288 / 425
第4章
龍神様との交信
しおりを挟む
東の地へはファクター公爵と国から立ち入りの許可を得て、僕達だけで向かった。
というのも、まだ新たに立法された法律への対処にアーナンダ国を始めとした各国が右往左往しているので僕達につけられる人員が一人もいなかったのだ。
元々案内は必要としていなかったので僕達としては問題ないどころか、寧ろ気楽に移動できる分良かった。
東に建てられた神殿についてはホルス様が場所を知っていたので迷うことなく辿り着くことができた。
「ふむ…龍神はルナイスとじっくりと話をしたいらしい。我等は一度神殿を出るぞ。」
神殿に入ってしばらく、全員でとりあえず挨拶をしたところで目を閉じしばらくじっと止まっていたホルス様はそう言うとさっさと神殿から出て行ってしまった。
龍神が望んでいるとあらば逆らうのは良くないのでノヴァもヨハネスも渋々後に続いて出ていく。
どうしたらいいんだろうっと思いながらとりあえず目を閉じて神殿の中央で跪いてみる。
『ルナイス、聞こえるな。』
『はい。』
これでいいのだろうかっと思っていると不意に頭に龍神様の声が響いた。
何度聞いても不思議な感覚だが、不快感はない。
『なかなか訪れぬので覗いてみれば、何やらやっているようで我との約束なぞ忘れておるのではないかと心配しておったが…覚えていたようで安心したぞ。』
龍神様の言葉にへへっと笑ってごまかす。
ちょっと忘れていたことは秘密だ。
『して、我がルナイスに神殿に出向くように言った理由であるが…まず壱に神殿を通じた方が交信が安定する。弐に主等に迷惑をかけた馬鹿のことだが、最高神の厳重な監視下にあるので今の所は害はないであろう。参に我の加護について説明をしておこうと思ってな。』
龍神様が教えてくれたことにうんうんっと頷きながら聞いていたら、ずっと不明瞭であった加護について教えてもらえるっということで背筋が伸びるし聴覚も敏感になる。
頭に直接響いているから聴覚敏感にしても意味ないのだけど…
『大体は分かっているようだが、まずドラゴンや竜に好かれ庇護されそして対話ができるようになる。お主は前の世界から魂を我が引っ張ってきた為、我との交信ができるがそれは特殊なことだ。ドラゴンの中にはノワールのように稀に我と交信を取れるものがおり、その者を通じて我がこの世にほんの少しばかり関与することができておる。』
『ノワール…ですか?』
『おぉ…そうか。お主は確かぁ…ホルスという名で呼んでおったな。』
聞き慣れないドラゴン名に首を傾げれば、まさかのホルス様のお名前だった。
そういえば以前ホルス様の正式なお名前を聞いたことがあったけれど、すっかり忘れてしまっていた。
尊いホルス様の名を忘れるなど…一生の恥じである!
『ほんにお主はノワールの容姿を好いておるのぉ。まぁ、それは良い。加護には今述べたもの以外の力もある。それは自己再生能力が高いこと、そしてドラゴンしか使えぬ力を使えるということだ。しかし人の身であるお主には負担が大きい。命の危機に瀕した時のみ使用することを勧める。』
自己再生能力が高いという事はホルス様から聞いていたけれど…ドラゴンしか使えない力とは?
文献で読んだこともないし、ホルス様から聞いたこともなければ見たこともない。
『龍神様。ドラゴンしか使えない力とはどんなものですか?』
『うむ。そうさな…国一つ亡ぼすことのできる終焉の吐息と呼ばれる力だ。神力の混じった炎と光、闇の煙のようなものだな。ルナイスが想像しやすいので言えば…ドラゴンが大きな火球を口から吐きだす力があるであろう?あのようなものだ。』
聞いてみたらとんでもない力だった。
唖然として何も言えない僕に構うことなく龍神様はどんどん話を進めていってしまう。
『まぁ、力が強すぎて生態系を壊してしまうでな…ドラゴン達も滅多にこの力は使わん。』
正直そんな人が持つには強力すぎる力なんて要らない。
要らないんだけど、龍神様は楽しそうに笑っているから要らないですって言えない。
それに…使う事が無くても使えて困ることはない。
使えることが他者に知られると困るけど…
というのも、まだ新たに立法された法律への対処にアーナンダ国を始めとした各国が右往左往しているので僕達につけられる人員が一人もいなかったのだ。
元々案内は必要としていなかったので僕達としては問題ないどころか、寧ろ気楽に移動できる分良かった。
東に建てられた神殿についてはホルス様が場所を知っていたので迷うことなく辿り着くことができた。
「ふむ…龍神はルナイスとじっくりと話をしたいらしい。我等は一度神殿を出るぞ。」
神殿に入ってしばらく、全員でとりあえず挨拶をしたところで目を閉じしばらくじっと止まっていたホルス様はそう言うとさっさと神殿から出て行ってしまった。
龍神が望んでいるとあらば逆らうのは良くないのでノヴァもヨハネスも渋々後に続いて出ていく。
どうしたらいいんだろうっと思いながらとりあえず目を閉じて神殿の中央で跪いてみる。
『ルナイス、聞こえるな。』
『はい。』
これでいいのだろうかっと思っていると不意に頭に龍神様の声が響いた。
何度聞いても不思議な感覚だが、不快感はない。
『なかなか訪れぬので覗いてみれば、何やらやっているようで我との約束なぞ忘れておるのではないかと心配しておったが…覚えていたようで安心したぞ。』
龍神様の言葉にへへっと笑ってごまかす。
ちょっと忘れていたことは秘密だ。
『して、我がルナイスに神殿に出向くように言った理由であるが…まず壱に神殿を通じた方が交信が安定する。弐に主等に迷惑をかけた馬鹿のことだが、最高神の厳重な監視下にあるので今の所は害はないであろう。参に我の加護について説明をしておこうと思ってな。』
龍神様が教えてくれたことにうんうんっと頷きながら聞いていたら、ずっと不明瞭であった加護について教えてもらえるっということで背筋が伸びるし聴覚も敏感になる。
頭に直接響いているから聴覚敏感にしても意味ないのだけど…
『大体は分かっているようだが、まずドラゴンや竜に好かれ庇護されそして対話ができるようになる。お主は前の世界から魂を我が引っ張ってきた為、我との交信ができるがそれは特殊なことだ。ドラゴンの中にはノワールのように稀に我と交信を取れるものがおり、その者を通じて我がこの世にほんの少しばかり関与することができておる。』
『ノワール…ですか?』
『おぉ…そうか。お主は確かぁ…ホルスという名で呼んでおったな。』
聞き慣れないドラゴン名に首を傾げれば、まさかのホルス様のお名前だった。
そういえば以前ホルス様の正式なお名前を聞いたことがあったけれど、すっかり忘れてしまっていた。
尊いホルス様の名を忘れるなど…一生の恥じである!
『ほんにお主はノワールの容姿を好いておるのぉ。まぁ、それは良い。加護には今述べたもの以外の力もある。それは自己再生能力が高いこと、そしてドラゴンしか使えぬ力を使えるということだ。しかし人の身であるお主には負担が大きい。命の危機に瀕した時のみ使用することを勧める。』
自己再生能力が高いという事はホルス様から聞いていたけれど…ドラゴンしか使えない力とは?
文献で読んだこともないし、ホルス様から聞いたこともなければ見たこともない。
『龍神様。ドラゴンしか使えない力とはどんなものですか?』
『うむ。そうさな…国一つ亡ぼすことのできる終焉の吐息と呼ばれる力だ。神力の混じった炎と光、闇の煙のようなものだな。ルナイスが想像しやすいので言えば…ドラゴンが大きな火球を口から吐きだす力があるであろう?あのようなものだ。』
聞いてみたらとんでもない力だった。
唖然として何も言えない僕に構うことなく龍神様はどんどん話を進めていってしまう。
『まぁ、力が強すぎて生態系を壊してしまうでな…ドラゴン達も滅多にこの力は使わん。』
正直そんな人が持つには強力すぎる力なんて要らない。
要らないんだけど、龍神様は楽しそうに笑っているから要らないですって言えない。
それに…使う事が無くても使えて困ることはない。
使えることが他者に知られると困るけど…
693
あなたにおすすめの小説
王子のこと大好きでした。僕が居なくてもこの国の平和、守ってくださいますよね?
人生2929回血迷った人
BL
Ωにしか見えない一途なαが婚約破棄され失恋する話。聖女となり、国を豊かにする為に一人苦しみと戦ってきた彼は性格の悪さを理由に婚約破棄を言い渡される。しかしそれは歴代最年少で聖女になった弊害で仕方のないことだった。
・五話完結予定です。
※オメガバースでαが受けっぽいです。
【完結】『妹の結婚の邪魔になる』と家族に殺されかけた妖精の愛し子の令嬢は、森の奥で引きこもり魔術師と出会いました。
夏灯みかん
恋愛
メリルはアジュール王国侯爵家の長女。幼いころから妖精の声が聞こえるということで、家族から気味悪がられ、屋敷から出ずにひっそりと暮らしていた。しかし、花の妖精の異名を持つ美しい妹アネッサが王太子と婚約したことで、両親はメリルを一族の恥と思い、人知れず殺そうとした。
妖精たちの助けで屋敷を出たメリルは、時間の止まったような不思議な森の奥の一軒家で暮らす魔術師のアルヴィンと出会い、一緒に暮らすことになった。
王太子殿下のやりなおし
3333(トリささみ)
BL
ざまぁモノでよくある『婚約破棄をして落ちぶれる王太子』が断罪前に改心し、第三の道を歩むお話です。
とある時代のとある異世界。
そこに王太子と、その婚約者の公爵令嬢と、男爵令嬢がいた。
公爵令嬢は周囲から尊敬され愛される素晴らしい女性だが、王太子はたいそう愚かな男だった。
王太子は学園で男爵令嬢と知り合い、ふたりはどんどん関係を深めていき、やがては愛し合う仲になった。
そんなあるとき、男爵令嬢が自身が受けている公爵令嬢のイジメを、王太子に打ち明けた。
王太子は驚いて激怒し、学園の卒業パーティーで公爵令嬢を断罪し婚約破棄することを、男爵令嬢に約束する。
王太子は喜び、舞い上がっていた。
これで公爵令嬢との縁を断ち切って、彼女と結ばれる!
僕はやっと幸せを手に入れられるんだ!
「いいやその幸せ、間違いなく破綻するぞ。」
あの男が現れるまでは。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
誰よりも愛してるあなたのために
R(アール)
BL
公爵家の3男であるフィルは体にある痣のせいで生まれたときから家族に疎まれていた…。
ある日突然そんなフィルに騎士副団長ギルとの結婚話が舞い込む。
前に一度だけ会ったことがあり、彼だけが自分に優しくしてくれた。そのためフィルは嬉しく思っていた。
だが、彼との結婚生活初日に言われてしまったのだ。
「君と結婚したのは断れなかったからだ。好きにしていろ。俺には構うな」
それでも彼から愛される日を夢見ていたが、最後には殺害されてしまう。しかし、起きたら時間が巻き戻っていた!
すれ違いBLです。
初めて話を書くので、至らない点もあるとは思いますがよろしくお願いします。
(誤字脱字や話にズレがあってもまあ初心者だからなと温かい目で見ていただけると助かります)
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する
135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。
現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。
最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる