当たった人物がいたようで、ノヴァは気落ちした様子で父上へ頭を下げた。



「ノヴァ…謝ってはならない。これはジョーズ子爵令嬢が自分の欲望の為に暴走し起こしたことだ。お前が謝ってしまえばお前がルナイスを傷つけたことになる。私はお前がルナイスを好んで傷つける人間ではないと認識しているが…私の認識は間違っているか?」



「…いいえ。…私は誓ってルナイスを傷つけるようなことはしません。」




「ならば謝ってはいけない。」




「はい。」






父上の言葉にノヴァは伏していた瞼を開き、力強くそして静かに父上を見つめた。

そんなノヴァの様子に父上も力強く頷き、話は夢の世界に囚われているルナイスを目覚めさせる方法についてに変わった。








side end


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