王家の影一族に転生した僕にはどうやら才能があるらしい。(完結)

薄明 喰

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第4章

くだらない質問だった

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談話室に移った僕達は、話がしやすいようにソファで隣り合って座ることにした。



「はぁ…ノヴァが婚約者になるだなんて驚きだ。今になって心臓がドクンドクンしてて…一旦落ち着く時間を貰ってもいい?」


座ってから改めて、ノヴァと婚約したのだと思い今更心臓が五月蠅く、そして力強く脈打ってて呼吸が乱れだしたので、落ち着く時間を下さいと言えばノヴァは苦笑いしながらも好きなだけゆっくりしていいって声をかけてくれた。




前世とは異なって、同性同士での結婚はこの世界では誰も疑問を抱かないほど当たり前のことだ。

だから、僕がノヴァのことを好きだと自覚し、少なくともノヴァから嫌われてはいないし、もしかしてノヴァも僕に好意を持ってくれているのでは?と思ってからノヴァに気持ちを伝えるつもりではいた。






近年社交の場等に出る機会の増えたノヴァは数多くのご令嬢、ご子息から熱い視線を向けられていた。


爵位は低いし、一代限りだけど、魔術に優れ表彰されるような魔導具をいくつも生み出してきたノヴァの伴侶となれば結婚してからもその先も安泰間違いなし。

当主にならない者からすれば、隙あらば食いつきたいほどに優良物件なわけだ。






近頃ノヴァ宛の釣書が山のように届いていることは知っていたので、卒業までまたずに交際を申し込まなくてはっと思っていた時に婚約を告げられた。


願ってもない嬉しい申し入れだが、如何せん心の準備ができなていなかった。



とーさまから圧力がかかって…とーさまへの恩義で…などと、色々疑ったけれど婚約の話を聞いた瞬間、飛び跳ねたいほど嬉しかったのだ。





「ふぅ…ん。ごめんノヴァ。落ち着いた。」


「ふふ…ん。ならご当主様の言う通りこの先のことを話し合おう。」



最後にお茶を流し込んで、息をひとつ吐き出してから落ち着いたことをノヴァにお知らせすれば、ノヴァは楽しそうに笑って頷いてくれた。
















まず僕は将来裏家業を継ぐことをノヴァに伝えた。

ノヴァもそれとなくとーさまから聞いていたようで、特に驚いた様子もないし裏家業がどういったものか知っているようだった。




「とーさまとも話して僕はたぶんこの仕事が向いているからって……嫌悪感とか…その…」


「ない。俺は既に他者を手に掛けたことがある。そのことに心を痛めたこともないような人間がそのことでルナイスを嫌うことはない。そもそもそんなことで嫌うなら始めから婚約を申し込まない。」



もごもごと言い淀む僕にノヴァがビシッと言ってくれてほっと息をつく。


人を殺めることもある仕事に向いている…だなんて、人によっては恐怖でしかない。
この時代では冒険者や騎士団など、時には他者を殺める公的機関があっても、それに嫌悪感を感じる者は一定数いるようだし…と心配したのだが、ノヴァの言葉にそりゃそうかっと、くだらない質問をしたのだと気が付く。





「表向きには魔導研究所に務めてることになるだろうって。あ、そう言えば…ノヴァも魔導研究所に所属させるかってとーさまが言ってたけど、聞いてる?」


「…初耳だが。…まぁ王家の犬としていいように使われるよりは、きちんと所属を明確にした方がいいのは分かる。ルナイスと婚約した今なら尚更に。」




話の途中で思い出して聞いてみれば、やっぱりとーさまからお話を聞いていなかったみたい。

まぁ…僕の入所と同時にノヴァも魔導研究所に所属させたらどうかって言ったのは僕なんだけどね。




魔導具造るの好きっぽいし、魔法得意し、実はオリヴァーからも頼まれてたんだよね。

造りたい魔導具を造るのに大量の魔力と繊細な技術が必要だからって。


ノヴァが入所したら色々手伝わされるだろうなーっと思いながらも、オリヴァーから頼まれたことはノヴァには言わないでおく。





入所した後のノヴァの反応を見るのが楽しみだなぁ








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